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【自己紹介~3つのキーワードが揃い「使命感」を感じた】

管理人の田原真人です。

これまでの人生を振り返ると、自分にとって重要なキーワードが3つありました。

(1)自己組織化と複雑系

学生時代は、自己組織化現象の一般的な原理を明らかにしたいという夢をいだき、生物物理の研究者を目指していました。

下位システムの相互作用から上位システムに構造が自己組織化的に創発するという現象は、多くの階層で見られます。

・細胞と多細胞生物の関係
・ニューロンと脳の関係
・個体と生態系の関係
・個人とグループの関係

これらを「モノ」ではなく、「コト」として切り取って、一般的な性質を抽出したいと思っていました。

そのための一歩として、細胞性粘菌という生物に着目していました。これは、飢餓状態になると単細胞アメーバが合体し、多細胞体になるという生物で、この生物の営みの中に自己組織化の一般的な性質が練りこまれていると考えたのです。

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学生当時は、リーダーとなるペースメーカー細胞がいて、そこを中心として他のアメーバが集合するというように考えられていました。

生命システムには、リーダーなんかいない!
 場が不安定化し、対称性が破れて、自己組織化的に構造がうまれるんだ!

というのが僕の信念でしたので、ペースメーカー細胞=リーダー が、号令をかけてあつまるなんていう生命観を受け入れられませんでした。

そこで、リーダーのいない均質な状況で、どのようにして対称性が破れて構造化できるのかということを数理モデルにより説明しようとしました。これは、うまくいったのですが、別の理由で研究を進められなくなり、D3で大学院を中退し、予備校講師となりました。

(2)教育

大学院生時代から中学・高校の非常勤講師として生計を立てておりましたので、約20年間、教育と関わってきました。予備校では「微積分を使って高校物理を教える」というタイプの講師だったため、最初は生徒から受け入れられないことも多く、授業を工夫せざるを得ませんでした。河合塾などを中心に14年間、講師をやりました。河合塾マナビスの初代の物理講義を担当し、DVD撮影も経験しました。書籍を8冊、電子書籍を1冊出版しました。

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(3)インターネット

9年前に予備校講師をやる傍らで、「物理ネット予備校」というオンライン予備校を一人で立ち上げました。それ以来、インターネットの教育利用、ビジネス利用について様々な試みをしてきました。Webサイト、ブログ、メルマガ、Facebook、Twitterなどを組み合わせてWebで集客すること、講義コンテンツの作成、販売ページの作成、MoodleをカスタマイズしたLMSによる講座運営、さまざまな手法によるオンラインイベントなど、一通りのことをすべて自分で行えるようになり、それらを組み合わせて応用できるようになりました。

そして、2012年に反転授業と出会いました。

オンラインとリアルを混合した「Blended Learning」が、オンラインだけ、リアルだけよりも教育効果が高いというアメリカ教育省の研究結果を知ったことから、興味を持ちました。オンライン教育をさらに進化させるために、リアル、または、リアルタイムと融合させてみようと考えたのです。

そして、身近で反転授業に興味のある方々に声をかけ、このFacebookグループを作りました。8回にわたり、オンラインで勉強会を行いました。

その後、アクティブラーニングのことを知り、21世紀型スキルや社会人基礎力の養成を目指してグループワークを行っている先生方がいらっしゃることを知りました。それをきっかけにグループワークに興味がわきました。

グループワークを学び始め、ワールドカフェや学習する組織などの本を読んでいると、そこには、なじみの深い概念が次々に登場してきました。

これらのグループワークでは、グループを機械ではなく生命システムと見なそうとするもので、自己組織化や複雑系の考え方が取り入れられていました。そして、その中で発揮されるリーダーシップとは、細胞性粘菌における「ペースメーカー細胞」のような、他に号令をかけて従えるようなものではなく

メンバー間の活発なコミュニケーションの中から自己組織化的に構造が生まれてくるような場を作っていくもの

です。これらの考え方は、僕にとって20年間以上、ずっと頭の中に入れてこねくり回し続けていたものであり、非常に共感するものでした。

また、現在、反転授業に取り組もうとされている方々は、現在、日本全国に薄く広く分散していて、孤立している状況です。これらを、インターネットを使って結びたいと思いました。そのために必要なスキルは、気がついたら、すべて僕の手の中に準備されていました。

Webを使って、反転授業に関わっているみなさんを結び、そこに、活発なコミュニケーションが生まれる場を設定し、自己組織化的に集合智を発生させ、オンライン上に学習する組織を作り、そこでの実践者のLearningが、現場の学習者のLearningを促していく仕組みを作る

その結果、21世紀型スキルの育成に役立つスキルがメンバー間で共有され、学習者中心の学びが広がっていく。

「グループワークや21世紀型スキルを実践したり、関心を持ったりしているメンバーによるグループ」というものに、大きなポテンシャルを感じました。

オンライン上に、ピラミッド型の組織ではなく、フラットで柔軟性のあるアメーバ型組織を作りたいと思いました。

このアイディアを得たときに、

僕がこれまでに情熱を注いできた3つのキーワードが、1つに結びついたことを感じ、興奮して眠れなくなりました。

こうなると、「これは、自分がやるべき仕事だ」という信念が生まれてきました。

かつて、アメーバを通して自己組織化の原理を研究していた自分が、オンライン上にアメーバ型組織を作ろうとしていることにも不思議な縁を感じました。

グループワークのこと、ファシリテーションのこと、高校以外の年代の教育のことなど、分からないことがたくさんあり、勉強すべきことがたくさんありますが、学びあいができる最高の環境をみなさんと共有することができたので、その幸運に感謝しながら、グループの発展に取り組んでいきたいと思います。

僕の頭の中には、学びをエキサイティングなものにするアイディアがすでにたくさん浮かんでいます。それを、皆さんのアイディアに受粉させて、さらに面白いものに発展させ、ワクワクするような動きを起こしていけたらと思っています。

 

2013年10月7日に「事件」が起こりました。

数名で行っていた反転授業オンライン勉強会に100名ほどの方が集まりました。、その後、毎月、100名以上のペースでFaceBookグループのメンバーが増え始め、2014年11月現在、2400名を超えました。

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毎月のようにオンライン勉強会が開かれ、すでに、その回数は14回を超えました。

オンラインワークショップも4回行いました。

熱気にあふれた勉強会の後、Facebookグループでは、毎日、すごい勢いで情報、意見、感情のやりとりが生まれています。

勉強会をきっかけにブログを書き始めた先生もいらっしゃいます。

自らオンライン勉強会の運営を始めた先生もいらっしゃいます。

たくさんのコラボもすでに生まれています。

何かが起こって、何かが動き始めました。

この活動をはじめて、自分のやりたいことがはっきりしてきました。それは、

枠組みを超えて進化すること

その枠組みは、様々なレベルに存在します。それらを超えていきたい。

・自分の枠組を超えて成長したい。

・生徒が枠組みを超えるのをサポートしたい。

・教育システムの枠組を超えた学びを作りたい。

・社会システムの枠組を超えるムーブメントを起こしていきたい。

そんな僕の思いを汲み取って、シンボルアーティストの杉岡一樹さんが、マイシンボルを作ってくださいました。

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2015年には、「反転授業の研究」の中にオンラインでの学びについての集合知が生まれ、ZoomなどのWeb会議室とMoodleを組み合わせて、オンラインワークショップを開くことができるようになりました。

受講者と運営者の間を、運営ボランティアが媒介することにより、それぞれの役割があいまいになり、主体的に動きやすくなるオンラインワークショップは、ネット果樹園、オンラインの桃源郷などと呼ばれるようになってきました。

集合知→価値創造→価値提供

という循環が生まれていることを実感し、グループによって生み出されたノウハウを外に出していくことに決め、CCCの由佐美加子さんなど、同じ方向を向いて動いている各分野のパワフルな人たちとのコラボレーションを企画しています。

「反転授業の研究」の運営チームとのコラボレーションを希望する方は、こちらをご覧ください。

 

■実践されている方、実践を検討されている方、反転授業に興味がある方、ぜひ、つながりましょう。

Facobookグループ「反転授業の研究」はこちら

※グループに参加希望の方は、田原までメッセージ下さい。

 

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