反転授業と生徒の多様性についての考察
授業形態と学習者の多様性との関係について、非常に詳しい分析記事を見つけましたので、トラックバックしました。
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こちらの記事では、
一斉授業 - 多様性に対応しないがコストが安い
少人数学習 - 多様性に対応できるが、コストが高い
という対立軸を取り、その間に、コストがそれほど高くなく、多様性にある程度対応できる方法として、添削授業やオンライン授業、少人数学習、反転授業を配置しています。
コストと多様性のトレードオフで考えるという視点は、私にはなかったのでとても興味深いと思いました。
記事に触発されて、いろいろと考えてみた結果、気づいたことがあったので、それを書きたいと思います。
1つは、現状の日本の教育システムの肯定が記事の前提になっているということです。
教育の目標が、「効率的な知識の習得、情報処理能力の獲得」ということであれば、向くべき方向性が決まっていて、「多様性」といった場合、それは、いわゆる「進度の多様性」「レベルの多様性」ということになる場合が多いと思います。
同じ方向を向いているベクトルの長さや位置が違うというようなイメージです。
そして、それらを効率よく伸ばしていくにはどうしたらよいか・・・という発想の中で、オンラインで予習させて、達成度ごとに振り分けてサポートしていくというような授業スタイルも提案されているのだと思います。
一方、アクティブラーニングやプロジェクト型学習の場合は、ベクトルの方向性の違いを重要視していると思います。日本の今の教育のあり方を変えていこうというラディカルな試みだと思います。
参考記事
・教育改革実践家 藤原和博氏「アイディアを豊かにし、イノベーションを起こすには?~情報編集力による付加価値創造とリーダーシップ」
・アクティブラーニング 小林先生「学校パイプライン説」からの一連の記事
僕が、これらの授業形式を通してやりたいと思っているのは、多様性を生み出していけるような力を育てることです。
そこでは、多様なメンバーが意見やアイディアを述べ、他人の意見を参考にして、そこにアイディアを受粉していくような活動が期待されています。僕は、ここに、これまで日本でやってきた「知識を効率よく身につける情報処理型の学習」を超える何かを見出したいと思っているのです。
トラックバック元の記事を読んで、なるほどと思ったのと同時に、ちょっと心がもやもやしました。
そのもやもやを明確にしていく中で、考えが整理されてきたように思います。
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