オンライン反転授業の実践例

田原です。

僕は、9年前に物理ネット予備校を立ち上げてから、さまざまな実験的な取り組みをしてきました。

物理ネット予備校では、ThinkBoardで作成した「ホワイトボード+動くペン」形式の講義を配信しています。

受講者は、全講義をダウンロードでき、好きなペースで勉強できるようになっています。

その中で分かってきたことは、次のようなことです。

●受講生は、講義を最初から2倍速で聞き、分かっているところは4倍速で飛ばす。

●動画で繰り返し受講できる場合は、記録のためのノート作成が必要なくなる。(むしろ、記録ノートを作ると学習速度が遅くなる)

●全講義を最初に通してみて、全体像をつかもうとする受講生もいる。(社会人に多い)

2倍速、4倍速再生のメリットは、やってみるまでは分かりませんでした。むしろ、自分の作った講義を倍速再生されることに心理的抵抗感がありました。しかし、ThinkBoardの生みの親の三上さんに、

「田原さん、バーチャルはリアルの代替じゃないんです。リアルじゃできないことがバーチャルにはあるんです!」

と力説され、まずはやってみなくては分からないということで、全講義を倍速で再生できるように設定しました。

その結果、ほぼ全員の受講者が、倍速再生で受講し、それがなくてはならない機能であることを痛感しました。

 

自分の理解度に合わせて再生速度を変えると飽きない

最近気がついた倍速再生のメリットは、「インタラクティブ性」です。

「自分が分かっているところは4倍速で飛ばし、分からないところを2倍速で聞く。」

という行為は、受動的にビデオを見ているのと違い、自分の理解度を確かめながら再生速度を変えているわけなので、「能動的」なんです。これが、講義を聴いているときの頭の活性化につながり、飽きずに講義を見続けられる要因になっているのだと思います。

E-Learningの世界では、「ビデオ講義は15分以内にする」のが常識です。

それ以上だと飽きてしまうからだそうです。

でも、僕の講義は、予備校の授業をベースにしているので、60分以上あります。長いものだと120分です。

E-Learningの常識からすると、「そんな長い講義、とてもじゃないけど聴けないよ」ということになると思います。

でも、受講生から講義が長すぎるという声が届いたことはなく、逆に「何回も繰り返し2倍速で聴きました」という声が届きます。

長い講義を倍速で聴くことで、「ストーリーとして理解できる」というメリットもあるのです。

ですから、E-Learningの世界で常識だとされていることでも、様々な前提条件が違えば、必ずしも成り立たないのではないかと思っています。

 

実践例は気づきの宝庫

このように、世間で言われていることや、頭で考えたことを、実践から得られる知見は、いとも簡単に超えていきます。

ある程度の仮説は立ててはじめますが、やっていみると、それがよい意味で裏切られることが多いです。

オンライン反転授業についても、やってみると、たくさんの気づきがありました。

Web教室で、アウトプット中心のライブ講義をやると、びっくりするくらい盛り上がるんです。

ここでも、「インタラクティブ性」と「学習」の密接な関係が見られます。

学びあいのような効果も見ることができました。

僕の場合は、「反転授業」であるだけでなく、「オンラインワーク」であるという点が、他の実践例と異なる点だと思います。

リアルにはかなわない部分もありますが、逆に、リアルよりも、オンラインのほうが優れているという点も発見することができました。

そこには、まだ解釈しきれない情報がたくさん含まれているので、なるべく、僕の分析や感想ではなく、起こったことをそのままの形でレポートすることにしました。

反転授業や、オンラインワークに興味のある方には、とても刺激的な内容になっていると思います。

また、反転授業を始めたい、オンラインルームを使ってみたい、という方には、すぐに始められるようにどのようなツールを使っているかなど、具体的な情報を記しています。

この実践例レポートの情報に、みなさんがご自信でアイディアを付け加えて、ご自身の教育活動を発展させていっていただければうれしいです。

 


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反転授業勉強会 登壇者紹介:井上博樹さん

「反転授業の研究」の田原です。

今日は、1月27日に実施される反転授業オンライン勉強会でお話してくださる、eエデュケーション総合研究所有限会社の井上博樹さんをご紹介します。

僕が井上さんにお話をうかがいたいと思ったのは、Facebookグループへの書き込みを見たのがきっかけでした。

LMSやeラーニングについての圧倒的な専門知識をベースにした大量の書き込みに圧倒されました。

せひ、お話をうかがって、いろいろと教えてもらいたいと思い、スカイプでお話をうかがいました。

井上さんは、有料のLMSとしては世界一のシェアを誇るBlackbord社に就職され、アメリカに渡り、開発に関わっていたとのことで、当時のアメリカの状況や、BlackboardやMoodleの位置づけなどについてお話してくださいました。

井上さんの話の中で、興味深かったのは、

「15年前にアメリカで起こったことが、日本で起こっている」

という言葉でした。アメリカでは、インターネットをどうやって教育に利用するかということが、ずっと考えられていて、その延長線上としてLMSなどの開発もされいているというお話でした。

井上さんの話をうかがっていると、「教育の理不尽なところを、ITによって解決していくんだ」という姿勢が、貫かれているように感じました。

井上さん本人もMOOCsで学ばれていて、MOOCsで学べるようになれば環境に作用されずに大きなチャンスをつかめるようになると実感されたのだそうです。

そして、英語の講義を受講できる力を養成するためのアプリの開発をしたり、インターナショナルスクールの学生にアドバイスをしたりしているそうです。

そのパワーが、いったいどこから沸いてくるのか?

それをうかがい知るきっかけとなる投稿がFacebookにありました。

→ FBグループ「反転授業の研究」の投稿が熱い!

一連の投稿で、井上さんが子どものころにどのような学習体験をしたのか、そこから、どのようにして現在へ至ったのかを知ることができました。

専門的な知識と、熱い思いを兼ね備えた井上さんの話をうかがうのが楽しみです。

 

井上さんは、1月27日(月)の反転授業オンライン勉強会でお話してくださいます。

反転授業オンライン勉強会のお申し込みはこちら

【緊急企画】eboardのクラウドファンディング達成をサポートしよう!

「反転授業の研究」の田原です。

日本のカーン・アカデミーことeboardがクラウドファンディングへ挑戦しています。

クラウドファンディングというのは、Web上で寄付を募り、期限内に寄付の総額が目標額へ到達したら、寄付金が挑戦者に支払われるという仕組みです。

でも、もし、期日までに目標金額が集まらない場合は・・・というと、挑戦者は寄付金を1円も受け取れないということになります。

eboardがクラウドファンディングに挑戦するという話を聞いたとき、僕は、

「これは、苦戦するぞー」

と思いました。

その理由は、eboardに価値がないからではなく、eboardが、これまでに日本になかった新しいものだからです。

eboardのように、動画で学習するサイトを体験したことのない多くの人に、短期間でeboardの価値を実感してもらうことが難しそうだと思ったのです。

 

では、僕自身はどうかというと、eboardが日本の教育に大きなインパクトを与えることができると100%確信しています。

その確信は、

  • 自分自身が9年前から動画講義を配信している経験
  • カーンアカデミーが世界に与えている影響

の2つが根拠になっています。

 

僕の運営している物理ネット予備校には、毎年500人くらいの受講生が物理を学んでいるんですが、動画講義+システムが500人の学習を支えています。

Q&Aを手伝ってくれるパートナーとたった二人で、かなりきめ細かいサポートができます。

この仕組みは、たとえ受講生が10倍に増えても対応できるようになっています。

eboardでは、中村さんの動画講義+システムが、受講者の学習を支えています。

生身の中村さんが授業するのと違って、何万人が受講しても大丈夫なわけです。

eboardの動画講義=中村さんの分身は、無限にコピーされ、中村さんのマンパワーを増幅します。

そして、中村さんの分身は、現在の教育では対応できない大量の生徒・児童のところへ行き、その子たちが自分のペースで学ぶ手助けをするのです。

生身の中村さんでは到底できないことを、動画講義+システムの組み合わせはやることができるのです。

 

海外では、カーンアカデミーがすごいことになっています。

みなさんは、カーンアカデミーの講義を受講したことがありますか?

みなさんの周りにカーンアカデミーで学んでいる人はいますか?

講義が「英語」でされているため、言語の壁によって日本にはカーンアカデミーが引き起こしている現象が伝わりきっていないと思います。

しかし、僕の周りでは、すでにカーンアカデミーはなくてはならない存在になっています。

  • 授業はできないけど、サポートならできる
  • 授業する時間はとれないけど、分からないところを教える時間ならある

こういう大人がいるだけで、子どもがどんどん学べます。

転校したり、病気したりで、習っていないところがごっそりできてしまっても、カーンアカデミーがあれば、簡単に取り返しがつきます。

興味がある科目を、どんどん進めていくこともできます。

勉強ができなくて困っている子どもに、カーンアカデミーを勧めて、「がんばれ!」と励ますことができます。

これは、セカンドラングエッジとして英語を使うところも含め、英語圏ではすでに実現していることです。

日本では、言語の壁によって、カーンアカデミーが世界中で引き起こしている社会現象の蚊帳の外に置かれています。

僕は、カーンアカデミーが引き起こしている社会現象にいろんな場面で触れる機会があり、eboardが日本で同じ役割を果たしてくれたらいいなと切望するようになりました。

eboardには、同じ役割を果たすことができるクオリティがあります。

そして、中村さんには、みんなの期待に応える覚悟を感じます。

 

これら2つの理由で、僕は、日本のカーンアカデミーとも言えるeboardが、日本の多くの問題を解決できる可能性を秘めていると確信しているのです。

 

eboardが、クラウドファンディングに挑戦するということを聞いて、どうしたら、僕が実感しているリアリティを広く伝えることができるのかと考えました。

そして始めたのが、中村さんや、eboardを応援している人が、それぞれのeboard物語を書いていくという応援企画です。

それぞれの思いが物語形式で綴られ、eboardについて、歴史的に、また、様々な角度から語られています。

 

まずは、これらを読んで、eboardについて知ってほしいです。

クラウドファンディングが終了するまで、連載を続けています。(飛び入り大歓迎!)

eboardのコンセプトに共感したり、中村さんの人柄に惹かれたり、様々な理由で支援が集まってきています。

しかし、まだ足りません。

このままだと、クラウドファンディングの達成は厳しい状況です。

そこで、中村さんや支援者のみなさんが、オンラインでメッセージを伝える場を用意しました。

「eboard応援イベント」

日時 2月7日(金)22:00

場所 オンラインルーム(WizIQ)

参加費 無料

まずは、僕たちがリアリティを感じている世界のことを知ってください。

そして、日本でもその世界が実現できるように力を貸してください。

eboard応援イベントへの申し込みはこちら

 

eboardのクラウドファウンディングの支援はこちら

 

 

 

 

 

 

 

 

パフォーマンス・インプルーブメント・アソシエイツ代表の米島博司さんにインタビュー

1月27日に反転授業オンライン勉強会でお話いただく米島博司さんにお話をうかがいました。

反転授業を設計するために、現状分析と目標、目標への到達を測定する方法を決め、システマチックに学習をデザインするインストラクショナル・デザインの知識は、非常に有効だと思います。

そこで、長年、インストラクショナル・デザインに関わっていらっしゃる米島さんに登壇をお願いしました

米島さんは、前職のNEC時代に、日本の企業で最初にインストラクショナル・システム・デザイン(ISD)やインストラクショナル・デザイン(ID)を導入し、それらを用いて社員や技術者のトレーニングを設計されていた方です。IDの概要をお話いただくのにぴったりの方なので、勉強会の一番最初にお話いただく予定です。打ち合わせを兼ねて、お話をうかがいました。

はじめに、インストラクショナル・デザインの概要からうかがいました。

(米島さん)人のパフォーマンスを実現・改善するためには、いろいろなやり方があります。スキルレベル、人レベル、組織レベルといった3つの階層があって、インタラクショナル・デザインはスキルレベルのパフォーマンスを改善する一つの手段です。組織レベルではトータルマネージメント、人レベルではパフォーマンステクノロジーなどがパフォーマンス改善のために使われます。

教育は人のパフォーマンスを実現・改善するためのいくつもある手段の中の1つです。

IDは、いつごろから始まったものなのですか?

(米島さん)10数年前に日本でeLearningブームがあり、それに1年くらい先立ってIDのワークショップなどをはじめていました。eLearningブームっていうのは、「ネットを使ってWebベースの教育やトレーニングをやろう」というもので、どちらかというとe-learningのプラットフォームを売ろうというベンダー主導型のものだったんですが、実際に使う場合、コンテンツ、すなわち教材の中身の設計をどうするかと言った、ソフト的なノウハウに注目が集まり、IDとかISDとかが普及し始めるようになりました。

米島さんは、どのようなきっかけでIDと出会ったのですか?

(米島さん)お恥ずかしい話で、私が見つけたわけではなく、お客さんに教えてもらいました。20年ほど前に、NEC時代に、電話の交換機を海外に輸出していて、そこで海外の技術者さんに対してオペレーションのトレーニングをやっていたんです。

そのころ、取引していたお客さんから、「ISDというものがあるんだけど、NECさんは知りませんか?」と言われてあわてて調べたのがきっかけです。

それで、自分たちのやっているトレーニングを見直して、ISDで設計しないとまずいだろうということになり勉強し始めた訳です。

日本では、ISDを取り入れているところは他に見当たりませんでしたので、海外からISDの専門家のコンサルタントを呼んで学んだり、米国のコンサル会社と提携してISD教材を日本語化したりしました。

そのころ、アメリカン・ホンダでは、全米ディーラー向けのトレーニングをバリバリのISDで開発していて、「東京本社ではISDでトレーニングやらないのか?」ということを言われていたらしいんです。私たちがISDの教材を日本語化しているという情報を、私たちの提携先の米国のコンサル会社からアメリカン・ホンダが聞きつけて「日本ではNECがISDをやっているらしいよ」ということを言ったらしいんですね。それで、ある日突然、日本のホンダのトレーニング部門の方から電話が入り,「ISD教材を日本語化されていると聞いたので、早急にワークショップをやって欲しい。」と言われ、「ええっ、何でホンダさんが知ってるんだ?」と皆で驚いたというエピソードがあります。

そういうことがあり、それじゃ、私たちのところだけでやっていたらもったいないから国内の他の企業のみなさんにも自分たちがISDを紹介しようということで、ワークショップを初めました。

日本でISDやIDは、どの程度広まっているのですか?

(米島さん)企業レベルだとある程度は広まっているけど、大学では部分的に、高校以下はまだほとんどといった状況ではないでしょうか。

日本での唯一のオンラインの大学院である熊本大学の教授システム学専攻教授の鈴木克明さんは、当時からのおつきあいですけど、「日本には、あまりにもIDがない。」と嘆いていました。

現状は、eLearningは企業も大学も学校も当たり前みたいになりましたが、実際に教育の中身、ソフトの設計は、企業も大学もまだまだです。

個人的には、日本の教育システムは硬直化していて、このままでは欧米にとてもじゃないけど追いつかない。

そういうときに、田原さんとかが一生懸命取り組まれていて、反転授業というものが入ってきて、学校の先生とか、みんなが興味を示している。反転授業は1つの形態であって目的じゃないけど有効なツールだと思います。

これをきっかけに授業をどのように設計するのかを考え、ISDに興味を持って入ってきてほしい。反転授業が、そのためのよいきっかけになるんじゃないかと、喜んでいるところです。

僕も反転授業はきっかけで、この機会に良いやり方がないか探求してみようというよい機会だと思っています。僕自身も、これまで教授法などについて勉強してこなかったのですが、反転授業に興味の持ち始めて、いろいろ調べていったらIDに行き着きました。授業をどのようにデザインしたらいよいのかを考えると、自然とIDと出会うんじゃないでしょうか。

(米島さん)日本からアメリカなどを見ていると、表面的には、eLearningとかflipped learningとかが、海の上の波の動きとして見えるのですが、文化的なこととかを言うと、キリスト教、実存主義、プラグマティズムという文化の底流のところにIDという基本的な考えがしっかりある。

表面の波の動きだけを見ていると、底流のところが見えないのですが、底流を踏まえて教育をシステマティックに考えなくちゃいけない。

フォーマルラーニングをきちんと作るのであれば、IDとかISDで設計しなくてはならない。

インフォーマルトレーニングとか、最近流行の状況的学習論とか、そういうものもあるし、そういうのは、別のプロセスで考えるから、複合的に捉えなくちゃならない。

僕のように現場で教育をやってきた人間にとっては、そもそもIDという考え方を持っていない。反転授業を考えるときに、思考のツールとして、IDの考え方があるということを共通認識として持ってたほうがよいと思うのですが、どうでしょうか?

(米島さん)ISDは万能なツールではないけれど、目標とか目標に達したかどうかとか、教育や研修の本当に基本的な重要な概念が入っているので、ISDを勉強することは役立つと思います。

 

米島さんにお話をうかがって、ISDやIDが、なぜ、重要なのかが分かってきました。反転授業オンライン勉強会が楽しみです。

 

米島さんは、1月27日(月)の反転授業オンライン勉強会でお話してくださいます。

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自治医大の淺田義和さんにインタビュー

2月の反転授業オンライン勉強会でお話してくださる予定の自治医大の淺田義和さんにインタビューさせていただきました。

淺田さんのことを初めて知ったのは、Facebookグループ「反転授業の研究」での自己紹介でした。

—— ここから引用 ——-

みなさま、はじめまして。自治医科大学の医学部、メディカルシミュレーションセンターに勤務しております、淺田義和です。

元々は工学部出身で安全工学をテーマに扱っていたのですが、安全→医療安全→医療安全のためのシミュレーション教育→教育手法→成人教育、インストラクショナルデザイン、eラーニング というような流れで、現在は

・シミュレーションセンターでの業務(心肺蘇生講習のインストラクション、教育の質評価、シミュレータの開発、etc.)
・医学教育センター(eラーニングやeポートフォリオを主体)

といったあたりをメインの仕事として抱えております。
※現在、熊本大学の教授システム学専攻でも科目等履修生として学んでいるところです。

反転授業の形式については、授業にeラーニングを取り入れるようになり、単なる宿題(復習)としてのeラーニングだけでなく、「授業の予習的なeラーニング+教室では実践演習」というような形式を実践できるよう、関心を持ち始めています。

特に医学部の場合、シミュレーションのような実習を伴う形式も必要になるので、知識の取得は予習としてeラーニングで、授業時間(教員がいて、器材が使える時間)は少しでも多く実践に・・というような配分を行うにもいいかな、と感じているところです。

また、「反転授業」という視点とは少し変わるかもしれませんが、大学生レベルの教育になってくると、「教える」ことよりも「学ばせる(自ら学んでもらう)」ことを促進するために、どうやっていけばよいか・・というあたりも、現在の課題の1つです。

よろしくお願いいたします。

—– 引用ここまで —–

この自己紹介を読んだときに、

「医学部でシミュレーション???」

と、ちょっと混乱しました。理工学部出身の僕にとっては、シミュレーション=コンピューターシミュレーションという印象が強く、

「コンピューターシミュレーションの教育を医学部でやっているのか?」

と誤解してしまったのです。それで、質問すると、医学部では、下の画像のような人形を使って心肺蘇生トレーニングなどを行っていて、それを、シミュレーションと呼ぶのだということを教えていただきました。

こちらから画像をお借りしました

淺田さんは、授業をするために心肺蘇生トレーニングの講習を受けたときに、その講習でインストラクショナル・デザイン(ID)が使われていたのをきっかけに、IDに興味を持ち始めたのだそうです。

そして、IDを学ぶために熊本大学大学院教育システム学専攻の科目履修生になり、『教材設計マニュアル』の著者でもある鈴木克明教授の講座でIDを勉強されているそうです。

 

先日、お話をうかがった北九州市立大学の山崎進さんに続いて、鈴木克明教授の名前が登場し、いよいよ、僕も、『教材設計マニュアル』で勉強したいという気持ちが強まってきました。

この講座は、すべてeLearningで学ぶことができるので、教育業界で働いている人が、働きながら学んでスキルアップをすることができます。

熊本大学の教育システム学の講座について、淺田さんに感想をうかがったところ、

「僕が、大学院に通っていたときに出された課題と比べても、課題の内容が重いので社会人経験とか、仕事で教育やっているとか、そういう人じゃないと厳しいかもしれません。」

とのこと。逆に、ある程度、実践した経験がある人であれば、その経験に照らしながら、深く学べるということかと思いました。

 

ここまで話していて、僕には、素朴な疑問がわいてきました。

「自分は、一応、教育業界で20年近く働いてきて、eLearningの仕事も10年近くやってきているのに、どうして、これまで、IDというキーワードに出会わなかったのか?」

という疑問です。この問いを、淺田さんにぶつけてみました。

淺田さんは、

「自分も2010年に自治医大に入り、冬にIDのことをはじめて知ったけど、それまでは、知りませんでした。まだまだ認知度が低いと思います。反転授業などをきっかけに、新しいやり方を探すと、そのときにIDに出会うのだと思います。」

と言っていました。

昨日、教育工学に詳しい別の方にお話をうかがう機会があり、その方にも同じ疑問をぶつけてみると、

「日本には、教育学と教育工学の間に深い谷があるんですよ。」

という答が返ってきました。それを聞いて、自分が探していた答が見つかった気がしました。

生物物理学会に所属していた僕は、当時、生物学会との間の深い谷の存在に嘆いていたので、その言葉の意味がよく理解できました。

反転授業のように、予習、テスト、授業を効果的に組み合わせる方法を探る場合、IDの方法論は、おそらくとても役立ちます。

組織の間に横たわる谷を、個人レベルでネットでつながって、どんどん超えていく機会を作ろうという気持ちが強まってきました。

 

次に、淺田さんの実践について、具体的にうかがうことにしました。

淺田さんは、IDを用いている講義を2つ紹介してくださいました。

1つ目は、心肺蘇生シミュレーションの講座です。

人形を使ったワークで、触ったり、体を動かしたり、スキルアップしたりということにできるだけ時間を使いたいということで、講義部分は予習として各自にやってもらうという反転形式で行っているそうです。

実習では、学生は最初から実習に入り、チェックリストを手に持って、実習項目をクリアしたらチェックを入れていくというやり方で進めていくのだそうです。クリアしたかどうかは、人形に判定機能があったり、インストラクターが横で確認したり、ということで判別されるとのことでした。

学生は、予習してこないと実習が進められないので、ちゃんと予習してくるとおっしゃっていました。

 

2つ目は、大学1年生向けのIDについて教える講座です。

こちらの事例では、どのようにIDを使って講座を設計したのかを、詳しくうかがいました。

まず、IDとは何か?こちらの図をご覧下さい。

こちらから画像をお借りしました。

授業を設計するときには、最初に、

①出口(目的)
②入口(現在地)
③出口への到達をどうやって調べるか

という順に考えるのだそうです。

淺田さんは、講座の目的を、

「医学部の学生は、将来、いろいろなところで教える側に回るので、自然な形で教え方を学んでほしい。それから、そのやり方を、自分の学習にも利用できるようにしてほしい」

と考えていて、「教えあう・学びあうというやり方があることを知り、使えるようにする」ということを出口に設定したのだそうです。

そして、入口については、「これまで、授業と言えば9割以上は座学という経験をしているはずなので、『授業=座学』だと思っているというのが、スタートラインです」とおっしゃっていました。

この入口と出口の間のギャップをつなげるために、どのように学習をデザインするかが、インストラクショナル・デザインだということのようです。

出口への到達度のチェックとしては、Moodle上の小テストとレポート課題によって測定したのだそうです。レポート課題のテーマは、「他の授業をID的に分析して、ここがよかった、ここが悪かった、自分ならこうしたいといった意見を書け」というもので、レポートを読んで、淺田さんはある程度の手応えを感じたとのことでした。

次に、IDの用語に当てはめながら、淺田さんがどのように授業を設計したのか、うかがっていきました。

【ニーズの分析】学生は、効率的な教え方、学び方を知りたいと思っているはず。

【デザイン】何もないところからはじめるよりも、自分の体験を思い出させたほうが導きやすい。

「大学に入るまでに楽しかった授業、つまらなかった授業を挙げよ。」

【開発】授業でやるともったいないから、Moodle上に自分の体験を投稿してもらう。→ Moodleの設定

【実装】授業の最初に、Moodleの投稿を吸い上げて、学習意欲がどのようにして出てくるのかを話す。そのときの学習者に合わせてオーダーメイドで授業を作ることができる。その後、クリッカーを使ったり、4-5人でディスカッションさせたりする。

【評価】Moodle上でのチェックテストと、課題レポート「他の授業をID的に分析して、ここがよかった、ここが悪かった、自分ならこうしたいといった意見を書け」によって、IDが使えるようになっているかを見る。

IDの一般的な説明を読んでも、IDとは何かがピンとこなかったのですが、淺田さんの実践例を当てはめながら、淺田さんの思考過程をたどっていくようにすると、だいぶ分かりやすくなりました。

最後に、淺田さんが、授業を設計する上で、工夫している部分は何かをうかがいました。まずは、予習について。

「大学生に予習させようとする場合、何も工夫しなければ、やってこない人はやってこない。だから、最初は、『予習してこないと成績が下がるよ』と言ったりして、半強制的に予習させて、授業の開始3分後に予習確認のための小テストをやる。そして、予習をやってよかったと思えるような授業をしてあげる。」

この流れは、なるほど!と思いました。さらに・・

「僕は、学生が寝たいと思わない授業をしたいと思っています。寝たら損すると思ってほしい。学生に受身に聞かせっぱなしにしないで、クリッカーつかったり、学生同士の対話を入れたりして、最後の3-5分くらいには、授業の感想文を書かせて、それを、次の授業の最初に紹介しています。」

淺田さんは、予習のMoodleの投稿にもコメントを入れたりしているそうなので、オンラインや、感想文を通して、学生とのコミュニケーション頻度が多いんですよね。自分のコメントや感想文を授業で紹介してもらったりするのも、モチベーションが高まる効果があると思いました。

「学生の好奇心を刺激して、おもしろいと思ってほしい。今まで意識していなかったことが意識できるようになると、それっておもしろいよねーっていう感じです。」

最初に、ちょっとだけ強制を入れて予習させて、予習してよかったと思える授業をして、授業の中で好奇心を刺激して、最終的には、講義内容の面白さを伝えるところまで持っていく・・・この一連の流れが論理的に考えられているところが、とても興味深かったです。

淺田さんのお話をうかがって、インストラクショナル・デザインの重要性、有効性がよく分かりました。

そして、まずは、自分自身がIDを学んで実践に生かし、その有効性を自分の実践例、自分の言葉で伝えていきたいと思いました。

 

※Facebookグループの人数が800名を超えました。どなたでも参加することができます。参加希望の方はこちらからお願いします。

数学教室の浜武しんいちさんにインタビュー

僕が、浜武さんのことを知ったのは、Wikipediaがきっかけでした。

Wikipediaには、「反転授業」という概念がアメリカから輸入される以前の2010年から、反転授業的な取り組みをしていたという記述があり、興味を持ちました。

それで、ぜひ、お話をうかがってみたいと思い、Facebookで浜武さんにメッセージを送って、グループに招待しました。

そして、先日、スカイプでお話をうかがうことができました。

まずは、浜武さんが、これまでどのようなことをされてきたのかというお話からうかがいました。

 

(浜武さん) 昭和60年代は、塾講師をやっていて、多い時は4つの塾を掛け持ちしていました。教科は小中学生全教科、高校物理・化学・地学・数学・英語・現代文。 あまりの忙しさに、教材(問題)、定着手段の共用化を図り、前回の授業内容の中からしか出題しない「小テスト」群を制作、実施。回を増すごとに記述度が上がり、最終的には完全記述式となりました。これは、司法試験の答練を模倣したものです。

 

僕も30代のころは、4つの予備校を掛け持ちしていたので、浜武さんの忙しさがよく分かります。僕も、浜武さんと同じように教材を共有したり、解答プリントの使いまわしの仕組みを作ったりして、授業以外の準備にかかる時間を短くしながら効果を上げる工夫をしていたので、浜武さんの「小テスト群」も、忙しすぎるスケジュールから生まれてきたという話にとても共感しました。

浜武さんのやり方の特徴的なところは、

前回の授業内容の中からしか出題しない「小テスト」群

という部分だと思います。

最初は、授業のノートを修正液で消して小テストを作っていたんだそうです。

これは、

授業を聞いていれば、必ず点数が取れるんだぞ!

という強烈なメッセージを与えていることになります。

これによって、生徒は授業をよく聞くようになるし、授業を聞いて復習すれば、その分だけ点数が取れるので学習意欲もわいてくるのだと思います。

 

浜武さんは、その後、紆余曲折を経て、平成5年に、公民館で数学教室をスタートしました。

 

(浜武さん) 公民館で開いた数学教室には東大志望者から赤点防止まで、浪人生から小学生までが集いました。このすべてに対応するために「生徒が生徒を教える」仕組みが完成。そして「公民館の塾は生徒がおしえるらしい」が評判となり、高校、中学、塾の先生の子息が多く集まりました。そしてその親御さん、卒業生が、数学教室同様、公民館で教えるようになり、先生たちのネットワーク「FCS福岡チャータースクール」に拡大しました。経営形態の独自性が認められ、通産省主催〜当時〜のアントレセミナーで登壇しました。

 

浜武さんの教室では、生徒同士の教えあいがあるのですが、これも、必要に迫られてというところが興味深いです。結果的に、年齢の違う生徒たちが一つの場に集まって教えあい、オランダのイエナプランを思わせるような空間ができているような印象を受けました。

 

ところで、動画講義の利用は、どのようにして始まったのでしょうか?

 

(浜武さん) FCS福岡チャータースクールの仲間だった江口数学教室の江口先生は個別に細かく生徒を教えるために、自分の「分身」として授業をビデオに撮り、公民館(貸し教室)まで自転車でモニターとビデオを持っていき!生徒に見てもらっていた事を実践していましたが、私はモニターが重そうで難渋していた所「You Tube」が普及。これならモニターを運ばなくていい!と云う事で、資格試験の動画を参考に「福岡チャータースクール高等数学部・数学教室版電子教科書」を創刊しました。また、江口先生の紹介でマナビーに参加。花房君との交友関係が始まりました。

 

Youtubeが普及したから、動画をアップしたということなのですが、これは、塾の常識からするとありえないことなんですね。通常、塾は、「講義」は商品であり、その塾の秘伝であるという意識があると思います。それを、無料で公開するというのは、いったいどういうことなのでしょうか?

 

(浜武さん) 私は、司法試験予備校とかのやり方を見ていて、塾業界よりも進んでいると思ったんですよ。彼らは、合格するために必死だし、お金もたくさんかけているので、あっちの業界のほうが先を行っているはずだと思いました。だから、まずは、司法試験予備校のやっているところまで追いつかなくちゃいけないと思ったのです。司法試験予備校では、講義を無料で公開していたので、そういうものかと思ったんですよ。

 

「そういうものかと思った」という発言は、衝撃でした。

講義を無料で公開してしまえるということは、浜武さんの授業の価値は、講義以外のところにあるはずです。動画講義を公開するようになってからの授業形式についてうかがいました。

 

(浜武さん)もともと私にとって動画は、ノートの延長線上にあるんですよ。授業を聞いて、ノートをしっかり理解すれば、確認小テストで点数が取れるというように作っていたのが、「動画を見てくれば、確認小テストで点数が取れる」というように変わっただけなんです。

 

そのようにして、「反転授業形式」が誕生したんですね。でも、教室で講義をやっているときは、必ず全員が講義を受けることになりますが、動画講義になると、講義を見るかどうかは生徒の自主性に任せることになると思うのですが、浜武さんのクラスでは、予習をちゃんとしてくるということなんですよね。生徒が予習してくるために重要なポイントは何なんでしょうか?

 

(浜武さん)まず、講義の論理に飛躍がないということです。それから、動画で話した内容からしかテストに出さないようにする。そうすると、ちゃんと動画を見てくれば点数が取れるので、点数を取れるうれしさを感じるようになるんです。そして、テストを終えれば次のプリント、次のプリントと進むので、よい意味で競争が起こります。生徒が分かったっていっても嘘っぱちなんですよ。だから、しっかりテストで確認して定着させます。プリントは、ちょっとずつ難しくなるように作ってあって、プリントを進めていくと力が付くようになっています。その辺は、公文式をヒントにしました。

 

 

なるほど。そうするとだんだんと教室では授業をやらなくなってきたと思うのですが、浜武さんは教室で何をやっているのですか?

 

(浜武さん)数学教室には、いろんな学力、いろんな学年の生徒がいるので、20人以上を1つの教室に集めて、同時にいくつかの授業を平行して行っています。5つくらいなら並行してやることができます。

 

これは、すごいです。「動画講義」+「小テスト群」を使って、生徒をどんどん伸ばしていく仕組みをつくっているので、並行して進めることが可能なんですね。浜武さん一人で、5人分の役割を果たしているわけです。しかも、すべての生徒が必死で頭を使っているのがすばらしいです。

 

浜武さんの実践は、どれも現場の問題を解決するために生まれたものです。そして、実際に解決してきたという実績があります。

大変参考になりました。

 

浜武さんが主催する「数学教室」はこちら

 

浜武さんは、1月27日の反転授業オンライン勉強会でお話してくださいます。

反転授業オンライン勉強会のお申し込みはこちら

 

 

FBグループ「反転授業の研究」の投稿が熱い!

Facebookグループ「反転授業の研究」では、日々、たくさんの投稿があり、その中からアイディアの他家受粉や、コラボレーションが生まれています。

先日、「第5回反転授業オンライン勉強会」の告知投稿に、登壇者の井上博樹さんが自己紹介コメントを投稿してくださったところから、話がどんどん発展していきました。

非常に「濃い」やりとりで、勉強になることがたくさんあったので、登場している皆さんに許可をとって引用させていただきます。

まずは、井上さんの自己紹介コメントから。

———–

(井上さん) 1月になりましたか、では空けておきます。90年代は国際大学・獨協大学でLMS開発や教材作成支援などをしていました。縁あってワシントンD.C.のBlackboard社に転職し、2000年位にBlackboardの多言語化をしていました。現在はMoodleを大学や病院・企業などに導入したり、反転授業の設計・制作、モバイルアプリ開発等をしています。放送大学やHONDAなど大きなクライアントから個人の先生まで、さまざまなMoodleユーザをサポートしています。また、2013年はCoursera(コーセラ)でスタンフォードのStartup Engineeringという授業を修了し、MOOCの威力に圧倒されました。Courseraがなければ、スタンフォードの授業など受ける機会もお金もありませんでした。Courseraの勉強会でスタートアップを目指す多くの学生や留学生と出会い、Node.jsやアプリ開発、リーンスタートアップの実践に取り組んでいます。

京都の貧しい山間部の出身で、情報格差・教育機会格差・経済的格差・義務教育の崩壊(先生がまともに授業をしない)で苦労してきましたが、カーン・アカデミーやMOOCによってそうした格差が縮められるのではないかと期待しています。パソコンも買えず、本屋もないので、図書室の本を全て読んだり、裕福なクラスメート宅でパソコンを借りてプログラミングを勉強したりしてきました。大学も当時は30万円程度の学費でしたので、アルバイトして払いました。研究室でMacに出逢い、科学計算の仕事に就いて社会人になってようやくMacを買えました。仕事ではSunやHPのUNIXワークステーションを使用していましたが、当時Linuxが登場し、自宅でも開発や勉強ができるようになり感動しました。

カーン・アカデミーやMOOCでは講義ビデオ配信やテスト実施、進捗把握のプラットフォームとしてLMSが開発・使用されています。彼らのように開発エンジニアを抱えていないところでも同様のことができるように、オープンソースのMoodleベースのサービスを開発しています。サインアップしたらすぐにMoodleインスタンスが使えるWebサービスを開発し、もうすぐリリースする予定です。

この機会にいろいろ知見をシェアし、日本における実践に貢献できればと思います。よろしくお願いします。

 

そこに、福島毅さんがコメントし、福島さんと井上さんのやり取りが始まりました。

(福島さん) 井上さん>こんにちは。すごい、日本における展開の明るい未来を感じることができました。ありがとうございます。

(井上さん) 福島さん、ありがとうございます。日本でもアメリカでも韓国でも教育格差・経済格差に問題意識を持っていました。

教育を受ける機会の差で給料が10倍以上違うアメリカ、有色人種は年収300万円もいかないのに、ボーディングスクール・アイビーリーグMBAは最初から年俸が2000万円。

日本より更に貧しく勤労学生が本当に多い韓国などでの体験。授業時間以外は1日中アルバイトをして夜中に勉強しているクラスメート。

こうした体験を通じて、やる気はあるがお金はない人のサポートをしたい、と考えています。以前と比べると飛躍的にコンピュータリソースや回線コストは安くなっていますので、日本でもいろいろやれると思います。実践にあたり、いろいろアドバイスいただけるとうれしいです。

いろいろできない理由を挙げ出したら何もできず、問題解決ができないので、できるところから少しづつでも実践していきたいと考えています。端末の問題についても企業から出るリース落ちのパソコンにUbuntuなどを入れてプログラミング学習をする端末にしてパソコンを買えない人が勉強する環境を作れないか、と考えています。アメリカにいた時にそうしたサポートをするNPOをスタンフォードの学生らがパロアルトの貧困地区で運用していました。スラム街に小屋を立てて、貧しい家庭の子どもにプログラミングやWebデザインを教え、就業支援をしていました。こうしたことが日本でもできないかと思います。今はまだ資金が足りないので、なんとか工夫してスペースを借りたりできるようになりたいと考えています。

また、英語の壁を下げて、より多くの日本人がMOOCで学べるようになる支援もしたいと考えています。既にインターナショナルスクールではカーン・アカデミーやCourseraで学んでStack Overflowで問題解決して、StanfordやCaltech、UCバークレーなどに入学する生徒が出てきています。そうしたことを学費の高い環境だけでなく、さまざまな環境の人に実践してほしい。社会人だって学びなおして、それぞれのゴールにチャレンジできればいいと思います。

(福島さん)ありがとうございます。なさろうとしている意図が伝わってきました。

翻訳技術の方はどんなトレンドですか?
翻訳革命前夜とか言われていますが・・・
言語の壁って、ほんと大きいかと思います。言語マスターするのに費やす時間で、他に多くのことを吸収できるはずですから。27日のオンライン勉強会が楽しみです。

(井上さん)翻訳技術についてもシンクタンク在籍時にマシンラーニングや音声認識・音声合成のプログラムを書いていましたが、機械翻訳だけで完全にコミュニケーションできる技術レベルには達していないと思います。論文などの概要を把握する程度なら実用的になってきました。

英語については悲惨な経験をしました。ワシントンD.C.の会社では相手の言っていることが聞き取れないのでバカ扱いされたり、相手にしてもらえなかったりしました。パーティで、言葉もわからないやつは会社に要らない、と断言されて、同期入社のオーストラリアから来たボブさんに相談しました。彼の勧めで、3ヶ月仕事が終わった後にオフィスの隣のボロいホテル(Lincoln Suites)で夜な夜なiPodに入れた音楽やオーディオブックをセリフを見ながら聞いて、わからない単語は調べて、シャドウイングして、というトレーニングを繰り返し、次の日は前の夜に覚えたセリフを使ってみる、ということを繰り返しました。すると、だんだん相手の言うことが聞き取れるようになり、応答ができるようになったため、クビにならずに済みました。また話せるようになったので、一緒に呑みにいったり、週末に野球を見に行ったりできるようになりました。

また開発で悩んで一緒に問題解決をしたり、週末に遊んだりする中で人間関係を構築し、仕事をする、という局面では言葉ができないとなかなか助けてもらえませんでした。

3ヶ月本気でやると英語は聞き取れるようになります。なので、やりたくない人はしょうがありませんが、英語をマスターして【英語で学ぶ】人を増やしたいと思います。そう思って、TOEICのリスニング対策をするアプリを開発し、大学などで使ってもらっています。

英語を学ぶことで1000種類位のMOOCの授業が受けられるようになるので、可能性を広げたい人は英語を学ぶほうが得策だと思います。学ばなくてはいけないとは思いませんが、学んだ方が得することがある、と考えています。

期待に添えない回答で申し訳ありません。

(福島さん)いえ・・・期待に十分応えていただいております。

個人的な体験のお話は、説得力ありますです。
おいそがしいところ、貴重な時間を割いて、コメントのリプライに恐縮しております。 ほんと、ありがとうございました。

(井上さん) 福島さん、英語や勉強ができないとどんな悲惨な目に遭うのか、でしたら色々な事例がご紹介できます。

小学校6年生の時の担任のN先生が時間割にある科目を教えないで「勉強なんかしても仕方がない」が口癖でいろいろ考えました。彼女は広大な茶畑を持つ大農家の娘なので食うには困らないのでいい加減なことが言えますが、アル中の父を抱え、働く以外に生きていくすべがない私には悪い冗談でしかありませんでした。

中学校に入るとまた同じような担任のA先生に出会い、教科書を取り上げられたり、制服を取り上げられたりと先生からのイジメに逢いました。とにかく結果の平等を目指しておられ、落ちこぼれにも勉強ができる子にもひどく当たっていました。「お前らみたいな田舎もんは勉強してもしょうがない」とおっしゃり、先日の同窓会でもそう断言されていて残念です。それを真に受けた同級生らは地元の工場に行き、最後は会社がなくなってしまいました。

地元の公立高校の校長先生が高校の説明会で同じようなことを言っておられ、「田舎もんのお前らは勉強なんかせんでええ、高校を出て、サンヨーやヤマザキパンの工場で働けばいいから部活をしっかりやっておけば勉強はしなくてええんじゃ」と言われ、これは本格的にヤバいと思って、受験勉強を開始し、私立高校に入りました。

そして、はじめて登校した日、校長先生の一言で泣いてしまいました。

「あなたの星はあなたの中にある」
“Your star is in your heart.”

つまり、自分の将来は自分で切り開ける、だから何でもやってみればいい、困ったらいつでも相談に乗ってあげるから私のところにいらっしゃい、とおっしゃったので、いろいろな話を聞いていただきました。その村田源次校長先生も奄美大島の出身で漁船で難破してカナダ人に拾われ、ケベックというフランス語圏の街の教会で育ったそうで、言葉も通じない土地で絶望しかけたが、なんとか言葉を覚え、教会で働き、戦後に学校を作るために京都に来られました。それから、一生懸命勉強しました。

あなたの未来は希望がない、と言われるのと、やったらなんとかなるからうまくいかないけれども一緒にやってみよう、と言われる方がよかったです。

続きはいろいろありますが、またの機会にしたいと思います。

(福島さん)いやぁ、井上さん、仕事そっちのけで、読んじゃいます。
井上さんの人生にとって、お二人の教師との出会いはいわば、反面教師、危機感や危うさを身を持って教えてくれた役割をしていたのかもしれませんね。
”あなたの星はあなたの中にある”
いい言葉を教えていただきました・・・

(井上さん)大学に行ってもっと悲惨な体験をします。東大にすれすれで入り、風呂無し4畳半から楽しみに大学行ってさあ勉強するぞ、と思ったのですが、解析入門著者の杉浦先生の講義でわからないところがあり、研究室に行ったら、教養課程の数学は昔の東大生は高校時代に独学してた、こんなことがわからないバカは授業に来ないで欲しい、と言われショックでした。そこで開成からきた可知君に相談したら可哀想だからと講義ノートを作り教えてくれました。確かに彼は高校2年生で教養課程の数学を終えていたそうです。先生はそういう生徒のレベルに合わせて講義を進める、と言われ、どうしようもありませんでした。

(福島さん)井上さん>いよいよ凄い・・・
ひととおり、全部聞いてしまいたい衝動が・・・

ここで、鈴木利和さんが1つの提案を。現在、クラウドファンディングに挑戦中のeboardの応援企画として、応援者が「eboard物語」を連載しているのですが、そこへの参加を呼びかけました。

 

これをきっかけに、井上さん、鈴木さん、中村さんのやりとりが始まりました。

(鈴木さん) eboardの応援記事に参戦というのはいかがでしょう?

これを受けて、eboardの中村孝一さんが参加。

(中村さん) >既にインターナショナルスクールではカーン・アカデミーやCourseraで学んでStack Overflowで問題解決して、StanfordやCaltech、UCバークレーなどに入学する生徒が出てきています。

すばらしい。何かご一緒できないでしょうか。

eboardという学習サイトを開発・運営しており、不登校や過疎地のお子さんに使って頂いています。
http://www.eboard.jp/
(井上さん)鈴木さん、そうしますね。やってみましょう。残念ながら素材はたくさんあります。日本では珍しくなってきましたが、韓国やフィリピンではよくある話で、そんな貧乏は当たり前だ!と、鼻で笑われました。もっと苦労してる人はいて、でもめげずにやってますよ。

(鈴木さん)矛盾ですよね。学ぶ環境がいくらでもあるのに、学ぼうとしない裕福な甘やかされた人が  貧困から抜けだそうと必死にもがく人をあざ笑う。

でも、試練が人を磨き、狭き門より入った人が報われる

そんな機会をつくりだしたいですね。

ベトナムから来た留学生も、結局、学ぶことなく、アルバイトをして小銭を稼いで国に戻るという人も少なくないです。

お金が無いことで、人間の尊厳が損なわれるような世の中を変えたいですね。

(井上さん)中村さん、ありがとうございます。僕も公開オンライン講座作ってみたいです。被らない分野でやれば選択肢が増えますよね。僕はタブレットが得意ではいので、ドットインストールの田口さんみたいにライブタイピングで仕事で使うビデオを作成してます。いろいろ教えてください。

とりあえずMOOCで学べる英語力をつける勉強法を紹介したい。僕は独学でTOEIC955点。リスニングは490点まできました。

関西人ならご存知かもしれませんが、私の田舎は京都府相楽郡精華町で、京阪奈の研究所がたくさんあるとこるです。原住民は教育環境が悲惨で大学に行く割合も少なく、非行に走ったり、ぐれてしまったり、キャバ嬢になったりする人が少なくありません。うちの弟も勉強することがカッコ悪いという風潮に流され本当に勉強せず、大学に行けずタクシーの運転手になりましたが、毎晩の仕事がたたり胃ガンになり、闘病生活をしています。学がないから仕事につけない、他人をうらむという悪循環です。

(中村さん)eboardについては、まず就業にも最低限必要な学力を出口にしています。具体的には、ドロップアウトした子の第1歩になる高卒認定試験です。

次の段階として、現在MITSloanにいる方と、海外でも使える英語を身につけるプログラムをつくっていこうと考えています。
http://www.habataku.co.jp/special/eng2014/

ちょうど明日から新潟に2人で行って、公立高校でプログラム・提案をやる予定です。その後来週1週間東京におりますので、よろしければお時間頂けると幸いです。

[MIT×English×Your Dream]世界に羽ばたくネイティブ脳を育てよう 2014新春 – ハバタクスペシャルサイト
www.habataku.co.jp
.世界へ羽ばたきたい学生におくる実践型英語ブートキャンプ、2014年1月にふたたび限定開催!..プログラム名:世界に羽ばたくネイティブ脳を育てよう 2014新春 ?MIT女子直伝、独力で英語力を高めるワークショップ?主催:ハバタク株式会社 企画協力:講談社Rikejo. …

(井上さん)鈴木さん、ベトナムからきた留学生ともスタートアップコンテストに参加しましたが、文科省の予算で東大に来て、月々お手当をもらい家賃もかからず過ごしているうちに努力することを忘れてしまったのか、応募作品に必要なプログラム開発では1行もコードをかかず、あげくの果てには「くそー、ジジイはだまって俺のために働けばいいんだよ。俺がファウンダーなんだよ!」と日本語で言われてしまいました。イコールパートナーになることは難しそうなので、それぞれでやることにしました。甘やかし過ぎもダメですね。それが日本政府の予算で行われているのもどうかと思います。Courseraで10個も修了証を持っていますが、それを実践して形にしたり、パートナーと働くといったソーシャルな能力は低いようです。だから、勉強して知識をつけることと同時に、それが社会的問題解決につながるようなサイクルが必要だと思いました。

なので、新興国で苦労したからいいという訳でもないようです。個人的にはその人が社会的使命感、ミッション、信念などがあって行動しているのか、それとも裕福になりたいだけなのか、で行動様式が違ってくるようにも思います。

韓国の嶺南大学では大学教授が生徒に賄賂を要求していました。私もパク先生に2億ウォン出したら修士論文みてやると言われましたが、おかしな話なのでお断りしました。年収が100万円程度の勤労学生にもそういうことをします。私の育った環境でも、貧乏な状況にある人ほど、お互いに奪い合ったり騙し合ったりしようという人が出現しやすいと思います。傷つけあうのです。だから、学力をつけて稼いでそういうサイクルから脱却することが必要だと思います。多くの若い人の心を潰しています。僕はそういう人に知力をつけて反旗を翻して欲しい。

韓国はオンライン教育については数々の取り組みをしていて、良い面も悪い面も参考になります。たとえば、大学のLMSでは講義アーカイブを見れるようになっているが長すぎてあまり使われなかったり、視聴記録を残すために学生は垂れ流しにして視聴しなかったり。政府機関が作成した電子教材は無償なのにあまり使われなくて、民間の塾が有償なのに効果が出るから人気が出たり。お金持ちは塾に行ったり、家庭教師を雇うが、貧乏な家庭では「ウチは金がないから、ネットで勉強しとけ」っていうお母さんがいたり。塾に行く方が金がかかるからパソコンでやれってのは新鮮でした。Windowsはよく壊れるので、貧乏な家庭の子どもは修理が得意でした。明洞あたりのゲストハウスに行くと、大学生が夜な夜なWindowsの再インストールをしているのが見られます。

(井上さん)中村さん、ご提案ありがとうございます。ぜひ先達の話を聞かせてください。とても楽しみです。いろいろな方の経験をマッシュアップして、遠回りをしなくても済む効果的なやり方を皆でシェアして実践者が増えるといいなと思います。メッセージで日程調整をお願いします。
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このように、Facebookグループ「反転授業の研究」では、日々、熱い対話が行われています。

すごいメンバーが次々に終結しています。

何が起こるか目が離せません。

 

※Facebookグループの人数が800名を超えました。どなたでも参加することができます。参加希望の方はこちらからお願いします。

オンラインで学びあい!「神アプリExplain Everythingで 超簡単に動画講義を作る方法」

「反転授業の研究」の田原です。

僕は、反転授業の試みがうまくいくかどうかの鍵を握るのが「オンラインでの学びあい」ではないかと考えています。

その理由は、次の通りです。

 

理由1 リアルの場では「少数派」である実践者たちが孤立しないで、つながることができる。

「反転授業」という言葉は、最近になって認知されるようになったとはいえ、実際に実践しようと思ったら学内に実践者を見つけるのは難しい状況です。実践者の「密度」が小さいので、リアルの場で出会うのが難しいのです。

反転授業の実践に必ずしも肯定的でない集団の中で、一人で実践を進めていくことは大きなエネルギーを必要とします。孤独感も感じる場合があるかもしれません。

しかし、オンラインで集まると、そのような状況が一変します。

すべてのメンバーが「反転授業」に関心を持って自分から集まってきた方たちで、実践に対するモチベーションが高いです。

実践に意欲を燃やしている人が、自分以外にもたくさんいることを日常的に感じることができれば、大きな推進力が生まれると思います。

「反転授業の研究」は、すでにそういう場になりつつあります。

新しく一歩を踏み出す人が、次々に出ています。

 

理由2 実践を広く素早くシェアできるので、改善のスピードを上げることができる。

オンラインで学びあうメリットの2つ目は、スピードです。

リアルの場で研究会を行う場合、セッティングの労力が大きいし、物理的に集まれる人も限定されます。

しかし、オンラインであれば、日常的に非同期でつながることもでき、また、物理的な制約なしでリアルタイムセッションをすることができます。

このことによって、多くの実践例やアイディアに触れることが可能になり、すでに、そこから新しいアイディアが生まれています。

相互参照によって、実践のアイディア、改善のアイディアが生まれるのです。

「反転授業」が盛り上がっている今は、教育・学習に新しい風を吹かせるチャンスです。

注目されている間に、実績を上げて、この動きを一時的なものとせず、確固たる流れにしたいです。

そのために重要なのは実践-改善サイクルのスピード。

そのスピードを生み出すのは、お互いの経験を広く素早くシェアすることだと思います。

 

オンラインの学びあいは可能か?

「オンラインの学びあい」に重要性を感じ、どうすればそれがうまくいくのか考えはじめました。

参考にしようと思ったのは、ワールドカフェ、OST、学習する組織など、組織を機械ではなく生命体と見なす手法です。

そんなとき、ワールドカフェのホスティングスキルを学べるオンライン講座があることを教えてもらい申し込みました。

ワールドカフェの考え方を学びたかったのと、オンラインでの学びあいがをどのようにデザインしているのか、運営法にも興味があったのです。

受講料が高かった(約7万円)のですが、僕にとって重要な2つのことが学べるのならと思って受講しました。

 

講座は、まず、Go to meetingというビデオチャットシステムによるリアルタイムセッションから始まりました。

講座に申し込んだのは30人ほど。アメリカ、イギリスからの参加者が半数ほどで、残りは、世界中から参加していました。日本人は僕一人でした。参加者のプロフィールを見ると、組織改善のコンサルなどをやっていて、手法の1つとしてワールドカフェを取り入れたいと考えているという人が多かったです。

リアルタイムセッションでは、一人ずつ英語で自己紹介をし、なぜ、この講座に申し込んだのかを1-2分でしゃべりました。

「この人たちと一緒に学ぶんだ!」

という気持ちが盛り上がってきました。

 

講座は8週間完結で、最初の3週間は参考文献の読み、課題をフォーラムに提出するというものでした。

たとえば、「ワールドカフェの哲学について、印象に残った部分を引用し、その理由を書け」といった課題が出ました。

僕の英語力が十分でないこともあり、本を読んでもよく理解できない部分が結構ありましたが、なんとか課題を書き終え、締め切り前に提出しました。

フォーラムは5つのグループに分かれていて、同じグループ内のメンバーには、お互いにコメントしあうことができました。

僕の提出した投稿にも早速テーブルメイトからコメントがつき、「その考えは、自分にはなかった。面白い」「私があなたの考えの中で好きなのはこの部分だ」などと書いてもらったのは、モチベーションアップにつながりました。僕も、他のテーブルメイトの投稿へ、同じようなコメントを入れました。

勉強になったのは、その後です。

同じグループのメンバーの投稿、そして、他のグループの投稿も読んでいきました。

すると、自分では気がつくことのできなかったたくさんのことに気づくことができました。

たとえば、参考文献の中で、ワールドカフェがどのように自然発生したのかということが、物語風に書いてあったのですが、僕は、その部分をスルーしていたんですね。

でも、メンバーの一人が、「ワールドカフェは、人間が頭で考えて設計したものではなく、自然発生したものだから、人間の本能的な振る舞いと強く結びついているんだ」とコメントしているのを読んで、「そうだったのか!!!」と、その部分の重要性を感じることができました。

このような経験は、その後も続き、グループで学ぶことがとても有効であること、そして、それがオンラインでも十分に可能であることを確信することができました。

 

Facebookグループから「講座」を生み出す

Facebookグループには、現在800名を超えるメンバーがいて、毎日、すごい量の投稿がされています。

投稿を見ていると、その中には、

・ニーズに対する情報・・・こんなものがあったらいいな!

・スキルに対する情報・・・こんなことができます!

が、多数含まれています。

スキルを持っている人でチームを作って講座を作成し、ニーズに応えていくことで価値が生み出せると思います。

メンバーにはそれぞれスキルとニーズがありますから、あるときは講師、あるときは受講者と、役割を変えながら学んでいくことができれば、より深い学びが生まれるのではないかと思います。

オンライン講座の運営には、ワールドカフェのオンライン講座の受講経験が生きると思います。

実践とフォーラムでの学びあいを中心に据え、それが効果的に進むようにサポートしていきたいと思います。

 

第1弾!「神アプリExplain Everythingで超簡単に動画講義を作る方法」

オンライン講座の第1弾として、以前から要望のあった動画作成講座をリリースします。

この講座も、Facebookグループから「浮かび上がってきた」ものです。

まず、ニーズが浮かび上がってきました。

「動画講義の作り方講座とかあったらいいな」という投稿に、たくさんのレスがつき、同じような考えを持っている人がたくさんいることが分かったのです。

Explain Everythingを使いたいという希望が多いことも分かりました。

次に、講師役も浮かび上がってきました。

佐賀・武雄市の反転授業の教材を、メンバーの古山竜司さんがExplain Everythingで作成していたのです。

さらに、ICTに詳しく、グループワークも実践している桑子研さん、やはりICTに詳しく、非常に分かりやすい解説記事を書く横山淳さんにも加わってもらい、僕を含めて4人のチームを結成しました。

これらの皆さんは、反転授業オンライン勉強会で登壇してくださった方たちで、お話をうかがって、スキルもあり、信頼できる方だということがよく分かったので、迷わずお願いすることができたのです。

その後、FacebookやWizIQを使ってミーティングを行いました。

4人の力を結集した結果、仕事はどんどん進み、一人では到達できないクオリティになりました。

ここでも、協働作業の威力を感じることができました。

このような試みが成功し、様々なコラボレーションが生まれることで、教育に関わる多くの方たちが「協働作業の威力」を実感するということにも意味があるのかもしれないと感じました。

 

Facebookグループから生み出された、記念すべき最初のオンライン講座への申し込みはこちらです。

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サポートの質を維持するために50名限定とさせていただきます。

 

第5回反転授業オンライン勉強会

「反転授業の研究」の田原です。

これまで4回の勉強会を通して、アクティブラーニングなどのグループワークやプロジェクト型学習といった教室での活動、さらに、動画講義にはどのような種類があり、どのような効果があるのかということを扱ってきました。

理解が深まるにつれて、それらの要素をどのようにリンクさせていくのがよいのかということがテーマとして浮かび上がってきました。

そこで、1月と2月は、授業設計、教材設計に問題意識を持って取り組まれていらっしゃる方からお話をうかがいたいと思います。

第5回反転授業オンライン勉強会

テーマ:授業デザイン

日時:1月27日(月)22:00-23:30

場所:オンラインルームWizIQ (お申し込みいただくと、メールでURLが届きます。自宅から参加できます。)

参加費:無料

 

それでは、登壇者の紹介です。

米島 博司 さん「パフォーマンス・テクノロジーとインストラクショナル・システムズ・デザイン/ISDの概要」

(プロフィール)

パフォーマンス・インプルーブメント・アソシエイツ代表。富山県出身。千葉県在住。 日本電気通信システム㈱入社後、海外向け電子交換機の保守運用、ソフトウェアに関するお客様向けトレーニングの開発、インストラクターを担当。1990年代初頭、NECインターナショナルトレーニング在職中にニュージーランドテレコム(当時)のお客様からISD(Instructional Systems Design)の存在を知る。 以降米国CEP社とライセンス契約により、CRI(Criterion-Referenced Instruction)、IMD(Instructional Module Development)のワークショップの教材の日本語化、ワークショップの開催などにより、国内の企業(本田技研工業、JR東日本、日立、ユニシス、リコー、他)にISDを紹介、技術指導を行い、 数多くのインストラクショナル・システムズ・デザイナーを育成してきた。 2012年9月にNECネッツエスアイ㈱退職後、フリーランスで教育システムの設計・開発アドヴァイザー、ISDの指導・ワークショップを行っている。 Certified Course Manager of CRI/IMD Workshop ソフトウェア技術者協会 幹事 教育分科会 世話人

(内容)

1.パフォーマンス・テクノロジーとインストラクショナル・システムズ・デザイン

人の行動(パフォーマンス)を支える知識や技能を育成するためには教育以外に様々な方法論があり、教育はその一つであること。また教育でなければならないとしたらどのような場合かを考えます。

2.ISDの概要

インストラクショナル・システムズデザインによるコース開発の主要プロセスを概観します。

 

井上 博樹 さん「オンライン教育プラットフォームの変遷と、教授設計の変化」

(プロフィール)

・アメリカ・ワシントンD.C.のBlackboard社にて多言語対応コース管理システム(Blackboard ML)の開発、日本法人取締役を経て、独立・起業。およそ100大学や病院間ネットワークへのBlackboardやMoodle導入、ポータル構築などを担当。玉川大学、岐阜大学、名古屋商科大学などへのBlackboard全学導入、放送大学、HONDAなどへのMoodle導入(プライベートクラウド構築)、研修カリキュラム設計・オンライン授業制作、Drupalによる東京外大ポータル構築などをサポート。低コストですぐにLMSが使えるクラウドサービスをMoodleベースで構築し、2014年1月下旬にリリース予定。   ・アメリカ・ワシントンD.C.のスタートアップ企業で英語ができなくてクビになりそうになり、iPodで必死に勉強し、夜な夜なリスニング・シャドウイングして昼間に実践することで3ヶ月目に開眼。TOEIC955点(リスニング495満点中490点)TOEIC IBT 91点(120点満点)を取得。リスニング力強化によって、相手の言うことを理解できるようになり、アウトプット強化によってプレゼン力向上を図る、という英語強化メソッドを開発。

・2013年6月からCourseraで「Startup Enginnering(ベンチャー企業の作り方)」を受講、12万人中433番に入り、97%の成績で、上位5%に与えられる”WITH DISTINCTION”の修了証を獲得。MOOCを通じた実社会で役立つ学びの可能性に感動し、Courseraの勉強会や、より多くの日本人がMOOCで学べるサポートを提供中。英語アプリも取り組みの一環。第1弾として「TOEICリスニング徹底マスター」アプリをAppStoreでリリース。九州工業大学などで大学生のTOEIC対策に採用される。第2弾として、プレゼン力強化アプリを開発中。 アプリヘのリンク

(内容)

1990年代に北米で生まれたコース管理システム(CMS/LMS/VLE)は、世界中で普及し、欧米やオーストラリア・ニュージーランドなどでは、小学校から大学、生涯教育まで広く使用され、授業を運営する先生の負担軽減や、生徒や学生の学習支援を実現し、先生の必需品となっています。 本日は、コース管理システムでどんなことができるか、先生にとってどのような効用があるか、学習者にとってどのような効果があるか、使いはじめるにはどうしたらよいのか、について、Moodleを実例として俯瞰します。 また、MOOCやカーンアカデミーの影響により、オンラインコースの設計にも変化が起こっています。サルマン・カーンが主張する「マイクロレクチャー」「完全習得学習」「進捗ダッシュボードやナレッジマップによる個別指導の実現」、MOOCによる「オンライン学習とミートアップ(オフライン勉強会)やフォーラムでのソーシャルな学びの融合」は、これまでの教授設計手法にも影響しています。MOOCで典型的なオンライン講義やテスト・フォーラム等の作成方法について、Moodleを例にデモを交えて説明します。

 

浜武しんいちさん「動画で自分の『分身』を創り、生徒をきめ細かに指導。生徒は『反転授業確認テスト(答練)』で実力を養成!」

FCS数学教室 → Facebookページ

(プロフィール兼内容)

◆昭和60年代、塾講師(契約社員) 多い時は4つの塾を掛け持ちしていた。教科は小中学生全教科、高校物理・化学・地学・数学・英語・現代文。 あまりの忙しさに、教材(問題)、定着手段の共用化を図り、前回の授業内容の中からしか出題しない「小テスト」群を制作、実施。回を増すごとに記述度が上がり、最終的には完全記述式となる(司法試験の答練を模倣)。

◆平成5年2月 「他のすべての塾を辞めてうちにこないか?」と云われ、席を移したが、内部調整ができておらず、突如解雇に。しかし、司法試験等で労基に明るかったので通告無効に。しかし、教壇に立てない東進衛星担当(契約社員)へ(意識はしてなかったが動画授業の長短を学んでいたのかもしれない)。

◆平成5年6月 収入が激減して途方に暮れていた私を見るに見かねて、子息の家庭教師を依頼していた当時市長から「公民館」で塾を開く事を勧められ「光が丘数学教室(現FCS数学教室)」を開講(最初の生徒は僅か2名でした)、主宰者に。

◆平成9年 公民館で開いた数学教室には東大志望者から赤点防止まで、浪人生から小学生までが集った。このすべてに対応するために「生徒が生徒を教える」仕組みが完成。そして「公民館の塾は生徒がおしえるらしい」が評判となり、高校、中学、塾の先生の子息が多く集まった。そしてその親御さん、卒業生が、数学教室同様、公民館で教えるようになり、先生たちのネットワーク「FCS福岡チャータースクール」に拡大(経営形態の独自性が認められ、通産省主催〜当時〜のアントレセミナーで登壇)。

◆平成20年1月 福岡市、久留米市への公民館利用申請が「営利目的」との事で却下され続け、物件を借りる事に。連帯保証の兼ね合いもあり、FCS福岡チャータースクールの一部の教室が法人化。「株式会社福岡チャータースクール」に改組、FCS数学教室と分離。

◆平成22年11月 FCS福岡チャータースクールの仲間だった江口数学教室の江口先生は個別に細かく生徒を教えるために、自分の「分身」として授業をビデオに撮り、公民館(貸し教室)まで自転車でモニターとビデオを持っていき!生徒に見てもらっていた事を実践していたが、私はモニターが重そうで難渋していた所「You Tube」が普及。これならモニターを運ばなくていい!と云う事で、資格試験の動画を参考に「福岡チャータースクール高等数学部・数学教室版電子教科書」を創刊。また、江口先生の紹介でマナビーに参加。花房君との交友関係が始まる。

◆平成24年9月 「動画を中学時代に見ています」このような問い合わせが次第に増えだし、明らかに動画を視聴してきた生徒の方が教室内での問題消化量が多いので、メールで動画の視聴指示を出しだす。その後、当初、用途が定まらなかったFBに。記述力が問われる動画は授業前に「反転授業確認テスト」を実施(完全記述式)。

◆平成26年2月 「反転授業」の認知度の広がりを受け、福岡チャータースクールで開催予定の「2014高校数学準備講座」の「反転授業」化全面実施へ。 現在に至る。

 

第5回 反転授業オンライン勉強会へのお申し込み

日時 1月27日(月) 22:00-23:30

会場 Web教室システム「WizIQ」

参加費 無料

席に限りはありません。カメラ&マイクなどは必要ありません。

初めて入室される方は、少し時間がかかる可能性がありますので、余裕を持って入室してください。

こちらからお申し込みください

 

 

●Facebookグループ「反転授業の研究」では、879名のメンバーがアクティブに活動しており、様々なコラボレーションも生まれています。

参加希望の方は、こちらから追加申請してください。

 

※Facebookグループの人数が800名を超えました。どなたでも参加することができます。参加希望の方はこちらからお願いします。

北九州市立大学の山崎進さんにスカイプインタビューしました

1月、2月の反転授業オンライン勉強会のテーマは、インストラクショナル・デザイン(ID)です。

インストラクショナルデザインとは、「ニーズの評価と分析」「デザイン」「開発」「実装」「導入後の評価」の、5つの手順をサイクルとして、学習が効果的に行われるように設計することです。

動画講義や、アプリなど、様々な教育ツールがありますが、学習を考えるときには、予習、授業、復習などのサイクルや、学期単位のサイクルがあり、全体として学習が効果を上げるように考える必要があります。

「動画講義で予習して、教室でワーク」

といった表面的なことではなく、その背景にある「学習が全体としてどのように効果的に進むのか」ということを考えて、その上で、どのように予習中心の授業を構築するのかということを考えていきたいと思います。

 

1月6日に、2月の勉強会で登壇していただく予定の北九州市立大学の山崎進さんにインタビューさせていただきました。

山崎さんは、「ソフトウェア開発をどうやって学ぶのか」ということを考えられていて、インストラクショナルデザインを元にカリキュラムを設計しています。

一般的な概念は、書籍等で学べると思い、山崎さんが実際にどのような授業をされているのかを詳しくうかがいました。

 

小さな成功の積み重ね

現在の山崎さんの授業ができるまでには、いろいろな実験的な試みがあり、そこでつかんだ手応えを、また、別の実践で試してみるといった繰り返しだったそうです。

(1)プログラミングの経験が乏しい学生(大学院生)にどうやったらソフトウェア開発をイメージさせるのか。

→ 卒業研究とソフトウェア開発とは、「プロジェクト」という点で共通。

→ ソフトウェア開発を、卒業研究に例えて説明して、うまくいった。

→ メタファーを使い、直感的にイメージさせるとうまくいきやすい。

(2)ソフトウェア工学概論(大学院生向け)のレポートで概要と質問を課した。

→ 素朴だが本質を突く質問が多かった。

→ 質問のフォローアップをしたら好評だった。

→ この仕組みを授業の中核に取り入れられないか!

(3)技術は日進月歩なので、学生に調べる技術を身につけさせたい。

→ 実際の開発で使う資料を使用し、最低限の読み方を教え、資料を調べてプログラミングをする課題を与えた。

→ 資料の読み方について、もっと指導を求める声が多かった。

このような経験を通して、山崎さんの中で、次第に方向性が定まり、現在の授業スタイルになってきたとのことでした。

 

自律的に深く学べる能力の習得を目指す

ソフトウェア開発を学ぶため、山崎さんが考えていることは次のことだそうです。

問題意識
– 技術は日進月歩で,すぐ陳腐化する
– 技術の調べ方を学ばせたい
アプローチ: 自習と発問を中心とした学び
1. 教師が概要をガイドする
2. 学習者が内容を自習する
3. 学習者から問いを発する
4. 教師が調べ方をガイドする
5. 学習者が問いの答えを調べる
6. 学習者が研究成果を発表する

 

山崎さんの講義内容は、ソフトウェア開発ですが、上記の問題意識やアプローチは、反転授業に興味を持っている多くの方と共通のものだと思います。

では、このようなことを実現するために、山崎さんは、どのように授業をデザインしているのでしょうか?それが、MSQRPアプローチです。

 

MSQRPアプローチ

MSQRPとは、下記の頭文字をとって並べたものです。

M : Metaphor   身近なたとえを使って、直感的に理解させる。

S :  Summarization 教科書の要約を宿題として課す。Wikipediaよりも分かりやすい解説を目指す。

Q :  Question 学習者に質問を考えさせることで、深い学びにつなげる。

R : Research 自分が考えた質問についてリサーチする。教師が、リサーチするためのガイドや、必要に応じて参考資料を提示する。

P : Presentation 学習者が研究成果を発表し、教員や他の学習者と議論する。また、その後、議論のまとめと研究成果を解説する記事を書き、理解をさらに深める。

これを見ると、山崎さんが実践を通して得た手応えが、随所にちりばめられているのが分かります。

最初にたとえを使って直感的に理解させることや、質問を生徒が自分で考えることで学ぶこと、そして、その質問に対する答を自分でリサーチすることで、技術の調べ方も学べるようになっているのです。

お話を聞いていると、山崎さんの口からは、「来年は、これを試してみたい!」という話が、何度も出てきました。

山崎さんのように、授業のやり方について仮説を立て、それを検証しながら進めていくと、授業をするのが楽しいだろうなーと思いました。そして、同時に、この授業を受けている学生も、きっと楽しいだろうなと思いました。

ここには、教員と学生の好循環が生まれているように感じました。

 

学生はちゃんと課題をしてくるんですか

山崎さんの授業は、「サイクル」なので、「予習」という言葉を使うのが適切ではない気がして、「課題をしてくるのかどうか」を質問してみました。

山崎さんによると、最初からちゃんとやらせるのは難しく、時間をかけて浸透させるのだそうです。

上記の講義は、大学院生の講義だったので、それまでの経験を通して、山崎さんのやり方が浸透していたため、ほとんどの学生が課題をやってきたそうです。

とても印象的だった、山崎さんの言葉。

「授業に晴れの舞台を作るんです。」

山崎さんは、カリキュラムを考えるときに、最初に、晴れの舞台を設置し、そこで活躍できるためにどんな準備が必要なのかを考えていくそうです。そうすると、学生は、高いモチベーションで準備してくるのだそうです。

まだ、そのような関係性ができていない場合は、どうするのか?

山崎さんの返事は、とても興味深いものでした。

「そのときは、最初に、ワークショップをやってしまうんですよ。反反転授業です。」

最初にワークショップをやると、直感的に全体像がつかめ、さらに、何ができなかったのかも分かるから、これからやるべきことが何かも、学生自身が理解できるのだそうです。

このようにすると、カリキュラムの構造としても、最初に直感的な理解を与え、授業の構造としてもMSQRPアプローチで、最初に直感的な理解を与えることになります。僕の予備校の授業もそうですが、最初に全体像を見せておいて、何をやったらよいのかが分かるとモチベーションが上がりやすいんですよね。

山崎さんの授業設計は、いろいろなことが細部にわたって考えられていて、本当に参考になりました。

 

予習課題に動画は使用するのか?

山崎さんの授業では、予習課題は、

「教科書を要約し、質問を考えてくる」

というもので、補助的に参考資料として動画を紹介することはあっても、基本的には動画を使わずに行っているそうです。

その理由をうかがうと、

「動画は、効率が悪いので、用途によって限定して使いたい。」

という返事が返ってきました。

山崎さんの授業では、予習してくるモチベーションは、「晴れの舞台で活躍するため」で高められているため、予習では、むしろ、要約させたり、質問を考えさせたりといったことで、文献を深く読み込む力を育成することに重きが置かれているのだと思いました。

どんな用途が動画に向いているのか、例を挙げてもらうと、

・式の展開、ソフトウェアの操作方法のように、手順を示すもの。

・道徳教育のように、場面を示して説明するもの

という返事が返ってきて、その後、衝撃的な言葉が。

「目的に応じて、どんなマテリアルが適しているのか研究されていて、フローチャートになっていますよ。」

ええええ。そんなものがあるとは!ぜひ、教えてください!

ということで、熊本大学大学院 社会科学文化研究科 教授システム学専攻の公開講座を教えていただきました。

→ 公開講座はこちら

この中の基盤的教育論の中で扱っていて、無料で受講できるそうです。

この講座を担当されている鈴木克明教授は、日本のインストラクショナルデザインの第一人者で、『授業設計マニュアル』などの本を書かれているのだそうです。

 

 

山崎さんからお話をうかがって、反転授業を考える際に、インストラクショナルデザインの考え方は、非常に有効だと感じました。これをきっかけに、僕も学んでいきたいと思います。

山崎さんからお勧めの本

教育に従事している人が最初にIDを学ぶのに適した本

教育に従事していない人が、最初にIDを学ぶのに適した本

 

※Facebookグループの人数が800名を超えました。どなたでも参加することができます。参加希望の方はこちらからお願いします。

朝日新聞で「反転授業の研究」を紹介していただきました

朝日新聞では、1月2日から「教育2014 世界は日本は」という特集記事を組んでいます。第3弾の1月4日の記事で、反転授業が1面と2面で大きく扱われました。

記事は、朝日新聞デジタルでも読むことができます。(無料登録すると1日3記事まで読めるようです)→こちら

最初に紹介された事例は、米国ミシガン州デトロイトの郊外にある高校で2011年から「反転授業」に取り組み始めたというもの。この学校の特徴は、貧困層の生徒が多く、学力が高くないというところ。つまり、教師の個別サポートを必要とする生徒がたくさんいて、教師のマンパワーを有効利用するために反転授業を導入したということだと推測できます。

貧困層の生徒が多いこの地区では、家庭にネット環境がない、パソコンがないという生徒もいるようで、家でビデオ講義を見られない生徒は学校のパソコンが使えるそうです。子どものいる家庭のネット普及率が80パーセント程度の日本でも、これと同じ方法が導入しやすいかもしれません。日本の場合、先行して反転授業を導入した富谷町立東向陽台小学校の佐藤先生のクラスや、近大附属高校、佐賀・武雄市などですべてタブレット端末が導入されているため、

「反転授業を導入するためには、タブレット端末が必要という間違ったイメージ」

が定着しつつありますが、「動画講義を自宅で見る」ということであれば、端末は何でもよいので、タブレット端末は特に必要ではありません。タブレット端末を全員に配布するメリットは、一人一台が確保され、全員に同じアプリ、同じ設定を施すことによってセキュリティなどを含め管理しやすくなるという点、それと、教室でのグループワークに使うことができる点だと思います。そういう意味ではタブレット端末を導入するメリットはあると思いますが、反転授業実施のための必須条件ではないことを再度、強調しておきます。

次に紹介されたのは、テキサス州ダラスの高校で、こちらは成績優秀な生徒での反転授業の事例。こちらでどのような授業が行われているのか、記事中に記載されていなかったが、一般的に考えると、

・基礎を固めたい場合→動画講義を受けた後、教室で習熟度別に問題演習し、分からない生徒を教師がサポートする「補習型反転授業」

・応用力を伸ばしたい場合→動画講義で学んだ知識をベースにして、教室ではプロジェクトやグループワークなど創造的作業、協働作業を行い、21世紀型スキルの向上を目指す「創造的反転授業」

というように、異なるやり方、目的の反転授業が行われることになると思います。

「この学校のこのクラスはこの型!」というように決まるというよりも、あるテーマを学び始めたころは補習型で知識の定着を図り、ある程度学んだところで、創造的な取り組みをするというように、その場、そのときによって、やり方を変えていくということも必要だと思います。また、便宜的にこのように分類しましたが、はっきりと分けることができない場合、両方の要素が混じっている場合もあると思います。

オンライン勉強会でも何度か指摘していますが、動画講義や教室でのワークにはいろいろなやり方があるので、それらを組み合わせた反転授業のバリエーションはかなり多様になります。授業の到達目標に応じて反転授業を適切にデザインすれば、カバーできる範囲はかなり広くなると思います。

 

米国での事例の次は、日本の動きが紹介されました。

最初に紹介されたのは、現在、注目を集めている佐賀県・武雄市の事例。本格導入に先立って導入された竹内小学校の算数の授業が紹介されました。この事例は、Facebookグループにも参加してくださっている方が動画講義を作成していることもあり、オンライン勉強会でも扱いました。基本事項に限定した短い動画講義を作り、タブレット端末上で確認テストを行い、学校に投稿するとWifi経由で宿題を出せる仕組みになっています。教師は、授業前に宿題の提出状況と出来具合を確認することができ、それを踏まえた授業をすることができます。記事中にもありましたが、「台形の面積公式」などは、動画講義ではあえて教えず、グループで話し合いながら自分たちで発見するように授業をデザインするなどの工夫がされていました。

続いて講義を無料で提供するサービスである「最高の授業net」の紹介。藤原和博さんの呼びかけてスタートした計画で2015年のスタートを目指しているそうです。この計画の強みは、公教育とのパイプがあることだと思います。無料の動画講義配信サービスを作っても、それが、公教育に導入されるためには、さまざまな障壁がありますが、藤原和博さんなど行政と連携できる人がプロジェクトに加わることで、そのあたりの問題が解決できる可能性があるのだと思います。今後、どのようにプロジェクトが進むのか注目したいと思います。

次に紹介されたのは、このブログでも何度も登場している近大附属高校。一人一台のiPadを配布し、数学の芝池先生と英語の中西先生が反転授業を実施しています。芝池先生が会長となり、反転授業研究会を発足させて意見交換、情報交換をされています。先日、反転授業研究会のHPがリニューアルされ、オンラインで申し込み可能になったので、僕も早速申し込みました。

反転授業の意見交換するグループというつながりで、Facebookグループ「反転授業の研究」のことが紹介されました。

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記事を書いてくださった氏家さんは、オンライン勉強会や、デジハリで行ったイベントにも参加して下さり、とても丁寧に取材して下さいました。

ここから、協働学習にICTがどのように役立っているのかという話題に移ります。フューチャースクールの1つである三重県松坂市立三雲中学校では、一人一台のタブレット端末が貸与されています。グループワークでは、タブレット端末を使って作業を行い、その状況がスクリーンに映し出され、他のグループの作業内容を一目で見ることができます。これは、東向陽台小学校の佐藤先生のところでもやっている方法ですが、

「他の人のアイディアをうまく取り入れる」

という協働学習の目的が、タブレット端末を使ってサポートされているのです。アクティブラーニングの普及に努められている小林昭文先生の授業では、「立ち歩き」が奨励されています。これは、グループ以外からもアイディアを持ってくるための工夫だと思いますが、タブレット端末と電子黒板によって、言ってみれば、立ち歩かなくても、小林先生の「立ち歩き効果」が生まれているのです。これは、タブレット端末をグループワークに導入するメリットの1つだと思います。

最後に、フィンランドのヘルシンキ新共学高校の事例が紹介されました。Facebookグループにフィンランドで学んだ方がいて、フィンランドのICT環境について質問したところ、日本に比べてICTの環境がかなり整っていて、それらの活用も盛んに行われているということでした。記事中でも、グループやペアでディスカッションした内容をスクリーンで共有して、全体でのディスカッションに繋げるという使い方が紹介されていました。

氏家さんの記事は、全体を通して、「反転授業ありき」ではなく、教師の教育デザインが最初にあって、それを達成するための手段の1つとして反転授業があるというスタンスが貫かれています。僕も同じスタンスで反転授業を捉えているため、非常に共感できました。

●朝日新聞に紹介していただき、Facebookグループの人数がさらに増えました。現在、714名の方が参加されています。参加資格はありません。参加希望の方はこちらからお願いします。

小冊子「反転授業の現在地と未来」の無料ダウンロード

「反転授業の研究」の田原です。

反転授業とはどんなものなのか?

日本では、どんなことが課題になっているのか?

反転授業を導入するには、どうすればよいのか?

そういったことを知りたいという方へ向けて小冊子を作りました。

また、現在進行形で進んでいる反転授業に関する物語を皆さんとシェアしたいと思ったことも、この小冊子を作った理由の1つです。

Facebookグループ「反転授業の研究」は、2013年8月までは、わずか20名ほどだったグループでした。

そこに次々と新しいメンバーが加わって、わずか4ヶ月の間にあっという間に657名になりました。

それは、本当にワクワクする経験でした。

Facebookにアクセスするたびに、たくさんのコメントが投稿されていて、新しい参加者の申し込みがありました。

その状態が、ずっと続いています。

様々な背景を持った方が多くの意見、情報を投稿してくださるおかげで、次々と化学反応が起こり、一人ではとても到達できないレベルへ理解が深まりつつあります。

ネットを使うと、こんなことができるんだ!

そんな感動を覚えたのは、きっと僕だけではないと思います。

新しく加わった方とも、これまでの物語をシェアして、物語の続きを一緒に作っていけたらと思っています。

 
「反転授業の現在地と未来」(PDFファイル)

ダウンロードはこちら

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第4回反転授業オンライン勉強会の振り返り

12月22日に行われた第4回反転授業オンライン勉強会は、年末の忙しい時期にもかかわらず80名以上の方が参加してくださいました。

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今回のテーマは、「動画講義」ということで、3人の方がお話をしてくださいました。

最初の登壇者は、東北学院高校・中学の名越先生でした。

名越先生は、教えている生徒にしか公開しないと決めることで動画を作る精神的なハードルを下げることができるのと同時に、著作権などの問題も回避できる、また、生徒にビデオカメラの操作を頼み、授業中に撮影をすることで、動画講義作成の労力を減らすことができるとおっしゃっていました。

これを聞いて、動画講義を作ろうと考えている参加者の方のハードルがかなり下がったのではないかと思います。

また、手元に「動画講義」というカードが増えることで、発想が広がったり、これまでは対応ができていなかった不登校の生徒や科目変更に生徒にも対応できるようになったということを紹介し、「まずは、明日から動画を作ってみましょう」と呼びかけました。

授業をそのまま録画すると冗長になるので使いにくいのではないかと考える方も多いと思いますが、名越先生は、その点についてもよく考えていて、「教科書を読んでいるとき」などは録画せず、「まとめをしているとき」を録画するというようにしているそうです。そうすることによって、授業時間よりも動画講義はコンパクトになるだけでなく、教科書会社の著作権などに触れないというメリットも副産物としてあるのだそうです。

また、説明のレベルを一番理解が遅い生徒に設定して、少々くどくなってもよいから詳しく説明するのだそうです。そうすると理解の早い生徒は飽きてしまうのではないかとい思ったのですが、そういう生徒は倍速で飛ばすから問題ないとのことで、生徒側が再生速度を調整すれば動画講義のターゲットの範囲を広げることができるということが目からうろこでした。

2番目の登壇者は、eboard代表の中村さん。体調が悪い中、無理を押して登壇してくれました。中村さんは、経済的な理由や家庭環境などの理由でちゃんと学べない子供がいることに問題意識を持ち、誰でも学べる社会を作るためにeboardを作ったそうです。アルバイトで生活費を稼ぎながら、一からプログラミングを勉強してシステム開発を始め、動画講義もすべて自分で作っていったということを知っていたので、今後、eboardを誰にどのように使ってほしいのかということにとても興味がありました。

中村さんは、「動画講義だけでは見ない」という認識で、学校や、学習支援団体、塾などがツールとしてeboardを使ってほしいとおっしゃっていました。放課後講習のようなものに使ってもらうのが現実的なのではないかということでした。

中村さんの作る動画講義は、白板ソフトに手書きしたり、タイプしたりして、それをスクリーンキャストソフトで録画する形式です。基本的に15分以内の短めの動画を作り、どこからはじめればよいか、次にどこへ進めばよいのかが分かるように学習マップがシステムに組み込まれています。

なぜスクリーンキャストタイプを選んだのかという質問に対し、製作コストがかからないことと、学校などで使ってもらう際に、講師の個性が出すぎないほうが使いやすいのではないかと回答していました。また、スタジオ撮影したり、授業を撮影したりして作った動画講義が「一斉授業的」なのに対し、スクリーンキャストで作った講義は、「個別指導的」だともおっしゃっていました。

3番目の登壇者は、コムタス進学セミナーの横川さん。横川さんの問題意識は、理科を習得するための学習プロセスを改善したいということで、そのために、動画講義を利用しているとのことでした。

横川さんは、通常の学習では、最初は間違った概念を持っていて、授業で正しい概念に触れるが、しばらく復習しないで日常生活を送っているうちに概念が間違った方向へ侵食され、ノートを見て復習しても正しい概念を思い出して直すことができないのではないかとおっしゃっていました。

そこで、正しい概念に触れる機会を増やすために、動画講義を導入し、予習、授業、復習で動画講義を見れば、正しい概念に触れる機会が増えるので、学習を通して概念を獲得しやすくなるのではないかということでした。横川さんの場合、概念獲得モデルがあり、それを達成するために動画講義を使うという明確な目的意識がある点がとても印象的でした。

横川さんの動画講義の作り方はとても独創的で、電子黒板の代わりにノートPCを使い、ノートPCにパワーポイントのスライドを表示させます。そして、それを手で指差しながら講義をし、その様子をiPhoneで撮影するのです。

どうしてこのような方法を選んだのかと聞くと、スクリーンキャストだとデジタル過ぎるなと感じたので、もう少し、「生」っぽくしたいと思ったのだそうです。また、同じスライドを授業の確認として使うことで、予習と授業と復習とががっちりかみ合うということも言っていました。

最後に、僕(田原)が、様々な動画講義のメリットとデメリットについて表にまとめて解説しました。

しかし、デメリットと思われることでも、実践者の方は、様々な工夫をしてそれを克服しているので、単純にデメリットとはいえない部分もあります。いつも思うことですが、頭で考えているだけの人の思考を、実践者はいとも簡単に超えていきます。改めて実践されている方の生の声を聞くということは大きなメリットがあるということを感じた勉強会でした。

参加者の方がブログにレポートを書いてくださっています。

桑子さん:「実践者は知っている。明日からできる動画授業のノウハウ」

古山さん:「第4回オンライン勉強会で学んだこと 感じたこと 所感」

 

勉強会に参加してくださった方からの振り返りアンケートです。

●勉強会で分かったこと

動画講義作成については、方法を知るだけでなくそれぞれの特徴を理解して適切な方法を選ぶことが大切と感じました。
いろいろな方法を試すというとハードルが高い感じがしてしまいますが、取り組んでみればそれほどでもないのでは、という気持ちにも慣れました。
どうもありがとうございました。
反転授業のメリットが非常によくわかりました。
特に横山先生の「ピンクを増やす」の話は、自身が受験で物理・数学を苦しんでいた頃の自らの感覚を思い出すようでした。
動画により授業の内容が完全に蘇るというのも、いいですね。
動画の作り方にも様々な方法があることがわかりました。
また作っている方の思いとか、意図、それによって最適な作り方が
へんかしてくることも見ていて楽しかったです。
動画作成についてのハードルが下がりました。
初心者には
とにかく動画を作ることがよい
そう思いました
やってみよう
凄く動画作るのが身近に感じられる第四回
自分も作ってみたいと思いました。
ipad買わなきゃ!
お疲れ様でした。
動画の撮影は思っていた以上にハードルが低いということがわかりました。

また,最後の横川先生の講義をきいて,反転授業の大切さをより痛感しました。(「あれね!」と思わせることもしかり,授業中に生徒への「認め」をできることで,生徒のモチベーションも高めることができると感じました)

動画制作の7つの類型が非常にわかりやすく腑に落ちました。
動画制作の主体となる人が誰か、その人がどのように動画を使おうとするのかによって作り方が全く変わってくるという点が発見でした。これまで商業ベースに乗る「商品」としての完成度を求めてきたため視野に入ってこなかったことが見えてきました。
動画を活用する事が主になっているのかなということ。
撮影配信以外にも、さまざまな動画講義があること
それぞれ、メリット、特徴があること
具体的なツール、ソフトなど。
動画講義の目的と手法のマッピング。
なんのために動画を用意するかをまとめておかないといけないかなと。
そのためのとっかかりとして、まず「自分で動画を作って、自分でみてみる」ということが必要かと思いました。
①反転授業,といってもいろいろな形態があること。
②授業ではなく「予習」「復習」に重きを置いているのか,と感じていた がすべて授業につながる,学びを深めるための手立てであること。
③基本的にICTの機材の整備が整わないと,またICTを使うスキルを教師も 生徒も高めないとならないこと。
④それぞれのデメリットを,いかに克服,またはメリットに転換していく かに今後の工夫があること。(ex 冗長である→倍速)
・ipadアプリ、explain everythingで、プレゼンコンテンツが手軽に作れるということ。
授業の撮影などで、機器や技術的な部分はどうしているんだろうと疑問視していたところが氷解しました。
授業のための動画の撮り方・見せ方・使い方にはどんな種類があるか。俯瞰的な解説と、個別事例の両方があって分かりやすかったです。
反転授業がさまざまな方法で実現可能であること
名越先生の取り組みは「目から鱗が落ちる」ような思いで聞きました。反転授業のコンテンツは15分以内、実際は5分ぐらいでないと集中できないだろうと思っていたのです。早送り再生には驚きました。
これから動画作成をされたい方が多いことがわかりました。
名越先生の明日にでもできる動画講座は実践しやすくて手軽でいいと思いました。中村さんが個性をなるべく出さないで学校の先生のことつまり、使う側のことを考えて作成されていることを知り、ぐっときました。
横川さんも塾ならでは覚えられやすい頭に残るであろうことを常に考えていることがわかりました。グループの方はマックのかたが多いようで、ちょっと残念ですが・・・。
・動画講義は多種多様であるということ
・それぞれの状況に応じて様々な動画が作成され、実践されているということ
・動画作成ソフトは数多くあるということ

動画講義には、いろいろな作り方があり、目的に応じて適したやり方を選ぶのがよいのではないかというメッセージがしっかりと伝わっていてよかったです。名越先生のお話で、動画作成のハードルが下がったというコメントも多数見られました。中村さんの活動に共感された方もいらっしゃいました。横川さんの学習デザインを総合的に考えて、そこに動画を入れていくという考えに納得された方も多かったようです。

 

●課題だと感じたこと

途中から参加となってしまったのですが、サイトが変更になったことが直ぐに分からず少し苦労した。
まだ多くの方法でためしたことがないので、今後は自分も作り方を変えてやってみようと思いました。
YouTubeに動画をアップすると,広告や関連動画等の見せたくないものにつながってしまうことがありそうなので,その対策や,他の動画アップロード先があれば知りたいです。
動画を作成しようとするとまだまだ
スキルとしても
設備的にも課題はある
動画もいろいろなタイプがあるということ、地歴は図が多いのでPPT型かな
そもそも、動画を見る事が出来ない家庭、家でまで勉強しないという生徒をどうしていくのかというのが私には見えてこなかった。
もっと、良くできる生徒への動画ならどうだろうかとも考える。
著作権、配信、管理システム、、あたりが課題ではないかと感じました。
目的を明確にして動画を作ったとして、今の現場でどのように活用するかという、動画の公開(配付)の方法にハードルが高いと感じました。
①上記③と同じ。
②不登校生徒,または収入が少ない家庭の生徒への助けとなるか。
③公立学校に,どのように導入するか。
予習,復習の場ではなく,授業でどのように活用するか。
・幼児期~小学生への英語指導に、一方通行な動画授業はふさわしいのかどうか、検討材料を集めたくなった。
「何のために動画を使用するのか」というコンセプトを自分できっちり固めることが第一歩かと思いました(自己分析すると、自分なら予習用に使いたいんだなぁ、という気がします。そのときに授業の展開をアクティブラーニング形式にするのかなぁと。)
最初の一歩を踏み出すこと。残り時間はあと5分ほどですが、今日から始めます(笑)。
理科ではどのように活用していくかということで,素朴概念・誤概念の補正という点,企業のCMのようななんとなく記憶に残らせるという点ができそうで実は,難しいのかなと思いました.
反転授業ではコンテンツの作成が重要ですが、素人でも簡便に作成するにはどうすればいいのか、それぞれの方法のメリット、デメリットを把握しておく必要があると感じました。
最初の落ちた時自分だけだと思い、とても焦りました。再起動したり、時間がかかりましたが、サーバーの都合だとわかり、ちょっと安心しましたが、早い対応が良かったです。
動画がうまく表示されなかったのは、仕方ないのかもしれませんが、・・・

今回は、トラブルにより急遽ルームを変更することになり、運営側としては反省点となりました。音声などの調整については、リハーサルのときに、もう少し細かく設定しておいたほうがよいかと感じました。今後の課題として改善したいです。著作権をクリアする方法についても、今後、情報を集めていきたいと思います。

●勉強会への感想

最後に「今後動画の撮り方講座」のようなものをやりたいという話がありましたが、こちらについては当方の方でも協力・支援できることがあるかもしれません。詳細情報、ぜひ共有してください。
運営面で大変なことが合ったかと思いますが、田原先生のおかげでほんとうに色々なことが学べています。今後も引き続きよろしくお願いいたします。
ありがとうございました。
声の調整をもう少し工夫で来たらと思います
英会話のレッスンはどうしているのでしょうか
お疲れ様でした!凄く楽しかったです。
先生方の講義,とてもわかりやすく勉強になりました。
さかのぼり学習をできるというのもデジタルの良いところだと思うので,生徒が迷いなく自分がどこまで戻るべきかわかるように導線をつくる仕組みも考えていきたいと感じました。
初めてオンラインで参加させていただきました。プレゼンを聞きながらリアルタイムでチャットが流れ、講師がそれに反応しながら進んでいくのは想像以上にライブ感があることがよくわかりました。ありがとうございます。
取り組みとしては面白いと思っています。
可能な範囲で、資料を共有いただけると(すでに、できているのかも)助かります。

初めての参加ですが、非常に勉強・刺激になりました。

ありがとうございました。

新たな視点、発見がありとても参考になります。
また、チャットでの意見の送受信はとてもアクティブでやりやすいです。
引き続き今後の勉強会にも参加しようと思います。
運営、準備、その他いつもありがとうございます。
これからもよろしくお願いいたします。
初参加でした。
たいへん大きな学びができ,刺激をいただきました。
まずは,自分でもつくってみたいと感じました。
先に話題があった「講習会」。
ぜひ,実現を期待しております。
ありがとうございました。
新たな世界を見た!という思いです。ありがとうございました。
勉強会に参加させていただいてから、いろんな意味で指導の選択肢が広がったような気がします。

【追記:過去の資料や記録がどこかで見られたような気がしたのですが、閲覧できるでしょうか?】

何より、この話題に興味関心を持っておられる方がこれほど多いというのを知って、心強く思いました。ありがとうございました。
反転授業について,まったくイメージがつかなった3ヶ月前よりも,自ら反転授業について調べることや,オンライン勉強会に参加させていただくことで,反転授業のイメージがつかめたとことと,それにかかわる人が多岐にわたって多くおられることが分かり,近々,身の回りでも反転授業の実践をされる方が出るのではないかと心待ちにしています.(まだ,大学生なので授業は持てませんが,理論を深めていったり動画技術を高めたりしています)
このような勉強会に参加できて大変,モチベーションが上がりました.ありがとうございます.
コンテンツ作成実習の企画が進行中とのこと、とても期待が高まります!
今日上がった動画作成の水面下のお話ですが、私もとても興味があります。Windowsの方ですが、来年度4月に地域で先生を対象に教えられる講座を開きたいと希望しており、職員さんと相談したいと思っています。ICT活用と動画作成等なのですが、反転授業の活用にもなればと思っています。
私は小学生に向けてスクリーンキャスト動画を作ろうと思っていたのですが、その動機は中村さんと似ており、落ちこぼれを1人も作らない教育をしたいからです。そんな思いで動画を作られている方がいらっしゃるとわかったことは私にとってとても収穫でした。

本日はこのような機会を設けて頂きありがとうございました。

今回も、たくさんの書き込みがチャットボックスにあり、インタラクティブな勉強会となりました。大変盛り上がりました。

情報共有だけでなく、「熱気」「何かが変わりそうだという予感」も共有できたのではないかと思います。

1月にも予定していますので、また、どうぞよろしくお願いいたします。

過去の勉強会の録画動画は、Facebookグループ「反転授業の研究」内で見られるようにしてあります。
グループに参加希望の方はこちらからお願いします。

登壇者紹介~中村孝一さん

「反転授業の研究」の田原真人です。

反転授業という言葉が広がったきっかけの1つは、サルマン・カーンがTEDで、

「カーン・アカデミーを反転授業に使ってほしい」

と呼びかけたことだと思います。

カーン・アカデミーをきっかけとして反転授業に興味を持ったという方も、たくさんいらっしゃるのではないでしょうか。

しかし、日本で同じことをやろうと思えば、言葉の壁があるため、カーン・アカデミーのようなサイトを作る必要があります。

一定水準以上の講義の質と量を揃え、さらに、それを支えるシステムを構築する必要があるため、並大抵のことではありません。

カーン・アカデミーは、現在、ビルゲイツ財団のサポートを受けて運営されていますが、もし同様のサービスを作って講義を無料提供するのであれば、運営コストをどうするかも考えなくてはなりません。

カーン・アカデミーの話を聞いて、「いいなー」と思った人は、日本中にたくさんいると思います。でも、行動した人は、ほとんどいないと思います。

しかし、日本でも、ほんのわずかですが行動した人がいます。

22日にお話してくださる中村孝一さんも、その一人です。

中村さんは、大学生のときに、学習塾やボランティア活動を通して、経済的な理由や、家庭環境、不登校などのために勉強するチャンスが失われている子供たちと関わってきて、その経験を通して、

「彼らは、学ぶチャンスさえあれば、ちゃんとできるようになるのにもったいない。」

と思ったんだそうです。

ここからの中村さんの行動はすごいです。

プログラミングの勉強を始めてサイトを作り始め、
小学校、中学校向けの講義を一人で作り続け、
たった一人でeboardというサービスを作ってしまったのです。

僕は、てっきり、もともとITエンジニアだったのかと思っていたのですが、外国語(中国語)専攻だったとか。

目標達成への強い思いがあれば、何でもできてしまうんですね。
eboardの動画講義は、白板ソフトを使って作るスクリーンキャストタイプのものです。

いくつかの選択肢の中から、どうしてこのやり方を選んだのか。

また、eboardの特徴の一つである「学習マップ」はどのように作られたのか。

eboardを、学校などでどのように利用してほしいのか。

22日は、eboardの舞台裏と、中村さんの考えを聞くことができる貴重な機会になると思います。

お楽しみに!
eboard

 

●第4回 反転授業オンライン勉強会へのお申し込み

日時 12月22日(日) 22:00-23:30

会場 Web教室システム「WizIQ」

参加費 無料

席に限りはありません。カメラ&マイクなどは必要ありません。

初めて入室される方は、少し時間がかかる可能性がありますので、
余裕を持って入室してください。

こちらからお申し込みください

 

 

●Facebookグループ「反転授業の研究」では、602名のメンバーがアクティブに活動しており、様々なコラボレーションも生まれています。

参加希望の方は、こちらから追加申請してください。

近畿大学附属高校ICTオープンスクール

12月16日に近大付属高校でICTオープンスクールが行われました。

僕は、残念ながら行くことができませんでした。

第1回反転授業オンライン勉強会でお話してくださった芝池先生の数学の授業、見学したかったです!

中西先生の英語の授業が、どのように行われているのか、この目で見たかった!

Facebookグループのメンバーの方たちが多数参加して、レポートをブログなどにUPしてくださっているので、リンク先を紹介し、感想を書きたいと思います。

 

●古山さんのレポート

近畿大学附属高校 ICTオープンスクールに参加してきたってばよ!数学編

武雄市の反転授業用の算数の講義を作成しているワオ・コーポレーションの古山さんのブログで紹介されていました。

「先生が授業をしない公開授業」というところが、大きなインパクトを与えたようです。

実際には、予習動画の中で授業を行っているわけですが、教室を見に行くと、生徒が勝手に話し合ったり、問題を解いたりしている様子しか見えず、教壇にいるはずの先生がいない・・・・。

これは、長年、慣れ親しんだ授業光景とは大きく異なるものなので、驚いた方も多かったんじゃないかと思います。(僕も、驚きに行きたかった)

ジグソー法を取り入れて、協働学習をしている生徒に対する古山さんの分析の中で、とても鋭いなと思ったのは次の部分。

—– ここから引用 —–

一つ目は、人に説明するということの難しさを知る

二つ目は、その説明を聞いて、人に伝えるという難しさを知る
ということです。
これは今までの授業では絶対に経験できない
「みえない学力」だと思います。

社会に出たらこの二つの力はすごく必要ですよね。

自分の企画を相手に伝えるプレゼンテーション能力と
人の意見を聞いてそれを第三者に伝える能力
これは数学という領域を越えています。
だからこそ面白いし、もっともっと改良できる授業だと思いました。
—– 引用ここまで —–

以前、芝池先生からお話をうかがったときに、「生徒に社会人基礎力をつけさせる必要性を強く感じていて、それを授業の中でやりたい」とおっしゃってたことを思い出しました。その理念が実際の授業に確実に反映しているんですね。

古山さん、ありがとうございました!

●福島さんのレポート

iPadと反転授業の導入レポート ~12/16近畿大学付属高校ICTオープンスクール~

「反転授業の研究」のリーダー的な存在である福島さんも、ICTオープンスクールのレポートをUPしてくださいました。

このレポートを見ると、授業が具体的にどのように行われているのかがよく分かります。

これまで、芝池先生の授業では、授業中にどのようにiPadを使っているのか分からなかったのですが、福島さんのレポートでイメージできました。

—- ここから引用 —–
全員がiPadをつねにONにして、黒板の板書や配布プリントの問題を拡大したり、それに書き込みをするなどして教え合っていました。
iPadに書き込みながら問題のわからない点を指摘したり、他の生徒に教えるという活動ができる点が優れているように思えました。
改善点としては、他の生徒への「教え方」を丁寧に予め説明しておき、徹底すると良いと思いました。
あと、どれだけの理解ができたかを生徒がお互いに質問しあいながらチェックできるようになるとさらに効率的に学習が進むように思えました。
—– 引用ここまで ——

ジグソー法では、担当者が理解をグループに持ち帰って説明するので、その際に、黒板の板書を写真に撮ってきたりするんでしょうか。

教え方を指導する、互いに質問しながら理解度をチェックするというのも、非常に参考になるアイディアだと思いました。

また、中西先生の授業のやり方について、どのように進めているのかが少し分かりました。これは、まだイメージできない部分が多いので、引き続き、情報がほしいです。中西先生のブログにも、実践内容が書いてありました。

最後に、芝池先生と中西先生のブログを紹介します。

芝池先生のブログ「反転授業研究会」  近畿大学附属高校 ICTオープンスクール終了

中西先生のブログ「反転授業への道」  昨日はありがとうございました。

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登壇者紹介~横川淳さん

「反転授業の研究」の田原です。

前回に引き続き、第4回 反転授業オンライン勉強会でお話してくださる方を、紹介していきます。

今日、ご紹介するのは、横川淳さんです。

横川さんは、コムタス進学セミナーで高校生の物理・化学を中心に教えていらっしゃる塾講師です。

横川さんと知り合ったのは、確か、1年ほど前に、「数学、理科指導法研究会」というオンライン勉強会をやったことがあって、そのときに、Facebookでつながったのが最初の出会いだったような気がしますが、はっきり覚えていません。いつの間にか、交流するようになっていました。

 

横川さんは、難しい内容を、やさしい言葉で、しかも、興味をひきつけるように説明することに非常に長けていて、横川さんのブログ「カガクのじかん」の記事を読み始めると、続けて、いくつも記事を読み進めてしまいます。

僕は、

「難しいことを、やさしく、面白く書く」

ということは、非常にクリエイティブな活動だと思います。

まさに、教師/講師が創造性を発揮する場だと思います。

僕自身も、難しいことを説明するときに、どうやったら、魅力を失うことなく、やさしく説明するかということに苦心しているので、横川さんの記事のクオリティの高さに感動しました。

横川さんの記事も、決して、ただ単純に簡単な話に落としているわけではないので、記事を読み終わった後の余韻が大きいです。

記事を読んだ後に、「何でかな~」と思わず考えたくなります。

これは、なかなかできることではないです。

 

横川さんのブログを見ると気がつくと思いますが、横川さんは、ビデオ撮影したり、画像を作成したりといったことを日常的にやっています。

その横川さんが、塾での授業に動画講義を取り入れるようになったのは、自然な流れかもしれません。

どんな動画講義を作っているのか、スカイプでお話をうかがいました。

 

あらかじめ、「手元をビデオカメラで撮影している」という話を聞いていたので、僕はてっきり、机の上に紙を置いて、手書きで文字を書きながら、それを上から撮影するというやり方だと思い込んでいました。

そういう動画講義が、海外でよく作られていて、見たことがあったからです。

しかし、横川さんが教えてくれた方法は、全く違うのもでした。

「パソコンにパワーポイントを表示し、それを指差しながら説明する様子を、iPhoneで撮影する」

なんと・・・

それなら、ほとんど機材いらないです。

ノートパソコンを電子黒板として使っているような感じです。

これは、完全に予想を裏切られました。

「どうして、そのようなやり方で動画講義を作り始めたか。」

「教室では、どのようなことをやっているのか。」

僕の質問に、横川さんは、次々と明快な回答をしてくれました。

詳しい話は、勉強会で直接聞いてくださいね。

横川さんの方法は、科目や目的によっては、非常に有効な方法かもしれないと思いました。

 

●第4回 反転授業オンライン勉強会へのお申し込み

日時 12月22日(日) 22:00-23:30

会場 Web教室システム「WizIQ」

参加費 無料

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余裕を持って入室してください。

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登壇者紹介~名越幸生さん

「反転授業の研究」の田原です。

予備校講師として、それから、ネット予備校の運営者として10年以上活動してきたのですが、それらの実践を話す機会はほとんどありませんでした。

反転授業に関わるようになり、自分の実践について表現する場を得たことが、最初はとてもうれしかったです。

でも、最近は、いろんな実践者の方のお話をうかがうのが楽しくなってきました。

気がついたら1時間が・・・ということがよくあります。

毎日、試行錯誤を重ねながら積み上げてきた結果、その人がどのようなことを掴み取ったのか・・・そこには、ドラマがあります。感動があります。

話を聞いていると、思わず引き込まれてしまいます。
第4回の勉強会で最初にお話してくださる名越幸生さんとお話したときは、話が弾みすぎて、気がついたら2時間経過・・・。

話が尽きませんでした。
名越先生と僕とは、たくさんの共通点があります。

・教えている科目が物理
・授業でやっている内容を、そのまま動画講義にしている。
・仙台

名越先生の所属している東北学院高校を卒業して、僕が出向していた河合塾仙台校で浪人した生徒もいて、

高校で名越先生の物理を教わり、

予備校で僕に物理を教わった。

という生徒もいます。

東北学院高校の雰囲気が分かるので、名越先生の授業の雰囲気もイメージしやすかったです。

その後、動画講義の話になったんですが、一番印象に残ったのは、

「動画講義を作ったことで、これまでごめんなさいするしかなかった生徒に対応できるようになった。」

という言葉でした。

これは、僕も同じことを経験しているので、非常によく分かります。

僕の場合は、途中から予備校に入ってくる生徒や、中3や高1から物理を始めたい生徒、社会人で学びなおしたい方など、生身の自分だけでは対応できない様々なニーズに対応できるようになりました。

このように共通点が多い名越先生と僕なのですが、決定的に違う点があります。

それは、ネット予備校を運営している僕の目の前には生徒はいませんが、名越先生の目の前には、生徒がいるという点です。

生徒が動画講義を見て勉強している部屋に、名越先生が立っていて、様子を見て回っているわけです。

生徒がどんな風に動画講義で勉強しているのか、じかに見ることができるんです。

そして、声をかけることもできる・・・。

これは、大きな違いです。

僕が考えてこなかった、いろいろなことを教えてもらいました。
名越先生の実践の大きな特徴は、特別なインフラを必要としない点です。

最近は、「反転授業=タブレット端末」というイメージが固定化しつつあります。

そのため、

「自分の学校には、タブレット端末が導入されないから無理だ」

と考えている方もいらっしゃると思います。

「また、仕事が忙しくて、講義を作る時間を作れない。」

という方も多いと思います。

これらの問題を、名越先生のやり方は、簡単に解決してしまいます。

とにかく実践しやすいのです。

これも、大きなメリットだと思います。

 

名越先生の言葉には、実践してきたものに宿る説得力があります。

当日は、動画講義を作りたいけど・・と躊躇している方の心のハードルを、名越先生が下げてくれると思います。

 
●第4回 反転授業オンライン勉強会へのお申し込み

日時 12月22日(日) 22:00-23:30

会場 Web教室システム「WizIQ」

参加費 無料

席に限りはありません。カメラ&マイクなどは必要ありません。

初めて入室される方は、少し時間がかかる可能性がありますので、
余裕を持って入室してください。

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●Facebookグループ「反転授業の研究」では、550名のメンバーがアクティブに活動しており、様々なコラボレーションも生まれています。

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第4回反転授業オンライン勉強会

複雑系の研究によると、新しい構造が自己組織化的に創造される場は、異質なものが出会い、交じり合うところです。

メンバーの多様性と、十分なコミュニケーションとが、グループに創造的な活動を生み出すのです。

 

Facebookグループ「反転授業の研究」は、eLearningの実践者が中心となって立ち上げました。

最初は、本当に細々とした活動でした。

そこに、アクティブラーニングなどのグループワークをしている先生方が加わったことで、グループが一気に活性化しました。

長年、別々に蓄積してきたノウハウをお互いに出し合うことで、グループ内にエキサイティングな学びが生まれたのです。

さらに、様々な背景を持った方々が次々と合流し、非常に多様性の高いメンバー構成になってきました。

このようなメンバーが、Facebookグループや、オンライン勉強会を通して対話をすることにより、教育×ITに対して、ムーブメントを起こしていけたらと思っています。

 

第1回、第2回のオンライン勉強会では、グループワークを実践されている方が発表しました。

デジタルハリウッド大学との合同イベントで行った第3回勉強会では、動画講義に取り組んできた実践者が発表しました。

第4回のオンライン勉強会も、引き続き、動画講義をテーマにして実施したいと思います。

動画講義といっても、様々な種類があります。

(1)実際にやっている授業をビデオで撮影する。

(2)授業をスタジオ撮影する。(電子黒板を使用する場合もある。)

(3)スクリーンキャストのソフトを使って15分以下の動画を製作し、学習マップで全体像を見せる。

(4)スクリーンキャストのソフトを使って15分以上の動画を製作する。(倍速再生が必須)

(5)パワーポイントの画面を指差しながら講義をし、ビデオで撮影する。

(6)紙に手書きで文字や絵を書き、上からビデオで撮影する。

(7)講義をアニメーションで作る。

 

第3回の勉強会では、(4)のケースの実践者が発表を行いました。ここでは、動画の長さや、倍速再生がテーマになりました。

第4回では、(1)(3)(5)のケースの実践者が実践例をお話してくれます。

それぞれのやり方の特徴を理解することで、動画講義を作ろうと考えていらっしゃる方が、自分に合ったやり方を見つけていただければと思います。

それでは、登壇者の方の紹介です。

 

名越幸生さん「一人でも明日からできる動画活用の教育実践」

(プロフィール)

東北学院中学校・高等学校(私立・宮城県)教諭 18年目。 担当は高校物理と中学理科。 校務分掌は情報システム部、ディベート部顧問。 昨年から始まった『デジタル教材勉強会 in Sendai』のWeb担当として、Ustream配信を担う。その経験から「(配信なしで)動画を撮るだけなら全く難しいことはない」と気付き、昨年度は課外講習を、今年から(新カリキュラムになることもあって)授業を録画する取り組みを継続している。

(内容)

こうした発表の機会が与えられたことに感謝します。 私はまだ「反転授業」に取り組んでいません。 ですが最初から「反転授業」を始めようと考える前に、自らの体験上“意図的にハードルを下げた取り組み”から始めることをお勧めしたいという内容です。 また、こうした発表の機会があるだろうと想定して、実践の初期の頃から、動画で学んだ生徒たちにアンケートを実施しています。生徒たちの正直な感想が、皆さんのお役に立てば幸いです。 私の実践は“やろうと思えば誰もが真似られる”ところが最大の特徴です。“目新しさの無さ”が弱みであり、“普及しやすさ”が強みだと思っております。 よろしければ今回の勉強会を、共に学び合う機会としましょう!

参考:デジタル教材勉強会 in Sendai

 

中村孝一さん「eboardの動画制作 ~年間10回再生される学習動画のつくり方~」

(プロフィール)

NPO法人 eboard代表。「学びをあきらめない」をミッションに、自ら1000本以上の動 画を制作し、無料学習サイトeboardを開発。教育格差の解消に向けて、奔走中です!

eboard

eboard動画総集編

 

(内容)

・eboardの紹介

・eboardの動画の特徴と制作

・ユーザーからの反響  (・反転授業的取り組み(島根での取り組みや水野さんの学習塾の話))

・eboardが取り組む課題と活動へのご協力のお願い

※かっこは、時間があれば話す予定です。

 

横川淳さん「予習動画の模索 ~授業とがっちりかみ合った家庭学習のために~」

(プロフィール)

(株)コムタスグループ コムタス進学セミナー 理科担当(特に高校生の物理・化学)

・著書 「気楽に物理」  ロケット、虹、電流など、身近に見られるいろいろな現象を、主に高校までに習う物理でやさしく解説した読み物です。

・webサイト  「カガクのじかん」 いわゆる「理科っぽい内容」をやさしい読み物にした感じのサイトです。

中国新聞社の「ちゅーピー子ども新聞」の「おもしろ理科」というコーナーをずっと担当させていただいています。その内容からの流用が「カガクのじかん」の半分ぐらいを占めています。残り半分はwebオリジナルです。

(内容)

タイトルは大仰ですが、実際に達成できたことはまだ「授業内から『書き写すだけになりがちな時間』を家庭学習に追い出す」という程度のことです。この小さな一歩が今後どのように「授業とかみ合った家庭学習」につながっていくのか、またそのためになぜ今のスタイルの予習動画にしてみたのか、ということをお話しできればと思います。

 

第4回 反転授業オンライン勉強会へのお申し込み

日時 12月22日(日) 22:00-23:30

会場 Web教室システム「WizIQ」

参加費 無料

席に限りはありません。カメラ&マイクなどは必要ありません。

初めて入室される方は、少し時間がかかる可能性がありますので、余裕を持って入室してください。

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●Facebookグループ「反転授業の研究」では、529名のメンバーがアクティブに活動しており、様々なコラボレーションも生まれています。

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反転授業と単なる予習との違いは何か

反転授業とは、「動画講義を宿題にし、教室では学びあいやグループワークなどの発展的な活動をやる」というものです。

これを見ると、

「結局、予習して授業に臨むということじゃないか」

という感想を持たれる方がいらっしゃいます。

何か違うんだよな~と思いつつ、その違いをはっきりと言葉にできていなかったのですが、Facebookグループでやり取りをしているうちに、頭の中が整理され、単なる予習と反転授業との違いを言語化することができました。

思考の土台になったのは、東向陽台小学校の佐藤先生の事例と、近大付属高校の芝池先生の事例です。

お二人とも、反転授業を導入する前から、学びあいや協働学習に取り組まれていました。

そして、学びあいや協働学習の時間を確保したいということで、反転授業に取り組まれたのです。

佐藤先生のクラスでも、芝池先生のクラスでも、生徒は基本的に100%予習して授業に臨みます。

つまり、基本的に全員が動画講義を見てくるのです。

予習100%を実現している秘訣は、「動画講義の魅力」とかではなく、クラス運営能力です。

教師と生徒との信頼関係をベースにして、学ぶ姿勢を整えているから100%予習してくるのです。

 

ここまで考えて、疑問がわきました。

佐藤先生や、芝池先生は、反転授業を導入する以前から、「教科書を読んでくる予習」を生徒に課すことは可能だったのです。

彼らのクラス運営能力なら、全員に教科書を読んでノートにまとめてくることを予習として課すことができたはずです。

しかし、それをやらずに、タブレット端末が導入されて、はじめて「予習が宿題」になったのはなぜだろうかと思ったのです。

 

ポイントは、「教科書を読んでもわからないけど、先生に説明されると分かる」という点にあると思います。

佐藤先生の言語活動を重視した学びあいや、芝池先生の問題演習を中心とした協働学習を行うためには、内容について70%くらいの理解がベースになると思います。

ところが、教科書を読んでノートにまとめてくるやりかただと、たとえば、30%程度の理解しかできないのではないでしょうか。(一部の、優秀な生徒は、教科書を読んだだけで十分な理解をすることができると思いますが・・・)

そうすると、結局、教室で、もう一度、講義をしなくてはならなくなり、学びあいや協働学習の時間を作ることができなくなるのだと思います。

 

ところが、動画講義の場合は、「先生が説明している」わけなので、教室での講義と同じように理解度を70%程度まで上げることが可能です。

すると、教室では、5分程度の確認の時間を取るだけでよく、学びあいや協働学習に入ることができるのです。

学びあいや協働学習の時間を確保するという目標は、「教科書を読んでくる予習」では達成できず、「動画講義による予習」によってはじめて達成できるのです。

つまり、これまで教室で教えるしか方法がなかった「理解度を70%に上げる」ということが、動画講義によって教室外に置くことができるようになった。それによって生まれた教育のイノベーションが、反転授業なのだと思います。

 

「結局、予習して授業に臨むということじゃないか」

という意見には、今後は、

「従来の予習では、理解度が低いため、教室で結局、授業をやらなくてはならず、グループワークの時間を確保できなかったが、動画講義で予習させることによって理解度を上げることができるようになり、教室で最初からグループワークをできるようになったという点が、大きな違いです。」

と回答しようと思います。

 

 

●Facebookグループ「反転授業の研究」では、514名のメンバーがアクティブに活動しており、様々なコラボレーションも生まれています。

参加希望の方は、こちらから追加申請してください。

シンガポールのトップ高を視察してきました

僕が、今回視察したDunman High Schoolは、シンガポールの東側にあり、シンガポールの公立トップ校の1つです。シンガポールでは、小学6年生のときに進路振り分けのテストがあり、そこでトップクラスの成績を取らないとDunman Schoolに入れません。ここは、中高一貫教育で、中学校から95%の生徒が、そのまま高校に進みます。基本的に高校からの入学は受け付けていません。

シンガポールでは、トップ高には様々な優遇措置があり、国から予算がたくさん下ります。通常は、中学卒業時にO-Levelというテストを受け、その点数によって高校が決まり、高校卒業時にA-Levelというテストを受けて、その点数によって大学が決まるのですが、この学校は、O-Levelのテストを免除されていて、6年間の一貫教育を行うことができます。

O-Levelのテストを受けなくてもよいため、国際バカロレアのような柔軟性のあるカリキュラムを組むことができ、科目横断的な学習も行うことができます。

 

学校に着くと、気さくな雰囲気の先生が立っていて、「Are you Masato-san?」と尋ねてきたので、それが、メールでやり取りしていたGi先生だとすぐに分かりました。

教師の労働環境のよさにびっくり

Gi先生に案内されて、職員室の前を通り、応接室のようなところへ入りました。

職員室の前を通ったのですが、一人ひとりに広いスペースが与えられていて、仕事をしやすそうな雰囲気でした。250人の教師がいるということでした。

 

各教師に十分な広さの机が与えられている。

各教師に十分な広さの机が与えられている。

 

応接室だと思ったのは、教師用の休憩室でした。そこには、冷蔵庫やコーヒーメーカー、さらには、マッサージチェアーが置いてあって、自由に使ってよいそうです。

教師用の休憩室

教師用の休憩室

マッサージチェアーで疲れを取ることもできる。

マッサージチェアーで疲れを取ることもできる。

Gi先生は冷蔵庫からジュースを取り出し、僕にくれました。情報と物理のヘッドティーチャーが加わり、ソファーに座って4人で話をすることになりました。

 

すべてをLMSで管理

まず、最初にIT環境について質問しました。

各教室にはプロジェクタータイプの電子ボードが設置されていて、教師のノートPCとつないでWebサイトなどを見せることができるようになっています。

シンガポールのほとんどの学校には、シンガポール大学で開発されたLMSが導入されていて、教師、生徒、親御さんがログインして情報を共有できるようになっているそうです。宿題などが出ると、内容をLMSで確認することができるので、どのようなことを学校で勉強しているのかを親御さんがLMSで確認できるようになっています。

LMSには、たくさんのeLearning教材がアップされていて、生徒が自由に学べるようになっています。また、新聞などの有料コンテンツを教材として使用できるように、学校の予算で購入し、LMSからアクセスできるようになっています。

新聞などの有料コンテンツにアクセスできる。

コンテンツメニューからは、新聞などの有料コンテンツにアクセスできる。

教師は教材をUPすることができる。

Createメニューでは、教師が教材をUPしたり、宿題を出したり、連絡事項を書いたりすることができる。

LMSにアップされているコンテンツを、どのように使用しているのかを質問してみました。

使い方は、大きく分けて2つです。普段の授業で使ったり、長期休みのときの家庭学習に使ったりするそうです。

普段の授業でどのように使うのかは、教師の裁量に任されているので、いろいろな使い方がされているそうです。たとえば、物理のシミュレーションを使った実験とワークを宿題に課して、次の日、それを元にペアワークやグループワークをやってディスカッションするというように使ったりといった使い方もしているそうです。

長期休暇では、Home Based Learningを、LMSを使ってできるようになっています。教師が自分で作成したパワーポイント資料を使って生徒が学び、分からないところをメールなどで質問します。教師は、グーグルドキュメントをクラスで共有して質問への解答をシェアしたり、グーグルハングアウトを使って、1対1でアドバイスしたりしています。

Home Based Learningの体制を確立することは、サーズなどの伝染病が流行って、学校が開けなくなったときのための備えとして、学校に来なくても学べる体制を整えておくという意味もあるのだそうです。

また、生徒に、Web上のコンテンツや、EdxやCourseraなどのMOOCsの講義を紹介して受講させることもあるのだそうです。このあたりは、英語教育をしているメリットだと感じました。

Web上の学習コンテンツが集めてあるサイト:Fast Track@School

eLearningのためのコンテンツは、学校を超えてシェアすることもできます。シンガポール政府が運営するOPALというウェブサイトがあり、そこでは、教師が様々な教材を作成してアップしてシェアしています。

 

Academy of Singapore TeachersのWebサイト

OPALの中はこのようになっている。

OPALの中はこのようになっている。

 

また、Biology Chapter, Chemistry Chapter・・のように、科目ごとに分かれたフォーラムがあり、定期的に集まって情報交換する場も設定されています。

History Chapterのミーティングの様子がUPされていました。

History Chapterのミーティングの様子がUPされていました。

学内には、Wifiが設置されていて、ほとんどの場所から誰もが自由にインターネットにアクセスできるようになっています。生徒は、スマートフォンからLMSにアクセスして、宿題を確認したり、Webコンテンツで勉強したりすることもできます。

 

教師は、雑用が少なく、授業準備に集中できる

次に、教師の仕事内容について聞いてみました。

日本では、教師の仕事が多すぎて、反転授業を導入する場合、講座作成の時間をどうやって確保するかということが問題になってきます。シンガポールではどうかと質問すると、ほとんどの仕事が電子化されているので、書類作成などの仕事は非常に少ないそうです。また、各教師にTeaching Asistantが付き、授業の資料の準備をしたり、コピーをとったりといった作業をやってくれるそうです。また、シンガポールのすべての学校に、マークシートシステムがあり、小テストなどの採点をマークシートで自動でできるようになっているそうです。僕が、私立高校で非常勤講師をしていたときは、小テストの採点が大変だったので、マークシートシステムは、労力を少なくするために非常に有効なものだと感じました。

日本の部活動と似たようなアクティビティがシンガポールの高校にもありますが、そこのコーチは、すべて専門のコーチで、教師がコーチを兼任することはありません。日本では、教師がバレーボール部や野球部の監督をやったりすると話すと、シンガポールではありえないと笑っていました。

部活の顧問などの仕事がなく、多くの雑用をTAがやってくれ、さらに、仕事がIT化されて効率化されているため、日本の教師よりも授業準備に使える時間がかなり多いと感じました。

充実した教師研修の仕組み

次に、教師のスキルアップについて質問しました。

シンガポールでは、プロジェクト型の授業や、ペアワーク、グループワークも日常的に取り入れられているし、パワーポイント資料を作ってLMSにアップするという仕事があるため、ITスキルも要求されます。

1年目から14年目までの教師には、年間400SGD(約33,000円)、15年目以上の教師には年間700SGD(約57,000円)の予算が与えられ、その範囲でスキルアップのための研修を受けることができます。研修には、さまざまな種類があります。いくつか例を挙げると、

・ITスキルアップ
・カウンセリングスキルアップ
・ファシリテーションスキルアップ
・親とどのように話したらよいかのスキルアップ

この他にもさまざまなスキルアップ講座があるそうです。教師は、これらの講座を利用しながら、必要なスキルを身につけていきます。

ノートPCやタブレット端末を持ちあるく生徒たち

次に、生徒のITデバイスについて質問してみました。

ほとんどの生徒は、スマートフォンを持っていて、学校に持ってきてもよいことになっています。また、ノートPCやタブレット端末などを授業で使うことが多いため、自分のものを学校に持ってきます。プロジェクト型の学習をするときには、ノートPCやタブレット端末でインターネットにアクセスして調査し、その結果を、Webサイトにまとめて学校のサーバーにFTPでアップロードしてシェアしたりするので、ノートPCやタブレット端末が必要なのです。教室にもいくつかノートPCが用意されていて、持っていない生徒に貸し出しています。

日本のように、同じデバイスを学校が配布するといった発想はなく、どんな端末でもよいから自分のものを持ってきてOKで、必要なら学校で貸すというスタンスです。

共通のアプリケーションがなければ、教えるときに不便じゃありませんかと質問すると、アプリケーションは、LMSに入れてあるので、端末によらずに同じものを使うことができるということでした。

インターナショナルスクールに視察に行ったときも、食堂や、公共スペースでノートPCを広げてWebにアクセスしている生徒をよく見かけました。プロジェクト型学習を取り入れている高校などでは、ノートPCを持ち歩くというのがグローバルスタンダードになっているように感じました。

 充実したインフラ

この後、学校の施設を見せていただきました。

最初に通ったのは、留学生ようの宿舎でした。

Dunman High Schoolにはインターナショナルスクールも併設されていて、300名が宿泊できる宿舎が学校内にあり、マレーシアやインドネシアなど海外からの学生がそこで生活しながら学んでいます。

インターナショナルスクールに通う生徒は、公立校の生徒と共通の授業もあり、別々の授業もあるのだそうです。どちらも英語で授業をしているので、共通でも授業ができるのですね。

学校内には、Wifiが飛んでいて、ほとんどの場所からインターネットにアクセスすることができます。学校がやっている時間に行けば、食堂や公用スペースでノートPCを広げてWebサイトを見ている生徒をたくさん見ることができるでしょう。

図書館は、1階は、中国語、人文、科学の3つのエリアに分かれていて、それぞれの分野の基本的な本がおいてあり、2階には専門的な本が置いてあります。図書館には、調べ学習やディスカッションを行うための小ルームがいくつもあり、そこに資料を持ち込み、ノートPCを開いてディスカッションできるようになっています。さらに、中国語用、人文用、科学用の3つの教室(講堂というくらい立派)があり、外部から先生を呼んで授業をするときなどに使うとのことでした。

中国語の本のスペース

中国語の本のスペース

生徒がデザインしたスペース

生徒がデザインしたスペース

2階のスペース

2階のスペース

校庭は、陸上用のトラックとサッカー場が一緒になっているもののほかに、ネットボール用のコートがあります。室内施設としては、バレーボールやバスケットボールをすることができる体育館と、多目的ホールがあります。多目的ホールには、今度、試験があるということで机が並べてありましたが、普段は、バドミントンコートになったり、演劇やダンスの発表をする場所になったりするそうです。

陸上トラックとサッカーコートが一緒になったグラウンド

陸上トラックとサッカーコートが一緒になったグラウンド

ネットボールのコート。朝礼などもここで行われる。

ネットボールのコート。朝礼などもここで行われる。

体育館。バスケットやバレーボールができる。

体育館。バスケットやバレーボールができる。

多目的ホール。この日は、試験会場のための準備がされていた。バドミントンコートにもなる。

多目的ホール。この日は、試験会場のための準備がされていた。バドミントンコートにもなる。

これらの施設を見ると、学校に大きな予算が下りているということが推測できます。

 

テキストを使わない授業

次に、授業のやり方、ICT環境について質問しました。

シンガポールでは、国が定めたシラバスはあるものの、学習指導要綱のような厳密なものはありません。教科書も一応購入していますが、使わない教師も多く、自分で作った教材などを使って教えているとのことです。

一斉授業で知識を導入し、その後、ペアワークや、グループワークで問題演習などを行い、適時、LMSを利用してWebコンテンツを使った宿題を出すという流れで普段の授業は進んでいるようです。

グループワークなどのノウハウは、前述の教員向けのスキルアップ講座によって身につけることができます。

プロジェクト型の学習も盛んで、図書館の資料やインターネットで検索したものを元にWebサイトを作成して、スクールサーバーにアップするといった試みもしているとのことでした。

プログラミング教育

僕にがっ今日を紹介してくれたGi先生は、情報の先生で、生徒にプログラミングを教えています。生徒が作ったものを見せてもらうと、惑星の運動のシミュレーションから、経済の価格決定のシミュレーションなど、様々なプログラムがありました。これらは、教科の学習と関連付けて、生徒が自由に選んで作成しているとのことでした。

Google App engine を利用したアプリケーションの開発も行っていました。ここで使用できる言語のうち、どのようなプログラミング言語を学んでいるのか聞いてみたところ、Pythonを使っているとのこと。以前は、JAVAを使っていたところ基本の習得に2ヶ月かかっていたが、Pythonに変えたところ、英語ベースの簡単な言語のため、2週間で基本の習得が終わり、プログラム作成へ入れるようになったとのことでした。

かなり複雑なゲームを作っている生徒もいて、創造力を大いに刺激される授業を展開していることが見て取れました。

 

最後に

3時間にわたる視察を終えて、「ノートPCなどを学校に持ってきて、プロジェクト型学習を行う」ということが最初にあって、それが効果的に行えるように、Wifi設備や、図書館のデザイン、スペースの設計などが行われているという印象を受けました。

また、LMSが、ICTを使った教育の中心にあり、大きな役割を果たしていることも印象的でした。

また、それらを使いこなすための研修制度も充実していて、教師が創造性を発揮する環境が整っているように感じました。

目からうろこだったのは、LMSにWebアプリケーションをインストールし、それらを使って学習することにより、端末は何でもよくなるということです。学習環境をそろえるために、タブレット端末などに同じソフトをインストールして配布するというのも一つの方法ですが、端末は生徒が自分自身のものを使い、もっていない生徒には学校側が貸し出し、Webアプリケーションで環境を統一するという方法であれば、反転授業などを行う環境構築のコストを下げられるのではないかと思いました。

最後に、快く視察に協力していただいたGi先生をはじめとする先生方、母校を紹介してくださったChiewさんに心から感謝いたします。

 

■参考リンク:Web上でシンガポールの教育について分析しているものを集めました。

「未来の学校」と子どもの未来:シンガポール発・ICT教育の最前線

シンガポールの学校教育現場でのICT利活用状況 調査報告

シンガポール教育省・国立教育研究所視察

シンガポールの徹底した国家戦略(教育)

世界に先駆けたシンガポールの国家戦略

 

 

 

●Facebookグループ「反転授業の研究」では、477名のメンバーがアクティブに活動しており、様々なコラボレーションも生まれています。

参加希望の方は、こちらから追加申請してください。

富谷町立東向陽台小学校の佐藤靖泰教諭にスカイプインタビューしました

富谷町立東向陽台小学校の佐藤先生にスカイプでお話をうかがいました。

佐藤先生が反転授業を始めたのは2012年から。これは、僕が知っている限りでは日本で一番最初の取り組みです。

全く前例がない中で、どうして反転授業に取り組まれたのか、佐藤先生にうかがいました。

 

自分を表現するのが下手な子供たちを見て、何とかしなくてはならないと思った。

佐藤先生は、反転授業を導入する何年も前からグループワークを授業に取り入れていました。その理由は、子供たちが自分を表現するのが下手なことに危機感を感じたからということでした。

「これからの社会には、問題解決力が必要だから」といった回答を期待していた僕にとっては、佐藤先生の答は意外でした。佐藤先生は、昔の子供に比べて、今の子供のコミュニケーション力が落ちてきていることを感じていて、子供の様子を見ていて、授業の中で取り組む必要を感じるようになったのだそうです。自分たちで学びあうことを通して、どんな言い方をすれば伝わるか工夫したり、自分以外の考え方があることに気づいたりして、他者意識を自然と獲得していくことが必要だとおっしゃっていました。

ただ、45分の授業では十分に学びあいの時間を取ることができないと思っていたところ、東北学院大学を通して企業のサポートを受け、一人一台のタブレットを生徒に配布できるようになり、反転授業の実施に踏み切ったのだそうです。

「学びあいの時間を確保するためには、どこかを削らなくてはならない」

佐藤先生にとっては、45分の講義の中で削ることができるのが「講義」で、それを実現するためのツールがタブレット端末だったということでした。
また、佐藤先生は、すべての授業を反転授業にしているのではなく、算数の中の1つの単元だけを反転授業にしています。そのため、「学びあいの効果は、その単元に限定されるのではありませんか?」と質問されることが多いそうです。しかし、佐藤先生によると、反転授業を通して学んだ表現力や他者意識は、その単元に限定されることなく、子供たちの生活全体によい影響を与えているのだそうです。

反転授業に必要な教員のスキルとは?

佐藤先生の反転授業がうまくいく理由の1つは、佐藤先生のファシリテーションスキルの高さにあると思い、授業中に具体的にどのようなことをやっているのか聞いてみました。

佐藤先生がやっていることは、活動についてアドバイスすることと、分からない子をサポートすること。

言葉で言ってしまえば簡単ですが、子供の様子を見て、適切なタイミングで適切な声がけをするには、実際には経験が必要なのではないかと思いました。

佐藤先生も、教員研修などで子供の動き方の見方を身につける必要があるが、そのような研修の体制は十分ではないとおっしゃっていました。反転授業を実施するにあたって教師が必要なスキルを身につける場を作っていくことが必要だと感じました。

 

反転授業がうまくいく秘訣は「ノート作り」にあり!

佐藤先生の反転授業は、非常に効果的に機能しているように見えます。その秘訣がどこにあるのかうかがってみました。

まずは、予習についてうかがいました。

佐藤先生の授業では、「ノート作り」に重点が置かれます。生徒は、ノートの作り方を指示されていて、その指示に従って自宅で動画講義を見て、ノートを作ってきます。

「予習をしてくる=ノートを作ってくる」ということになっています。佐藤先生にうかがうと、特定の事情がなければ全員やってくるそうです。佐藤先生にお話をうかがっていてとても印象的だったのは、

「家庭学習と普段の勉強が1つのものにならないかと考えていた」

という言葉でした。反転授業の場合、家庭学習は、翌日の授業で活躍するための勉強なので、家庭学習と翌日の授業とが一体となって1つの勉強になります。佐藤先生は、それを強調するために、

「明日の授業で使うための武器を身につける」

ということを生徒に言っているそうです。

ノート作りを徹底させることには、他にもメリットがあります。

動画講義を見て、分かったことを自分の言葉でまとめるため、自分のオリジナルの考えを表現する経験を積むことになります。これは、表現する喜びにつながり、子供たちは、ノートを作るのが楽しくなってくるのだそうです。

ノート作りは、中学校や高校へ進んでも必要になってくる技術です。将来にわたって役立つ技術を、身につけさせることも狙いの1つだとおっしゃっていました。

2種類の動画講義の比較

佐藤先生は、1年目と2年目とで違ったタイプの動画講義を作成しています。スタジオ撮影動画とスクリーンキャストについて、その長所と短所とを比較していただきました。
1年目は東北学院大学の研究室に設置した電子黒板の前で授業をし、それをビデオで撮影するというやり方で講義を作成しました。

これは、普段の授業と近い感覚のため、講義をする側としては違和感なく撮影できたそうです。

電子黒板にはデジタル教科書を写し、生徒が持っている教科書と同じものを画面に映して説明したそうです。「教科書と同じものを表示して説明する」というのは重要なポイントのような気がするとおっしゃっていました。

また、小学生にとっては、先生の顔が写っていたほうがよいかもしれないとおっしゃっていました。

一方で、撮影機材や、撮影スタッフが必要になるため、動画講義を作成する労力は大きくなるのがデメリットのようです。
2年目はThinkBoardというスクリーンキャストのソフトを使って講義を作成しました。デジタル教科書をWindowsのタブレットPCに入れて背景に表示させ、そこにペンで書き込みながら講義を作成していきました。

はじめは自宅で作成したそうですが、「授業をしている臨場感」が生まれず、言葉のイントネーションがおかしくなってしまったり、テンションがあがらなかったりしたので、教室の教壇で作成することにしたら、うまく作れるようになったそうです。

僕も、自宅でThinkBoardで物理の講義を作るときに、テンションを高めて、教室にいるかのような気持ちになってから講義を作っていたので、佐藤先生のお話にとても共感しました。

スクリーンキャストの場合は、先生の顔は画面に表示されませんが、その分、課題に集中しやすいというメリットがあるのではないかとおっしゃっていました。また、機材などを必要とせず、簡単に作れて、自分で編集できるのも長所だとのことでした。
どちらも動画講義の長さは5分程度で、1単元を説明するとちょうどそのくらいの長さになるとのことでした。

 

教室でタブレットを使う意外なメリット

反転授業においてタブレット端末は、「予習動画を見るためのもの」という位置づけになりがちですが、佐藤先生の授業では、教室での活動にも大活躍しています。

タブレット端末を導入する前は、大きな画用紙やホワイトボードに字を書かせて、作業が終わったら黒板に並べていたそうです。この場合、出来上がったものしか見ることができませんでしたが、タブレットで作業をすると、作業中の画面が電子黒板にリアルタイムで表示されるので、作業の途中が教師も、生徒同士も見えるのだそうです。

これが、実は、非常によい効果を与えていて、他の生徒の思考が見えるので、自分の考えと比較しやすかったり、自分の考えを整理する助けになるのだそうです。この話をうかがって、アクティブラーニングの小林先生が、授業中に「立ち歩き」を奨励しているのを思い出しました。グループワークにおいては、他の人のやり方を見て学ぶというのが非常に重要な要素であるようです。その行動がタブレット端末を使うことによって、「全員の作業を一目でリアルタイムに見ることができる」ようになるため、強力にサポートされているのです。

また、作業が終わったときには、「おわり」と画面に書くように指示しているのだそうです。これは、佐藤先生のほうで終わったかどうかを確認したいという理由ではじめたそうですが、生徒は、他のグループよりもはやく「おわり」と書きたいということで、競って作業を進めるようになり、予想外の効果を上げているということでした。これと全く同じことが、僕のやっている物理ネット予備校のオンライン反転授業でもおこっているので、実践者として同じ気づきを共有できたうれしさがありました。

「他の人の作業を見る」というのは、僕が子供のころには「カンニング」と言われ、奨励されるどころか禁止されていた行為でした。友達がやっているのを見ようとすると、「見るなよー!カンニングだぞー!」と言われ、自分だけで考えてやらなくてはならないという習慣がついてしまっていたように思います。他の人を見て作業をすることで、なぜ力が付くのかという素朴な疑問を佐藤先生にぶつけてみました。

佐藤先生は、「そのときは見たけど、そのおかげで次に自分で解けたらそれでいい。社会では、そうやってお互いに真似しあいながらやっているのが普通。
子供の学びだけが閉じ込められていて、人のを見ちゃいけないというのがおかしい。」とおっしゃっていました。この言葉には、はっとさせられました。

 

親御さんからの理解を得るためにしたこと

1年目が終わったときにとったアンケートでは、親御さんからマイナスの声はほとんどなかったそうです。

タブレット端末は、普段は充電器付き保管庫で保管していて、反転授業を実施するときだけ、自宅に持ち帰ります。その「自宅に持ち帰るスタイル」について、学級だよりや保護者会、家庭訪問などで説明して理解を得るようにしたそうです。

親御さんの意見としては、「タブレットを使うのは当たり前になる時代に先んじてやってくれるのはありがたい」というものが多く、一部、「五感を使うのも大事だからご配慮ください。」「目が悪くなるんじゃないか」「壊すんじゃないか」といった心配の声が聞かれたそうです。

僕が予想していた「家庭学習の負担が増える」といったことに対する危惧は、実際にはほとんど聞かれなかったようです。家庭学習時間に対するアンケートでは、反転授業実施前に比べて学習時間が1.5倍に増えたそうですが、これは、ポジティブに受け止められているようです。

また、2年間で1台もタブレット端末が壊れていないということにも驚きました。これは、佐藤先生も驚いたとおっしゃっていました。端末の破損を防ぐためにしたことは、高価なものであり、勉強に使う大事なものということを最初に言い聞かせたことと、バッグにキーホルダーをつけてよいことにし、自分のものという意識を高めたことの2つだそうです。それにしても、1台も壊れていないというのは驚きです。

 

実践者の言葉は、ヒントの宝庫

佐藤先生に1時間40分にわたりお話をうかがい、たくさんの「予想外」の言葉をうかがうことができました。

また、他の実践者の方との共通点を見出すことができ、改めて重要なポイントがどこなのかを認識することもできました。

反転授業は、まだまだ始まったばかりです。先頭を切って実践されている佐藤先生の言葉には、たくさんのヒントがちりばめられていると思います。

今回は、それをできるだけそのまま記事にすることを心がけました。

みなさんからのフィードバックをいただけるとうれしいです。

 

■こちらの記事も合わせてお読みください。

2年前から小学生に反転授業!予習率100%の秘密を動画で公開 

 

Facebookグループ「反転授業の研究」では、現在、445名の方が活発に情報交換しています。

ご興味のある方は、こちらから参加申請してください。

第3回反転授業勉強会を振り返って

11月22日(金)に御茶ノ水ソラシティアカデミアで反転授業のイベントを行いました。

会場には100名ほどの方が来てくださり、オンラインからも40名ほどの方が参加してくださいました。

僕は、今回、御茶ノ水の会場で、リアルの場に登場してお話させていただきました。

イベントの様子を、早速、こちらのブログでリポートしてくださいました。

 

「反転授業の研究」ライブ参戦記

質が劣る?いや優る!動画講義がリアル講義を超えるためのたった1つの機能

 

また、参加してくださった方から感想をいただいています。一部を紹介します。

●Yさん

【参加場所】:  御茶ノ水会場
【勉強会で分かったこと】:
1.反転授業の可能性が「多様性を持った盛を育てる」という指摘。自分が、無意識のうちに映像授業対生授業、反転授業対従来授業のように二項対立の考え方をしてきたことを悟りました。
2.古山さんが武雄市での反転授業の実践を通じて、子供たちが「授業を受ける生徒」から「授業に参加する生徒」に変化していると報告されていました。新しい方法論の実践を通じて新しい地平が切り拓かれていることを実感し心強く思いました。
3.反転授業の形態(補習型、アクティブラーニング型)、動画授業の分類など実践を通じて概念を整理して提示されたので理解が深まりました。

5年後、10年後に学びや授業がどのように進化しているのかとても楽しみでワクワクしています。
【課題だと感じたこと】:
学習効果を客観的に測定すること
アメリカのMOOC運営者たちは明確にここに焦点をあてています。彼らは収集した膨大なデータにビックデータ解析を用いてより効果的な学習手法を開発し進化させる仕組みを目指していることでしょう。

一方、MOOCとは異なるアプローチで反転授業に取り組んでおられる様々な試みからどのように学びの本質を捉えていくかを模索することでMOOCからのアプローチとは異なる知見が得られると期待しています。

【勉強会への感想】:
大変、密度の高い議論がなされていることに感銘を受けました。是非参加させていただきたく存じます。

●Nさん

【参加場所】:  御茶ノ水会場
【勉強会で分かったこと】:
・倍速やユーザーコミュニティの学習への効果、分かってはいたが、自分たちのサービスでも再度検討していきたい。
・最初から「反転授業」を意識してつくる動画と、通常の映像授業では、特に「どこまで教えるか」など大きな違いがあること。
【課題だと感じたこと】:
・学校での反転授業のむずかしさ
・武雄やその他の事例のスケールアウト
・費用対効果の観点からの反転の評価(動画制作などの諸コストと学習効果、そこまでやるならもっと準備も少なく、できる効果的な取組もあるのでは…?)
【勉強会への感想】:
今まではバーチャルで見聞きしていた方に、リアルでお会いできたのが何よりでした。

●Yさん

【参加場所】:  オンライン
【勉強会で分かったこと】:
反転授業について、アプローチが2方向ある事が分かり、現状理解に役立てられました。
【課題だと感じたこと】:
まだまだ手さぐりな状態だという事で、キーワードが先行していると感じました。
でも、可能性はあると思っています。
【勉強会への感想】:
自宅での参加だったので、ノートPCを起動せずに ipad でアクセスしたのですが、youtube が見えなないのはちょっと辛かった。アイコンが代替テキスト(clap)とかになるのはまあ仕方がないのですが。
そういった意味では、ipad のアプリは紹介されない方がよろしいかと思います。

●Tさん

【参加場所】:  御茶ノ水会場
【勉強会で分かったこと】:
まず、三上さんの報告からの参加でしたので、 あまり全体をつかめていない上での感想です。

【課題だと感じたこと】:
・学習意欲の低い子供に対するケア、フォロー
・はじめは興味本意で家庭での学習を、するかもしれないが、どう継続させるか
・教師がクラスをファシリテートできるか
・端末トラブルの対応

【勉強会への感想】:
反転授業は現時点での教育の理想の形であると認識しているが、低学年層での実施は難しく、クラス内でタブレットやPCを活用した授業展開の方が
まだ現実的であると感じています。

また、そもそもの教育の仕組みの改革、ITリテラシー教育の実施を同時に行わないと単発のムーブメントで終わりそう。

 

●Sさん

【参加場所】:  オンライン
【勉強会で分かったこと】:
・反転授業は1種類ではない
→1種類だけだと思っていたので驚きました。

・質問を生徒間で答えさせる
→教え合い、学び合い
これは実際に勉強を教えていても感じます。
私たちが教えるよりも生徒間のほうがすんなり吸収しているように見えます。

・倍速
→前から反転授業の利点として知っていましたが、今回度々強調されていたので倍速の有効性を再認識しました。
【課題だと感じたこと】:
・15分の壁
→生徒と教師のやりとり等があればそれ以上の動画も可能とのことでしたが、実際にやるとなると教師も生徒も授業時間外に更なる時間の拘束がありますよね。
それならば、やはり10分単位で動画を作ったほうが効率的だと感じました。(学校で導入するならば)
【勉強会への感想】:
リアルとオンライン同時開催ということで、わくわくしながら参加させていただきました。(本当は御茶ノ水の方に参加しようと思っていたのですが、時間の都合上行くことができませんでした)
田原先生のお話や武内小での研究授業のご報告等、参考になるものばかりでした。

まだまだ学生で知識も少なく、皆様のように白熱したコメントをすることもなく見ているだけ、といった状態になってしまい本当に申し訳ありませんでした。
今後もよろしければ是非参加させていただきたいです。

では、今回は本当にありがとうございました。

 

●Kさん

【参加場所】:  御茶ノ水会場
【勉強会で分かったこと】:
実践されている方ならではの、骨太な話が伺えて良かったです!
【課題だと感じたこと】:
会場の設備の問題かもしれませんが、音声が聞き取りにくいところがありました。
【勉強会への感想】:
興味深いテーマですので、引き続き、勉強させていただきたいと思います。
場所や時間をこえる学習スタイルは革命になるでしょうか?
感動を伝えられるネットの可能性や、新たなヒーローの誕生への期待など、まだまだ伸びていく世界が待っていると信じています。

 

●Fさん

【参加場所】:  オンライン
【勉強会で分かったこと】:
デジタルハリウッドの取り組みが良く分かりました。
数学が必要かの表はぜひ手に入れたいので出典が分かれば教えて頂きたいです。
三上さんの話も大変参考になりました。頷くことや間の大切さと倍速の重要性がよく分かりました。
【課題だと感じたこと】:
ネットワーク面の課題はいつものことですから、想定の範囲内でした。
こういう取り組みがたくさん増えて行くとノウハウも溜まって行くのになと思います。
【勉強会への感想】:
時間的には汲々でしたけど、試みとしては面白かったと思います。

楽しい時間でした。音声や映像が一部乱れたところはいた仕方ないですが、初めての人にとってはストレスだったかもしれません。

しかし、このような会をしたことはまた一歩革新だと思っています。課題を拾っていってもっといい勉強会にしたいですね。

 

—- 感想ここまで —-

 

今回のイベントでは、たくさんの方を巻き込んでいくことを目指しました。

 

反転授業は、まだ、ほとんど始まっておらず、そこに可能性を見出している方が集まってきてくださったのです。

ですから、僕は最後に、

「反転授業という究極の形があるわけではない」

「多様性のある森を育てれば、そこには多様な果実が実り、森を育てるのに関わってきた方にとって役立つ果実もきっと見つかることでしょう。」

「これから、いっしょに多様性のある森を育てていきませんか」

mori

というメッセージを伝えました。

リアルの場、オンラインで参加してくださった方に、このメッセージが届き、このムーブメントに加わっていただけたらうれしいです。

 

イベントの後、Facebookグループ「反転授業の研究」のメンバー数は408名まで増えました。

イベント終了後の懇親会では、名刺交換のためにたくさんの方が僕の前に並んでくださり、1時間半の間、ひたすら名刺交換をしながら、たくさんの方のお話をうかがいました。この熱気は、きっと新しいものを生み出すエネルギーになっていくものと思います。

今回、参加できなかった方は、第4回の反転授業オンライン勉強会にぜひ参加してください。

 

Facebookグループ「反転授業の研究」への申請はこちらから

※グループに登録すると、過去の勉強会&イベントの録画ビデオも視聴できます。

第3回反転授業勉強会ゲスト紹介~古山竜司さん

僕が古山さんの存在を知ったきっかけは、Facebookグループ「反転授業の研究」で、アクティブな書き込みをしているのを見たことです。

様々な投稿に対して、次々と的確なコメントを入れていく様子を見て、好奇心が強く、ポジティブな人だな~と思いました。

さらに、非常にコミュニケーションスキルが高く、古山さんは、単に関連事項を書き込むだけじゃなく、コメントからにじみ出てくる相手の「気持ち」を、すばやく読み取って、そこにコメントを返していく、そして、自分の気持ちをそこに入れていくんです。

古山さんがグループに加わったことで、グループの雰囲気がどんどんポジティブになっていきました。

 

古山さんの本業は、ワオ・コーポレーションの算数・数学講師です。

普段は、スタジオ撮影の動画講義を製作しています。

佐賀・武雄市の反転授業用の教材作成をワオ・コーポレーションが請け負うことになり、最前線で教材作成の担当者になったことが、反転授業に関わるきっかけだそうです。

武雄市のプロジェクトは、大きな注目を浴びていて、現場でのプレッシャーは、相当なものだと思います。

さらに、教材作成側と、教師との間にある考え方の違いを調整する必要もあるでしょう。

はじめてのことばかりで、予想外の事態も起こると思います。

そのときに、古山さんの超ポジティブなキャラクターと、コミュニケーションスキルは、きっと難局を乗り切るための大きな力となると思います。

 

武雄市の竹内小学校で、11月21日(木)に、研究授業の発表があります。

古山さんたちが作った教材を使って、反転授業が行われ、それが公開されます。

古山さんは、佐賀から大阪へ戻り、翌日22日(金)の反転授業の勉強会へ大阪からオンラインで参加してくださいます。

勉強会では、21日の研究授業の様子などをレポートしてくださるそうです。

反転授業の最前線で何が行われているのか、ぜひ、耳を傾けてみてください。

 

11月22日(金)19:30から実施します!

反転授業オンライン勉強会(無料)へのお申し込みはこちら

 

■実践されている方、実践を検討されている方、反転授業に興味がある方、ぜひ、つながりましょう。

340名が参加!Facobookグループ「反転授業の研究」はこちら

※グループに参加希望の方は、田原までメッセージ下さい。

 

第3回反転授業勉強会ゲスト紹介~三上博正さん

僕が、三上さんのことを知ったのは、今から9年前の2004年。

物理の講座をネット配信するよい方法を探していて、受講者の一人が「いいものがありますよ」と教えてくれたのがきっかけでした。

紹介された「PCレター大作戦」というブログを見ると、数学のサンプル講義が見れるようになっていました。

とりあえず、サンプル講義をダウンロードして、再生してみると・・・・

 

画面に数学の問題が表示され、同時に講師の声が聞こえてきて、さらに、手書きの文字で書き込みが始まりました。

 

今は、「スクリーンキャストソフト」と言えば、カーンアカデミーやeboardでも使われていて、だんだんと知られてくるようになってきましたが、9年前は、本当に画期的なものだったんです。

「うぉーーーー! これがあれば予備校の講義をそのまま作って配信できるぞ!!!!!」

と興奮したのを、よく覚えています。

 

早速、ブログに書いてあった連絡先にメールを送り、「無料体験はできますか?」と問い合わせしました。

すると、帰ってきたメールには、URLが貼ってあって、それをクリックすると・・・・

「えーー、田原様。 このたびは、お問い合わせありがとうございます。」

「えーー、私は、北海道の片田舎、浦河町というところに住んでおりまして、えーー、札幌から車で・・」

といった感じで、パソコンの画面に手書きで北海道の地図が描かれると同時に、三上さんの声が聞こえ始めました。

これが、僕と三上さんとの付き合いの始まりでした。

北海道の絵が描き終わるころには、このシステムで授業を作っていくことを決め、まだテスト販売中だった製作システムをお願いして購入させてもらいました。

 

三上さんが、口癖のように言っている言葉は、

「リアルの代替でないバーチャルを目指す」

 

本当はリアルがいいんだけど、仕方がないからバーチャルで我慢するというのではなく、バーチャルがリアルを超えていけるようでなくてはならないということを、いつもいつも主張していました。

そして、そのための重要な機能として「2倍速・4倍速再生」を位置づけていました。

 

今だから言いますが、僕は、最初、2倍速・4倍速再生機能に対して否定的でした。

自分の授業を、生徒が2倍速で聞く・・・ということをイメージしたときに、何か嫌だな~と思ったのです。

せっかく、生徒の心に伝わるように間を取りながら語りかけているのに、そういうことが台無しになってしまうような気がしたのです。

でも、

「田原先生、一度でよいですから、2倍速再生。これを、試してみてください。」

と、三上さんから頼まれて、

これは、自分が経験したことのない新しい学びの可能性を秘めているのだから、まずはやってみて、何が起こるのかを見てみようと思い直し、全講義を倍速で見れるように設定しました。

その結果、何が起こったか?

 

今、ほとんどの受講生は、講義を2倍速を使って聞いています。

慣れると、普通の速さで聞こえるそうです。

ネット予備校の受講生たちとオフ会で会ったときは、

「田原先生が、普通の速さで話しているのに違和感を感じる」

という話も出たりしました。

 

三上さんと僕は、それ以来、オンラインでディスカッションを重ねながら、

「倍速再生をどのように使ったら学習効果が上がるのか」

「倍速再生とは、学習にとってどのような意味を持つのか」

といったことを追及してきました。

その結果、三上さんは、ほとんどの人が気づいていない重要なポイントに気づいたそうです。

その研究の成果を、11月22日(金)の反転授業の勉強会では、お話してくださいます。

10年以上「リアルの代替ではないバーチャル」を追求してきた三上さんならでは話を聞けると思います。

 

PCレターは、その後、ThinkBoardという名前に変わり、日本各地の学校や塾で使われ、国境を越えてモンゴルの高校にも導入されています。

富谷町立東向山小学校で反転授業の講義作成ツールとして使われていることから、反転授業の分野でも注目されています。

このような時代がやってくることを願って、北海道の片隅で10年以上も前から開発を進めてきた三上さんの話を、みなさん、ぜひ、楽しみにしてくださいね。

 

11月22日(金)19:30から実施します!

反転授業オンライン勉強会(無料)へのお申し込みはこちら

 

■実践されている方、実践を検討されている方、反転授業に興味がある方、ぜひ、つながりましょう。

338名が参加!Facobookグループ「反転授業の研究」はこちら

※グループに参加希望の方は、田原までメッセージ下さい。

 

 

2年前から小学生に反転授業!予習率100%の秘密を動画で公開

佐賀・武雄市で小・中学校にタブレット端末を配布して反転授業を行うことが発表されて以来、反転授業について様々な意見が聞かれるようになりました。

その中でも、よく見かけるのが、

「生徒が予習してこないんじゃないか」

という意見です。

反転授業は、生徒が予習をしてくることが前提なので、予習率が低いと授業が成り立たなくなるのです。

・モチベーションが低い場合
・家庭学習の習慣がついていない場合

について、予習率を上げることは難しいのではないかというのは、もっともな意見であるように思います。

そして、その文脈で、

「小学生に動画講義で予習させるのは無理なのではないか」

という意見も、Twitterなどで数多く見かけました。

さらに、実際に小学校に半年間入って状況を見てきたeboardの中村さんのレポートによると、

—–
これは体験的なことですが、現場に行くと子どもの学習意欲は総じて低く、さらに意欲・学力にばらつきがあります。残念ながら宿題で動画を課しても、動画の質に関わらず見てこないと思います(半沢直樹を見てこいでも、実際難しいと思います)。反転授業を大阪で実施されている私立高校でも(偏差値は悪くないです)、半数見ればいいほうというのが現状だそうです。

—–

とあり、反転授業の実施には大きな困難が伴うという印象を受けました。

 

高校数学の反転授業で予習率100%を達成している方法

実際に反転授業を行っている事例から、「予習問題」をどのように解決しているのかを学びたいと思い、近畿大学付属高校の芝池先生に第1回反転授業オンライン勉強会で予習についてうかがいました。芝池先生は、前倒しで予習ノートを作らせ、演習中心のグループ学習をしているときにノートをチェックするという方法で、予習率100%を達成されていました。

芝池先生は、動画コンテンツの質は高いに越したことはないが、そんなに重要なポイントではないとおっしゃっていました。

それよりも、クラス運営、教師と生徒との関係性の中で、必ず予習してくるという学習姿勢を作っていくということが重要だということでした。

まとめると、芝池先生の実践例において予習率を高めるためのポイントは、

・ノート作りを中心に据える
・教師と生徒との信頼関係の中で学習姿勢を整える

の2点にあるように感じました。

しかし、これは、高校生だからできることなのかもしれない?

小学生でも、予習率100%を達成できるのだろうか?

当然、このような疑問を感じる方もいらっしゃると思います。

 

小学6年生への反転授業で予習率100%を達成した方法

この疑問に答えるための大きなヒントになるのが、小学生に向けてすでに2年間、反転授業を実践されている富谷町立東向陽台小学校の佐藤先生の実践例です。

この度、佐藤先生の授業の様子を録画したビデオがはじめて公開されました。

まずは、ビデオを御覧下さい。


佐藤先生が講義収録に使っているのは、マイクロソフトのSurface ProにWindows 8を搭載したもので、そこにThinkBoardというスクリーンキャストソフトをインストールして製作しています。

1年目は、講義を動画で撮影したものを使っていたとのことで、今後、動画講義とスクリーンキャストの比較も出てくると思います。

佐藤先生の授業でも、芝池先生の例と同じように「ノート作り」を重要視しています。

授業は必ず「予習ノートの確認」から始まります。

「ノートの左ページには予習してきた内容や感想、右ページには今日の授業の内容をまとめる」というように、ノートの作り方も決まっており、ノート作りを授業の中心に据えて学習を進めていきます。

授業では、「予習内容に関する発問」があり、できたかどうかを挙手させるなど、いたるところに予習を促す工夫がされています。

ビデオの中では、グループ学習は、3人組で行われており、グループで話し合った結果をタブレットに書き込み、プロジェクター型の電子黒板でリアルタイムで共有されます。

リアルタイムで共有されることで、他のグループの考えもヒントにすることができます。これは、小林先生のアクティブラーニングで行っている「立ち歩き」と同じような効果があるのではないかと思いました。

佐藤先生は、反転授業を導入する以前から、学び合いなどのグループ授業に関心があり、実践されていましたが、45分の授業ではグループワークや個別指導に割ける時間が十分に取れなかったそうです。

反転授業を導入したことで、個別にサポートする時間が取れるようになったということがビデオの中でも触れられていました。

グループワークの後は、意見発表、意見交換で、佐藤先生の

「どうしてこうなったのか、みんなに分かるように説明してください」

という指示により、生徒が考えを説明します。

このような時間も、反転授業によって生み出されたものだと思います。

ノートの左側の予習ページの最後と、ノートの右側の授業ページの最後には、分からなかったことや感想を書きます。

このような「振り返り」の作業を行うことで、理解度の定着、疑問点の明確化が起こるのではないかと思います。

 

小学生でも、高校生でも、予習率を高めるための工夫は共通?

佐藤先生の授業の様子を動画で見て、小学生と高校生との違いがあるのにもかかわらず、芝池先生の実践例との共通点を強く感じました。

・ノート作りを中心に据える
・教師と生徒との信頼関係の中で学習姿勢を整える

という2点は、佐藤先生の授業でも重要なポイントで、これらが徹底されるように授業が工夫されているようでした。

すでに2年間の実績がある佐藤先生の反転授業の実践は、今後、小学校で反転授業を実践される先生方の大きなヒントになるものだと思います。
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11月22日(金)19:30から実施します!

反転授業オンライン勉強会(無料)へのお申し込みはこちら

 

■実践されている方、実践を検討されている方、反転授業に興味がある方、ぜひ、つながりましょう。

323名が参加!Facobookグループ「反転授業の研究」はこちら

※グループに参加希望の方は、田原までメッセージ下さい。

 

 

第2回反転授業オンライン勉強会の報告

オンライン勉強会では、最後に参加者のみなさんに「振り返りシート」を書いていただいています。

参加していただいた方の考えも、できるだけ共有し、自分以外の見方から学ぼうというのが狙いです。

公開許可を得ているものについて、こちらで共有させていただきます。

勉強会で分かったこと

生徒の「好き」からスタートする発問の工夫が面白かったです。
ありがとうございました!
ファシリテーションスキルの重要性を改めて認識しました。
ありがとうございました。
高校の現代文、「こころ」の授業で、予習ではなく、時間の最初15分~20分で、4人組で問題プリントをさせて、その後、板書でまとめをするという授業を展開しています。生徒の気分によって出来不出来が出てきます。また、マンネリ化の懸念もあります。
この当たりをどうしたらいいのか、また教えてください。
・Problem based Learningとの相性が良さそうな仮説の形成
・ALのファシリテーションのための学習環境が必要なこと
・ADDIEモデルでの標準化は、反転学習にも応用できそうな感じです
それぞれの先生方の細かな工夫。
それぞれにユニークな内容で勉強になりました。自分が高校の校長目線で見ていたので、特に高校を舞台にした鈴木先生の実践例と、体験から学んだメリット&デメリットは、非常に有益な情報だと思います。
ALの有効性、GWの面白さ、学校教育の現状や課題など。
実現出来ればこれほど面白い授業(教育)は無いと思います。
先生と生徒と言う垣根の低さが面白さにつながると、素人ながらに思いました。生徒の質問を、疑問を誘発すると言うのは、非常に難しいですが、
その自発的な質問や疑問こそ学びであり、神髄であると思います。
何から何まで、刺激だらけでした。一番感銘を受けたのは、「市民性」というところ。教育者として、社会貢献という落としどころは、とても腑に落ちて清々しい気持ちになった。
反転授業という言葉を最近耳にし、興味をもったので参加させていただきました。初心者なので初めに反転授業の補修型などの形式を学べて良かったです。また具体的にこれまでの学習スタイルとALラーニンそれぞれのメリットデメリットが分かりやすくまとめられており、大変勉強になりました。最後の生徒の興味と教師の情熱の例えは素晴らしかったです。
杉山先生の発表で、
環境を作ることの大切さをしりました。
ありがとうございました。
反転授業(AL型)について、教員と生徒との相互関係が計れるが、事前学習における生徒への負担、発問にある程度スキルが試される事が課題である事を感じました。
それに対し、本日お越しくださった方々は自分たちができる範囲を見定めたり、環境を整備して行っているなど、様々な工夫をされている姿は大変素晴らしく、数多くの事を学ばせて頂きました。
桑子さんの『動く発問』の4要素は、『必要感』という言葉でまとめられるように思います。
まず子どもたちが「調べたい!」と思う状態にもっていくことがスタートである、というあたりに学習の導入部分の重要性を感じました。
反転授業という印象は、ごく狭い手法の一つというものでしたが、理念はすばらしく、近未来的でした。西川純氏の『学び合い』にも通じるものがあります。私はそちら系統の人間で、ICT活用も小学校中学校現場でさりげなく使っていたものですが、これを支持して行けそうです。反転という言葉がやや、否定的なので、ゆくゆくは名前をオープンで明るいものにしたらいかがでしょうか。また、企業のニーズは、むしろ反転授業だということを再確認できました。
反転学習のことを、教育のことを熱心に研究されている方々がここには集まっているんですね。
効率的な授業運営の例
反転授業の2つのタイプ
ZPD
質問の4つのルール
教育現場でアクティブラーニングを進めるためにどのように工夫しているのか具体的な事例を知ることができました。
「知識を蓄え正解を導き出す」タイプの力ではなく、「自分自身で調べ、考え、各自の手法で正解に近づく」タイプの力が要求されている現代。ICTなどを用いて子どもたちを巻き込んだ授業を展開することにより、子どもたちが興味を持って授業に臨んだり、積極的に考えたりするようになる。但し、「この手法を使えばうまくいく」というようなものではなく、生徒のツボをおさえて、工夫することが必要。
初めての参加でしたが、
全体の流れや、話し手と参加者の
温度がわかりました。こういった場では、講師と受講者という関係が
自然と出来あがる為、ブランディングなどが
関係なくなるという気づきがありました。内容もパートを分ける事によって、
ちょうど良い濃さが出て、区切りが良いですね。
講義終了後にちょっとしたインタビューを、
入れる事で緩急のバランスも出ますね。こういった流れが参考になりました。
ありがとうございました。
桑子先生の、市場調査的な授業アプローチは、理論背景がはっきりしていて説得力があり面白かったです。
鈴木先生の一斉授業とアクティブラーニングの違いの表も整理されていてよかったです。
杉山先生の広尾の教室、いつか見学にいきたいです。
「何のために勉強するのか?」という質問に対して、「試験のため」と答える生徒が国際比較で高いというデータを見たことがあります。
その解決のための先生方がオリジナルなアプローチをしていると感じました。教科や環境に応じて楽しく工夫していることが上手な教師人生なんでしょうね。
今後、授業の形態は、間違いなく、先生→生徒・生徒・生徒…、ではなくなっていくんだろうな思いました。
今後は、生徒⇔生徒⇔先生⇔生徒⇔生徒、のような、アクティブな学習空間がスタンダードになっていくのでしょう。
そのための考え方・環境・道具について、いろいろと勉強させてもらいました。

課題だと感じたこと

生徒に学習活動をメタ認知させる部分に温度差やズレがあるように思いました。
・Active Learningの利点と欠点をさらに明らかにすべき?その上で、いかに欠点を潰して行くか、授業設計や運営の課題を感じました。
アクティブラーニングを、(現在進行形の)一斉授業に取り入れるのには、やはりやや距離があるかも、と感じています。
アンケートで、自分が回答する立場にないケースで、スルーすることがシステム上、できないようです。(勘違い?) 「グループワークやってますか?」というアンケートは、当事者でないので、どちらでもないのですが、チェックしてクリックしないと画面が元に戻りません。
中高などでいきなりGWをする、と言う事ですらコミュ力が必要になってくるので、小学校教育あたりから変えていかんと駄目なのでは無いだろうか?ALの前提として、最低限のコミュ力が必要とされるので、まずそこが課題であると思います。

また、教師の技能(生徒と視線を合わせる)に依存するので、テンプレ授業なら出来るが生徒と併せられない教師には非常に難しい事かと思われます。つまり、先生側にも生徒とのコミュ力が必要になってくるので、そこも大きな課題になってくると思います。

私塾の立場としては、やはり社会貢献をしながらも集客をせねばならないというハードルがある。そこをどこまで市場に対してアピールしていくか、指導手法確立という観点だけではなく、日本の保護者の方々への浸透という大きな課題も見えてきた。
グループ学習には環境を整えることと、教師、生徒共に慣れるということが必要だと思います。いかにそれを順序建てて考えていくかがポイントだと思います。
環境整備という面で、
なかなかまだうまくできていないのが現状です。
今後の課題です。
発問の仕方について、まだまだ経験も少ないため、今後も試行錯誤しながら深めないと難しいと感じました。
『反転授業』にこだわる必要はないのかもしれないと感じました。
一斉授業による20世紀型学習観から脱却し、21世紀型スキルを見据えた学習法を開発、研究していく、というのがみなさん共通の思いなのではないでしょうか?反転授業もそのひとつだと思いますが、
私の感覚では、小学校では反転させて自学してくる内容というのはそんなに多くはないもので、自学の部分がなくても、みんなで調べていく過程でほとんどの内容はおさえられている上に、教授型学習よりも定着し、思考力や表現力も育めていると思います。
愛知、特に三河部では、三河教育研究会、愛知教育大付属の一連の研究で、生徒主体の学びが一般化しています。ところが、高等教育になると、座学という言葉が一般的なほど、教師主体の授業で、自分の子どもの保護者会にしても、中高一貫の連携での授業研究会においても、遅れていることを感じます。まだ、テストを目的としている取り組みだからだと思います。小学校の先生はそのところ、よく研究されているので、このノウハウを高等教育に取り入れていくことが大切だと感じました。
電子教科書の話がでましたが、どなたがチャットで書かれていましたね。小学校から大学までシームレスにつながるものを構築していくこと それが教育界の大きな課題ですね。
以下は当方(スクール経営者)の観点ですが、、、
講師の力量に左右される懸念がありますので、講師のスキル・センスに依存しない運営ノウハウの蓄積や、講師を対象にした勉強会・トレーニングの必要性を感じました。
まずは、後程配信頂けるという今回の動画の視聴を課題に出そうと思います。
同じ学校でもクラスによって、生徒たちの反応も変わる。世の中全体、広範にアンテナを広げ、試行錯誤を永久に繰り返すこととなる。この過程(試行錯誤)自体を楽しめなければ、おそらく続かない。
資料で小さい文字が多いと、
読むほうに意識がいってしまうので、
スライドを表示する場合は、
要点のみにおさえ、後は口頭での
説明が良いのかもしれませんね。あとはPDFをダウンロードしたかったです。
ALと反転授業と一斉授業の流れ図(スライドの一枚目)
あのフロー(矢印方向)って、そんな単純にひけるのかなぁという疑問がありました。ここ、もうすこし整理したいです。
じつは、反転授業で学校でのパート部分は、一斉授業(講義)を含んでいますから、入れ子構造になっていて実際は複雑だと思います。
 参考書の演習問題をベースにしたALをしています。今後は、自由度の高い問題設定を目指すべきだと感じました。桑子先生の「ハイジ」の質問はシンプルなので、生徒が状況を創造し、整理していく力が必要だと感じました。それを乗り越えさえるために学習内容にリアルを感じさせることが有効に働くのだと思います(自分事)。
実社会の問題解決する力は、そのようなリアル感のある世界で演習させることが必要だと感じました。
今までの、先生→生徒・生徒・生徒…は、秩序が保ちやすかったと思います。しかし、そんな先生主導の授業でさえ、秩序を保てず学級崩壊などが起きました。グループワークなど、秩序が保ちにくい形の授業形態において、果たして秩序を保てるのだろうかと思いました。
それで秩序が保てるほど、子供たちの知的好奇心を刺激し、子供たちが課題に本気で取り組むようなら素晴らしいですね。
創造しただけでもワクワクします。

勉強会への感想

小学校や中学校で取り組まれている事例を知りたいです。
とってもおもしろかったです。知的な刺激も受けました!次回も期待しております。ありがとうございました。
・発表者への質問タイムがなかったのが少々残念でした。
次回も楽しみにしております。
素直に面白かったです!
1つの発表は、意外と短く感じました。
多くのチャットコメントに応じ始めると、大変そうです(^^;

ただ、ここで学んだことを自分の中でストックしておき、いざという場面で活かせるようでありたいと思いました!
勉強会の開催、ありがとうございましたm(__)m

これを定期的に開催するのは、すごいですね! いずれ海外のケースもぜひ!
何も知らずに参加させて頂きましたが、非常に勉強になりました。
また機会があれば是非参加させて頂きたいと思います。
非常にありがたいのが、この時間帯での実施です。また、こういう勉強会の大切なところは、「同じ想いを抱いている仲間がいる」という事実を知ることです。会ったことがなくても、皆さんと仲間意識が芽生えました。ありがとうございました。
大変勉強になりました。またお願いします。
いろいろな先生方の状況を聞くことができまして、
とっても参考になりました。ありがとうございました。
反転授業は、非常にハードルが高いと考えており、実現は難しいと考えておりましたが、ゲストの方々の講話を拝聴して、簡単なグループワークから導入するなど、簡単なことからでも始める事が出来る事が分かりました。
特に桑子先生の発問の4つのルールは非常に分かりやすく、生徒のニーズを踏まえてゲーム感覚で行う授業はすぐに実践できるものと感じたため早速次回の授業で導入してみたいと思います。
この時間に話しを聞いたり議論したりできるというのが大変ありがたいです。
これからも学ばせていただけたらと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。
申訳ございません。
本日は途中参加(30分も)となってしまい、何だか集中できず(これは全く個人的な話で恐縮です)、課題や感想がまとまりません。
ただ、色々実践されている方の試行錯誤の様子、企業の方々の話に対し、先生方がとても好意的に反応されていたことに驚きました。

次回もまた参加させて頂きたいと思います。
ありがとうございました。

この時間、リーガルハイよりおもしろかったです。家でのんびり、姿勢をくずしながら、気楽な気分で学べるのがよかった。
チャットで議論はいかがでしょうか。1人発表が終わってから、田原さんのコーディネートで意見交換があるとおもしろいです。
また、高校の先生が多いようですが、異校種の交流もおもしろいですね。このような機会を与えていただいたことに感謝です。
愛知県設楽町立名倉小 教頭 小学校、中学校理科、特別支援
この場がどんどん盛り上がって、大きな改革につなげたいですね。
思っていた以上の内容でした。
特に、鈴木さんの「社会の変化への対応の観点から。環境の変化と学びの変化についてまとめてみた。」や桑子先生の「質問の4つのルール」は、勉強になりました。
教室でのアクティブラーニングと反転学習との関連性について知りたいと思いました。
ありがとうございました。
あっという間の90分でした。
こういった勉強会があることに感謝の気持ちを覚え、
その勉強会に多くの方が参加されていることに驚きと喜びを感じます。

またよろしくお願い致します。

講義1つ目
地方こそデジタルを活用すると
いう考えはとても大事だと思います。

地域の壁を超えて、オンライン授業を
実施し行う毎に改善して事例に好感を
持ちました。

反転授業は従来の受動的な姿勢を、
能動的な姿勢に替える事が出来る
良いきっかけを与えると思います。

講義2つ目
日本の教育文化は、暗記力が高い人、
点数を要領良く取る人が、良い成績を
おさめる傾向がありように思え、
偏りがひどいなと感じています。

そんな中、このような自主性を伸ばせる
環境があるととても良いと思いました。
こういった文化を根付かせてほしいと思います。

講義3つ目
造り手目線で事を進めると、
受け手のニーズとズレてしまい
反応が薄いという事はよくありますね。

まずは相手の興味がある事から広げ、
引き込んでいく。

この講義はマーケティングの授業
そのものだと感じました。

自分の仕事にも活かせそうです。
勉強になりました。

いつも機会をくださって、ありがとうございます。
私を含めみなさんにとってオンラインでのシェアは大きな学びになっていると思います。
 質問の作り方や活動の仕方などどんどん視野が広がっていくのを感じます。私は、高等学校がで物理を中心に教えている理科教員ですが、一斉授業からALを経由している段階で、次はビデオ教材で定着を図りたいと思っています。
ALを取り入れて、どうしたら生徒に活動的になってもらえるかという点に重点が移ってきたように思います。私のアプローチは、プリントの作り方、小テストの結果の見せ方、復習の仕方、グループワークでのアウトプットなどの展開・活動の工夫を行っています。
次の段階として、もっと自由度を上げて深い思考力をさせる活動を目指したいと思いました。
今回話す側で参加させていただいて、勉強になりました!
またfacebookグループで引き続きよろしくお願いします!
勉強会は、2回とも参加させていただきましたが、どちらも刺激的で、あっという間の90分でした。
この勉強会自体を反転授業にしたらよいと思います。
このような勉強会に参加するような、意識の高い、教育に携わる我々が予習をしないのであれば、子供たちに予習することを要求することは難しいという検証にもなりますし、オンラインでの反転学習が可能かの検証にもなると思います。
次回も期待しています。
よろしくお願いいたします。
11/22デジハリ佐藤先生の研究発表会も楽しみにしています!

第3回反転授業オンライン勉強会は、リアルとオンラインの同時開催!

11月22日に、デジタルハリウッド大学 Effective Learning Labの佐藤昌宏教授と「反転授業の研究」の田原真人(僕)が共同で反転授業の現在地と未来をテーマにしたイベントを行います。

佐藤教授とは、EdTech Japan Festevalをきっかけに知り合い、教育とテクノロジーについてディスカッションしたり、情報交換したり、させていただいています。

近未来教育フォーラム2013というイベントの佐藤研究室の発表の枠の中で「反転授業」を扱いたいのだけど何かやりませんかということでお話をいただき、企画も含めて関われるのならということで参加することにしました。

佐藤教授からのリクエストは、反転授業に関連してオンラインでこんなに盛り上がっているということを紹介してもらいたいということと、テクノロジーに関連した話をしてほしいということの2点でした。

そこで、テーマを「反転授業には、どのような動画が適切なのか?」とし、さらに、オンライン勉強会そのものを、発表の中に入れ込んでしまうことにしました。

会場に来ていただいている方に口で説明するよりも、反転授業オンライン勉強会をそのまま見ていただいたほうが、その熱気が伝わると思ったからです。

つまり、このような複雑な構造になります。

kozo

 

会場の参加者の方からは、次のように見えると思います。

kaijo

 

教育とITとの間で仕事をしている者として、常に挑戦者でいたいという気持ちから、このような試みをすることになりました。

会場の皆さんには、オンラインの盛り上がりを知ってほしいし、オンラインの参加者の方々にも会場の熱気を知ってもらいたいです。

 

第3回 反転授業オンライン勉強会の内容

オンライン勉強会は、WizIQというWeb教室システムを使って行います。誰でも無料で参加することができます。

今回は、以下の3人がお話します。

田原真人 「日本における反転授業の現在地と未来」

(プロフィール)

早稲田大学理工学研究科博士課程で複雑系(生命の自己組織化)を研究した後、河合塾の講師を10年以上勤める。河合塾マナビスの映像講師も担当。2004年に法人設立し「物理ネット予備校」をスタート。三上博正氏が開発したThinkBoardを用いて「予備校講師の授業」をネット配信し、現在、約500名の受講生が学ぶ。教育オープン化の流れの中で生き残りを図るための方法として反転授業に関心を持ち始め、Facebookグループ「反転授業の研究」をスタートし、同じ問題意識を持つ仲間とディスカッションを始める。その成果をベースに、通常は、オンラインとリアルとのハイブリッド学習の1つである反転授業を、「eLearningによる効果的な知識のインプットとリアルタイムにおける協働学習」と再定義し、2013年4月より、Web教室システムを使って「オンライン反転授業」を実施。2013年10月からWeb教室システムを使い、「反転授業オンライン勉強会」を定期的に実施している。

もっと詳しいプロフィールはこちら

 

(著書一覧)

hon-list

 

 

(内容)

350名のメンバーが活発にやり取りするFacebookグループの情報を元に、日本における反転授業の現状を説明します。さらに、自分自身が実践してきた物理ネット予備校の経験、動画講義の5つの分類についてお話します。

(参考リンク)

物理ネット予備校

 

 

 

三上博正さん「リアルの代替じゃないバーチャル」

(プロフィール)

北海道浦河町で電気屋を営みつつ、遠隔教育を可能にするためのツールの開発に10年以上前から取り組む。まだスクリーンキャストという言葉も知られていなかった時代に「声とペンアクションでメッセージを伝えるPCレター」を開発。そのころから、2倍速・4倍速再生機能の重要性を提唱。その後、PCレターはThinkBoardとして生まれ変わり、現在は、反転授業用の講義製作ツールとしても注目されている。

(内容)

バーチャルがリアルを超えるために、倍速再生がどのような役割を果たすのか。10年以上かけてたどり着いた結論は?

 

古山竜司さん「反転授業をやってみた」

(プロフィール)

佐賀・武雄市の反転授業にコンテンツ提供をする会社の1つであるワオ・コーポレーションの算数・数学講師。

「ワオっち」というアプリを開発する部署にいたときに、Khan Academyを見つけたことをきっかけに反転授業のことを知る。その後、教材研究という部署へ異動し、テストやテキストを作成しながら、教育の新規企画を担当。いつか反転授業というニーズが来る日に備えて子供に向けて反転授業を実施(→親子で学ぶ算数)。縁があり弊社が武雄の反転授業のコンテンツを提供することに。

詳しいプロフィールはこちら

 
古山さんのブログ → ふるやまんの算数塾

(内容)

今回の話の内容は、時間も限られているので、
オンライン勉強会の前日に参加した武雄の話をメインにしようと思っています。
でも、質問などがあって、こういう質問に応えて欲しいということを聴ければ、できる限り答えたいと思っています。
コンテンツ制作としてみた反転授業という観点でお話できればと思います。
特に、予習の部分を担当ということになりますね。

イベントへの申し込み方法

 

日時 11月22日(金) 19:30 – 22:00

タイムスケジュール

19:00-19:30  佐藤研究室の発表

20:00 – 21:00 反転授業研究会「反転授業に適した動画講義とは?」

21:00 – 22:00 EdTech meetup (懇親会)

※細かいタイムスケジュールは変更の可能性があります。

 

(1)会場で参加する場合

場所 東京 御茶ノ水ソラシティアカデミア

参加費 無料

会場の席には限りがありますので、お早めにお申し込みください。

sato

こちらからお申し込みください

※ページの下のほう(下から3番目)にある佐藤昌宏研究室の発表の「予約申し込みはこちら」からお申し込みください。

 

(2)オンラインで参加する場合

会場 Web教室システム「WizIQ」

参加費 無料

席に限りはありません。カメラ&マイクなどは必要ありません。

初めて入室される方は、少し時間がかかる可能性がありますので、余裕を持って入室してください。

こちらからお申し込みください

 

いよいよ明日!反転授業オンライン勉強会

反転授業が注目されるようになり、メディアで、「反転授業」「MOOCs」「iPadの無料配布」などのキーワードを頻繁に見かけるようになりました。

新聞や雑誌で反転授業のことを知り、興味を持ったという方も多いと思います。

ご自身の抱えている課題の解決のために、「反転授業」からヒントを得たいということで、Facebookグループに、毎日、たくさんの方から追加申請が来ています。

しかし、一言で「反転授業」と言っても、対象が小学生の場合と、大学生の場合とでは、やり方や課題が全く異なりますし、21世紀型スキルの習得を目的にする場合と、受験に合格できる学力をつけることを目的にする場合とでは、方法論も変わってきます。

反転授業には、かなりの多様性があるのです。

議論を整理するために、反転授業に関係するさまざまな取り組みを整理し、その上で、それぞれの課題と実践例をシェアしていくことが有益なのではないかと思います。

「反転授業の研究」は、アカデミックな研究の場ではなく、現場で試行錯誤している方々が実践例を報告しあい、そこから、お互いにヒントを得て、具体的に改善していこうという場です。

反転授業オンライン勉強会で発表してくださる方は、メディアなどで活躍する著名人ではなく、みなさんの周りにいる、実際に手を動かして活動している方々です。

もし、みなさんの中で、実践されている方がおりましたら、田原まで、ぜひ、声をかけてください。そして、ぜひ、次は、実践例を発表する側にまわってください。

 

すでに90名以上の方がお申し込みしてくださっています!

反転授業オンライン勉強会(無料)へのお申し込みはこちら

 

■実践されている方、実践を検討されている方、反転授業に興味がある方、ぜひ、つながりましょう。

260名が参加!Facobookグループ「反転授業の研究」はこちら

※グループに参加希望の方は、田原までメッセージ下さい。

小学校で反転授業を実施!~東向陽台小学校 佐藤靖泰先生の実践例

佐賀・武雄市で小・中学校に反転授業を導入するという衝撃的なニュースが流れて以来、

「小学生に予習を課すのは難しいのではないか」

という声が、あちこちで聞かれました。

例を挙げると、

予習は授業の動画で? 「反転授業」の課題 渡辺敦司 という記事の中で、渡辺氏は、次のように述べています。(太字は、田原がつけました)

—- ここから引用 —–

小学校で反転授業が実現すれば、児童はあらかじめ家で授業の動画を見て基礎的な知識などを身に付けておき、学校での「対面授業」では話し合い活動などに十分な時間を割いて「活用」の力を伸ばす……といったことができます。ただ、学生の自主性が期待できる大学とは違って、まず子どもに十分な予習の習慣や勉強への意欲などをつけさせることが大前提になります。先生の指導はもとより、家庭での協力も不可欠になります。それでも予習をしてこない子どもは少なくないでしょうから、学校での授業にも臨機応変な対応など相当な工夫が必要になるでしょう。実証実験の取り組みと今後の研究が注目されます。

—– 引用ここまで —-

また、本ブログでも、以前、小学生に反転授業は可能か?実践例から学ぶ という記事を書いた。

この記事の中で、eboardの小学校への導入を目指して取り組まれた経験がある中村氏のコメントを引用します。(太字は田原がつけました)

—- ここから引用 —

現場に行くと子どもの学習意欲は総じて低く、さらに意欲・学力にばらつきがあります。残念ながら宿題で動画を課しても、動画の質に関わらず見てこないと思います(半沢直樹を見てこいでも、実際難しいと思います)。反転授業を大阪で実施されている私立高校でも(偏差値は悪くないです)、半数見ればいいほうというのが現状だそうです。

見てこない子が一定数いた場合、結局同じことを授業でやるはめになります。結局反転しようにも、反転できない。学級や実施回によって見てくる子の割合が違う、理解度も違う。さらにこれが先生によっても、学校によっても違う。

—- 引用ここまで —

中村氏のコメントを見ると、小学生に宿題を動画で課して、反転授業をやるのは難しいことのように感じられます。特に、動画コンテンツの魅力によって「予習問題」を解決するのは難しそうです。

この「予習問題」を解決するヒントになりそうなのが、近大付属高校の芝池先生の実践例です。芝池先生は、数週間分前倒しで数学の予習をさせ、ノートを作らせます。そして、教室では演習中心の協働学習を行います。生徒が演習をしている間にノートをチェックして回り、予習が遅れている生徒には声かけするという方法を取っています。この方法で、ほぼ100%の予習率を達成しています。

芝池先生に動画講義についてのお話をうかがうと、

「私の動画講義なんてそんなにすばらしいもんじゃないです。動画講義の質が高いにこしたことはないとは思いますが、それは、あまり関係ないと思います。」

という返事が返ってきました。

もちろん、これは、高校生の話なので、このやり方をそのまま小学生に適応できるとは限りませんが、大きなヒントになる事例だと思います。

 

先日、株式会社ゼッタリンクスの山田さんから、宮城県富谷町立 東向陽台小学校の佐藤靖泰先生が、どのようにして小学生に反転授業を実践しているのかが分かる非常に詳しい資料をいただきました。

許可をいただいて公開します。 ダウンロードはこちら

佐藤先生の授業の流れは、次の図のようになります。

sato01

佐藤先生の実践例では、

・5分から8分程度の動画講義を見て、予習してノートを作り、分かったことと、分からなかったことを書いてくる。

・動画の視聴ログと予習したノートを確認し、予習状況を把握する。

・教室では協働学習(自力解決、ペア解決、グループ解決)を行い、電子黒板で共有して討論する。

というような流れで授業が進みます。佐藤先生が使っているThinkBoardクラスルームというスクリーンキャスト型の講座作成ソフトには、動画の視聴ログを取れる機能があり、児童が動画講義を見たかどうかをチェックできます。

 

佐藤先生が力を入れているのは、「ノート作りの指導」だそうです。

「この問題に取り組むには、こんな武器が必要だ。だから、必要な武器を予習で手に入れておこう」

というような声がけを行い、予習してくるモチベーションを高めます。

そして、授業中にも、家庭学習用映像に登場した言葉を使って小さな発問を繰り返すそうです。すると、児童それぞれの学習状況が把握でき、同時に、学ぶ姿勢が整ってくるそうです。

 

佐藤先生の予習動画は、ThinkBoardクラスルームを使って、自分で手作りしたもので、手書き文字と音声からなるものです。いわゆる業者が作ったような立派なコンテンツではありませんが、授業内での意識付け、授業との連動によって、効果を上げているようです。その点は、近大付属の芝池先生の考え方と共通しています。

 

また、佐藤先生の授業の根底にあるのは、「協働学習を有効な形でやりたい」ということであり、反転授業は、それを実現するための一つの方法です。協働学習を行う教師スキルも、小学校で反転授業を成功させるために重要になってくると思います。

佐藤先生の実践例は、小学校に反転授業を導入する際に、非常に参考になる事例になると思います。

反転授業オンライン勉強会登壇者紹介~桑子研さん

10月30日22時から行われる反転授業オンライン勉強会登壇者紹介の第3弾は、共立女子中学高等学校で物理を教えていらっしゃる桑子研さんです。

はじめて桑子さんのことを知ったのは、桑子さんが2013年8月15日にTwitterで次のことをつぶやいたことがきっかけでした。

——-

@m_tahara 先生しかり、学校でも授業のうまい人、生徒が満足する授業は、みんな反転授業やアクティブラーニングにたどり着く。ぼくもワールドカフェ形式を意識して一昨年からやりはじめていて、後押しされましたな。

——

ツィートへのリンク

僕が授業がうまいかどうかはさておき、反転授業について1年半ほど前から調べてきて、小林先生のブログでアクティブラーニングと出会い、グループワークに関心が向いていたときにこのつぶやきに出会ったのです。僕の目は、一つの単語に釘付けになりました。

ワールドカフェ形式

初めて見る言葉でした。

しかし、反転授業、アクティブラーニングと並列に語られるものだということは文脈で分かりました。早速、

「ワールドカフェ形式に興味ありです。」

と返信すると、

「私がまとめた記事で申し訳ないのですが、こちらが参考になるかと。 細かく的確!岡田斗司夫さんから学ぶ教師が取り入れたいグループワークの7つのルール

という返信が返ってきました。

桑子さんのワールドカフェについての紹介記事は、とても詳しく、具体的で、どんなことをやって、どんなことが起こるのかがイメージできました。

記事の中で紹介されていた岡田斗司夫さんのYoutubeビデオも、World Cafeのイメージをつかむのに非常に役立ちました。

グループワークって、面白いな!と感じて、興味がどんどん膨らみました。

 

それで、桑子さんが記事中で紹介してくださっていた『ワールドカフェをやろう!』という本を早速購入しました。

この本の中に、ワールドカフェの基本哲学が紹介されていました。

1)人々による会話がWeb状につながり合うことにより未来が創造される。

2)魅力的な問い(大切な問い)が、集合的学習を促進する。

3)人間や組織、家族、コミュニティは生命システムである。

4)生命体システムの基本はネットワークである。

5)システムが多様性に富み、創造的な方法で結合されることにより知性が生まれる。

6)我々は必要とされる知恵や資源を集合的に所有している。

 

これらのコンセプトは、大学院で複雑系や自己組織化を研究していた僕にとって、とても馴染み深いもので、この本を読んだときに自分の中で大切な3つのキーワードがつながり、使命感が生まれました。(詳しくはこちら

 

桑子さんとの出会いによって、僕の中で知識に新たな結びつきが生まれ、物語化されてしまったんですね。

 

それをきっかけに、桑子さんのブログを読むようになりました。

この桑子さんのブログが、徹底的に読者視点に立っていて、とても分かりやすく、面白いんです。

この記事を読んでくださっている方が興味を持ちそうな記事をご紹介します。

反転授業の「反転」って何?ALって何がアクティブ?

黒板が電子黒板に![現場主導]今すぐ使えるICT活用法はコレだ!

パートナー方式の教授法は難しくない!取り入れ方マニュアル

 

僕の活動についても記事を書いてくださっています。

世界初!ALLネットの反転授業から。デジタル移民の必要性

「田原の物理」アプリ!微積と生徒目線のバランスにあっぱれ

潜入!全世界から100名を超えた「反転授業オンライン勉強会」での学び

 

桑子さんのブログは、タイトルがとてもキャッチーで、記事もとても読みやすいです。

その理由が知りたくて、先日、スカイプでお話をうかがいました。

お話をしていて強く印象に残ったのは、

「生徒の立場から、自分の授業を考える」

「読者の立場から、記事や書籍を考える」

という考え方を貫かれているということでした。

 

桑子さんが、グループワークに関心を持って、取り組むようになったのは必然的なことのように思いました。

グループワークでは、「講義スキル」ではなく、「ファシリテーションスキル」が必要になります。

その中でも、大切になってくるのは、ワールドカフェの基本哲学の2)に出てくる「問い」です。

 

オンライン勉強会では、桑子さんが試行錯誤の中から得た、「質問のコツ」をお話してくれます。

桑子さんから、あらかじめ、この記事を読んでから参加してくださいというお話がありましたので、オンライン勉強会に参加する方は、必ずこちらの記事を読んでおいて下さい。

 

30日10時~『動いた!授業が動き出す発問の4つのルール』

桑子さんのお話をお楽しみに!

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※グループに参加希望の方は、田原までメッセージ下さい。

 

 

 

 

反転授業オンライン勉強会登壇者紹介~杉山史哲さん

反転授業というキーワードで集まってきてくださっている方を、教育の目的という視点で分類すると、ちょっとおおざっぱ過ぎる分類ですが、

(1)知識や学力の習得をITを使って効率よく行うことを目指す。

(2)旧来の教育の枠組みを変えて、21世紀型スキルの習得を目指す。

というように分けられそうです。

(1)に比べて、(2)は、なじみが薄い人も多いと思います。そこで、問題点を把握するためにも(2)の方々の話をまずうかがいたいと思い、第1回、第2回の勉強会では、グループワークなどを通して21世紀型スキルの習得を目指しているみなさんに登壇していただいています。

(2)の立場をとっているのは、主に公教育に関わっている方が多いです。

営利企業である塾や予備校では、「進学」という明確な結果を求められるケースが多く、そのため、「進学実績」「成績向上」を掲げて集客せざるを得ないからです。

だから、グループワーク、学びあいなどを前面に押し出して塾や予備校を展開していくというのは、現状では難しいんじゃないかと、僕は、勝手に思っていました。進学実績はしっかり出して、それをアピールしつつ、内容を少しずつシフトしていくという戦略が現実的なんじゃないかと思っていたのです。

または、グループワークや学びあいによる学習を進学実績に結び付けていくことでアピールしていくという方法になるのかなと思っていました。

でも、そんな僕の予想を、さわやかに根底から覆す試みが、いくつも生まれているということを最近知りました。

小細工なしで、真正面から理念を掲げて、「日本の教育を根本的に変えましょう!」と宣言して塾をやっているのです。

これは、すごいことです。

そのうちの一つが、大阪・東京にて、学び合い、プロジェクト型学習を中心にした教室を運営している杉山史哲さんです。

 

manabiai school 八尾教室

東京・広尾 21世紀を生きる子どもたちのための新しい教室tabler

 

杉山さんとお話したり、杉山さんの文章を読んだりして感じたのは、

「この人には、1つの選択肢しかないんだ」

ということです。

 

2つのうち、どっちが有利かとか、どっちが利益が出るとか、そういうことじゃなくて、杉山さんにとって教育とは、生徒中心のやり方以外ありえないんだということが、杉山さんの発するすべてのメッセージから伝わってくるのです。

10月30日の反転授業オンライン勉強会では、杉山さんがどのようなことを考えて、塾を経営しているのかというマインド部分のお話をたくさん聞けると思います。

杉山さんからのお願いです。話の内容を深められるように、前提知識を読んでおいてほしいとのことです。

下記の文章とリンク先を勉強会までにチェックしておいて下さい。

——-  杉山さんからのメッセージ ——

次回10月30日にお話させていただくことになりました、株式会社フリードの杉山と申します。本日はじめて参加させていただいたのですが、反転授業の勉強会ということで、この勉強会自体もある程度「反転」させることが出来たらいいな、と感じました。おそらく皆様お仕事や授業準備でお忙しい方が多いと思います。せっかく時間を同期で共有するのですから、非同期で予めできるところは済ませておければ、さらに有意義な勉強会になるんじゃないかと感じました。

さしあたって、自己紹介、「反転授業」に関心をもった経緯、等をここに書き込ませていただき、さらに私がどういったことについて話題提供させていただくことが、一人でも多くの方にとって有意義な時間になるのかについてのリサーチも出来ればいいなと考えています。

宜しくお願いします。

自己紹介いきます。

現在の仕事は、大阪の八尾市でmanabiai schoolという『学び合い』やモンテッソーリ教育の考え方をベースにした教室と、東京の港区でtablerというプロジェクト型学習を中心とした教室を運営する会社を経営しております。
あと、それとは別に、教員志望の学生のためのポータルサイト「教員ステーション」の編集長もしております。

経歴等書くと長くなりそうなので、キーワードだけ羅列します。

ウィネトカプラン
反転授業における「個別学習で系統的な学習を済ませておくことで、集団で協同的な学習をする時間をより確保することができる」という側面は、ウォッシュバーンらの提唱したウィネトカプランの目指した方向と一致しそう。

・イエナプラン/ドルトンプラン

日本イエナプラン教育協会
ドルトンプランの教育
イエナプランやドルトンプランの理念や方法論は、反転授業における協同的学習を進める上で参考になりそう。

『学び合い』
「一人も見捨てない」という理念のもと、教師の役割は「目標の設定」「環境の整備」「評価」とし、『全員が出来るようになること』をこどもたち集団に課す考え方及び方法。協同的学習の場のデザインを行う際に方法論として参考になりそう。また、突き詰めると、「なぜ反転させるのか」という原理的なところを考える上でのヒントにもなるかと思います。

ホールシステムアプローチ
企業など、ある目標を共有する組織の会議や、多様な人たちが存在するまちづくりといったようなフィールドに至るまで、とにかく「複数の人」が集まった時に集団をどのような思想・考え方によってデザインすると場が活性化し場の価値が最大化するか、に関する考え方/手法。※「ワールドカフェ」もこの「ホールシステムアプローチ」に括られることがあります。
組織開発やファシリテーションといった分野の概念ですが、原理的には『学び合い』と共通するところが多くあります。これも「反転授業」の場をデザインする時に参考になりそう。


これらの教育思想・教育手法と「反転授業」という方法論は相性がよく、また、「なぜ反転させるのか」「反転させて、どのような授業をしたいのか」「反転した授業によって、こどもたち(学習者たち)にどういった力を身につけさせたいか」ということについて考える際のヒントというか、手がかりになるかと思います。

Intelの考える未来の学校デモ映像



反転授業が前提になってるような感じがしますね。

学習「内容」も、物理等の基礎的な知識を前提に、「みんなで橋を架ける」といったようなものになっています。
反転させるとこんな授業が可能になるよ!とIntelは提言しているのかもしれません。

※ちなみにIntelは21世紀型スキルを提唱する団体のスポンサーになっていたり、カーンアカデミーを国際的に支援していたりします。日本法人においても、イノベーション事業部という部署が、21世紀型スキル育成のための支援をCSR的に行っているようです。

——  杉山さんのメッセージここまで ——

日本中に薄く分散している「生徒中心の教育を塾でやりたい」という方に、杉山さんの話を聞いて、きっとモチベーションがあがると思います。

また、プロジェクト型学習というものが目指しているものについても、きっと理解が深まると思います。

杉山さんのお話をお楽しみに!

 

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反転授業オンライン勉強会登壇者紹介~鈴木映司さん

このブログにも何度か書いていますが、「反転授業」と言っても、いろんな種類があります。

(1)アクティブラーニングや学びあいといったグループワークを中心に据え、その時間を確保するために知識の習得を予習にする。(高校など)

(2)MOOCsなどを予習動画に課し、ディスカッションやプレゼンテーション中心の学習をする。(大学など)

(3)知識の効率的な習得のため、スモールステップのE-Learning教材で個別に学び、分からなかったところを重点的に教師がサポートする。(学習支援NPO、補習塾など)

(4)予備校講師などが動画講義(60分程度)を配信し、その後、演習中心の授業を行ったり、分からないところを重点的に解説したりする。(進学塾、予備校など)

 

僕自身は、(4)のパターンの反転授業に興味を持って実践を始めました。ブログを作り、Facebookグループを作る中で、たくさんの方に出会い、反転授業のさまざまなあり方に気づくことができました。

その中でも、(1)の方たちから受けた衝撃は非常に大きかったです。

僕は、予備校講師として働いてきたこともあり、それまで教育を「学問の習得」という枠組みでしか捉えていませんでした。

21世紀型スキルの習得、キャリア教育といった視点を教えていただいたことが、教育というもののあり方を、根底から考え直していくきっかけになりました。

 

10月31日のオンライン勉強会で最初にお話してくださるのは、静岡県立韮山高等学校で地理を教えていらっしゃる鈴木映司先生です。

第1回の勉強会でお話してくださった小林先生のFacebookページのwallでのやり取りをきっかけに、メッセージをやりとりするようになり、鈴木先生の活動を知りました。

お話をうかがい、

公立高校という制約がある中で、これだけのことができるんだ!

と驚きました。

 

たとえば….

小さいホワイトボードを8つ用意して、グループワークをやったり、

生徒が持っているスマホにアプリをインストールしてもらい、それを「クリッカー」と呼ばれるアンケート集約端末として使ったり、

フィンランドと教室をスカイプでつないだり、

プリントにQRコードを貼り付けて、Webコンテンツを教材として使ったり、

 

アイディア次第で、授業がこんなにエキサイティングになるのかと驚きました。

公立高校で教えていて、タブレット端末の導入なんていつになるか分からないから反転授業なんて無理・・・と考えていた方も、鈴木先生のお話をうかがうと、いろいろなヒントを得られると思います。

 

でも、一番すごいなと思ったのは、そのような授業をなぜやっているのかというマインドの部分です。

オンライン勉強会でお話いただくことになったことをきっかけに、鈴木先生はブログを始められました。

そこに、アクティブラーニングをやるようになった理由や、キャリア教育との関連を記事に書いてアップされています。

このブログが熱い!

鈴木先生のお話の土台になる部分なので、ぜひ、勉強会の前までに目を通しておいて下さい。

ちなみに、簡単に斜め読みできるような内容ではありません。

書き手に気合が入っているので、読み手にも気合が必要です。

鈴木先生のブログ
「授業でキャリア教育」のブログ

 

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反転授業に変えて5%成績が上がった本当の理由

以前、「反転授業の効果は、試験の点で5%アップ」という記事についての分析記事を書きました。

「反転授業の効果は、試験の点で5%アップ」の分析

 

この記事は、Twitterなどでも非常に多くリツィートされ、やっぱり反転授業は効果的なんだ!という印象を世間に与えたと思います。

しかし、分析記事に書いたように、元記事を読む限りでは、5%アップという結果はすごいことなんだ!ということばかりが強調され、具体的にどのような授業が行われ、どのように比較したのかが分かりませんでした。

それで、とりあえず判断を保留し、さらなる情報が出てくるのを待つことにしました。

今回、非常に詳しい記事を見つけましたので、その記事を元に考えていきたいと思います。

その詳しい記事とはこちら↓

The Post-Lecture Classroom: How Will Students Fare?

 

この記事によると、研究対象になったのは、University of North Carolina’s Eshelman School of PharmacyのMumper教授の基礎調剤学のクラスです。

反転授業を行うときに「予習してこない生徒が多いと成立しない」という問題が指摘されることがありますが、この事例では、Pharm.D(米国で6年制薬学教育を終了すると与えられる称号)を取るという明確な目標があるため、学生の学習意欲が高く、予習率を高めるための工夫というものは、基本的にしなくてもよい状況のようです。

調査は、1年生を対象とした調剤学の授業に対して行われました。学生は週に2回、90分の授業を受け、中間試験と期末試験が課されます。

2011年は、参考文献を読んでくることを宿題とし、パワーポイントを使った普通の講義形式で行いました。

Mumper教授の悩みは、教えなくてはならない内容が多すぎることと、パワーポイントだと学生の気が散ってしまうことでした。

 

2012年は、Echo360というシステムを導入し、反転授業を実施しました。

学生は自宅で短い講義ビデオを見ることと、2011年と同じ参考文献を読んでくることを宿題として課しました。

教室では、まず、パワーポイントで選択式の問題を表示し、学生がクリッカーを使って回答します。

学生の正答率がリアルタイムで分かるので、Mumper教授は、生徒が何を理解していないかを理解することができ、そこを重点的に説明することができます。

次に、学生はペアになり、Mumper教授が、宿題で学んできた内容を応用しなくてはならないような質問をします。

ペアになった学生は質問内容に対して議論し、そこで分かったことは教室で共有されます。

タームが終わるまでに、Mumper教授は生徒の理解度が低そうな部分を、質問で網羅することができました。

最終タームには、学生はグループになり、宿題を通して理解したことを10分間で、他の学生に対してプレゼンテーションし、議論するという授業形式になりました。Mumper教授は、そのときには、問題を出します。

※10分間のプレゼンテーションは、学生が最も嫌がったもので、2013年には変更になりました。

 

2013年は、自宅で学生に短い講義ビデオを見てくることと、学習内容に関連した臨床研究を宿題として課しました。

※参考文献を読んでくること→学習内容に関連した臨床研究 と変更

授業で行われていたプレゼンテーションやクイズの代わりに、臨床研究について議論しました。クイズは、授業後にオンラインで確認のために行われるようになりました。

 

2011年と2012年とで成績を比較すると、成績が2.5%上昇し、2012年と2013年とを比較すると、成績が2.6%上昇し、3年間の間に5.1%の成績の上昇が見られたとのことです。

これをどのように捉えるかということですが、一斉講義型だった2011年から、講義部分を動画に置き換えてアクティブラーニングを導入したことによって2.5%の成績アップになったのは、学習時間が増えたことが原因というよりも、受動的な学習から能動的な学習へ変化したことのほうが原因として大きいと思います。単純に予習時間だけを比べると、確かに、「短い講義動画」を見る時間の分だけ長くなっていますが、それよりも、教室での活動の劇的な変化のほうが結果に及ぼす影響が大きいと考えるのが妥当でしょう。

 

注目すべきは、2012年から2013年にかけて2.6%の成績上昇が見られたということです。

これは、単なる科目として学ぶことと、「臨床研究」という実践的な内容で学ぶこととでは、効果が大きく異なってくるというように理解できるかもしれません。アクティブラーニングの内容を考える際に、非常に参考になる事例だと思います。

 

この調査は、生徒中心のアクティブラーニング型の授業にし、内容を実践的でエキサイティングなものにすると、学習効果が大幅に上がったということを示していると思います。

授業改善に向けて、非常に参考になる記事でした。

 

■10月30日に「反転授業オンライン勉強会」(無料)を行います→詳しくはこちら

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第2回「反転授業オンライン勉強会」

第1回の反転授業オンライン勉強会は、ほぼ100名の方に参加していただき、新しい教育の動きがすでに始まっているということを肌で感じることが
できました。

第1回の報告はこちら↓

 

その後、Facebookグループの人数も急激に増加し、現在は、約200名の方が、グループに参加してくださっています。

Facebookグループ「反転授業の研究」

多くのFBグループが、管理者からの一方的な告知投稿のみで埋められている中で、反転授業のFBグループは、非常にアクティブな状況になっていて、管理者の僕も、投稿を追いかけるのが大変なくらいです。

考えてみれば、「グループに集合知を発生させる」ことに関心のある方たちが集まったグループなわけですから、そこには、すごいポテンシャルがあると思っています。

今後、グループに創造的な動きが自然と生まれるためにはどうすればよいか、毎日、考えています。

このグループには、そういうことに詳しい方もたくさんいらっしゃるので、アドバイスしていただけるとうれしいです!

 

 

第2回 反転授業オンライン勉強会

日時 10月30日 22:00-23:30

場所 オンラインルーム WizIQ
(お申し込みいただくとルームのURLをお送りします)

第1回の反転授業オンライン勉強会では、反転授業には様々な種類、やり方があり、一言ではくくれないことを確認し、その上で、21世紀型スキルの習得を目指し、アクティブラーニングに取り組んでいらっしゃる先生方が、なぜ、反転授業の関心があるのか、実践しているのかという話をしてくださいました。

第2回では、その流れを受けて、反転授業や、グループワークを通して、どのように21世紀型スキルが身についてくるのかということを1つの軸にしつつ、各先生の実践についてお話をうかがいたいと思います。

登壇者紹介

鈴木映司さん「授業でのキャリア教育とそこに至る経緯」

(プロフィール)

静岡県立 韮山高等学校 教諭

日本キャリア教育学会 キャリアカウンセラー
スクールカウンセリング推進協議会認定ガイダンスカウンセラー
放送大学大学院在籍学生

鈴木さんのブログ 「授業でキャリア教育」のブログ

鈴木さんの紹介記事はこちら

杉山史哲さん「反転授業と新しい学力観(21世紀型スキル等)について」

(プロフィール)

1983年生まれ 株式会社フリード代表取締役社長

教員ステーション編集長 大阪・東京にて、学び合い、プロジェクト型学習を中心にした教室を運営。

manabiai school 八尾教室

東京・広尾 21世紀を生きる子どもたちのための新しい教室tabler

杉山さんの紹介記事はこちら

 

桑子研さん「動いた!授業が動き出す発問のルール」

(プロフィール)

共立女子中学高等学校 理科教諭

女子校(!)で、生徒が最も嫌いな物理を教えて7年目。
まず1年目でボコボコにされ、辞めようと本気で考えるなどドタバタな教師生活を送ります。

ペットボトルロケットを無断で飛ばして管理職に睨まれたり、回転椅子に生徒をのせて回してみたり、いつのまにかグループワーク中心の考える授業になりました。

「3ステップ解法」など、女の子の特性を活かした教え方などについて毎日考えています。

主な著作物として、『ぶつりの1・2・3』(SBC)シリーズ、『大人のための高校物理復習帳』(講談社)などがあります。
電子教科書の監修なども行っております(近日発売予定)。

桑子さんのブログ→科学のネタ帳 

ICTの活用、科学、教育などについて新鮮なネタを温かい記事にのせて出しています。Kuwako-Labというブログのアクセスが過多になり、移転したものです。
※今回の発表の一部は、私学教育研究所で6月におこなった「物理基礎の教え方」セミナーの内容も一部含まれております。

(内容)

発問の質によって生徒の動きが様々に変わります。グループワーク型の授業を行う場合に大切な、この発問について、私の失敗例から得た、発問のルールについて紹介します。

またすぐに導入できるICTの活用法や、女の子に教えるときの注意点など時間があればお話しようと思います。事例紹介ですので、皆様からいろいろご意見をいただければ幸いです。

桑子さんの紹介記事はこちら

 

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シミュレーションの教育利用に関心を持った理由(その2)

前回の記事で、シミュレーションの教育利用に興味を持ったのは、「3D物理エンジンの動画を見たのがきっかけ」と書きました。

でも、3Dの教育利用については、以前から興味を持ち続けていました。そのきっかけになったのが、

「アバターと3D空間で主催するセミナー」

との出会いでした。

 

3D仮想空間でアバターを操作し、会議を行う・・・

 

その様子をテレビでやっているのを見て、「これは、おもしろそうだ!」と思って、会社に問い合わせて話を聞きに行きました。

「これで、物理の授業をやったらどうなるんだろうか?」

と思い、2010年4月に、50人の受講生を3D仮想空間に集めて、「東大は物理で差をつけろ」という講演会を行いました。

その様子について書いた記事はこちら↓

3Dアバターによるペルソナ効果を体験

3D会議室でイベント「東大は物理で差をつけろ」を実施

 

2010年のネット環境では、少し時代を先取りしすぎていて、本格的に導入するには至らなかったのですが、ペルソナ効果など、

バーチャルがリアルよりも、教育効果という点で優れている部分がある

ということをはっきりと認識することができたことは、よい経験でした。

 

その後、チャンスがあれば、3D仮想空間を教育に利用してみたいと思っていたのです。

3D物理エンジンのシミュレーション動画を見たときに、3Dアバターで行った物理講演会のことを思い出しました。

Interactive Physicsを使って、シミュレーションの教育利用ノウハウを開発するのと平行して、3Dのバーチャル物理実験室というものにも大きな可能性を感じました。

3D仮想空間で、自由に実験装置を組み立てて、実験ができたらエキサイティングだろうなー

と思ったんです。

 

それで、早速、3Dゲームエンジンの1つであるUnityを訪問してアイディアを話し、開発費の見積もりをしてもらいました。

ざっくり、200~500万円くらいじゃないかという話でした。

Unityの開発環境をPCにインストールし、書籍を右手にどの程度のものが自分で作れるのかサンプルを作ったりもしました。

東南アジアのディベロッパーに頼めばコストを下げられるんじゃないかと思い、Unityの東南アジア担当のエバンジェリストの方を紹介してもらい、スカイプで話をしました。

日本で開発するよりは安いようでしたが、エンジニアを確保して、使いやすいインターフェースを開発するのには、それでも時間とコストがかなりかかりそうだというのが実感でした。

 

2012年になり、物理の電子書籍の製作を始めました。

電子書籍製作のスペシャリストの佐藤勝さんと一緒に、「紙の書籍ではできないことをやらないと電子書籍にする意味がない」ということで、アイディアを出し合って製作しました。

電子書籍ならではの分かりやすい表現というものもたくさん考えたのですが、その中で、一番やりたかったのが、ずっと考えてきた

3Dシミュレーションの組み込み

でした。

 

今後、デジタル教科書の時代になり、デジタル化のメリットは何かという話になったときに、絶対に3Dシミュレーションなどのインタラクティブなコンテンツによる学習効果がテーマになると思ったのです。

だから、その学習効果がどのようなものなのか、自分の電子書籍に組み込むことによって、理解したかったのです。

 

3Dシミュレーション以外の部分の製作は、すべて順調に進みました。2013年の2月には、文章の執筆、Interactive Physicsを使った動画作成が完成し、イラストレーターに依頼したイラストも出来上がってきました。

 

しかし、3Dシミュレーションの開発は迷走しっぱなしでした。

3D物理エンジンを扱っているゲーム会社を回り、設定を固定したシミュレーションの開発について相談して回りました。

・開発費はどのくらいか

・電子書籍に組み込み可能か

の2点を満たすところがなかなか見つからず、時間ばかりが過ぎました。

そんなときに、『HTML5による物理シミュレーション』という本を見つけました。

 

サンプルコードのプログラムを動かしてみると、僕がまさに欲しかったようなものでした。

 

HTML5なら電子書籍アプリに組み込み可能だということで、HTML5による3Dシミュレーションの開発に的を絞り、ディベロッパーを探しました。

 

最初に見積もりをとった会社の出してきた金額が100万円。 頭がくらくらしました。

サンプルコードと同じやり方では、スマホでは速度が遅すぎるので、別のやり方で実現しなくてはならないからコストがかかるとのことでした。

オフショアなら安くなるかと思い、ベトナムの会社にあたったりしましたが、条件で折り合うことができませんでした。

新学期のタイミングで出版したかったので、3Dシミュレーションの組み込みはバージョンアップで行うこととし、3Dシミュレーションなしのバージョンを2013年4月にアップルストアに申請を出しました。

しかし、結果は、リジェクト。

ちょうどそのときに、iBooks Japanがスタートしたばかりで、この内容ならiBooksのほうへ出してくださいと言われました。

でも、iBooksから出せない理由がありました。バージョンアップでシミュレーションを組み込むためには、iBooksでは無理で、アップルストアに出す必要があったのです。

 

電子書籍のリリースにも暗雲が立ち込め、時間ばかりが過ぎていきました。

追い詰められた状況で、突破口を探しているときに、ふと思いつきました。

 

『HTML5による物理シミュレーション』の著者の方に連絡してみたらどうだろうか?

 

それが、遠藤理平さんと知り合うきっかけでした。

遠藤さんも物理シミュレーションを教育に利用する可能性を探していたということで、話がどんどん進み、いろいろな点で協力していっしょにやっていけることになりました。

電子書籍の3Dシミュレーションも、遠藤さんが2,3日で作成してくれました。

半年以上もかかって、どうしても進められなかったことが、遠藤さんに連絡したことによって、わずか数日で解決してしまいました。

先日、アップルストアからリリースすることができた『田原の物理 力学』には、念願の3Dシミュレーションが実装されています。

3d

 

天井からおもりを糸でつるし、水平面で円運動させた後、糸を切断するとおもりはどのように運動するのか?

 

この3次元的な運動を3Dシミュレーションで見ることができます。

画面をドラッグすることにより、好きな角度から運動を見ることができます。

 

開発開始からリリースまで、1年半もかかってしまいましたが、どうしてもやりたかった3Dシミュレーションを実装することができ、『田原の物理 力学』をリリースできました。佐藤勝さんと遠藤理平さんには、本当に感謝しています。

 

しかし、これは、ゴールではなく、ようやくスタートラインに立ったところです。

・シミュレーションによって、どのような教育効果が上がるのか?

・どのようにシミュレーションを利用したら、効果的なのか?

といったことを、今後明らかにしていきたいと思います。

そのための、最低限の準備がようやく整いました。

これからが本番です。

 

10月19日に第1回の「シミュレーション教育利用オンライン研究会」をやります。

まずは、実践例を集めて、ディスカッションし、教育効果を上げるためには何が必要なのかを明確にしていきたいと思います。

シミュレーション教育利用オンライン研究会はこちら

 

 

 

シミュレーションの教育利用に関心を持った理由(その1)

僕が物理シミュレーションの教育利用に興味を持ったきっかけは、1年半ほど前に、このYoutubeビデオを見たことでした。

この動画を見たときに、物理エンジンを使えば、3Dバーチャル空間に簡単に「実験室」を作ることができる時代が来ることを予感しました。

そして、「バーチャル実験室」があれば、生徒が自由に仮説を立て、実験装置を組み立て、試行錯誤して、考察して・・・というアクティブな学びができるんじゃないかと思って興奮しました。

物理エンジンを使った教育ソフトを探してみると、

Phun, Algodoo, Interactive Physics

の3つが見つかりました。

まず、PhunとAlgodooを試してみました。これらは、フィンランドにある会社が開発した知育ソフトで、2次元空間にお絵かきソフト感覚で簡単に実験装置が作れるという点ではよいのですが、高校物理に出てくるような装置を作ろうとすると、「軽くて伸びない糸」「滑らかな滑車」などが用意されていないため、うまく作れませんでした。

そこで、Youtubeで見つけたInteractive Physicsを試してみることにしました。

 

チュートリアルビデオを見る限りでは、こちらもお絵かきソフト感覚で簡単に実験装置を作ることができ、2次元という制約はあるものの、仮説を立てて、実験装置を組み立て、実際に動かして検証するという学習ができそうでした。

早速、購入してみようと思ったものの、日本には購入できる場所がありませんでした。

シンガポールで代理店になっているLさんのホームページを見つけ、メールを送って、チャンギ空港のスタバでLさんに会いました。

Lさんから、シンガポールでInteractive Physicsがどのように教育利用されているのかをうかがい、Lさんから2ライセンスを購入しました。

Interactive Physicsによって、高校物理の設定をどの程度再現できるのか、まずはやってみようと思い、パートナーの浅井さんといっしょに、当時執筆中だった問題集『日本一詳しい物理基礎・物理の解き方』の力学の問題のシミュレーションを作りました。

 

作成したシミュレーション動画のリストはこちら

 

実際にシミュレーションを使ってみて感じたことは、思ったような動きを作るまでに試行錯誤が必要だということ。そして、そのような試行錯誤が勉強になるということでした。

出来上がった動画を見せるのではなく、生徒が自分で試行錯誤してほしいという思いが強くなりました。

それで、シンガポールのLさんにInteractive Physicsの販売元のアメリカの会社の担当者を紹介してもらい、自分が窓口になるから日本でも購入できるようにしてほしいと交渉し、日本でも購入できるようにしてもらいました。

Interactive Physicsの購入ページ

 

しかし、ここで課題が見つかりました。

「物理シミュレーションをどのように使えば、教育効果が上がるのか?」

ということが、僕自身、まだつかめていなかったのです。

 

思い描いているイメージはあります。

生徒個人、または、グループで自由に使える物理シミュレーションがあって、生徒が自由にそれをいじりながら発見的に学ぶ・・・・

これが、僕の描いているイメージです。

 

先日、アクティブラーニングの小林先生が反転授業のオンライン勉強会で、

「実験装置を置いとくと、生徒が勝手にいろいろいじるんですよ。ときどきそれで壊れるんですが、それでもいいんですよ」

という話をされていて、「まさにそういう使い方をしてほしい!」と思いました。

グループワークとシミュレーションは、非常に相性がよいと思います。

 

しかし、物理シミュレーションを広めるためには、そこからもう一歩踏み込んで、

「このような使い方をすると、このような理由で、このような教育効果が上がる」

という明確な知見を作る必要があります。

 

それで、Interactive Physicsの販売元に相談し、一緒にシミュレーションを使った教育ノウハウを作り上げていく仲間を作るために、最初の50ライセンスを半額にしてほしいと頼みました。そして、Facebookグループ「シミュレーション教育利用研究会」を立ち上げました。

FBグループ「シミュレーション教育利用研究会」

 

 

IT技術の発展に伴い、インタラクティブな教材がどんどん作られています。

物理シミュレーションだけでなく、数学のグラフソフトや、化学の3D立体模型など、さまざまな分野で「すごいもの」が出てきています。

しかし、それをどう使えば教育効果が上がるのかというノウハウは、まだまだ蓄積されていません。

IT技術に教育ノウハウが追いついていないのです。

 

10月19日に第1回の「シミュレーション教育利用オンライン研究会」をやります。

まずは、実践例を集めて、ディスカッションし、教育効果を上げるためには何が必要なのかを明確にしていきたいと思います。

シミュレーション教育利用オンライン研究会はこちら

 

反転授業とMOOCs、そして、JMOOC

最近になって、にわかにMOOCs(Massive Open Online Course)の知名度が上がってきたように思う。

そして、10月11日に「日本オープンオンライン教育推進協議会(JMOOC)」のサービストライアルが、2014年春からスタートするという発表があった。

今日は、反転授業とMOOC、JMOOCとの関係について書いてみたい。

MOOCsの何が新しいのか?

MOOCsというのは、Coursera(コーセラ)、edXUdacityなど、大学の講義配信サービスの総称だ。

大学の講義が無料公開されるのは、これが初めてではない。これまでにも、オープンコースウェア(OCW)と呼ばれる流れがあり、大学の講義がインターネット上で無料で公開されてきた。

大学が講義をYoutubeなどにアップして公開している場合もあるし、大学のホームページで公開している場合もある。また、iTunes Uというアップルが作ったプラットフォームでは、たくさんの大学の講座を無料で受講できる。

このブログを立ち上げた2013年1月には、反転授業についての日本語の情報がほとんどなく、iTunes Uで、Flipped Classroomについての講座を探して勉強して、ブログ記事を書いていた。

「大学レベルの教育を無料で受けられる」ということは、すでに、オープンコースウェアから始まっていたことであり、MOOCsに限ったことではない。

では、MOOCsで新しく始まったこととは何かというと、次のことだと思う。

  • 数週間で完了するコースが設定された。
  • 各コースには宿題が課される。
  • すべての宿題を提出し、コースを完了すると認定証がもらえる。(有料/無料)

この3つのことが、どんな新しいことを生み出すのか、教育・学習という観点から考えてみたいと思う。

コースで学ぶと何が起こるか

MOOCsがスタートして、早速、コーセラを受講してみた。edxやUdacityにはまだ挑戦していないので、ここでは、iTunes Uとコーセラとを比較して論じてみたいと思う。

iTunes Uの講座は、限りなく「電子書籍」に近い。

本棚に講座が置いてあって、いつでもそれを手に取り、勉強することができる。その学び方は、図書館で本を借りて勉強するというやり方の延長線上にある。文章や写真だけで説明するのではなく、動画もついてくるということで、「コンテンツがリッチな電子書籍」といってもよいようなものである。

一方、コーセラでは、すべての講座を自由に受講できるわけではない。数週間という単位で設定された講座の開講期間があり、申し込みの締め切りがある。受講したい講座がある場合は、その講座の募集がスタートするまで待たなくてはならないのだ。これは、iTunes Uなどに比べて不便である。

しかし、コースとして提供することによって生じるメリットもある。

それは、同じ期間に同じ内容を勉強している学習者が世界中にたくさんいるということだ。

同じ内容を一緒に学んでいる人たちとつながれるということが、コーセラによって生まれた状況なのだ。

実際、FacebookやGoogle+には、たくさんのグループが作られ、お互いに分からないところを質問しあったり、参考になるWebサイトを紹介しあったり、あわせて受講するとよい講座を紹介しあったりというコミュニケーションが行われている。

これは、MOOCsによって新たに生じた現象なのではないか。

僕が受講したのは「e-Learningの講座作成」についてのコースだったので、教師や、オンラインスクールなどを立ち上げている企業家などが受講していた。企業家の一人とメッセージでやり取りしながら、キックオフしたばかりのサイトを見せてもらったりした。

彼はインド人で、オンライン家庭教師を世界中に派遣するポータルサイトを立ち上げるために勉強していた。インド人は英語が堪能な人が多く、かつ、人件費が安いので、大卒のオンライン家庭教師を世界中に派遣しようというアイディアのようだった。

FBグループでは、英語でのやりとりになるが、そこに参加しているのは必ずしも英語を第一言語としている人ではない。むしろ、セカンドラングエッジとして英語を使っている人がほとんどである。

iTunes Uでは、英語は、電子書籍の「読書」のためのツールに過ぎなかった。動画もあるので、英語の文献を読む「英語読解力」だけでなく、「リスニング力」も問われるが、それだけのものであった。

しかし、MOOCsによって、世界中の学習者と英語でコミュニケーションをととるチャンスが生まれた。実際に、そのようなコミュニケーションが活発に行われ、コミュニケーションの中から生まれる様々な情報からメンバーは恩恵を受けている。

活発に活動しているグループの生み出す創造性はものすごいものがある。

これは、場合によっては、「講座の価値」を超えるであろう。

その可能性に気づいた人は、「英語」というものを学ぶ意味が、すでに変容してしまっていることに同時に気づくと思う。

「オンラインでコミュニケーションを取れ、グループの一員になれる」ということが、これから必要とされる英語力に含まれてくると思う。

今、そういうことが起こっているかどうかは分からないが、グループがアクティブになれば、当然、スカイプで話したり、Web会議室に集まってディスカッションしたり、というようなことも自然発生するはずだ。

そういうものに誘われたときに、躊躇なく「Yes」と返事して参加できるだろうか?

MOOCsによって開かれた、大きな可能性にアクセスできるかどうかは、そのとき、「Yes」と返事できるかどうかで決まるように思う。

ちなみに、2年前の自分は、その状況で「Yes」といえる自信が全くなかった。

リスニングも弱いし、言いたいことを英語で言おうとしても口から出てこないし・・・

今までは、それでも困らなかったが、オンラインのコミュニケーションによって個人の可能性が爆発的に広がることを実感して、心の底から危機感を感じて、40を過ぎて、本気で英語を鍛えなおすことに決めた。

英語学習の目標はただ一つ、「国際的なコミュニティーに躊躇なく入っていくことができる英語力と自信をつけること」 これだけである。

スカイプ英会話で変な汗をかきながらフィリピン人の先生のレッスンを受けることから始まり、その後、ラングエッジエクスチェンジで15カ国(台湾、中国、シンガポール、マレーシア、ロシア、イギリス、ドイツ、イタリア、インド、トリニダード・トバゴ、オーストラリア、アメリカ、ルーマニア、エストニア、ベルギー)の人とスカイプでパートナーになりしゃべった。

スカイプってすごいな~って、心の底から思った。

ラングエッジエクスチェンジのパートナーの一人は、インドに住んでいる18歳女子で、向こうからアクセスしてきてパートナーになった。すごいITスキルを持っていて、オンライン教育の会社を起業していた。13歳のときに学校に行く意味を感じられなくなって退学し、Khan Academyで数学やサイエンスを学び、コーセラでファイナンスや経営の勉強していると言っていた。

ちなみに、彼女は、今、僕のビジネスパートナーの一人になっている。

英語の再学習をはじめてから1年経ち、英語でコミュニケーションを取ることに抵抗感が薄れてきたころ、シンガポールのチャイナタウンのIT会社に一人で行き、サーバーを契約してきた。これは、ものすごく緊張したが、同時に大きな自信になった。

その後も、英語が自由に使えないもどかしさを感じながらも、勇気を出して扉を一つ一つ押し開けていくたびに、世界がどんどん広がっていくのを感じた。

その頃から、英語のホームページを見て、メールで問い合わせができるようになった。

「お時間あれば、スカイプでお話うかがえませんか」と提案できるようになった。

シンガポールの出版社に「物理の参考書の出版企画」を持ちかけ、何度もミーティングを重ねた(結局、企画はつぶれた)。

今は、アメリカの大学が提供している有料のオンラインコースでWorld Cafeの運営技術を学んでいる。

LMS上で宿題に答え、Web会議室でメンバー間でビデオチャットしながらライブセッションを行うものだ。

2年前なら、絶対に申し込めなかったと思う。

 

2年前に「Yes」と言えない自分に危機感を感じ、必死で改善に努めた結果、世界が一気に広がった。インターネット+英語によってもたらされる可能性は、体験していない人が考えているより、たぶん圧倒的に大きい。

 

MOOCsは、この大きな可能性への入り口になり得る。

それを感じたければ、コーセラの講義を取り、Facebookグループに入り、そこにいる人と英語でコミュニケーションをとり、そして、勇気を出して、「スカイプしよう!」と言ってみればよいと思う。

そうすると、僕が言っていることが分かってもらえると思う。

 

JMOOCについて

MOOCsを、国際的ネットワークにつながる入り口と考えていた僕にとって、JMOOCのニュースを聞いたとき、複雑な気持ちがした。

コーセラの講義を日本語字幕化していくというニュースもある中で、日本語の講義を日本やアジア向けに配信していくというのは、時代に逆行するような気がしたのだ。当然、出来上がる学習コミュニティーも日本語スピーカーだけになるだろう。

でも、日本語であることによって、同じコースを勉強している人がグループを作って、コミュニケーションをとりながら学ぶという動きに参加できる人が増える。これは、好ましいことだと思う。JMOOCを使って反転授業を行う大学も増えてくるだろう。日本の大学の授業が大きく変化するきっかけになるかもしれない。

その中で、アクティブなグループが持つ創造性に気がついた学生が、どんどん国際的なグループに出て行くようになれば、それはそれですばらしいことなのではないか。

 

今日の記事は、MOOCsのビジネスモデルなどについては触れずに、あくまでも学習者としてどのような可能性が生まれるかという視点で書いた。

ご意見を聞かせていただけるとうれしいです。

 

参考サイト:こちらのサイトが非常に詳しいです。

 

オンライン教育・MOOCsの現状、課題、可能性 ー Courseraで東大の講義配信開始

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170名が参加!Facobookグループ「反転授業の研究」はこちら

※グループに参加希望の方は、田原までメッセージ下さい。

 

 

 

 

 

 

 

 

反転授業オンライン勉強会報告(3)~勉強会への感想

10月7日に行った反転授業オンライン勉強会には、100名ほどの方が参加してくださり、勉強会が終わった後もFacebookグループで活発なやりとりがなされています。

オンライン勉強会のまとめはこちら

 

勉強会の振り返りシートの内容を共有し、自分とは異なった視点に触れることで、気づきを生み出せたらと思います。

—–  以下、「勉強会への感想」という問いに対していただいたコメント  —–

素晴らしい会だったと思います。ありがとうございました。
定期的に開かれているとのことでしたので、今後も期待しています。
どうもありがとうございました!
・この勉強会自体も、facebookグループで反転させたいです。笑
衝撃的です。このような学びの仕方を教員が知るということが大事ですね。無限の可能性を感じました。
大変よいですね!!この取り組みは画期的です!!素晴らしいです!!これからの時代を先取りした勉強手法のように感じられました!!次回もよろしくお願い致します!!
沢山の気付きを、そして、素晴らしい刺激をありがとうございました!!
私の塾は、
(1)生徒に講義テキストを読ませ、
(2)演習をさせ、
(3)わからない時に講師が解説し、
(4)定着のための宿題を出す
という流れで進めています。
(1)~(2)の間に、宿題のチェックや、宿題解きなおしへのフォローをします。
ですので、この「反転学習」に、非常に可能性を感じました。
本当にありがとうございます!
これからも末永く、どうぞよろしくお願いします!!
初めての経験でしたが、楽しかったです。
また参加したいと思いました。
ありがとうございました。
facebookで文章だけで読ませていただくより、実際にしゃべるのを聞かせていただいた方が、各先生のお考えやご苦労が伝わってきました。
とても面白かったです。
次回も是非参加したいです。
ありがとうございました。
ありがとうございました.勉強になりました.
すごく、いい試みで、新時代的だなと思いました。みなさんの集合知もあつまっていい感じですね。
大変勉強になりました。ご尽力に感謝します。
おおぜいログインしていても、チャットでシェアできていいですね。拍手を一斉にすると、ログが流れすぎるので、さかのぼってチャット内容をみるのが大変になっちゃいますが・・・(これは個人的感想です。)
出演者のマイクテストは事前にやっておいた方がいいでしょうね。
楽しかったです!
このようなリアルタイムのシステムがあることを初めて知りました。
また,実践されておられる先生方の話が直接聞けて大変勉強になりました。
ありがとうございました。
・wifiでは途中やや不安定な時間がありましたが、視聴・参加に大きな問題はありませんでした
・授業改善や新たな取り組みに参加されているみなさんの姿が感じられて心強いです
・既知情報の周辺にある、重要な未知の情報や理論にアクセスでき非常に有益でした
どうもありがとうございました。反転授業については9月24日(?)の朝日新聞の記事でも大きく取りあげられており、職員室でも掲示されちょっとした話題になりました。◆反転授業のよさ、あるいは課題について、さらに具体的な話が伺えたらいいと思っています。もう少し自分でしっかり勉強しないと、今日のお話にはついていききれないかなと思いつつ、チャットでの皆様のコメントはいろいろ学ぶところもあり、気付きも多くありました。◆次回を楽しみにしております。出演してくださった方々に改めてお礼申し上げます。ありがとうございました。
今後も実践例に触れられると思うとうれしいです。
勉強になりました。
音声の調整がむずかしいですね。
これだけたくさんの参加者をまえに、田原先生お疲れ様でした。
また次回を楽しみにしています。
どうぞよろしくお願い致します。
初めてのオンラインでの勉強会でしたが、チャット機能でクイックレスポンスを可能にしていて非常にライブ感のある会だったと思います。この形態の学びの場も今後主流になっていく気がしました。次回も楽しみにしています。今後ともよろしくお願いします。
開拓者として前線を切り拓いていこうとする方々のエネルギーをいただきました。そのまま真似しづらいことも多かったですけども、自分がいま抱えている問題意識を解決するためのヒントはたくさんいただきました。貴重な機会を設けてくださり、ありがとうございます。
次回に向けて何を提供できるのか考えました。
・キャリア教育とアクティブラーニング
・従来の授業とアクティブラーニングのメリットデメリット
・地歴・公民科で取り組んでみたこと
・イベント的にやってみたスカイプ・Clica・バーチャル株取引・「社会科での実験」といった授業
・教科科目間での違い
・あと学校で行うとなると絶対出てくるのが「評価」の話
本日お話をされた先生方には及びませんが、皆さんと共に学ばせていただきたいと思います。
初心者な意見で恐縮ですが・・・自宅で参加できるのがGood。
先生方がリアルタイムで質問に答えてくれる点がストレスがなくてよい。
参加者の意見も聴けてGWをしている感覚になる。
地域問わず様々な先生の話が聴ける。
ぜひまた参加させていただきます。
本当に面白い時間で、あっという間でした!現場でいろいろと実践されている先生のお話は本当に刺激になります。
今後もぜひ参加させて頂きたいです。引き続きよろしくお願いします!
ようやくメディアでも反転授業というキーワードが聞かれるようになりましたが、私の周りでは「?」ばかりです。今回の勉強会での最大の収穫は、多くの方が興味を持っていて、実践されている方も大勢いらっしゃるという現状を知ることができた点です。ぜひFacebookの研究会にも参加させていただき、一緒に学ばせていただければと思います。よろしくお願いします。
FBグループページに参加直後に、このような勉強会に出会えてとても幸運でした。
急速に流行となりだした日本国内での反転授業に対し、はっきり言って大変不安があります。特に小学生については、家庭の保護者の役割が今以上に大きくなり、また学校では先生の負担がさらに大きくなると感じているからです。
さらに、ついていけない子どもをどのようにフォローするのか。
是非、今後も携わっていらっしゃるいろいろな方々にお話をお聞きしたいです。
ありがとうございました。
何とも簡単な感想で申し訳ありませんm(_ _)mまたfacebookにてコメントを交換させていただければと思います。本日はお招きいただきまして、本当にありがとうございました。
はじめて、拝聴いたしましたが、とても勉強になりました。ありがとうございます。反転授業も一つの勉強手法だと思います。まだ、分からない部分がありますが、これ”も”いいと思いますし、今までの勉強法”も”いいと思います。大切なことはいかに勉強法を組み合わせてその時の児童生徒に合った指導ができるかだと思っています。これから反転授業も勉強していき、これからの児童生徒のために頑張りたいと思います。
大変興味深く参加させて頂きました。
また次回、参加したいと思います。
授業として成立させるための課題がたくさん見え、かつ同じように悩んでいらっしゃる先生がたの姿がイメージ出来たことがとても心強かったです。
音声・チャット・ホワイトボード(提示資料)など、意識を向けるべきところが多くて、追うのが大変でした。特にチャットは質問以外の意見交流も興味深かったのですが、ほとんど追えなかったのが残念です。次回も是非参加したいと思います。
次回は大学院の院生にもこの取組を広く伝えて、参加を促したいと思いました。
ありがとうございました!
 とても充実した勉強会でした。あっという間の90分でした。教科を越えた実践をみれることで、学習内容が変わっても共通している点がみえてきました。実践における本質が見えてくるような予感がありドキドキしています。
このような機会を与えていただいた田原先生、大変感謝申し上げます。また、勉強をさせてください。
とてもいい刺激になり、勉強になりました。
今回、初めて参加させていただきました。小林昭文先生の紹介で「反転授業」とはどういうものなのかという軽い気分で参加しましたが、全国の皆さんの熱い授業にかける情熱が伝わったので、こちらとしても良い刺激になります。また、次回も参加したいです。よろしくお願いします。
大変勉強になりました。
序盤はマイクトラブルで、この音声だとさっぱり分からないゾ、、と不安になりましたが、最終的に皆さん聞こえやすくなってよかったです。
近大附属の芝池先生の話が、特に、具体的で分かりやすかったです。
そこらの有料の勉強会よりずっと勉強になりました。先生方も素晴らしい実践例の持ち主で、色々と考えさせられましたし、なによりすごく楽しかったです!
オンラインだとお尻も痛くないし良いですね。システムがもう少し改良されると良いなと思い、自分で作りたくなりました。
行動プロセスは、答えの決まったQCサークルと言う感じです。その為、結果が決まっているので、この後どのようにスパイラルアップするかまでは、内容的に少ないですが、自分の意見が問題解決に寄与するので、参加率が上がり、効率的に全体の理解力は深まると思います。
オンライン勉強会というものにはじめて参加したのですが、
とても集中でき、よかったです。
社内で同じくFacebookグループに参加している者と一緒に参加したのですが、ふたりで話し合いながら先生方のお話を聞いていたので、より深く考えることができたと感じています。
今回の勉強会ではいろいろと考えさせられ、本当に勉強になりました。参加出来てよかったです。
全国の先生方で新たな動きを感じた会でした。実は、私も福島の数学教育研究会でアクティブラーニングの実践報告をするつもりでしたが、思わずプレゼン資料を手直ししているほどです(笑)。ありがとうございました。

 

オンライン勉強会という新しい試みに大きな可能性を感じた90分間でした。参加者の皆さんもその可能性を感じてくださったようでよかったです。

 

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反転授業オンライン勉強会報告(2)~課題だと感じたこと

10月7日に行った反転授業オンライン勉強会には、100名ほどの方が参加してくださり、勉強会が終わった後もFacebookグループで活発なやりとりがなされています。

オンライン勉強会のまとめはこちら

 

勉強会の振り返りシートの内容を共有し、自分とは異なった視点に触れることで、気づきを生み出せたらと思います。

—–  以下、「課題だと感じたこと」という問いに対していただいたコメント  —–

4人つなぐと重かったですね。
ただ、初の取り組みに踏み込まれたことに敬意を表します。
指導者側のスキルが問われるかなと少し感じました。
接続等に係る時間は仕方なくかかってしまうところかと思います。
・個々の学校先生がうまく反転授業を行う環境をどう整えていくか
気軽にできるものでもない気がします。入念な準備が必要なのかと思いました。しかし、実践したい気持ちでいっぱいです。
通信ですかね(笑)
成績の幅、モチベーションの差など、
個別の「差」を、どうクリアしていくか。
講師のスキルに依存しない解決法を見出せるのか。
とにかく1つでも実践してみること。
その上で、改善点を見いだすこと。
あといろんな人と繋がること。
反転授業の導入当初、保護者や管理職の理解を得るのに苦労したというお話は、とても頷けました。従来のスタイルを変えると、必ず何かしらの反発が生まれると思います。新しい形を導入してより良い教育をしていこうと思っても、簡単ではないと感じました。
いわゆる教育困難校では通用するのか。
もともと予習どころか勉強する気のない生徒にどうするのか。
国語では、特にげんだいぶんではどう活用するのか。
・学生のモティベーションの維持
・動画作成のコスト
・ファシリテーション能力(教員,学生ともに)上記が課題と感じました.
反転授業をいろんな教科で一斉にやれば、家庭での学習負担は相当なものになってくるはず(ハーバードの学生とはちがうので)家庭での予習が前提である反転授業と、予習は前提とされない反転授業のメリットデメリットを整理するといいと感じました。
取り入れたあとに何を学べばいいのかが、
実は見えにくいものかもしれないということ。
・予習のさせ方の工夫
・意欲や表現をどのように評価に反映させるか
・生徒の家庭環境にPCがなければ動画等が見られない?
・反転授業にかぎらず、家庭学習と授業の関連を考えてみたい
・国語科でのよりよいアクティブラーニングの取り入れ方の検討
自分自身,頭を整理しないとまだ良くわかりません。
やはりこういった実践を共有していくのがよいのかと。
とくに授業でどういう活動を入れるかということについては。
動画の共有というチャットがありましたが、教材準拠の動画をそろえていきたいと思っています。
上記ファシリテーションを的確に行うスキルを持った指導者がまだまだ不足しているのではないでしょうか。
反転するとどのようないいことがあるのか(あるいは「そもそもなぜ反転を」という部分が)、今日の話では今ひとつピンと来なかったので、今日の先生方の実践記録(ブログなど)を急ぎ拝見させていただきます。多分、今日参加されている皆様はそのあたりは基礎知識として共有できているのでしょうね。
グループワークにおける 参加できない子供の扱い!
WizIQ の利用方法は案外難しそうだという印象を持ちました。
慣れにより予習しなくなったときの動機づけ。
教師の質問力。
問題のレベルなど課題設定。
今日の勉強会では、比較的環境に恵まれた高校生が主なターゲットでしたが、小中学生の話も欲しいと思いました。これは私どもの役割でもありますので、今後きちんとご報告できるようにしたいと思います。
一つ気になったのですが、義務教育であれば、教えるのも教わるのも当然、従って勉強する意欲は二の次、先生を敬うかどうかは論外、という点が気になっています。制度に守られた反転授業のほかに、生徒の岐路となる反転授業という視点も模索していきたいです。今日の先生方は、私塾でないせいもあってか、勉強するのが当然、という生徒の側にたってみれば不自然な前提にたっておられるように感じました。
どうやってレールに乗せるかという話だけでなく、カリキュラムを柔軟に捉えたうえでの個々の子供の特性の活かし方、という課題についても、考えています。
どなたかも仰っていた通り、資料を全て読み切れないところもあったので、この勉強会も反転授業の要素を取り入れて、事前に資料を読んだ上で、講師の方がまずひとつトーキングポイントを立てて進めていっても良いのかなと思いました。
反転授業の動画を作ることが非常に負担となっています。できるだけ工夫して簡単になるようにしていますが、納得のいくレベルまで持っていくことは難しいと感じています。また授業で自分が説明するのと、どこか違っていて生徒に思うように伝えることができません。動画を作成するポイント、さらには授業の冒頭で説明するポイントなど、検討する必要があると感じています。
・指導者側がファシリテーションスキルをどうつけるか
・複数の教科で、家庭での予習および復習が前提となると、生徒の負荷が大きくなりすぎるのではないか
・高校で、ある一定のレベル(偏差値)以上の学校だと上手くいくかもしれないが、標準以下、学ぶことへのモチベーションがそもそも低い生徒たちにも効果的なのだろうか
・上手くて適用できない生徒にどのように気づき、救うのか
・コンテンツなどを共有できることが必要
内容でなく勉強会の私の課題として、もっと質問に答えてやり取りをするインタラクティブな部分に時間を割ければと思いました。
準備不足ですみません・・・。
・生徒の予習時間増、教師の準備時間増はどうしても話されたことだけでは解決できないのではないかと思いました。
・反転授業の認知度がやはり低いので、反発されるのかなとも思いました。日本の教育は従前通りを求められたり、詰め込み、知識が大切だったりすると思うので、反転授業でいいのか!と言われないようにしたいですね。
生徒への動機づけ、学習意欲の継続など、、、、。
授業デザインの工夫が必要。
上記の授業の目的を達成するために、反転授業を芝池先生のように予習とするのか横山先生のように補習とするのか、その使い方は生徒の実態に合わせて考えるべき課題だと感じました。
そして小林先生も仰っていましたが、隣にいるガイドとして授業内でのファシリテートやわからない子、つまづく子への介入の仕方やしかけも考えなければと思いました。
 知識の定着に課題を感じています。負荷をかけることは大切であると感じる一方で、それだけだと主体性がなくなってしまいます。学習内容に対するアプローチをいろいろと工夫していかないと、試験のための勉強であり、将来に役立つと感じた学習ではないと感じるのではないかと思っています。この問題に具体的に取り組んでいけたらと考えています。
ICTで教師の負担を軽くしたいと思いました。また、オリジナル授業をやりたい、自分で作りたいとの積極的な書き込みがあったことで、今後の自分の課題が見つかったようです。
1.いかに、児童生徒とその背後にいる親御さん、同僚の教員の理解を得るかが重要。(初めからアクティブ・ラーニングありきの授業は厳しいとも感じるが、徐々に段階を踏んでいくのがいいのかなと感じる。2.問いの明確化(生徒に学習を促す過程で、学習課題を分かりやすくしなければならないこと)

3.実践(学生という身分なので、生徒相手の授業はなかなか難しいが、学生同士の模擬授業でつかめることは多分にあると思います)

質問を見ていると、「グループ構成は?」など、グループについての質問が多いように感じた。対して、講演者はグループ編成に重点を置いた講演ないようではなかった。
ということは、反転授業をやろうとしている人にとって障壁と感じているものの一つに「グループ分け」というものがある。しかし、実践者の話し方からすると、おそらく反転授業成否の本質は「グループ分け」ではない、ということか?
もちろん、グループについて何も考えなくていい、ということにはならないが、机間巡視しながら教師が適当な言葉かけを行うことこそが、成否の鍵であり、グループ編成に腐心する必要はない、のか?
であれば、やはり課題は教師の誘導力(ファシリテーション能力)か。あとはやはり、教師への負担。通常の講義型授業を行うよりも、多くの能力、情熱、労力が必要だと感じた。とすると、反転授業を広めるためには、この障壁を少しでも低くした方がよい、と感じた。事前学習用の動画共有については、諸手を挙げて賛意は示さないが、ある程度やはり需要はあると思う。
『反転授業』『アクティブラーニング』といった言葉が分かりにくかったり、説明しても誤解や反感を招く可能性があると思いました。一般化を阻害する原因にならないでしょうか。
また、教師のスキルを補うためのツールと、教師を教育または選別する方法論が充分でないと、一般化する時に形骸化するのではと少し心配です。
部分的に問題を解決するので、総論としての思考プロセスまでたどり着けるのかが心配です。できれば、似た問題を役割を変えて何度か試すと、全体論まで辿り着くのではないでしょうか?
みなさんの書き込むコメントを見ていて、教育においては、どうしても「平等に」という思いがあるのかなと感じました。そのための一つとして、「能力の低い方にあわせる」という方法があると思います。しかし、反転授業、グループワークは、能力の高い者はそれをより伸ばし、理解度の低い者はステップアップを目指す、というものだと思います。難しいかもしれませんが、どちらもサポートできるといい、と思いました。
(1)人的、物的を含めた周囲の環境
(2)指導資料の共有財産のため方

このように、多数のコメントをいただきました。これを出発点として、Facebookグループを中心に、理解を深めていきたいと思います。

みなさんは、これを読んで、どのように感じられましたか?

 

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反転授業オンライン勉強会報告(1)~勉強会を通して分かったこと

10月7日に行った反転授業オンライン勉強会には、100名ほどの方が参加してくださり、勉強会が終わった後もFacebookグループで活発なやりとりがなされています。

オンライン勉強会のまとめはこちら

 

勉強会の振り返りシートの内容を共有し、自分とは異なった視点に触れることで、気づきを生み出せたらと思います。

—–  以下、「勉強会で分かったこと」という問いに対していただいたコメント  —–

予習を1日前にこだわらないこと。
多くの実践者が集い、集合知が形成されたこと。
反転学習という言葉を初めて知りましたが、自分の中でもいろいろなアイデアがいくつか浮かび、とてもためになるものでした。
100人を超える人数の参加であったにも関わらず、思ったよりもずっとインタラクティブに勉強会を進められていて、気付きになりました。ありがとうございました。
・現場の先生方の実践が今どのようなところにあるのか。
特に芝池先生の導入に至る経緯、そして周りの反応や先生の思いが良く伝わってきました。
今小学校や中学校で流行り始めている『学び合い』ととても似ているなと思いました。タブレットを使っての学習は公立小学校の一クラスでは厳しいですので反転授業の手法を取り入れられる部分はしっかり取り入れたいと思いました!!
反転授業の概要、実例、可能性、etc.
沢山の気付きをいただきました!
反転授業の実践例を感じ取ることができました。
反転授業をみんながやったら…想像すると生徒が…
解決策はあるのか?
反転授業に向き不向きの教科ってあるんでしょうか?
芝池先生や横山先生のブログも定期的に拝見したいと思います。
グループワークで仲間はずれのような形になってしまう生徒への対応、私語ばかりになってしまうグル―プができたときの対応など、実際に苦労した体験がないと分からないことが多いと感じました。
イメージがつかめました。
反転授業が学びに有効であると実践している方の話を聞いて納得しました.
具体的な実践事例を知ることができ、授業の様子がわかったのがよかったです。細かな工夫や課題などをシェアすることができたと思います。
芝池先生の
・生徒のやる気を引き出すことの大切さ。
・教員が何をしたいのか?反転授業が先にあるものではない。
というお言葉。また横山さんの
・グループワークが苦手な子もいるという指摘、そして小林先生の
・質問をしてあるいていく、はたらきかけをしていく
・アクションラーニングで学べるということに感銘を受けました。
「反転授業」という言葉は聞いたことがありましたが,どのような形で授業を行えばよいかイメージできませんでした。しかし,今回,実践されておられる先生方からの話を聞くことができて,授業のイメージができました。
・生徒の行動を変容させる質問力を磨く必要がある
・なんのためにアクティブラーニングを実践するかを明確に生徒に伝える必要がある
学校の先生はすべての生徒を満足させるために様々な工夫が必要で大変なんだなぁということ。
先生方もそれぞれ考えながらチャレンジされていることがわかりました。
初めて反転授業の概念を理解しました。単に講義と演習をひっくり返すということではなく、今までの講義中心の授業では出来なかった様々な可能性が広がっているのですね。ファシリテーションが教師の重要な役割になるというのも新鮮です。私は学習塾の人間で、オンライン授業を手掛けていますが、これからの展開の参考になる話が多かったです。
やはり「時間(例えば24時間、あるいは1週間、1ヶ月、1年)の使い方・使わせ方」に対する新しい切り口の一つが反転授業なのかな、という印象を持ちました。
例えば授業時間を受け身にさせない(主体的に過ごす時間を提供する)ための一つの手段、とか・・・。
音声のセッティングが厳しいか。
横山先生 これから期待大
芝池先生
自分らで学ぶ授業 一斉・個別・協同の同時並行すごい 実践者ですね、。
1ヶ月前倒し予習 すごい ジグソー法 ふかめあい→一人で学ぶ
小林先生はどんな質問にも適切に答えてくださっていて凄い。年期が感じられました。
型にはめすぎないこと。臨機応変に。
教師のファシリテーション力、質問力。
予習での課題を教室に持ってきて学ぶ。
進度も速くなる。
直前でなく早めに予習ができると他の教科とのバランスや自分のペースが作れてよいと感じた。
学校現場では、けっこう自由に反転授業を捉えているのだな、と思いました。私塾では、集団を崩すことが収益を左右しますので、反転授業は使い方によっては経営に望ましくないと受け止められることもあります。
ジグソー法など、教科横断的に使える技法について知ることができて、
教え方のスキルのない私にとって、反転授業以外のことについても多くが学べる、とても有意義な時間でした。
WizIQでの半インタラクティブな学び方もとても面白く、参加している感じと見ている感じのバランスが個人的にはちょうど良くて参加しやすかったです。
見よう見まねで反転授業やグループ学習をしていただけだということに気付かされました。何故そうするのか、これを自分の中でしっかりと考えなければ意味がないということが分かりました。
また真似するにも中途半端でした。小林先生の記事にも解答を配布するって書かれていたのに、なんとなく配布をせずに来ていました。手法についても意味を考えて取り組む必要がありそうです。
・物理や数学など正解がはっきりしている教科は取り入れやすいのかもしれない
・学ぶ意識付け、モチベーションの継続のための手段や工夫こそが、指導者側のスキル・反転学習に興味がある教師の方々がこんなにいらっしゃるとは…
ずっとお話したかった芝池先生のお話を聴けたことに感激です。
まだ消化途中なので、これからこの勉強会で学んだことを頭の中で整理していきたいと思います。
・反転授業は良い面もあるけど、生徒に負担増になってしまうのではないかということ。
・まず、反転授業自体を知らなかったのですが、調べたり今回話を聞いたりして、イメージがつかめました
・教師の準備の時間増も考えないといけないのかなと。
反転授業について、深く学びたく参加致しました。
新しい授業スタイルへの抵抗とか、実務者の経験談が良かったです。
個・グループ・全体での接し方など、その場面で使い分けが必要と感じました。
反転授業という発想の転換の目新しさではなくて、その目的である授業における生徒の知識定着や学習活動を活性化させるための工夫が大切だということがわかりました。
反転授業の教材ももちろん重要ですが、教室内での教師の役割について考えさせられました。
 実践者の話が聞けて刺激的でした。自分の実践と比較して考えることができました。実践していく中で感じていることが非常に近く、どのように解決していこうかアイデアをもらえました。
授業で実践していると孤独を感じてしまうことがあります。特にうまくいかなかったと感じる授業では、それを感じてしまいます。しかし、今日は多くの実践する先生方の存在を感じることができてかなり孤独が解消されました。
教師側の不安材料として、チャットの書き込みから「動画を作るエネルギーが掛る」とのことで、反転授業=動画作成 がイメージとしてあると思いました。協働学習重視(問題解決力重視)がしたいから、時間が欲しくて「反転授業」をされているということを知ることが出来、とても参考になった。
1.反転授業は、長い教育実践のうえで確立化していくこと。2.確立化していく過程でリフレクションカードなど、児童・生徒の実態の把握はこまめに行うこと。

3.芝池先生の実践は、私が考えていた教壇の教師と机に座る生徒という関係ではなく、教師にアドバイスを求めたり、生徒同士で疑問を投げかけて解決させる手法が写真や説明を通じてよくわかりました。

「反転授業」という形式がよいのではなく、生徒のやる気を引き出す、生徒主体の授業を作り上げる上での一方策である、ということ。
生徒のグループや教師に、ファシリテーション能力がある程度必要であるということ。
ジグソー法という授業形式。
「反転授業」はうまくいけば生徒が活き活きと学習に取り組む姿が見られる・・・
自分の知らない世界がまた広がったこと
反転授業やジグソーのポイントは時間の確保、主体的な学習、教えることで学ぶ、の三点であるように感じました。
さらに、このうち最も重要なのは二番目ではないかと思います。
会社で資料を拝見しました。
行動プロセスは、QCサークルに近い行動様式ですね。その為、結果が決まっているので、この後どのようにスパイラルアップするかまでは、内容的に少ないですが、自分の意見が問題解決に寄与するので、参加率が上がり、効率的に全体の理解力は深まると思います。このように参加型の授業は面白いし、子供たちが居眠りするのを防ぐにはいいですね。
「反転授業」というのはあくまでツールである、ということ。
ICT+公教育の立ち位置を、改めて見直す機会となりました。

 

このように、多数のコメントをいただきました。これを出発点として、Facebookグループを中心に、理解を深めていきたいと思います。

みなさんは、これを読んで、どのように感じられましたか?

 

■実践されている方、実践を検討されている方、ぜひ、つながりましょう。

159名が参加! Facobookグループ「反転授業の研究」はこちら

※グループに参加希望の方は、田原までメッセージ下さい。

全国から約100名が集まった!反転授業オンライン勉強会

反転授業と一言で言っても、そこには多様な取り組みがあります。

先日行われたオンライン勉強会の冒頭で、僕は、次のような図を使って、反転授業の分類について説明しました。

hantenbunp2

 

赤字で書いてあるのが塾などの利益を目的とした活動で、青字で書いてあるのが学校やNPOなどの非営利の活動です。

このように整理すると、「反転授業」の目的も手段も様々であることが分かります。

10月7日に行ったオンライン勉強会では、能動学習(アクティブラーニング)を中心にすえて授業をやっていらっしゃる3人の先生に実践例をうかがいました。この図で言うと、左上に位置する方たちです。

この位置にいる方は、生徒に、自分で考え、他人と協働し、自ら新しいものを生み出していけるような社会人基礎力、21世紀型スキルを身につけさせようということを目的とし、そのための手段として能動学習(アクティブラーニング)を取り入れています。

日本の旧来の学習が、情報処理能力を重視してきたのに対して、それを根底から見直していこうという思想に基づいた活動なんですね。

 

これを、便宜上「グループワーク重視型の反転授業」と呼ぶことにします。

 

グループワーク重視型は、なぜ、反転授業にするかというと、理由は明確で、

「グループワークの時間を確保するために、講義部分を動画にして教室外に置く」

ということです。

 

今回お話しいただいた小林先生がアクティブラーニングを始めた頃は、iPadなんてものはなかったわけで、その中で、講義時間を短くするために、

・プリントを配り、生徒が黒板を書き写す時間を短縮

・プロジェクターをつかってスライドを映し、教師が黒板に書く時間を短縮

というような方法を使い、内容を説明する時間を10~15分にして、30分以上のグループワーク時間を捻出して行っていたそうです。

 

横山先生も、小林先生のやり方を取り入れ、同様のやり方でアクティブラーニングに取り組んでいらっしゃいます。そして、補足解説を動画にし、生徒が自主的にアクセスできるようにしています。

 

芝池先生は、3年前から協働学習に取り組まれていて、勤務されている近大付属高校に一人一台のiPadが導入されたのをきっかけに、協働学習の時間をより多く確保するために、講義部分を動画にして予習させることにしました。

 

このように、お話いただいた3人の先生のやり方は、それぞれ異なっていて、「反転授業」の定義に当てはまるのは芝池先生の取り組みだけになりますが、マインド部分は、ほとんど同じなんです。3人のお話をうかがっていて、

 

アクティブラーニング(協働学習)を通して、社会人基礎力や21世紀型スキルを見につけさせたい!

 

という気持ちがひしひしと伝わってきて、そのために、与えられた環境の中で、最適な方法を考えた結果、プロジェクターの利用であったり、動画を補習に使うというやり方であったり、反転授業であったりという方法が使われているということなのです。

 

このことを押さえておくと、「グループワーク重視型の反転授業」の本質が見えてくると思います。

 

オンライン勉強会は、小林先生のマイクにトラブルがあったため、話す順番を変更して、横山先生、芝池先生、小林先生の順でお話いただきました。

横山先生は、大学院時代に「学び合い」で有名な佐藤学教授の研究室で教育学を学び、最初からアクティブラーニングをやりたいという気持ちで高校教諭になったそうです。

でも、実際にやってみると、うまくいかないことも多く、試行錯誤の連続だったそうです。

横山先生がブログに内容をアップしていますので、そちらをご覧下さい。

「私の経歴と歩みと展望」

 

 

次に芝池先生にお話いただきました。数学の授業で生徒に頭を使わせるためにはどうしたらよいかという試行錯誤の中で、発問形式の授業をするなど様々な工夫をしてきて、3年前から協働学習に取り組まれるようになったそうです。そのきっかけになったのは、社会人基礎力をつけることの重要性を感じたからということでした。

芝池先生の授業は、「完全習得学習」を目指していて、そのために、協働学習による演習時間をしっかり確保するために、反転授業の導入に踏み切ったそうです。

「芝池先生が担当するクラスのほとんどの生徒が予習してくるのはなぜか?」というクイズをFacebookページに出して、みなさんに考えてもらい、たくさんの回答が出てきましたが、芝池先生と同じ回答は1つもありませんでした。

芝池先生のやり方は、「予習は直前にやるもの」という固定観念をはずして、何週間も前倒しで、動画を見て予習ノートを作らせるというものです。グループワークで演習している時間にノートをチェックして予習状況を把握するので、授業でやるときには全員が予習してある状況になっているそうです。

これは、目からうろこでした。

また、生徒のやりとりが活発になるように「知識構成型ジグソー法」を取り入れる場合もあるということでした。

芝池先生の、常に授業を改善させていこうという熱意に本当に感動しました。

 

最後に小林先生のお話をうかがいました。

教師の役割が、壇上の賢人から、学習者に寄り添う導き手に変わるという話を、非常に簡潔に明快に説明してくださいました。

その明瞭簡潔さに、チャットボックスには、「簡潔だ」「分かりやすい」という言葉が流れました。

長年、短時間で明確に説明するということを積み重ねていらっしゃったのだなというのが、その説明からも伝わってきました。

勉強会には、グループワークに実際に取り組まれている先生も多数いらしゃって、

・グループの分け方はどうしますか?

・仲間はずれにされる生徒が出てきませんか?

などのグループ分けに関する質問が多数出ました。

小林先生は、それらに次々と的確な回答をしていきました。

そのやりとりに、圧倒的な経験値を感じました。

最後に僕が、

「僕も、グループワークに挑戦し始めて、ファシリテーションスキルを身につけたいと思うようになったのですが、どのようにすれば身につきますか?」

と質問しました。

小林先生は、

「自分自身はカウンセリングやグループエンカウンターを勉強したりしたが、習得までに時間がかかりすぎるので、あまりお勧めできない。」

「もっと簡単にマスターできるものとして、質問会議(アクションラーニング)がある。」

と教えてくださいました。

 

講義スキルが分かりやすいのに対し、ファシリテーションスキルは見えにくいです。

先生が何もしていないように見えるからです。

しかし、生徒の学習をコーディネートし、生徒の気持ちや関係性をケアしていくことは、非常にスキルが必要とされることだと思います。

「グループワーク重視型の反転授業」の場合は、教師が、いかにしてファシリテーションスキルを身につけていくのかというのがポイントだと感じました。

小林先生も、オンライン反転授業について、ブログに記事を書いてくださいました。

「オンライン勉強会、刺激的でした」

 

 

勉強会に参加してくださった方も、ブログで勉強会の感想を書いてくださいました。

自分とは違った視点で勉強会を捉えていて、非常に勉強になります。

 

sakana10のエンジョイブログ 「反転授業オンライン勉強会に参加しました」

ふるやまんの算数塾 「反転授業の勉強会大盛況&大成功でした!

科学のネタ帳 「潜入!全世界から100名を超えた「反転授業オンライン勉強会」での学び」

まなびのブログ 「第1回☆オンライン学習会(2013.10.07)」

木田知廣ブログ 「米国教育の新潮流、反転授業の光と影」

普通の大学生が自分の学校を作る 「反転授業勉強会に参加しました!」

 

参加者の方のブログは、ご連絡いただければ、順次追加します。

 

グループワーク重視型の反転授業の目指す21世紀型スキルとは、グループで協力し合って、アイディアを出し合い、お互いにインスパイアしあい、集団智を作り上げるスキルです。

2013年10月7日に、反転授業に関心のある約100名の方が同じ場所に集まりました。

Facebookグループには、144名の方が参加してくださっています。

まずは、このグループに集団智を創発させ、グループからさまざまなヒントを各自が持ち帰り、課題を解決していけるようになることを願っています。

昨日の熱気は、その可能性を十分に感じさせるものでした。

今日もFacebookグループには、さまざまな書き込みがされています。

本当に楽しみなことになってきました。

 

■実践されている方、実践を検討されている方、ぜひ、つながりましょう。

144名が参加! Facobookグループ「反転授業の研究」はこちら

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本日(10月7日)22時より、反転授業オンライン勉強会を行います

MOOCsやカーンアカデミーによって注目されている反転授業ですが、日本での実践は始まったばかりです。

そこで、反転授業やグループワークを実践されている先生方に、実践例を報告していただき、経験をシェアするオンライン勉強会を企画しました。

 

日時 10月7日 22:00-23:30
場所 WizIQというオンラインルーム

 

すでに100名以上の方が申し込んでくださっています。

教師、塾経営者、大学関係者、大学生、e-Learning関係者だけでなく、一般の方も多数申し込んでくださっています。
FBグループ「反転授業の研究」のメンバー数もついに100名になり、反転授業についての関心の高さをひしひしと感じています。

今回のオンライン勉強会は、夜の10時からスタートということもあり、夕食を済ませて、ゆったりとした気持ちでPCへ向かっていただければと思います。

用事で途中参加になる方、途中退室される方も、オンラインですので問題ありません。

登壇される3人の先生の時刻の目安は、以下の通りです。

●小林昭文先生「反転授業で大事なのは、教師の役割の変更」 22:10

1952 年生(60) 熊本県出身、埼玉大学理工学部物理学科卒、県立越ヶ谷高校を定年退職。現在は河合塾教育研究開発機構研究員、日本教育大学院大学講師、河合塾コスモ名古屋講師。
著書『担任ができるコミュニケーション教育』(小林昭文著/ほんの森出版)など。
取材記事 「キャリアガイダンスNo47(リクルート)」

小林先生のブログ 授業研究AL&AL

●横山北斗先生「アクティブラーニングへの挑戦」 22:30

1984年生まれ。29歳。東京都出身。
東京大学 農学部 応用生命科学課程 生命工学専修 卒業
東京大学大学院 教育学研究科 学校教育高度化専攻 教職開発コース 修士課程修了
東京都の私立関東第一高等学校に数学科教員として勤務。3年目。

横山先生の2013年の実践記録

●芝池宗克先生「反転授業の実践」 22:50

近畿大学付属高校 数学科教員
3年前から協働学習に取り組み、今年から生徒にiPadを配布し、反転授業を開始。
ジグソー法を取り入れた授業を行っている。

芝池先生のブログ「反転授業研究」

オンライン勉強会では、参加者の皆さんは、主にチャットボックスへの書き込みという形で参加していただきます。

リアルの勉強会であれば、誰かが話しているときは静かに聴いている態度が求められますが、オンライン勉強会では、全く違います。

話をしているときに、どんどんチャットボックスに書き込んでください。

これは、講演会ではなく、勉強会なので、参加者の皆さんには積極的な取り組みを期待しています。

「自分は反転授業をやったことがないから何も言うことないよー」という方は、何が分からないか、何を知りたいかを質問してください。

それが、実践している人、情報発信している人にとって、本当に貴重な情報になります。

本日22:00からはじまるオンライン勉強会は、反転授業に関心のあるみなさんにとって、きっと刺激的なものになると思います。

 

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無料申し込みはこちら(終了しました)

※お申し込みいただくと、自動返信メールでオンラインルームのURLが送られてきます。

 

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100人が参加しているFacobookグループ「反転授業の研究」はこちら

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反転授業オンライン勉強会:登壇者紹介~芝池宗克さん

反転授業オンライン勉強会の第3弾です。

全国に先駆けて、生徒全員にiPadを配布して反転授業を実施している近大付属高校の芝池宗克先生に、実践例を率直にお話していただけることになりました。

昨夜、オンラインではじめてお話しました。

芝池先生のブログ「反転授業研究会」には、よく目を通していたので、どんな方なんだろうなと想像していました。芝池先生も僕のブログのことをご存知で、「いつかどこかで会うことになるんじゃないかと思っていた」とおっしゃっていました。

オンライン勉強会のリハーサルも兼ねて、WizIQのルームに招待して、そこでお話しました。

 

芝池先生とお話して、一番強く感じたのは、「信念を持って取り組んでいらっしゃる方だな!」ということでした。

芝池先生が反転授業を導入するに至った経緯をうかがうと、3年前から協働学習に取り組むようになり、協働学習の時間をもっと確保するために反転授業を導入することにしたとのことでした。

芝池先生にとっては、「協働学習」こそが重要なもので、その効果を最大化する可能性を秘めたものとして反転授業があるということでした。

 

3年前に協働学習を導入したときに、周りから理解されずに苦労した話は、話をうかがっていて、状況がありありとイメージできました。他の人と全く違うことをやるというのは、風当りもきっと強かったのではないかと思います。その中で、「協働学習が生徒には必要だ」という信念を貫いてきたというお話に、感動してしまいました。

その頃は、「反転授業」なんて言葉が注目されて、今のようになるなんて、全く想像もできない状況だったと思います。

芝池先生は、独自に試行錯誤されているので、お話をうかがって、目からうろこのことがたくさんありました。

具体的には、オンライン勉強会で芝池先生がお話くださると思うので、ここには書きませんが、僕がなるほど!と思ったのは、

・全員が予習した状態で授業を行うための工夫

・グループワークが潤滑に進むための土台作り

・ジグソー法の利用

でした。

 

1つ1つのやり方をうかがっていると、失敗を重ねながら、長年かけて改善してきたという「時間の重み」を感じました。

芝池先生の実践例は、反転授業に取り組んでいる方、取り組もうと思っている方に非常に参考になるのと同時に、勇気付けるものになると思います。

 

■10月7日のオンライン勉強会では、反転授業やアクティブラーニングを実践されている先生(合計3人)が、実践例を紹介してくださいます。

オンライン反転授業はこちら

 

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反転授業の予習率を上げる工夫~無料アプリの利用

反転授業の課題としてよく上がるのが、

「生徒にどうやってちゃんと予習させてくるのか」

ということです。

このブログでも、何度か予習に関する記事を書いてきました。

反転授業で予習率を高める工夫~熊本壺溪塾学園の「配信授業」

反転授業で全員予習してこなかった場合の対策

また、小学生に予習させて来るのは難しかったという実践報告もありました。

小学生に反転授業は可能か?実践例から学ぶ

 

何も工夫しなければ、全員が予習してくるというのは、よほど生徒のモチベーションが高くないと難しいと思います。

しかし、実践されている先生方は、予習率を上げるために様々な工夫をしています。

それらの工夫を、そのまま紹介していくことで、実践されている先生方のヒントになればよいと思っています。

 

福岡県で至誠塾を運営されている水野順二先生は、eboardという無料講義配信サイトを利用して導入授業を行い、教室では、質問対応やチェックテスト、発展問題の演習を行っているそうです。

至誠塾はこちら

中学2、3年生にiPod touchを、まだ人数が少ない中学1年生にはNexus7(2013)を貸し出しているそうです。中学2年生のクラスの生徒は、全員Wifi環境がそろっているということで、Any.doStudyplusという無料アプリを利用して、家庭学習の状況を把握するということを試験的に行っているそうです。

無料アプリを使って、どのように学習状況を把握しているのか、水野先生にうかがいました。

—- 水野先生のコメント —-

反転授業では、家庭学習の役割が大きくなります。私の塾ではAny.doというアプリで各自の学習スケジュールの管理、Studyplusというアプリで学習の成果の記録を行っています。

中学2年生全員が幸いなことに自宅にWifi環境がありますので、リアルタイムで家庭学習の報告が上がってきます。Any.doでは全体または個別にtodoリストが共有でき、さらに各自のタスクが終了したかどうかまで確認できます。Studyplusでは教材ごとに勉強時間やページ数を記録できるため、より具体的な進捗具合が確認できます。

塾に来たときには家庭学習の成果をこの目でチェックし、学習が進んでいない子にはその場で個人面談をし、改善策を話し合っています。

— コメントここまで —-

また、水野先生に、これらの無料アプリを使った取り組みで、予習の状況は改善したのかどうかをたずねたところ、予習率が8割強まで上がったとのことでした。以前、eboardの中村さんのレポートにあった、「5割予習してくればよいほう」に比べて、大きな改善が認められると思います。

Studyplusを使った具体的な利用法を水野先生がこちらにまとめてくださったので、ご覧下さい。

Studyplusを使った家庭学習管理

 

eboardのような無料講義配信サイトを利用し、塾で反転授業を行うというやり方は、今後、増えてくると思います。

その中で、水野先生の先進的な取り組みが、予習率を上げるための大きなヒントになるのではないでしょうか。

 

■10月7日のオンライン勉強会では、反転授業やアクティブラーニングを実践されている先生(合計3人)が、実践例を紹介してくださいます。

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反転授業オンライン勉強会:登壇者紹介~横山北斗さん

インターネットは、人と人とをつなげることのできるツールです。

Facebookができてから、その力がさらに強まったように思います。

反転授業を実践されている先生は、全国に散らばっています。それぞれが、現場で、失敗を重ねながら試行錯誤していると思います。その試行錯誤のありのままを共有することができれば、お互いに参考になる部分があって、改善のスピードが上がるんじゃないかと思っています。

人と人とをつなぐためにはどうしたらよいか?

そのためには、まず、自分が情報を大量に出すこと。そして、その情報にアクセスしてくれた方とコミュニケーションをとることです。

これは、9年前からインターネットを使って仕事をしてきた中で学んだことです。

 

東京に出張した日のことです。その日はミーティングが4つありました。朝食ミーティングからスタートし、午前中にもう1つ、午後にもう一つ、夕食を食べながら最後のミーティングというハードスケジュールでした。

昼食を食べならがスマホをチェックすると、長いメッセージが入っていました。

それが、横山北斗先生との交流の始まりでした。

小林先生が僕について書いてくださった記事をFaceBookで見かけて、僕のFacebookの投稿をたどっていったら、僕がこのブログ「反転授業の研究」を書いていることに気づき、驚いてメールを送ってくださったということでした。

横山先生は、反転授業のための動画を作成するときに、このブログの記事を参考にしてくださったそうです。

 

「ちょうど東京に来ているので、もしよかったらお会いしませんか?」

とお返事し、夕食ミーティングの前に空いていた1時間に、コーヒーショップでお話しすることにしました。

 

そこで、横山先生が教育の道に入るまでの経緯、アクティブラーニングをどうやって実践しているか、実践の背景として考えていることは何か、といったことをたくさん教えていただきました。

・予習プリントや、最初の解説で、あえて詳しく説明せずに、グループワークで発見してもらう。

・解答プリントを配布して、グループワークを行う。

といった話は、非常に刺激的でした。これについては、オンライン勉強会で詳しい話を聞けると思います。

 

また、小林先生の実践例に登場する「セッティング」「立ち歩き」などが、どのような意味を持っているのかを解説してもらいました。

これが、僕にとって、とても役に立ちました。

その後に物理ネット予備校で行ったオンラインのグループワークでは、小林先生のやり方をベースにして構成したのですが、横山先生が、小林先生のやり方の背景を教えてくださったので、意図を理解することができ、応用させることもできたのです。

 

オンラインのグループワークには、横山先生も見学に来てくださり、コメントを送ってくださいました。許可を得て引用します。

—- ここから引用 —-

物理をあまり学んでないもので、すっかり生徒気分で参加できました。

日頃こういう立場の経験ができないので非常に貴重な経験でした。 ありがとうございます。

授業の中で分かっていく過程や、分からない不安さ、追いて行かれそうな焦り、難しそうな問題を見た時の恐怖(大げさですが)、確信が持てないことをグループで共有する躊躇い、しかし例えお互い に確信が持てないとしても同じように考えている人がいることの安心感などを久しぶりに味わうことができました。

読書などで新しいことを学んでいく過程とはやはり違って、良くも 悪くもライブならではのドキドキ感がありますね。 改めて、本当にとても貴重な体験をさせていただきました。 今後の授業で生徒の感情を感じ取るのに間違いなく活かせると思います。

—- 引用ここまで —

 

横山先生は、アクティブラーニングや反転授業をやりたくて教師になったとのことでした。

2年目の途中から満を持してアクティブラーニングをはじめ、手応えを感じて、3年目の今年は、最初からアクティブラーニングと反転授業に取り組んでいるとのことです。

横山先生の2013年の実践はこちらにまとめられています。

横山先生のブログ→アクティブラーニング&反転授業はじめました

 

横山先生は、ほんとうに様々なことを考えて実践されているので、「これは、何のためにそうしているのですか?」という質問を、オンライン勉強会ではどんどん投げかけていきたいと思います。

 

コーヒーショップで1時間だけ話す予定だったのですが、夕食ミーティングが急にキャンセルになり、そのまま話し続けました。

僕もすっかり気持ちが盛り上がって、時間を忘れて話していたら、気がつくと3時間が過ぎていました。

その日をきっかけに、横山先生とはFacebookなどで情報交換をさせていただいています。

 

インターネットは人と人とをつなぐ力があります。

10月7日の反転授業オンライン勉強会も、そのようなつながりがうまれるきっかけになればうれしいです。

 

■10月7日のオンライン勉強会では、横山先生の他、反転授業やアクティブラーニングを実践されている先生(合計3人)が、実践例を紹介してくださいます。

オンライン反転授業はこちら

 

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反転授業の予習動画は10分~15分が適切?

反転授業のための予習用動画を作るときに、何分くらいのものを作ったらよいのでしょうか。

実際に作られている動画講義の時間を元に考察してみましょう。

 

Khan Academy や Courseraなどの動画を見ると、15分以下ののものがほとんどで、20分を超えるものはほとんど見かけません。学習者が集中できる時間はせいぜい15分までというように考えているのだと思います。

15分で説明できるのは1トピックなので、1動画で1トピックを説明する形式になっています。

Khan Academy の場合は、その後に、練習問題がついていて、動画で説明した内容を理解しているかどうかを問題演習で確認し、5問連続で正解したら先に進むことができる仕組みになっています。

このようにスモールステップで進む形式の場合は、1動画1トピックで簡潔に説明するものがよいようです。

 

アクティブラーニングなどのグループワークを中心に据える場合、説明を詳しくしすぎないのが重要だそうです。実際、小林昭文先生の授業では、最初の10分ほどでパワーポイントなどを使って完結に内容を説明しています。横山北斗先生にお話を聞くと、重要なことは教えるのではなく、グループワークの中で生徒が自分で発見してほしいとおっしゃっていました。この観点からすると、動画講義を作る場合は15分以内になるでしょう。

 

このような観点からすると、「やっぱり、動画は10~15分が適切だ!」という結論になりそうですが、これとは全く違い、長時間の予習動画を作っているケースもあります。古文の反転授業をされている甲斐資子先生の動画講義は、20分~45分です。上記の観点からすると、「長すぎて、受講者の集中力が持たないんじゃないのか」と思われるかもしれません。

しかし、ある程度の長さを持たせることによって、全体像を把握させたり、ストーリーをつかませたりさせることもできます。甲斐先生は、動画講義を「予習」と位置づけずに「配信授業」と読んでいます。動画講義の中で重要なことはすべて伝えて、動画でしっかり学ばせるという位置づけになっています。

 

●スモールステップ形式 → 1動画1トピックに区切り、分かりやすく説明する。

●アクティブラーニングを元にした予習動画 → できるだけ簡潔に短くする。説明は意図的に不十分にすることもある。重要なことはグループワークで自分で発見させる。

●甲斐先生の「配信授業」 → 重要な内容を伝えている特別な「授業」という位置づけなので、授業と同じくらいの長さになり、授業と同じクオリティを目指す。

 

というように、反転授業のための予習動画といっても、やり方が違えば、役割が違ってきて、最適な時間も変わってきます。

でも、多くの方は、「45分の動画講義を受けるのはつらい」と思うのではないでしょうか?

実は、ここには、秘密があるのです。

甲斐先生の使っているThinkBoardには、2倍速再生、4倍速再生が機能としてついています。2倍速で聞けば、45分の講義といっても、実際には23分くらいで聞き終えることができます。

2倍速で聞いて、ちゃんと理解できるの?と思うかもしれませんね。

MITの学生にMOOCsの授業を倍速再生で受けさせて、理解度が下がるかどうかをテストした研究があります。

第6回【識者インタビュー】 デジタル家庭学習の最先端 ~世界の論文調査から~ より引用)

—- ここから引用 —-

MOOCsの中には、授業を倍速で視聴できる機能を持つものがあり、MITの学生がMOOCs方式の授業を倍速で視聴した場合、授業の理解度は落ちなかったとMITの研究で明らかになっています。つまり、オンライン授業を倍速で視聴すれば授業時間が短縮され、学習者はより多くのことを学ぶことができます。

—- 引用ここまで —-

実は、僕も甲斐先生が使っているのと同じThinkBoardを9年前から使用しています。

9年間の間に、数千人の生徒が2倍速・4倍速再生をどう使ったらよいかという試行錯誤をしてきました。

倍速再生の使い方、ノートの取り方など、e-Learningの効果的な使い方についてのノウハウを9年かけて蓄積してきました。

 

その結果、もっとも効果的だと思われる動画講義の受け方は、

「分かるところは、2倍速で進み、分からないところが出てきたら、等速に戻してその部分だけを反復し、理解できたら先へ進む」

というものです。

 

どうして、このやり方がよいのか、ずっと考えていて、気づいたことがあります。

それは、「インタラクティブ性があると飽きない」ということです。

ビデオを見ながら寝てしまうことはあっても、ビデオゲームをしながら寝てしまうことはありませんよね。

インタラクティブ性があると、頭が活性化して、学びやすい状況になるのだと思います。

この場合は、自分の理解度に合わせて、最適な速度を選択したり、分からないところを反復したりする行為をすることで、受身にならずに動画講義に取り組むことができます。これが、インタラクティブ性と似た効果を生み出しているのだと思います。

 

実は、僕の講義ファイルは、甲斐先生のよりもさらに長く、60分~120分です。

しかし、受講者からは、講義が長すぎるという声は上がってきません。

「2倍速で何回も何回も繰り返して聞いています」という声が届きます。

オフ会で会ったときに、「田原先生が、等速で話しているのが違和感があります(笑)」と言われるほどです。

 

このように、動画講義だけをとっても、まだまだ掘り下げていくと、いろいろな可能性が出てくると思います。

今後も、実践例を中心に紹介していきたいと思います。

 

 

■10月7日のオンライン勉強会では、反転授業やアクティブラーニングを実践されている先生が、実践例を紹介してくださいます。

オンライン反転授業はこちら

 

■実践されている方、実践を検討されている方、ぜひ、つながりましょう。

Facobookグループ「反転授業の研究」はこちら

※グループに参加希望の方は、田原までメッセージ下さい。

 

 

 

 

反転授業オンライン勉強会:登壇者紹介~小林昭文さん

反転授業のオンライン勉強会まであと3日となりました。

申し込みの際のコメントを拝見すると、とても楽しみにしてくださっている様子で、僕もワクワクしてきました。

今日から、オンライン勉強会で実践例をお話しいただける方の紹介をしていきたいと思います。

 

今日、ご紹介するのは、アクティブラーニングの実践と普及をされている小林昭文さんです。

 

僕が、反転授業について勉強をはじめたときは、アメリカの情報をもとに考えていたんです。英語の文献を読んだり、アメリカの反転授業をやっている教師のSNSに入ったりして、アメリカでの実践例を調べました。

アメリカの実践例を調べたときに、e-Learningの部分はすんなり理解できました。

僕自身も、e-Learningの教材作成を9年間やってきているし、そこで使っているものも、なじみのあるものが多かったからです。

しかし、一方で、教室でのアクティビティの部分は、なかなか理解できませんでした。

教師の役割が、「壇上の賢人(sage on the stage)」から「学習者に寄り添う導き手(guide on the side)」になると言われても、具体的に何をやればよいかピンとこなかったのです。

アメリカの実践例では、頻繁に「グループワーク」という言葉が出てきます。インターナショナスクールでやっている授業の様子を聞いても、「グループワーク」という言葉が頻繁に出てきます。

いったいグループワークとは、どういうものなのか?

それを、日本でやることは可能なのか?

グループワークにその秘密が隠されているのではないかと思いました。

それで、いろいろ調べているときに、アクティブラーニングというグループワークを実践し、現在は、普及活動をされている小林さんのブログに出会ったのです。

 

小林昭文さんのブログ → 授業研究AL&AL

 

このブログを発見したときは、とても興奮しました。

小林さんは、高校で物理の授業を7年前からグループワーク中心に切り替えて行っていたそうです。

日本に7年も前からグループワークを実践されている先生がいたということに感動しました。そして、ブログ記事を過去まで遡って読みました。

どうしても小林さんからお話をうかがいたくなって、メールを送りました。

小林さんは、昨年、高校の教諭を定年退職し、現在、アクティブラーニングの普及のために日本全国を飛び回っていらっしゃるので、スカイプでお話しました。

それ以来、小林さんとコミュニケーションをとらせていただくようになり、いろいろと教えてもらっています。

 

僕が運営しているフィズヨビでは、先月、はじめてオンラインでグループワークを行ったのですが、そこでは、小林さんの授業のやり方を参考にしました。同じ物理の授業ということもあり、まずは、同じようにやってみて、どのようなことが起こるのか見てみたかったのです。

結果は、参加者がびっくりするほどアクティブに動き、多くの発見がありました。

小林さんのやり方には、グループワークがうまくいくためのノウハウが凝縮されているのだというこということを実感しました。

小林さんもその授業を見学してくださって、ブログに感想を書いてくださいました。

オンライン授業を見学しました

 

 

実際にグループワークをやってみて、アメリカでやっている反転授業というのは、まずベースにグループワークがあり、グループワークに使える時間を十分にとるために「講義部分」をe-Learningで置き換えて授業外にやらせるという発想なのだということが腑に落ちました。

日本で反転授業をやろうとしている先生には、小林さんのアクティブラーニングの方法論がとても役に立つと思います。

オンライン勉強会で小林さんがどのような話をしてくださるのか、僕が一番楽しみにしているかもしれません。

 

■10月7日のオンライン勉強会では、小林先生をはじめ、反転授業やアクティブラーニングを実践されている先生が、実践例を紹介してくださいます。

オンライン反転授業はこちら

 

■実践されている方、実践を検討されている方、ぜひ、つながりましょう。

Facobookグループ「反転授業の研究」はこちら

※グループに参加希望の方は、田原までメッセージ下さい。

 

 

反転授業で予習率を高める工夫~熊本壺溪塾学園の「配信授業」

反転授業とは、生徒が自宅でE-Learningで予習をしてきて、教室で発展的な学習や、達成度別の補習を行うというものです。

その際、

予習をしてこない生徒がいる場合、どうしたらよいか

ということが課題になります。

僕は、その解決策として3つあると考えています。

 

1つ目は、予習してこない生徒もいるという前提に立ち、「生徒が予習してきたくなる仕組みを作る」という方法です。これについては、「反転授業で全員予習してこなかったときの対策」という記事に書きました。公教育の場合は特に生徒のモチベーションにばらつきが大きいと思いますので、全員予習してくるということを前提にするのは難しいかもしれません。

 

2つ目は、「E-Learningで予習させる」ということをあきらめて、最初の10分~15分で内容の説明をし、残りの時間をグループワークと振り返りに使うというやり方です。E-Learning教材は授業内容の補足として、生徒が自由にアクセスできるようにWebにアップしておくという方法もあると思います。関東一校の横山先生の実践例がこれにあたります。

 

3つ目は、あくまでも全員予習してくることを目指すという方法です。予備校や塾だと、受講生のモチベーションが高いので、この方法が可能だと思います。熊本県にある大学受験予備校、熊本壺溪塾学園の古文を担当されている甲斐 資子先生は、ThinkBoardというスクリーンキャスト型の講座作成ソフトを利用して、非常に興味深い実践をされているので、ご紹介したいと思います。

甲斐先生の反転授業の実践は、熊本日日新聞でも紹介されました。

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甲斐先生が使っている講座作成・配信システムは、反転授業用に開発されたもので、生徒の予習状況が把握できるように工夫されています。

講師は、ThinkBoardという講座作成ソフトを用い、ヘッドセットとペンタブレットを用いて講義を作成します。

その後、作成した講義ファイルをThinkBoard Learning Manager というLMSにアップします。

生徒は、LMSにログインし、講義を受講します。

ここに、非常に興味深い2つの機能があります。

1つは、生徒の受講履歴の時系列がLMSに残るという点です。各生徒が、何時から講義を受け始め、どこで一時停止したか、どこを繰り返したか、といった生徒の学習状況がすべて履歴としてシステムに残り、把握することができます。生徒が一時停止したり、反復したりする場所は、理解しにくかったところなのだというように講師があらかじめ知ることができます。

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もう1つは、講座を見終わった後に感想を講師に送るようになっていることです。どこが難しかったとか、全問正解だったとかといったメッセージを講師に送ることで、自分の状況を講師が分かってくれているという安心感が出るそうです。また、講師側からすれば、授業前に理解度を確認することができます。

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授業では、生徒の受講履歴データと、生徒からのコメントを元に、分かりにくかったところを重点的に解説することができます。

講師は、勘ではなく、データを元に、本当に生徒が分からないことを詳しく説明する授業をすることができるのです。

この授業が、実際にうまくいっているのかどうか、甲斐先生からコメントをいただきましたので引用します。

—- ここから引用 —–

私の講座では、「配信授業」であって、「予習」という言葉は使いません。「予習」であればオンラインの授業を誰も視聴してこないだろうと想像します。

近大付属の「反転授業」の試みがテレビ取材され放映されたとき、司会者が「予習大変そう」とコメントして、すべてが「わや」になった、と思いました。

私は,「配信授業」に特別な意味を持たせます。センター型問題の解説授業のコンテンツなのですが、あらかじめ問題を解かなくてもいい、とにかく視聴して、コメントを返すように。と伝えてあります。「技を盗む、要領を覚える、そして対面授業に出る」ことを徹底させました。

彼らは、「残せる、何回もいつでもどこでも視聴できる、得点に結びつく技の詰まった」配信授業は、特別なものだという意識を持ちます。また、明らかに他とは違う授業を受けている満足感を持ちます。対面授業の時に、「コメントに~質問があったけど…」とコメントに触れるので、「見てくれている」という安心感を持ち、またコメントを返そう、と思うようです。実際に、こっそり先生と秘密のやりとりをしている面白さ感を抱くようです。生徒へのコメントはすべて返します。つぶやきを拾い、ほめて、励まします。

LMSを確認すると、こちらの授業の展開の仕方の、まずかった点も分かります。生徒の躓きもチェックできます。毎回必ず国語科の先生に視聴して頂いています。

対面では要領の生きる演習問題を解き、答えを皆で導くので、生徒は配信授業を視聴していないと「地獄」の一時間になると心得ています。

予備校の授業ですし、センターで高得点を取る必要があり、後がない…切羽詰まった生徒達ですので、効いていると感じます。ただ、センターの実施後でないと、結果が分からず、今後への課題もたくさん出ると思います。恐ろしいです。

—- 引用ここまで —-

ThinkBoard Learning Managerを用いた甲斐先生の実践のように、自宅での予習状況を把握し、さらにコメントのやり取りなどをすることによって予習率を100%に近づけていくというやり方も、十分成り立つという気がしました。

甲斐先生の反転授業の実践レポートをこちらからダウンロードできます。

 

課題が出てくれば、それに対して、解決策も出てきます。

これからも、実践例をできるだけ多く紹介していきたいと思います。

熊本壺溪塾学園の反転授業紹介ページはこちら

 

■10月7日のオンライン勉強会では、反転授業やアクティブラーニングを実践されている先生が、実践例を紹介してくださいます。

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反転授業にiPadは必要か?

反転授業のニュース記事を読むと、ほとんどの場合iPadなどのタブレット端末との組み合わせで語られているように思います。

佐賀・武雄市でも、「小学生・中学生にタブレット端末を配布し、反転授業を行う」というように報道されています。

また、全国で先駆けて反転授業を行っている近畿大学付属高校でもiPadが生徒に配布され、英語や数学の授業が反転学習形式で行われています。

反転授業研究会(数学)

反転授業への道(英語)

これらのニュースを読んで、

 

「反転授業には、iPadが必要だ!」

 

という印象を持つ人が多いと思います。

 

9/24に書いた記事「佐賀・武雄市が「反転授業」用にタブレット端末を配布することについての分析」で、僕は、

— 引用 —

結論から言えば、「反転授業による教育効果」という点から見れば、必ずしもタブレット端末は必要ないと思います。

今の時代、自宅にインターネットに接続できる端末(PC、タブレット、スマホなど)を持っていない人のほうが少ないですから、基本的には自分のものを使うことにして、持っていない人には安価な端末を購入してもらうという方法にすれば、導入コストが下がります。

小学生の場合、そもそも親のサポートが期待されているわけですから、親のPCを使って、親子で予習動画を見るということで事足りると思います。

— 引用 —

と書きました。

しかし、その後、iPadを導入している高校や塾などの実践例を調べると、タブレット端末による教育効果というものもあると考えるにいたりました。

以下で、具体的に述べたいと思います。

参考にした実践例は、次の2つです。

(1)袖ヶ浦高校の実践例 Z会の寺西さんの記事→「主体性を育むタブレット授業、千葉県立袖ヶ浦高等学校」

袖ヶ浦高校の情報コミュニケーション科では、「情報活用能力」「コミュニケーション能力」「論理的思考力」「情報モラル・セキュリティ対応力」の4つの力をつけることを目指し、授業が行われているようです。

特に反転授業が行われているわけではなく、教師が個々にiPadの利用法を工夫しているようです。

リンク先の記事からの引用です。

— ここから引用 —

写真2は「国語」の授業。教科書に出てくる文章の考察で、日本人と外国人の「水の流れ」に対する美意識の違いをイメージするために、ネットから画像を集め、電子黒板に投影しているようすです。

生徒が探し出してきて、タブレット上の共有ファイルに投稿した画像が次々に電子黒板に表示されます。それらを見ながら別の生徒が別の写真を投稿する、これは学習環境の同時性を利用した、見事なフロー情報の活用です。

そして、ある一定の数が集まったとき、水の流れの特徴別に分けて保存、この段階でストック情報として使えます。

— 引用ここまで —

僕がよく知っているインターナショナルスクール(イギリスカリキュラムの小学校)では、リサーチの宿題がよく出ます。これは、各自がそのときに勉強しているテーマに関して調べて、その内容を1枚の紙にまとめてくるというものです。ほとんどの生徒がインターネットや本で調べたことをまとめ、カラープリンターで写真を印刷して貼り、重要なところを目立たせたりして、まとめてきます。

調べてくることは、どんなことでもよかったりするので、教室には「多様なリサーチ結果」が集まり、それを元に生徒がグループワークをしたり、プレゼンをしたりして、自分以外の生徒の発表から異なる見方を通して、対象を深く学びます。

袖ヶ浦高校も、授業の中にリサーチの要素を入れ、能動的に学ぶこと、他の人の見方に学ぶことを行っているように感じました。

そのような授業をやる際に、iPadがあるとリサーチ結果をまとめる際に、表現の可能性が増すのと同時に、将来、ITを使ってプレゼンテーションをやるためのトレーニングを積むことができるというメリットがあると感じました。

比較すると

iPadなし → ポスターに、プリントした写真を貼り、説明文を書いてくる。 教室では、ポスターを見せながらプレゼン・グループワークをする。

iPadあり → 画像、音声、カメラで撮った写真、動画などを利用してコンテンツを作る。それらを電子黒板を使って全員で共有しながらプレゼン・グループワークをする。

というように、扱えるコンテンツの種類が増えるため、より豊かな学習ができる可能性があると感じました。しかし、その場合でも、重要なのは授業の方向性であり、何のためにプレゼン、グループワークをやるのかという教育方針の部分から考えてこそ、成果が出てくるのではないかと思います。

 

(2)広尾学園の実践例 こちらの記事を参考にしました→中高生はiPadでどう勉強するか? 広尾学園が授業を公開

広尾学園の記事を拝見すると、こちらもリサーチ、グループワーク、ディスカッション中心の授業を取り入れており、そこにiPadが活躍していました。

—- ここから引用 —

広尾学園は、iPadとオンラインサービスを組み合わせ、教師と生徒、生徒同士がディスカッションする授業を数多く取り入れている。その一例が、中学校1年生向けの地理の授業だ。中学1年生の地理の授業では、iPadと米Googleの「Google Earth」を利用(写真1)。生徒は、世界の各地域をGoogle Earthで巡って地理的な位置を視覚的に理解した後、月別の気温と降水量のデータで気候を分類する「ケッペンの気候区分」を基に、各地域の気候や植生を調査した。

気候分類の作業やプレゼンテーションには、手書きノートアプリケーション「GoodNote」を利用。生徒は、iPadに表示した気温や降水量の資料に直接書き込みながら班内で議論し、その結果を基にクラス全体へのプレゼンテーションをしていた(写真2)。

中には、米Appleの動画編集ソフト「iMovie」を使い、動画を組み込んだプレゼンテーション資料を作成するなど、自発的にiPadの機能や表現力を生かす生徒もいたのが印象的だ(写真3)。

— 引用ここまで —

このようなリサーチ、グループワークは、必ずしもiPadのようなICT機器がなくても行うことができますが、ICTを利用することで、もっとワクワクするような授業を行うことができそうです。

僕は、かつて、「熊本県を旅行する予定のドイツ人」に、スカイプで日本語を教えたことがあります。そのときは、Google Mapを使って、観光で訪れる予定の熊本城の近くで道を聞く練習をしました。

テキストに載っている例で、道を聞く練習をするのと、来月行く場所の地図を使って、道を聞く練習をするのとでは、「Exciting 指数」が全然違います。

頭が、グォーーっと活性化するのです。広尾学園の地理の授業も、きっと同じようにエキサイティングなものになっていたんじゃないでしょうか。

もうひとつ、広尾学園の授業の様子を引用します。

— ここから引用 —

授業内で知識を定着させる工夫として、ドリル形式の学習にiPadを取り入れていたのが、中学校1年生の英語の授業だ。同授業では、期末試験の文法問題で正答率が低かったという「人称代名詞」に関するドリル形式の復習授業を実施していた。教員がホワイトボードに3択問題を投影した後、生徒は制限時間内に回答を考え、選んだ選択肢をiPadに表示。制限時間になると生徒は一斉に回答を教員側に提示し、先生が回答の説明や解説をする、といった流れで授業を進めていた(写真6)。

— 引用ここまで —

これは、クリッカーのような役割として、iPadを使用している例です。

僕も、WizIQを使ったオンラインライブ講義で、アンケート機能と、チャットボックスをフル活用していますが、これが、使ってみると本当に便利なんです。今まで、予備校で授業をやっているときには、生徒の顔の表情から雰囲気を読み取って、分かったかどうかを判断して進めていました。

しかし、アンケート機能を使えば、問題を出して、どのような解答を選んでいるのかリアルタイムでグラフ表示できるし、チャットボックスで質問を受けて、それを見て理解度を確認しながら進めることができるのです。

直接質問するよりも、チャットボックスに打ち込むほうが、心理的な抵抗感が少ないので、これまでに出てこなかったような質問や、本音のようなものがどんどん出てきます。これは、僕も、やってみて気がついたことですね。

 

まとめます。

(a)iPadは、リサーチ、グループワーク、プレゼンテーションなどを通して21世紀型スキルを身につけることを目指す授業に役立つ。

(b)授業中の生徒の反応を取るためのアンケートや、チャットボックスのようなものとしても利用できる。

この他にも、教育現場にiPadが入っていくことによって、教師や生徒の創造力が刺激され、さまざまなエキサイティングな「使い方の発明」がなされていくことでしょう。

 

反転授業が生まれたアメリカでは、インターナショナルスクールと同じように、リサーチ、グループワーク、プレゼンテーションをベースにした授業が多く、その時間をより多く確保するために、「一斉講義の時間を動画で置き換える」という発想になったという歴史的な背景は重要です。

21世紀型スキルを身につけるためのエキサイティングな学びが、日本のあちこちで行われるようになるのなら、望ましいことです。

そして、「Exciting 指数」の高まりによって、予習をしてこない生徒をどうするかといった問題が発展的に解消するというのが、反転授業導入を成功させる王道なのではないかと思います。

 

実践されている方、実践を検討されている方、ぜひ、つながりましょう。

Facobookグループ「反転授業の研究」はこちら

※グループに参加希望の方は、田原までメッセージ下さい。