第3回反転授業勉強会ゲスト紹介~三上博正さん
僕が、三上さんのことを知ったのは、今から9年前の2004年。
物理の講座をネット配信するよい方法を探していて、受講者の一人が「いいものがありますよ」と教えてくれたのがきっかけでした。
紹介された「PCレター大作戦」というブログを見ると、数学のサンプル講義が見れるようになっていました。
とりあえず、サンプル講義をダウンロードして、再生してみると・・・・
画面に数学の問題が表示され、同時に講師の声が聞こえてきて、さらに、手書きの文字で書き込みが始まりました。
今は、「スクリーンキャストソフト」と言えば、カーンアカデミーやeboardでも使われていて、だんだんと知られてくるようになってきましたが、9年前は、本当に画期的なものだったんです。
「うぉーーーー! これがあれば予備校の講義をそのまま作って配信できるぞ!!!!!」
と興奮したのを、よく覚えています。
早速、ブログに書いてあった連絡先にメールを送り、「無料体験はできますか?」と問い合わせしました。
すると、帰ってきたメールには、URLが貼ってあって、それをクリックすると・・・・
「えーー、田原様。 このたびは、お問い合わせありがとうございます。」
「えーー、私は、北海道の片田舎、浦河町というところに住んでおりまして、えーー、札幌から車で・・」
といった感じで、パソコンの画面に手書きで北海道の地図が描かれると同時に、三上さんの声が聞こえ始めました。
これが、僕と三上さんとの付き合いの始まりでした。
北海道の絵が描き終わるころには、このシステムで授業を作っていくことを決め、まだテスト販売中だった製作システムをお願いして購入させてもらいました。
三上さんが、口癖のように言っている言葉は、
「リアルの代替でないバーチャルを目指す」
本当はリアルがいいんだけど、仕方がないからバーチャルで我慢するというのではなく、バーチャルがリアルを超えていけるようでなくてはならないということを、いつもいつも主張していました。
そして、そのための重要な機能として「2倍速・4倍速再生」を位置づけていました。
今だから言いますが、僕は、最初、2倍速・4倍速再生機能に対して否定的でした。
自分の授業を、生徒が2倍速で聞く・・・ということをイメージしたときに、何か嫌だな~と思ったのです。
せっかく、生徒の心に伝わるように間を取りながら語りかけているのに、そういうことが台無しになってしまうような気がしたのです。
でも、
「田原先生、一度でよいですから、2倍速再生。これを、試してみてください。」
と、三上さんから頼まれて、
これは、自分が経験したことのない新しい学びの可能性を秘めているのだから、まずはやってみて、何が起こるのかを見てみようと思い直し、全講義を倍速で見れるように設定しました。
その結果、何が起こったか?
今、ほとんどの受講生は、講義を2倍速を使って聞いています。
慣れると、普通の速さで聞こえるそうです。
ネット予備校の受講生たちとオフ会で会ったときは、
「田原先生が、普通の速さで話しているのに違和感を感じる」
という話も出たりしました。
三上さんと僕は、それ以来、オンラインでディスカッションを重ねながら、
「倍速再生をどのように使ったら学習効果が上がるのか」
「倍速再生とは、学習にとってどのような意味を持つのか」
といったことを追及してきました。
その結果、三上さんは、ほとんどの人が気づいていない重要なポイントに気づいたそうです。
その研究の成果を、11月22日(金)の反転授業の勉強会では、お話してくださいます。
10年以上「リアルの代替ではないバーチャル」を追求してきた三上さんならでは話を聞けると思います。
PCレターは、その後、ThinkBoardという名前に変わり、日本各地の学校や塾で使われ、国境を越えてモンゴルの高校にも導入されています。
富谷町立東向山小学校で反転授業の講義作成ツールとして使われていることから、反転授業の分野でも注目されています。
このような時代がやってくることを願って、北海道の片隅で10年以上も前から開発を進めてきた三上さんの話を、みなさん、ぜひ、楽しみにしてくださいね。
11月22日(金)19:30から実施します!
■実践されている方、実践を検討されている方、反転授業に興味がある方、ぜひ、つながりましょう。
338名が参加!Facobookグループ「反転授業の研究」はこちら
※グループに参加希望の方は、田原までメッセージ下さい。
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