場の力を信じてコントロールを手放していくとドラマが起こる

田原です。こんにちは。

アウトプットを繰り返していくことのメリットの1つは、自分の中の整合性が高まっていくということだと思います。

バラバラだった考えが、アウトプットするたびにお互いにつながっていき、自分自身に対する説得力が増してきます。

ときには、考えがつながっていった結果として、内在していた矛盾が表面化してくるときもあります。

突き詰めて考えていった結果、こっちの発言と、あっちの発言は矛盾しているということに気づくのです。

矛盾を抱えた状態は苦しいので、矛盾を解消しようとして、考えや行動を変えることになります。

前回の「ファシリテーションスキル入門」のときに僕の心の中に生まれたは、まさにそういう矛盾であり、矛盾を解消するために「集客」という手法を手放すことになりました。

「ファシリテーションスキル入門」での気づき

もう少し詳しく説明します。

ファシリテーションについて学んでいくうちに、あることに気づきました。

ファシリテーションスキルとは、グループ間にフラットな関係を築き、メンバーが生き生きと活動できるようにして、そこから様々な価値を創発させるためのスキルだということに気づいたのです。

グループ内に権力関係があり、少数の人が他の人をコントロールしてしまうと自由な活動は抑制され、自己組織化は起こらなくなります。

ファシリテーションについて学び、アウトプットしていくうちに、自己組織化が起こるような場を作るためには、運営者が場の力を信じてコントロールを手放し、関係をフラットにしていくことが必要だということについて、本当の意味で腹落ちしました。

しかし、それは、僕の中に大きな矛盾を引き起こしました。

「ファシリテーションスキル入門」というオンライン講座を、いわゆるWebマーケティングの手法を使い、講座のメリットを書きたてて、販売していたからです。このような枠組みは、運営者側と受講者側の間に、教える側と教わる側という明確な区別を生み出してしまい、フラットな関係を築くことの妨げになっているのではないかと思ったのです。

ファシリテーションに対する理解が深まったことで、講座販売の手法との間の矛盾が生じ、身動きが取れなくなりました。

それで、そのことを正直に書き、申し込みページをすべて書き直しました。

それが、こちらです。 → 「ファシリテーションスキル入門」(講座は終了しています)

コントロールを手放したらドラマが生まれた

その結果、いろんな人からメッセージが届きました。

たくさんのアドバイスをもらいました。

江藤由布さんは、受講者なのに、講座紹介のビデオを作ってくれました。

講座は、過去最高の盛り上がりを見せ、脱落者ゼロを達成し、週末の雑談ルームは毎回大盛況。講座が終わってからは、OG・OBのFBグループが自発的に生まれました。
 
これは、僕にとって、全く予想を超えた出来事でした。そして、すべてが予定通りに進めようとして管理するよりも、コントロールを手放して、場を信じて、予定外の素敵なことが起こるほうが何倍も楽しく、学びが多いのだということを理解しました。

この経験を通して、これまでは、運営者である僕が、メンバーの主体的な活動を抑制していたのかもしれないと思い、これからやる講座は、できるだけ場の力を信じて運営していこうと決意しました。

教室との相似関係

講座の運営は、教室の運営と相似関係にあります。

教師が場の力を信じてコントロールを手放すことで、生徒が主体的に活動する余地が生まれるのです。

これが、反転授業やアクティブラーニングが成立するための非常に重要なポイントだと思います。

壇上の賢人から寄り添うガイド役へ

というキャッチフレーズは、壇上で生徒をコントロールしていた役割を手放し、生徒の主体的な活動を支援していくという役割の変化を表すものだと思います。

しかし、自分自身も感じていることですが、コントロールを手放すということは、なかなか難しいことです。

よい結果になるという保証がないからです。ついつい保証を求めてしまいたくなると、管理を強める誘惑に駆られます。

そんなときに役立つのは、体験をシェアすることではないでしょうか。

コントロールを手放しても、「いきあたりばっちり」で素敵な結末がやってくるということを信じられるようになれば、場の力を信じて任せることができるようになってくると思います。

「反転授業の研究」は、主体的な学びを実現するための方法を学び合う場です。

ですから、「反転授業の研究」が運営するオンライン講座は、場の力を信じてコントロールを手放し、ドラマを生み出していくようなものにしたいです。

そこでの体験をシェアすることが、教室で悪戦苦闘している教師に対するエールになると思います。

ドラマが始まった~運営ボランティアの導入

ファシリテーションスキル入門での素敵な体験を経て、「インストラクショナルデザイン(ID)の理論を使って授業改善してみよう」では、さらにもう一歩進める決意をしました。

それが、運営ボランティアの導入です。

運営者と受講者という関係を崩していくための切り札になると思っています。

運営ボランティアの導入については、京都精華大学の筒井洋一さんの情報メディア論で導入されている授業協力者(CT)を参考にしました。どのようにして授業をやっているのかを知りたくて、京都精華大学まで見学に行きました。

内発的動機に基づいて行動する人が加わることで、学生の主体的な行動が促進されていく様子を見て、これこそが僕たちの未来を切り開くものなのではないかと思いました。

それで、4-5人の運営ボランティアを募集しようと思い、これまでにオンライン講座を受講したことのある人のリストに一括メールを送りました。

誰か、手を挙げてくれるといいなーと思いながら、恐る恐る送信ボタンを押しました。

するとメールを送った後、1時間くらいのうちに、次々と「やります!」というメールが届き、あっという間に5人になり、募集を締め切るメールを送ることになりました。

しかし、その後、

「もう運営ボランティアは、締め切ってしまったのですね。」

「やりたかったけど、仕方がないですね。」

というような、残念そうなメッセージが何通も届き・・・・。

結局、人数を増やすことになり、9名のモチベーションがものすごく高い運営ボランティアと一緒に講座の企画をすることになりました。
 
運営ボランティアの方は、テーマによっては講師の役割を担うことができる実力を持った方たちで、こちらからお願いしようと思っても、これだけ力のある人たちを9人もボランティアで集めるのは不可能です。本当に貴重なことだと思います。

申し込みページを見ていただけると分かるのですが、講師と運営ボランティアを合わせると、

・高校教師
・日本語教師
・塾講師
・大学教員
・医療教育
・企業研修

など、様々な属性をカバーすることができています。これは、講座内容を決めていくときに、各属性の方のニーズを把握することができ、とても役立ちました。

「印刷できるチラシがあればいいのではないか」

というアイディアは、運営ボランティアの倉本龍さんから出てきたものです。職員室で同僚に紹介するときには、印刷したチラシがあったほうがよいという経験に根差したアイディアで、早速、採用することになりました。

(印刷用のチラシのダウンロードはこちら :自由に印刷して配布してください。)
  

ドラマは広がる~受講者が熱心に講座を広めてくれる

 
講座の告知をしてすぐに申し込んでくださったうちの一人が、薬剤師の松本梓さん。
 
好奇心と行動力に溢れた方で、ファシリテーションスキル入門に続いての受講となりました。
 
Facebookを眺めていたら、講座のことを熱心に紹介して下さっている投稿を発見。松本さんの投稿でした。
 

教えることは学ぶこと。
 
2014年、緩和ケア科ローテーター向けのレクチャーを担当するという幸運を頂きました。

初めは、
「私が医師に教える事なんて…(>人<;)」
と尻込みしていました。

けれど、毎回毎回ポジティブなフィードバックを頂き、改良を加えてより効果的に、より深い学びを、と探索していった結果、とても大きな成長を得られたことに気づきました。

びっくりです。

そして、私自身が何を提供したいと思っているかも、少しずつですが、見えてきたような気がします。

今年はさらにたくさんの医師が緩和ケア科をローテーションしてくださるそうで、私もレベルアップのためにこちらの講座に参加します(*^^*)

私の、オンライン講座との出会いは去年の「ファシリテーション入門講座」。

初めての本格的なファシリテーションの学びでしたが、素晴らしいサポート体制のお陰で、最大の学びを得る事ができました。

さらに、一緒に受講していた教育に情熱を燃やす素敵な先生方と繋がる事ができました。

自宅でも受講可能なオンライン講座。

今回は、医療教育にシュミレーション教育を導入されている先生も講師に立たれるということで、とても楽しみです☆

 
受講者の方が、自発的に講座を熱心に勧めてくれるというのは、素敵なことです。
 
講座の温度が、確実に上がってきました。

さらにドラマは続く~推薦文を書きたいという依頼が来た

昨年実施した「反転授業やりたい教師のための授業設計入門」の受講者である(有)ふぁいん代表の加藤久美子さんから、次のようなメッセージが届きました。

「IDの講座に受講生の声(推薦文)を書かせていただきたいのですが、よろしいでしょうか。」

推薦文というのは、一般的には、運営側がお願いして、場合によっては報酬を支払って書いてもらうものですよね。

加藤さん:「推薦文を書きたいけどよろしいですか。」

田原:「はい。お願いします。」

このやり取りは、まったく一般的ではありません。ファシリテーション入門のときの江藤さんのように、ここでは、とても素敵なことが起こっています。

今回の講座でも、すでにドラマは始まっています。

どんな結果になるのかは分かりませんが、「いきあたりばっちり」をだいぶ信じられるようになってきました。

きっと素敵な結末が待っていると思います。

加藤さんの推薦文を追加しました。講座紹介はこちら↓

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