45名によるオンラインでの学び合いが未来への扉を開ける
「反転授業の研究」の田原真人です。
昨日(2015/11/19)から、反転授業の研究が主催するオンライン講座「ファシリテーション&コーチング講座」が始まりました。
僕は、過去7回の講座では、ずっと運営をやってきたのですが、今回からはプロデューサーに回り、運営をお任せすることにしました。
その理由は2つあります。
1つは、「反転授業の研究」のオンライン講座が、価値創造から価値提供のフェーズに入ったと感じたからです。
ビデオチャットなどのテクノロジーは、すでに世界を繋いでいるのに、人間の心は、まだ分断されたままです。
人間の心を繋げていくのはテクノロジーではなく、「人間らしい暖かい場」なのではないかと思います。
オンラインに「人間らしい暖かい場」が数多くできることで、遠く離れた人同士が信頼関係を結び、協力できるようになっていくのではないでしょうか。
僕達は、集合知によって「人間らしい暖かい場」をオンラインに創ることができるようになりました。そのノウハウを、多くの人に伝えていくことに、大きな価値があると感じています。
これからの僕の役割は、「反転授業の研究」のグループを、想いを同じくする他のグループや個人と繋ぎ、コ・クリエーションが起こる状況を作り出していくことなのではないかと思いました。
もう1つは、運営チームだけでも、十分に講座の運営ができるようになってきたと確信したからです。
特に、これまでのほとんどの講座に、受講者や運営チームとして関わってきている松嶋渉さんと倉本龍さんは、僕以上にオンライン講座のことを理解しています。僕が運営から抜けることで、更なる学びのチャンスを運営チームにもたらすことができると感じました。
実際に、昨日のセッションを見ていて、運営チームが大きな生き物のように有機的に動いてオンラインの場を創っているのを見て、その確信はさらに強まり、ただただ、感動していました。
これまでになかったインタラクティブなオンライン講座
現在行われているオンライン講座と、私たちのオンライン講座の違いは、どこにあるのでしょうか?
代表的なオンライン講座と比較してみましょう。
MOOCs
講師の講義ビデオを視聴し、課題を提出。講師と受講者との間の交流は無し。受講者同士は、ディスカッションフォーラムで交流
Schoo(スクー)
講師の講義をライブ配信し、受講者はチャットボックスに書き込む。講師と受講者との間にインタラクティブな関係がある。
反転授業の研究のオンライン講座
- 受講者は、Moodleにログインし、自己紹介などをフォーラムに投稿し、相互にコメントし合う。
- リアルタイムセッションの前半では、講師が講義を行い、受講者はチャットボックスにコメントを書きこむ。
- リアルタイムセッションの後半では、受講者はグループに分かれ、ビデオチャットで演習を行う。
- 振り返りや課題をMoodleのフォーラムに書き込んで共有し、相互にコメントし合う。
- 雑談ルームで、運営チームや受講者同士で交流し合う。
今回は、31名の受講者が8グループに分かれて同時にグループビデオチャットを行い、14名の運営チームがそれを支えています。
大きなホールがあり、前に講師とファシリテーターがいて、ホールのあちこちに腕章をつけたスタッフがいて、ホールの中に8個のグループができていて、ファシリテーターの合図でグループワークが始まる・・・・。
そのような光景は、リアルのワークショップではよく見かけるものだと思いますが、それを、オンラインで実現しました。
このようなオンライン講座ができるようになったことで、大きな可能性が目の前に広がったと感じています。
また、その興奮を受講者と運営チームの45名で共有できたことで、新しい可能性が、今後生まれてくるように感じています。
どのようにしてオンライン講座が生まれたのか?
これまで、オンライン講座を運営していく中で、たくさんのチャレンジをしてきました。
無料のオンライン勉強会では、失敗覚悟で大きなチャレンジをし、それを手掛かりにして、有料のオンライン講座を進化させてきました。
一緒にチャレンジしてくれた、「反転授業の研究」の皆さんのおかげで、一歩ずつ足元を踏み固めながら、道を作ってきました。
その中で、大きな転機になったのは、「運営ボランティア」という制度を取り入れたことです。
オンライン講座ももっとオープンに、もっとフラットにしたいと思い、思い切って運営ボランティアを取り入れました。
また、受講者全員に「オンラインワークショップ運営の手引き」をプレゼントするようになりました。
オンライン講座の受講者の中から運営ボランティアを募集し、毎回、10名前後の運営チームが結成されるようになりました。
2-3人ではできないことが、10名いるとできるようになります。
2-3人で考えるよりも、10名で考えたほうがアイディアもたくさん出てきます。
オープンにすることで、多くの人が協力してくれるようになり、運営チームの進化の速さが、一気に上がりました。
毎回、新しいことにチャレンジし続け、ノウハウを蓄積していき、集合知によってできることがどんどん増えてきました。
この講座が終わるころには、オンラインの場つくりを体験したファシリテーターが45人存在していることになります。
45人が、それぞれ、オンラインで場つくりをして、勉強会などを企画して行ったら、学び合いの渦がどんどん広がっていきます。
テクニカルサポートなどが必要なときは、仲間の誰かが手伝いに行きます。
解決したい課題があったら、オンラインで集まって対話して、集合知を発生させて、解決していきましょう。
可能性は無限大です。
その扉が、昨日、開きました。
わくわくが止まりません。
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