シンガポールでの強烈体験により「ガイド役」とは何かを知った
行動変容が起こるための条件は、どのようなものでしょうか?
僕は、このことについてきちんと勉強をしたことがないのですが、経験上、感じているのは、
強い体験+振り返りによる体験の言語化
なのではないかと思います。
僕が、「質問力をつけたい」と思って精進を始めるきっかけになったのは、シンガポールでのある経験でした。
Linkdinのワールドカフェコミュニティを主催しているAmy Lenzoさんのオンライン講座に参加したことがきっかけて、AmyさんとFacebookでつながりました。
シンガポール出張のときに、誰かワールドカフェホストの人と会って話を聞きたいと思い、Amyさんに紹介してくれるようにお願いしたところ、Samantha Tanさんという方を紹介してくださいました。
Samanthaさんは、国際的に有名なワールドカフェホストの一人で、主にボストンに住んでいるのでいるのですが、そのときは、ちょうど、シンガポールに戻ってきているとのことでした。
●Samanthaさんは、この方です。
早速、Facebookで紹介してもらい、連絡を取ったところ、
「では、家に来てください。家族と一緒にランチしましょう」
と誘って下さり、緊張しながらお宅を訪問しました。
すごい豪邸でした。
円卓にごちそうが並んでいました。
創発的な組織を作るコンサルのアメリカ人のハズバンドと、
世界を旅行してまわるのが趣味のSamantaさんのお母さん
Samantaさんの弟さんたちといっしょに円卓に座り、ランチをいただきました。
食事のときは、隣に座っていた組織コンサルのハズバンドと、自己組織化が起こる条件に付いて話をしました。
食事が終わり、リビングでSamanthaさんと二人で、コーヒーを飲みながらお話ししました。
お互いに、今、自分のやっていることや考えていることを話しているうちに、価値観に共通点があることが分かり、気持ちがリラックスしてきました。
Samanthaさんが醸し出している雰囲気が、僕をリラックスさせてくれたのだと思います。
話の中で、僕の発言
「日本の教育には、創造性を伸ばす部分が少ない」
に対し、Samanthaさんが、
「でも、日本のアニメはとてもクリエイティブでしょ。それは、どうしてなの?」
というように、次々と質問をしてきました。
その質問は、すぐに答えられるようなものは少なく、脳みそを総動員して考えないと答を出せないようなものがほとんどで、すごく頭と心を使っているという感覚がありました。
質問に答えていくたびに、思考が深まっていくような感覚がありました。
気がついたら2時間が過ぎていました。
対話の中で到達した結論は、僕自身にとってすごく納得できるものでした。
Samanthaさんに導かれて探求の旅に出て、目的を果たして帰ってきたような、心地よい疲れがありました。
帰りの飛行機の中で、Samanthaさんとの対話について振り返りました。
自分一人では、あの結論には到達できなかったし、あの納得感も得られなかったであろうと思いました。
Samanthaさんが、熱心に「私は知りたいの!」という光線を出して質問してくれたので、それに何とか答えようと脳みそをフル回転させ、1つ回答すると、それをさらに掘り下げるような質問が来て、またそれに回答し・・・という感じで、導かれるように自分で結論を見つけることができました。
結論は、教えてもらったのではなく、「自分で見つけた!」という実感がありました。
反転授業では、教師は「壇上の賢者から、ガイド役へ」と役割が変わると言われています。
この体験をするまでは、「ガイド役」というものに、どういう可能性があるのか気づいていませんでした。
しかし、この体験をしてから、高いスキルを持ったガイド役が、どれだけものすごい効果を生み出すことができるのだということが分かりました。
「ガイド役」という言葉を口に出したとき、心に浮かぶ映像が大きく変化しました。
「自分もSamanthaさんのように、相手の思考を増幅させることができる触媒の役割を果たせるようになりたい。」
強烈な体験が、このように言語化されたことが、僕の行動が変化する始まりになりました。
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