第6回 反転授業オンライン勉強会
2月の反転授業オンライン勉強会の日程が決まりました。
テーマ「IDによる授業設計の実践と教育効果測定」
2月26日(水)22:00-23:30
第5回の勉強会では、米島博司さんにIDの概要をお話していただきました。
第6回では、それを実際に授業に適用した場合にどのようになるのか、実践されている山崎進さんと淺田義和さんにお話いただこうと思います。
また、IDで授業設計をした場合、ゴールに到達したかどうかをどのようにして確かめるのかが問題になりますが、その分野の専門家である堤宇一さんにお話をうかがいます。
今回は、大学や企業研究における実践報告が中心になると思いますが、公教育や塾などの方にとっても、発想を広げることができるチャンスになると思います。
登壇者紹介
山崎進さん「IDに基づく学習目標の立て方の実際と反転授業への応用」
(プロフィール)
北九州市立大学にてプログラミングを教えています 山崎 進 です. 教材設計マニュアルを入り口としてインストラクショナル・デザイン (ID) の実践を始めました.また独学でファシリテーションについても学びました.その結果,自習教材による講義を最小限にした演習中心の授業づくりや,ワークショップを取り入れた授業づくりに取り組んでいます.もちろん反転授業を取り入れた授業づくりも始めています.
(内容)
反転授業で,そもそも授業を反転させるのは何のためでしょうか? ・限られた授業時間を有効活用したい ・講義より演習の方が教育効果が高い ・そこで授業の場では応用演習を行う ・基礎は自習教材を用いて予習させる
つまり【反転授業では自習教材の存在が大前提】 →自習教材の作り方と言えば「教材設計マニュアル」
そこで教材設計マニュアルを手本とした授業作りの事例を紹介します。 私は教材設計マニュアルを手本として講義に頼らない演習中心の授業をしてきました。 その実践を通してインストラクショナルデザイン(ID)を学んでいくことになります。 最終的には反転授業とその先の世界にたどり着くのですが,その道のりを示しましょう。
淺田義和さん「医療教育におけるID実践事例」
(プロフィール)
東京大学大学院工学系研究科システム量子工学専攻博士課程修了後、自治医科大学のメディカルシミュレーションセンターに勤務(現在に至る)。この頃の研究テーマは医療安全、ヒューマンエラー。 シミュレーションセンターでは、マネキン等を利用した医療者のシミュレーション教育に関して、その運用サポートや教育の改善・評価などに取り組む。この中で「いかにシミュレーション教育を効果的・効率的・魅力的に運用していくか」という点からISD(Instructional Systems Design)に惹かれ、熊本大学大学院教授システム学専攻の門を叩く。教育に興味を持ち始めたのはここから。 現在はシミュレーション教育の運営に加え、医学部を中心に、授業に対するeラーニングやeポートフォリオの導入についても携わっており、moodle等のシステム運用やFDを通じて、反転授業形式の教育実践にも取り組みはじめている。
大学院時代から興味を持ったマインドマップやワールドカフェなどの手法を授業に取り入れるなどの活動も行っている。著書に「ストレスフリーで効率アップ! EVERNOTEを便利に使う48の技(共著、技術評論社、2013年)」。
(内容)
IDを用いた授業・研修の実践例として、2つの事例をそれぞれ理論的な背景紹介と合わせてご紹介します。医学部と看護師教育と、どちらも医療系の実践例となりますが、ID的な部分に重点を置いて解説していきたいと思います。また、どちらの事例も反転授業的な要素を含んでいますので、その点においても参考にしていただければ幸いです。
テーマ1:医学部学生に対するID授業
2013年度より医学部の1年生に対して行っているIDの授業(選択科目)を題材に、学習意欲を高めるための方略としてARCSモデルの紹介と実践例をお話します。※ARCS:Attention, Relevance, Confidence, Satisfaction
テーマ2:看護師の多重課題
看護師に対して行っている多重課題(大部屋で複数の患者さんに対して優先順位を考えてタスクを処理する必要がある状態)シミュレーション研修を題材として、教育・研修を改善していくサイクルであるADDIEモデルの紹介と実践例をお話します。※ADDIE:Analysis, Design, Development, Implementation, Evaluation
堤宇一さん「反転授業を通じ、どんな能力を強化したいのか‐企業内教育の立場から考える」
(プロフィール)
2011年3月、熊本大学大学院 社会文化科学研究科 教授システム学専攻修了 (株)日本能率協会マネジメントセンターにて、教育企画営業、通信教育講座の開発マネージャーなどを経て、2000年より「教育効果測定」の研究を開始。また、教育効果測定での米国の第一人者であるJack Phillips博士が主宰するROI Network(後にASTDとの事業提携によりASTD ROI Networkに名称改名)にて、アドバイザリーコミッティボードを2001年1月より2004年12月まで2期(4年)勤める。現在、(株)日立総合経営研修所 開発・コンサルティンググループ 部長代理として、研修開発ならびに品質管理を進めながら、教育効果測定や人材育成に関する講演、セミナー講師、コンサルタントおよびリサーチャーとしても活動。 2006年に「特定非営利活動法人人材育成マネジメント研究会」を設立し、現在、副理事を勤める。 主な著書:はじめての教育効果測定(編著)日科技連出版社 2007年、教育効果測定の実践(編著)日科技連出版社 2012年など
(内容)
2/10に田原さんと学校現場に反転授業が導入されつつある背景を確認し合いました。それを受けて、今回のオンライン勉強会では、企業内教育を実践する立場から考えてみたいと思います。ご紹介内容を2つに分けてお話しさせていただきます。
前半部分では、IDと教育効果測定との関係性を企業の人材育成業務の視点からお話しします。そして、教育効果とは何か、教育効果測定で最もコアの部分に絞り、お話しさせていただきます。後半部分は、企業人材に求められる能力についてご紹介します。その上で、そのような能力を企業では、どのように開発しようとしているのかをご紹介します。そして、それら能力の評価方法について、ゴルフとラグビーをメタファーにして考えていきたいと思います。反転授業が対象とする能力開発を考えるための参考になれば幸いです。
<前半>
・研修開発・運営業務プロセス「HRDサイクルモデル」
・教育効果の定義と測定の目的
<後半>
・企業人材に求められる2つの能力
・各能力の開発方法
・ゴルフ型教育とラグビー型教育から見える役割や情報の位置づけの違い
・各能力の評価方法
第6回反転授業オンライン勉強会
日時 2月26日(水) 22:00-23:30
会場 Web教室システム「WizIQ」
参加費 無料
席に限りはありません。カメラ&マイクなどは必要ありません。
初めて入室される方は、少し時間がかかる可能性がありますので、余裕を持って入室してください。
●Facebookグループ「反転授業の研究」では、995名のメンバーがアクティブに活動しており、様々なコラボレーションも生まれています。
参加希望の方は、こちらから追加申請してください。
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