反転授業形式のオンラインライブ講義「電気振動・交流ゼミ」
田原です。
2013年8月23日22:00-23:30で、反転授業形式のオンラインライブ講義を行いましたので、ご報告します。
僕の運営している物理ネット予備校では、受講者が全国に分散しているため、リアルの教室に集まることができないため、反転授業を従来の方法で導入することができません。
そこで、リアルの教室の代わりに、WizIQなどのオンラインルームでアクティビティをやっています。
オンライン反転授業を行うための準備としては、次のことを行いました。
(1)受講者は、ThinkBoardで作成した予習動画80分を事前に受講する。
Macやスマホでも見れるように、ThinkBoardファイルをmp4動画に変換し、Youtubeにもアップしておく。
(2)オンラインルームWizIQのライブクラスを作成し、URLを参加者にメールで送り、決められた時間にログインしてもらう。
(3)WizIQのオンラインホワイトボードは、少し書きにくいので、解答などはあらかじめ作っておいて、アップロードしておく。
(4)物理現象の動きを示すシミュレーション動画も作成し、Youtubeにアップしておく。
今回は、物理ネット予備校の有料会員約500名の中から、希望者のみが参加しました。
予習動画のダウンロード数は70ほど。ライブ講義への参加は40名ほどでした。
授業の最初にWizIQのリアルタイムアンケートで「予習動画について」の質問をしたところ、
1)簡単だった 25%
2)難しかった 40%
3)見ていない 35%
という結果になりました。
「難しかった」と「見ていない」とをあわせて75%ほどだったので、アンケートを見て、基本を確認しながら授業を進めていくことにしました。
また、アンケートの結果を全員で共有したことにより、難しいと感じたのが自分以外にもたくさんいたことで安心感を感じたという効果もあったと思います。
WizIQのアンケート機能は、授業中に選択式の問題を出して、理解度を確かめるのにも使え、非常に便利です。
授業では、アイコンを頻繁に使用しました。
分かった : 親指を立てたアイコン
問題を解き終わった : 顔のアイコン
といった感じに決め、説明した後、
「分かりましたか?分かったら、親指のアイコンをお願いします。」
というように言うと、理解度が、その都度、確かめられます。
また、問題出して、
「解き終わったら、顔のアイコンを出してください」
というと、ほとんどの人が解き終わったタイミングで、解答を言うことが出きます。
このようなアイコンの使い方は、やっているうちに自然とルール化されてきたものです。
今回のライブ講義で、試してみたことがあります。
それは、受講者からの質問に私が解答するのではなく、みんなで考えるという試みです。
これは、非常に盛り上がりましたし、講義の後のアンケートでも、このことに言及しているものが多かったので、強い印象を与えたのだと思います。
オンラインでは、なかなかグループワークというものが難しいのですが、部分的にであってもそのような要素を入れていくことは大切だと思いました。
最後には、YoutubeにUPしておいた電気回路のシミュレーション動画を 、ルーム内に読み込んでみんなで視聴し、計算とイメージとが一致しているのかどうかを確認しました。
最後に映像で見るというのは、ライブ講義を始めてから実践しているものですが、理解を深めるために非常に効果があると思います。
教育に使える物理シミュレーションの情報はこちらにまとめてあります。
今回の授業は、予習をしてきていない受講者が35%おり、ある程度レベルを下げて授業をすることになりました。
そのため、予習を完璧にしてきている生徒にとってはもの足りない授業になったという側面もありました。
予習講義の受講率を上げること、受講者のレベルのばらつきに対して配慮することが、今回見つかった課題です。
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