現在の教室・教育で感じている限界や問題点は何か

第2回の「反転授業の勉強会」は、「現在の教室・教育で感じている限界や問題点は何か」というテーマで議論しました。

それについての感想を書きたいと思います。

反転授業の場合、教室での活動に先立って、生徒に予習をしてくることが求められます。

生徒の学習に対するモチベーションにばらつきがあるので、予習してこない生徒が多い場合、この方法は有効に機能するのだろうかという意見がメンバーから多数出ました。

Flipped Class Networkという教師のSNSに投稿されている記事の中にも、「自分のクラスでFlipped Classをやるのは無理だと思う。たぶん予習をしてこないから」というような書き込みもいくつか見られました。

多くの課題が与えられて、それをこなせないということで、逆にモチベーションが下がってしまうというケースもあるかもしれません。

でも、すべてパーフェクトな方法というものはないので、他の方法との比較で、どちらがメリットがあるかと考えることが重要だと思います。

「できる生徒は退屈、できない生徒は十分なサポートがされないという状況で一斉授業が進む」という現状に比べて、「何人かの生徒が予習をしてこないが、多くの生徒は予習をしてきて、教室内で自分にあった活動をすることができる」という状況のほうが好ましいのではないかと思います。

教室で、達成度別に課題を与えたり、グループワークをする場合、予習をしてきた生徒はグループの中で活躍することができ、グループ内で承認欲求が満たされることになるでしょう。これは、学習のモチベーションを高めるし、予習してこない生徒に対しても、準備して参加したいと思わせる方向に働くのではないでしょうか。

反転授業について、

「できる子には導入できるが、できない子には導入できない」

という話になることが多いそうです。

もしかしたら、そうかもしれませんが、クラスのレベルがある程度そろっているのであれば、予習動画のレベルを調整することで対応できそうな気もします。

できる子 → 教室ではディスカッションや、発展的な学習

できない子 → 教室では、個別につまづいているところをサポート

というように、教室の役割は変わってくると思いますが、予習動画と達成度テストを通して、一度、できる箇所とできない箇所を分類すれば、効率よくつまづいているところを教室でサポートできる可能性があると思います。

最初からうまくいかなくても、達成感や、グループ内での承認などを感じられるような仕組みを作り、少しずつモチベーションを高めていくような工夫をしていくことが、ポイントになりそうだと感じました。

 

4 Responses to “現在の教室・教育で感じている限界や問題点は何か”

  1. あおやま(ハンドル名) より:

    反転授業は誰に対してでも、またどこでもうまく機能するということではなさそうですね。

    もともと学習意欲をもっていながら、なかなか学習の機会をもたない人に対して考えられたようなので、普通に学校で学習の機会が与えられている生徒とか学生にはそんなものは必要がないのかもしれません。

    すくなくとも学習意欲はあるという前提で話が進むので、それがない人に「どうして学習意欲をもたせることができるか」となると先生に直接に接触できる普通の授業の方がかえって先生の人柄や意欲に触れる機会があるともいえます。

    いずれにしてもやはり教育は難しいものだと思います。

    • tahara より:

      モチベーションの問題は、出てきますね。

      でも、すべての問題を1つのやり方で解決するのは無理なので、やる気があるけどうまくいかないという生徒をサポートできるだけでも、大きいかなと思っています。

  2. Hiromasa Kurisu より:

    スローランナーにとって、良い学習相手に成ると感じます。
    勉強が分からなくて良いと思う生徒は一人もいません、現在の日本の教育方法が、時代にそぐはなくまた、現場の教師の教育の電子化に対応しきれないインフラ環境にある事が、根本的原因です。
    教壇に立ち、27年目に成りますが、今までの対応で、学習内容の理解できる生徒は、過去の三分の一も存在しないでしょう。
    現在では、PCもキーボード入力から、タッチバネル式に変化しているように、生徒の知識吸収方法や手順も大きく変化しています。

    • tahara より:

      コメントありがとうございます。

      スマートボードの導入など、教育環境の整備が今後進んできたとしても、それを使って効果的な学習を進めていくというノウハウが必要になってくると思います。僕自身も旧来の教育方法で育ってきたし、教壇から集団へ一斉講義する仕事をしてきたので、その枠組みでのノウハウは蓄積しましたが、ディスカッション型、学びあい型の教室運営については勉強が必要です。

      試行錯誤の中での気づきを発信していきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

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