反転授業オンライン勉強会登壇者紹介~杉山史哲さん

反転授業というキーワードで集まってきてくださっている方を、教育の目的という視点で分類すると、ちょっとおおざっぱ過ぎる分類ですが、

(1)知識や学力の習得をITを使って効率よく行うことを目指す。

(2)旧来の教育の枠組みを変えて、21世紀型スキルの習得を目指す。

というように分けられそうです。

(1)に比べて、(2)は、なじみが薄い人も多いと思います。そこで、問題点を把握するためにも(2)の方々の話をまずうかがいたいと思い、第1回、第2回の勉強会では、グループワークなどを通して21世紀型スキルの習得を目指しているみなさんに登壇していただいています。

(2)の立場をとっているのは、主に公教育に関わっている方が多いです。

営利企業である塾や予備校では、「進学」という明確な結果を求められるケースが多く、そのため、「進学実績」「成績向上」を掲げて集客せざるを得ないからです。

だから、グループワーク、学びあいなどを前面に押し出して塾や予備校を展開していくというのは、現状では難しいんじゃないかと、僕は、勝手に思っていました。進学実績はしっかり出して、それをアピールしつつ、内容を少しずつシフトしていくという戦略が現実的なんじゃないかと思っていたのです。

または、グループワークや学びあいによる学習を進学実績に結び付けていくことでアピールしていくという方法になるのかなと思っていました。

でも、そんな僕の予想を、さわやかに根底から覆す試みが、いくつも生まれているということを最近知りました。

小細工なしで、真正面から理念を掲げて、「日本の教育を根本的に変えましょう!」と宣言して塾をやっているのです。

これは、すごいことです。

そのうちの一つが、大阪・東京にて、学び合い、プロジェクト型学習を中心にした教室を運営している杉山史哲さんです。

 

manabiai school 八尾教室

東京・広尾 21世紀を生きる子どもたちのための新しい教室tabler

 

杉山さんとお話したり、杉山さんの文章を読んだりして感じたのは、

「この人には、1つの選択肢しかないんだ」

ということです。

 

2つのうち、どっちが有利かとか、どっちが利益が出るとか、そういうことじゃなくて、杉山さんにとって教育とは、生徒中心のやり方以外ありえないんだということが、杉山さんの発するすべてのメッセージから伝わってくるのです。

10月30日の反転授業オンライン勉強会では、杉山さんがどのようなことを考えて、塾を経営しているのかというマインド部分のお話をたくさん聞けると思います。

杉山さんからのお願いです。話の内容を深められるように、前提知識を読んでおいてほしいとのことです。

下記の文章とリンク先を勉強会までにチェックしておいて下さい。

——-  杉山さんからのメッセージ ——

次回10月30日にお話させていただくことになりました、株式会社フリードの杉山と申します。本日はじめて参加させていただいたのですが、反転授業の勉強会ということで、この勉強会自体もある程度「反転」させることが出来たらいいな、と感じました。おそらく皆様お仕事や授業準備でお忙しい方が多いと思います。せっかく時間を同期で共有するのですから、非同期で予めできるところは済ませておければ、さらに有意義な勉強会になるんじゃないかと感じました。

さしあたって、自己紹介、「反転授業」に関心をもった経緯、等をここに書き込ませていただき、さらに私がどういったことについて話題提供させていただくことが、一人でも多くの方にとって有意義な時間になるのかについてのリサーチも出来ればいいなと考えています。

宜しくお願いします。

自己紹介いきます。

現在の仕事は、大阪の八尾市でmanabiai schoolという『学び合い』やモンテッソーリ教育の考え方をベースにした教室と、東京の港区でtablerというプロジェクト型学習を中心とした教室を運営する会社を経営しております。
あと、それとは別に、教員志望の学生のためのポータルサイト「教員ステーション」の編集長もしております。

経歴等書くと長くなりそうなので、キーワードだけ羅列します。

ウィネトカプラン
反転授業における「個別学習で系統的な学習を済ませておくことで、集団で協同的な学習をする時間をより確保することができる」という側面は、ウォッシュバーンらの提唱したウィネトカプランの目指した方向と一致しそう。

・イエナプラン/ドルトンプラン

日本イエナプラン教育協会
ドルトンプランの教育
イエナプランやドルトンプランの理念や方法論は、反転授業における協同的学習を進める上で参考になりそう。

『学び合い』
「一人も見捨てない」という理念のもと、教師の役割は「目標の設定」「環境の整備」「評価」とし、『全員が出来るようになること』をこどもたち集団に課す考え方及び方法。協同的学習の場のデザインを行う際に方法論として参考になりそう。また、突き詰めると、「なぜ反転させるのか」という原理的なところを考える上でのヒントにもなるかと思います。

ホールシステムアプローチ
企業など、ある目標を共有する組織の会議や、多様な人たちが存在するまちづくりといったようなフィールドに至るまで、とにかく「複数の人」が集まった時に集団をどのような思想・考え方によってデザインすると場が活性化し場の価値が最大化するか、に関する考え方/手法。※「ワールドカフェ」もこの「ホールシステムアプローチ」に括られることがあります。
組織開発やファシリテーションといった分野の概念ですが、原理的には『学び合い』と共通するところが多くあります。これも「反転授業」の場をデザインする時に参考になりそう。


これらの教育思想・教育手法と「反転授業」という方法論は相性がよく、また、「なぜ反転させるのか」「反転させて、どのような授業をしたいのか」「反転した授業によって、こどもたち(学習者たち)にどういった力を身につけさせたいか」ということについて考える際のヒントというか、手がかりになるかと思います。

Intelの考える未来の学校デモ映像



反転授業が前提になってるような感じがしますね。

学習「内容」も、物理等の基礎的な知識を前提に、「みんなで橋を架ける」といったようなものになっています。
反転させるとこんな授業が可能になるよ!とIntelは提言しているのかもしれません。

※ちなみにIntelは21世紀型スキルを提唱する団体のスポンサーになっていたり、カーンアカデミーを国際的に支援していたりします。日本法人においても、イノベーション事業部という部署が、21世紀型スキル育成のための支援をCSR的に行っているようです。

——  杉山さんのメッセージここまで ——

日本中に薄く分散している「生徒中心の教育を塾でやりたい」という方に、杉山さんの話を聞いて、きっとモチベーションがあがると思います。

また、プロジェクト型学習というものが目指しているものについても、きっと理解が深まると思います。

杉山さんのお話をお楽しみに!

 

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■実践されている方、実践を検討されている方、反転授業に興味がある方、ぜひ、つながりましょう。

230名が参加!Facobookグループ「反転授業の研究」はこちら

※グループに参加希望の方は、田原までメッセージ下さい。

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