マスラボ代表 古山竜司さんインタビュー

インターネットがもたらした変化の中で一番大きいのは、

・個人が情報発信できる

・個人が直接たくさんの人と繋がることができる

という2つではないかと思います。

それぞれが、自分の考えていることや、課題だと感じていること、他人に対して役立てることなどをアウトプットしていき、多くの人がお互いのことを知るようになると、お互いにどうやって貢献できるのかが分かり、協力できるようになります。

そのような協力の輪が広がっていくことで、共創(Co-Creation)が起こっていくのではないでしょうか?

マスラボ代表の古山竜司さんは、大阪で小さな塾を経営しながら、毎日、講義動画を作り続けています。その数は、1400本を超えます。

古山さんの頭の中には、ワクワクするような教育の未来のイメージがあって、それを実現するために、コツコツと進んでいるのだそうです。

古山さんは、どんな未来を創ろうとしているのでしょうか?

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成績を気にしたことはなかった

―― 古山さんはマイペースで自分の道を進んでいる人だなという印象を持っているのですが、どんなふうに育つと自分の道を進めるようになるのか興味があるんですよね。子どものころは、将来どんな仕事をしたいと思っていましたか?

小学生の頃は、「ダチョウに乗って走る」ことが夢でした。仕事という価値観がその当時なく、何か 海外にいっていろんな人と仕事ができたらいいなぁと思ったりしていました。とにかく、明確にこの 職業というのはなく、どんな仕事もしてみたい。すごいなぁという感じでした。小学生の頃からよく 本を読んでいたので、そういったいろんな仕事に対する大人の想いというのは感じていたんだと思い ます。

―― 仕事という価値観がなかったというのは面白いですね。大人になることをポジティブに捉えていたんですね。古山さんは、音楽や数学が好きだということなのですが、音楽や数学に興味を持ち始めたきっかけは?

音楽は小さい頃からピアノやエレクトーンを習い事としてやっていたことと、数学は単純に解くのが 楽しかったからですね。どっぷり使ったのは、高校になってからで、高校は吹奏楽部で中学はサッカー 部だったので、経験で負けても、音楽の聴く耳だけは負けないでおこうと毎日ラジオやCDを使って曲 名とフレーズを覚えたりしていました。数学の方は自分で定理を証明するのが好きで、どんどん自分で 進んでいきました。すると、教えてもらうより断然自分で学んだ方が楽しいことに気づいたんです。た とえ、それが間違いであっても自分のペースで自分で考えることって幸せだなぁと感じました。

―― 問題を解けたという結果ではなく、「問題を解いているのが楽しい」というプロセスに気持ちが向いているんですね。教えてもらうよりも、自分で学んだほうが面白いというのは、今の古山さんの活動に繋がる考えがすでに出てきているのが興味深いですね。

数学と音楽は、古山さんの中では別々のものなんですか?それとも、共通している感じなんですか?

私の中では、別々のものですね。たまたま大学で学んでこの2つが関係があるんだということを知ってすごいなと思ったんですけど、もともとは、音楽は習い事でやっていて、数学は教科の中で好きということだけでした。勉強に疲れたら音楽を聴いたりとか、ラジオを聴きながら作業をするのが好きだとか、そういう感じでした。大学に入って音響学を学んだときに、今まで音楽が気持ちいいと思っていたのは理由とか、歌詞が思い出される理由だとか、そういうのが分かってくると面白くなりました。

―― それが何の意味を持つのかとかが確定していないものを、面白そうだということだけで広げていくと、モヤモヤした中で好きだとかが決まってきたり、うまくなってきたりしますよね。そして、後からそれが理論化したりすると、「あああー、おもしろーー」となるんですけど、理論を先に教え込んじゃうと面白くなくて、自分のものにならない気がしているんですよ。数学も、自分なりにやった領域があって、後から理論が来るとおもしろいですよね。受け身の人は、このモヤモヤの領域が小さいんですけど、古山さんは、モヤモヤの広がりが広いということを感じるんですよ。言語化されたときに感動する準備ができていて、なんとなく好きだというだけで、広げていける。

そうですね。裾野を広げておくことが自分にとってプラスになるということを、子どもたちにも教えておかないといけないですね。塾で教えていると、「それはテスト出ますか?」「覚えておかないといけないですか?」とプラスかマイナスかで判断しているけど、それは将来どうなるかわからないから、楽しいと思えるのであれば広げていったほうがいいと、ずっと子どもたちにも言っているんですね。

―― それは、古山さんの中で実感があるんですね。

そうなんです。よく「無駄な科目」とかいうじゃないですか。古文はいらないよ!とかね。でも、勉強していると、全く初めての古文を自分の力で読めるときが来るんですよね。そのときの感動ってすごいですよね。そういう感動まで連れて行ってあげるというのが大事だと思っています。

大学で芸術工学科に入って、その理念が「技術の人間化」というものだったんですけど、それを学ぶためには幅のある人間にまずなって、そこからとんがっていくということなんですよ。

何に役立つのかが分からなくても幅広く学ぶのが大事というのは、古山さんの大事な考え方になっていると思いました。役立つかどうかよりも、「面白い」と感じることが大切にされています。

そのような考え方は、どのようにして生まれてきたのか、さらに探っていきました。

 

偏差値って見ていなかった

―― 大学で音響学を学ぼうと思った理由は?

高校の頃、近くにある阪大、京大がいわゆる賢い子がいく学校で、高校も地元の進学校に進んだので すが、その理由は自転車で通える距離だったからで、成績もあまり気にしたことはありませんでした。

一応、どこか決めないと行けなかったので、全国大学図鑑で色々とみていると、九州芸術工科大学 (現九州大学)という単科大学を見つけました。芸術工学という珍しい学問でしかも音響設計という 音に関することを学べるということで、日本に唯一の学部ということで志望しました。

高校で吹奏楽 部や合唱部でコンクールなども出ていたのですが、プロになるには経験年数がないし、自分は理系で 数学や物理が好きだから、そういう人たちの役に立つ仕事をできればいいなぁと思って、志望したと 思います。

―― 成績のような他者評価がそんなに気にならずに、自分の気持ちに従って行動されていると思いますが、そういう 行動ができる人は少ないと思います。どうして、そのように行動できるのですか?

むしろ自分の人生なのに他人の評価や相対評価で人生決めるのはなぜでしょうか?

たぶん親から~しなさい と言われたことがほとんどないからだと思います。学校も自由に休みました。ちょっと哲学考えたいのでし ばらく学校休みます。みたいな感じで、それを絶対あかんとは言わなかったんですね。なんでだろう?

だから、僕の中では自分のやりたいことをやるっていうのが普通のことで、あまり他人の評価を気にしても しゃーないなと思ったんです。自分で自分が好きであればそれでいいと。完全にナルシストですね。

―― 僕は、団塊ジュニア世代で、少しでも偏差値のいい大学へいくために競争しているような文化の中にどっぷりつかっていたから、今は、偉そうなことを言っているけど、当時は、偏差値のいい大学を目指して競争していたわけですよ。そういう時代背景を考えたときに、「面白そうだ」という理由で大学を選んでいくって、珍しいですよね。

珍しいと思います。大阪にいて、九州の大学を受けるというと、みんなから、ふつう、「えーー」って言われますよね。どうして大阪大学とか、京都大学じゃないの?って。でも、進学校だったから、めっちゃ賢い子とかいるじゃないですか。たとえ受かったとしても、勉強でこの人たちに到底かなわないなって思うことあるんですよ。運よく音響学というものにであったので、そちらに行くことになりました。

私は高校進学のときも、偏差値って見ていなかったんですよ。近所にあるからってことで行ったら、進学校だったという感じだったんですよ。

親が自由にやらせてくれる人だったので、自分で大学選んで、ここに行くからと言ったら応援してくれたので、ありがたかったですね。

自分の気持ちに従って行動すると、感情と行動が結びつくから、「面白い」と思える状況が生まれやすいんですね。そうすると、ワクワクしながら学ぶことができるから、好奇心に従って世界が広がっていきます。一方で、感情を抑えて、外からの指標に従って選択すると、感情を抑えているのでワクワクが起こりにくいし、最低限の労力で最大の他者評価を獲得するように行動していくので、「無駄な勉強」をしなくなります。ワクワクに支えられた「無駄な勉強」が、古山さんに幅を与えているんですね。

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多様性が進路の決め手になった

―― 音楽を学んだことは、古山さんの今の生き方にどのように影響していますか?

音響設計で学んだことは、まずはアウフヘーベンの考え方を大切にしなさいという建学の精神でし た。技術の人間化や芸術と工学の融合なんてめっちゃ面白いですよ。多様な価値観があるなかでそれを うまくミックスさせて考えるというのは今とても役に立っています。固定観念に縛られることがない僕 にとってはぴったりの学部でしたね。

ワオコーポレーションに入社したいきさつは?

就職活動は、特に業界をこだわることなく色々とみて回りました。工学系、システム系から金融系、 出版などみていったときに、大阪に本社があって、色々な事業を展開しているワオに縁がありました。自分のキャリアを考えたときに、色々な部署を回って仕事の幅を広げることができて、スキルも身 につけることができるという多様性が決め手になりました。

―― 複雑系の研究をしていたときに、僕の恩師が「自己組織化は異なるものが接するインターフェースで起こる」と言っていて、あるとき、地球の写真を見せながら、「どこにインターフェースがありますか?宇宙と地球の間にある薄い大気層がインターフェースです。生命はこのインターフェースで自己組織化したんです。」と言っているのを聞いて感動したんです。それ以来、異なるものが接するところに様々なものが自己組織化していくというイメージがずっと頭の中にあるんですよ。だから、異なる考えの人が話し合いをしながら学ぶというのも、すごくピンと来たし、面白いなと思ったんですよ。

反転授業や、マスラボでやっていることは、大学時代に学んだアウフヘーベンと結びついているのですか?

最近考えているのは、「教える」ということと「学ぶ」ということの境目というのは、それに近いものがあるということなんです。以前は、先生は「教える」ばかりだったけど、最近は、「学ばせる」ということが言われるようになってきたんですけど、どっちかじゃないんですよね。教えるときと学ばせるときがあって、そこの境目をうまいとこ見極めてあげるということが教師の役割になってきたら、子どもたちが自発的に学べるようになるんだと思います。

学べるということも伸ばさなければいけないんだけど、そればかりをやると、教わるということがなくなっちゃって、自分で何とかしようとか、調べれば何とかできるとか言っちゃうけど、隣の人に聞いて教えてもらったり、逆に教えてあげたりすることもできれば、さらに上のステップに行けるのかなと思います。

―― 学び合うことができる力というものがありますよね。

自由に学べるというのはある意味理想だけど、武雄の反転授業を見ていると、小学生の学び合いと中学生の学び合いとでは段階が違っているんです。言語能力が違うから、小学生の場合は、動画で学んできたことを確認し合うのがメインになるけど、中学生になると、「動画ではこう言っていたけど、俺はこう思うぜ!」みたいなところまで踏み込めるんですよ。「それは、どういうことなの?」ってさらに問いが生まれたりもするんですね。

武雄みたいに学び合いの文化が小学生時代から段階を踏んで育っていったら、この子たちが大学生になったときには面白くなるだろうなと思いますね。

教育に関わるようになったきっかけ

―― 教育に関わるようになったきっかけは?

ワオの配属先が集合授業部門の能開センターというところだったんですね。僕自身は、e-learningを志 望していたので、これは始めがっかりしましたね。パソコン好きなのになぁと思ったんですが、まぁ将 来やるときに、現場の感覚をもっていることは大事だなと想ったんです。こういう切り替えが僕の強み でもあります。

うちの母方の家系は代々、教師の家系だったんですが、学校の先生はしんどいから ならんほうがいいよと言われていて、結局塾の先生になったわけですから、教育と古山家は切っても切 り離せない関係なのかもしれませんね。

―― 能開センターでの仕事というのは、ワオが経営している塾で講師として生徒に授業をするということ ですか?

はい。2005年に入社して、年長から小6の中学受験の算数や理科を指導していました。どちらかという と最難関クラスの担当が多く、好奇心旺盛で、いつも目をキラキラさせている子達の指導でした。

特に低学年の指導は、ふるやまんとして保護者からも絶大な支持を得ていました。

→ 低学年プロジェクト責任者 古山竜司

―― その後、新規事業の部署に移動したのですか?

講師として何年もやっていたのですが、自分としてはスキルを広げたいというのがあったので、まずは アプリ開発の部署に移動しました。そこでプログラミングなどを学び、英語のアプリなどを企画する 中で、もっとICTを入れた教育をしたいと思ってたんです。アプリでいろんな人と出会っていたら、も う確実にその時代がくるよね。って思っていたらカーンアカデミーに出会ったんです。そして教材開発 をしながら新しい時代の教育を考えるというミッションを会社から与えてもらいました。

―― 多様性と言うのが、芸術工学を選んだときも、ワオを選んだときも共通の要素になっているような気がするんですけど、いかがですか?

就職活動のときは、これを一生の仕事にするというのが正直見えていなかったので、幅広く学べるということは自分にとって財産になると思いました。

ワオは、教育だけど、eLearningとかに力を入れていたりとか、映画を作ったりとか、塾じゃないじゃんみたいな感じでいろいろやっていたんですね。ワオに話を聴きに行ったときに、「いろいろな部署を経験できるよ。」と言われて、まだ20代だったから、自分の幅を広げていけそうだと思って決めました。

幅を広げることが大事だという考え方があると、自分の希望通りにいかないときに、「幅を広げる時期」というふうに切り替えて、ポジティブな受け止め方をすることができるのだと思いました。そして、その場で一生懸命に取り組むから、力が蓄えられて、それが後から生きてくるんですね。

反転授業との出会い

―― 反転授業に興味を持ったのは?

ワオで新規事業の部署でしたので、新しい教育について色々と海外も含めて研究していました。その中 でカーンアカデミーの存在をしって、次の教育はこういう教育になっていくんだろうなと想ったのがき っかけです。ただ、その頃はアプリの企画などもあったので、心の中で温めていて、自分の子どもに動 画をつくって試してみるということになったのです。

―― 会社の中で新規事業の部署というのは、試行錯誤をしながら将来的に収益を上げられそうなところを探していくというところだと思います。古山さんは、ワオの中でどのように評価されて、新規事業の部署に配属されたのだと思いますか?

自己評価で来年度の目標というのを人事に出さなくちゃいけないんですよ。そのときにずっと「今、来ている波に乗り遅れると、起業としてやばいっす」みたいなことを言い続けてきたので、「言うんだったら、やってみれば」みたいな感じになったんですよ。

ワオには「やりたい」と言うと、すぐやらしてくれるという企業風土があるんですよ。評価が出なかったら、「ダメねー」ということになるんですけど、社員が自ら手を挙げれば、「やってみれば―」ということになるんですよ。そういう風土があるなということをアプリの部署にいたときに感じていたので、私も手を挙げ続けていれば、なんとかなるんじゃないかなと思って、手を挙げ続けていたんですよ。

―― それで、新規事業として何かできないかということで、試行錯誤する中で、動画を作ってお子さんに学ばせ始めたということなんですか?

はい。そうなんです。

カーンアカデミーを知っていたから、動画が絶対来るぞと思っていました。受験サプリとかが出ていたけど高校生対象だったので、小学生対象のものを出していったらどうかと考えていました。通塾するのは中学生くらいからが多いんですけど、親は小学生にも勉強させたいと思っているので、そこを対象にしていけるんじゃないかと思っていたんです。家にいながらにしてトップ講師の授業が受けられれば仕事になるんじゃないかというざっくりしたイメージがありました。それで、自分の子で試してみたんです。

―― 自分の子どもに動画を作って試してみていかがでしたか?

子供は大喜びでした。むしろ、私が教えるよりもいいと言われました。カーンさんのプレゼンに出てきた話と同じですね。それで、ホンマだなと思ったんです。

分からなかったところをもう一回教えてと言ったら、親だったらイラッとするじゃないですか。でも、動画だとマイペースで分かるまで繰り返して聞いたりとか、分かっているところをフンフンと聞かずに飛ばせるわけですね。

当時、小学1年生だった娘が、「これは、もう分かったから解説聞かないで飛ばそう」ということを判断してやっているのを見て、これは、マイペースで学べるからいいなと思いました。

―― 古山さんは、佐賀県、武雄市の反転授業用の算数の動画のほとんどを作成されていますが、どのようなきっかけで古山さんが作成することになったのですか?

武雄の教育委員会の方が「反転授業」にもっておられて、教育の会社であるワオを訪問されたことが きっかけです。

それまでは、東進のように、黒板の前で先生がたっていてカリスマ講師が教えるという 風に考えていたのですが、チャプタの動画をみて、そして、我々が考えている教育の未来像を話すこと によって明確にイメージすることができたと想います。その時は、小3の「円と球」でプレゼンをしま した。そこから先は、武雄動画物語がかけるくらい壮大です。

―― 武雄動画物語を短くまとめると、どうなりますか?

短くまとめると、

塾講師が学校教育を変えようと意気込んでプレゼンしにいく

⇒公教育の現実を知っ て凹む

⇒それでもスピード感をもって進む

⇒公開授業で子ども達の表情をみてこれは教育を変えていけ ると確信する

⇒お正月返上で夜通し作業する

⇒一斉にスマイル学習(武雄式反転授業スタート)

⇒概ね 好評でほっとする。

みたいな感じです。

―― そのプレゼンを古山さんがすることになった理由は?

もともと新規事業のプレゼンで、娘にしていた映像授業で低価格帯で販売し、親のコンサルタント をすることで収益をあげていくということを役員の人にプレゼンをしていました。その中で、古山はキ ャプチャ動画で面白いことをしようとしていると考えてくれていたみたいで、その場に呼ばれ、すぐに プレゼンできるか?と言われたんです。

いつでもカードを持っておくことは大事で、はい。できます。 といってすぐにプレゼンできました。

いつも考えていることだったので、プレゼン自体はそんなに苦労 することなくできました。

―― 手を挙げ続けていたら、そこに武雄が繋がってきたじゃないですか。それは、古山さんが人生をイメージするときにどういう影響を与えましたか?

自分から動いていると、チャンスは必ずやってくるなというのは常々思っていたんです。やらされている仕事というのは、自分で視野を広げていけないですよね。

新規事業をやるのであれば、広く知識を蓄積しておくと、どこかでつながる人が出てきて、そのときに引き出しをどんどん開けて、「これもあります、あれもあります」というように見せられるとチャンスが広がるから、引き出しは増やしておかないといけないなと常々思って仕事をしていました。

古山さんのお話をうかがい、自分で考えて、世界に対して仮説を立てて、そこに対してたとえ無駄になってもいいから試行錯誤をしてくからこそ、いろんなものが蓄積して、チャンスが来たときにそれを掴むことができるのだなと思いました。

反転授業型の塾、マスラボを設立

―― マスラボをはじめようと思った理由は?

ずばり自分の力でどこまでできるかやってみよう!です。

講師としては、飯が食べていけるくらいのレ ベルはあると自負しているので、人生一度チャレンジしてみようと思いました。色々と理由はあるんだ ろうけど、やっぱり雇われ講師だと、生徒は選べないし、生徒も先生を選べないわけです。

それって すごくおかしいなぁと思ってて、今の時代だから世界のどこにいても先生の授業が受けられる。これっ て当たり前なのに、塾にいくとクラスによって先生が違う。教え方も違う。昔の寺子屋みたいにそこ に行けば大好きな先生がいて学ぶことができる。教えてもらうのではなく、学べる場にしたいなと思 ったのです。

そして、自分自身もただ、塾の講師としてだけではなく、自分の成長もできる環境に身を おいてみたかったんですね。

会社は安全だけれども、その安全さ故に自分のしたいことができないんで すよね。これからの時代はそんな時代じゃないと思っている先生が安全に仕事してたらあかんと思った んです。もっともっと貪欲に学び、変化できる場にできればいいと思っています。

―― 「自分の成長もできる環境」というのが、古山さんらしいですね。

娘も中学校進学で環境が変わるので、自分も環境を変えてみたいなというのがありました。

先生として生きていきたいなと思っていて、ワオの新規事業を進めていって5-6年のスパンで大きくしていくという道もあったんですけど、ワオは企業として大きいので、ワオが考える時代のスピードと、「反転授業の研究」で感じる時代のスピードとがずれてくるんですね。

それで、大きく温めてきて、別のところでもっといいサービスとかが出てきたら、きっと後悔するなと思ったんですよ。自分の中で試してみて感じることを世の中に発信していって、子どもたちにも伝えていけたらいいなと思いました。そのほうが、自分の生き方に合っていると思って選択したんです。

―― 自分の感覚と行動を一致させる方向に動いたってことですかね。

そうですね。ワオで過ごした時間が成長の源だったのでワオには感謝しかないんですけど、次の人生のステップということを考えたときに、自分の一番やりたいことをやれるのが一番輝けると思いました。

それが失敗したとしても、「失敗したな、また、次のことやればいいか」って思えるはずなんですよ。子どもたちには、「そう思えるようになろう」って言っているのに、自分自身が企業の中に入って発信するのはちょっとちがうかなって思ったんです。

―― ああ、それは分かりますね。自分で「こういうのがいいんだ!」って発信していると、それが自分に返ってきますよね。それで苦しくなってきて、矛盾を解決する方向に動くんですよね。

そうなんです。言っていることは、自分でやらなきゃだめだよっていうのがありましたね。

――これからの時代というものを明確にイメージしたときに、そのイメージと自分の現実とを一致させる ように動いたんですね。時代をイメージする力というのも古山さんの特徴だと思います。それは、どの ようにして養われたと思いますか?

時代を明確にイメージする力はあるかどうか分かりませんが、これからの時代はこういう時代だから こうしなくちゃいけないという形で動いていないということだと思います。

パソコンの時代だから、英 語の時代だから、という風に動いたら、形だけで終わってしまいますけど、たとえば、反転授業の研 究でもおなじみの井上さんにプログラミングに興味があるならCouseraでMachineLearningがあるから やってみるといいよ。と誘いを受けました。結構忙しい時期だったんですが、できる限り、自分の可 能性のあるチャンスは広げたいと思っています。そうして受けてみると、MOOCsとは何かが分かるんですね。

僕の場合はこういう風に具体的に教えてくれるメンターみたいな人が、もちろん田原さんもそ うですがたくさんいます。こういう場合はこの人に聞いてみようかなぁとか、この人の活動はどういう 背景があってしてるのかなぁとか考えながら接していると、これからの時代はこういう時代になってい くんだなぁという実感があります。と同時に、なっていくんだなぁという想いではなく、そういう時代 に僕たちがしていくんだ!という強い気持ちをもっているのも事実です。だから、人や情報が集まって くるんでしょうね。

自分自身が成長していくと、自分のありたい姿と現実が重ならなくなってきます。そのときに、古山さんは、自分のありたい姿に現実を合わせていくんですね。でも、これまでの古山さんの選択の仕方をうかがっていると、それがすごく自然なことのように感じました。

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マスラボの特徴

――マスラボはどんな塾ですか?

塾は会社と一緒で生き物だと思っています。だから、その年、その年で塾の印象も変わっていくんじゃ ないのかなって思ってます。ただ、設立の理念としては、

マスラボの理念

にあるように原点 は自灯明です。仏教用語らしいのですが、この言葉が書かれた掛け軸をみて、あぁこれだなぁと思ったんです。自らを拠り所として生きる。自ら灯を明るくできるって素敵ですよね。

塾としては積極的に 反転授業スタイルを取り入れています。新しい概念導入は事前に動画をみてきてもらって、塾では演習 ばかりを行っています。基本、パソコンやスマホがないとできないんですが、マスラボは募集をホーム ページからしかしていないので、そういうのが元々できる人が集まってきているとも言えますね。

学年も教科もバラバラです。自由に学んで、自由に質問してという形です。昔の寺子屋はそうだったと思 うんですよね。効率的に学ぶことあまり良しとせず、自分で納得できるように学べばいいと思います。

私も分からなかったらその場で動画を調べたりしてキュレーターの役割を果たしています。世界には何 万人という先生がいます。すぐにいい動画が見つかります。 テキストを使って教えることもあります が、きちんと生徒たちと話をしながら、理解度や習熟度に合わせて個別のカリキュラムをつくります。 このあたりは個別指導のいいところですね。

マスラボ最大の売りは勉強って楽しい!って思えること です。ピリピリした緊張感がなく、ふるやまんせんせいが一人でやってる個人塾なので保護者との距離 も近く、すぐに授業のフィードバックができます。 何より私が一番教えること、学ぶことを楽しんで います。

―― 反転授業の教師の役割の話になると、放置と管理のジレンマみたいな話になって、その間のモヤモヤの部分に「支援」というのがあるというような話になりますよね。古山さんは、マスラボでどのようにしているんですか?

できる子とできない子を組み合わせたりとかして、理解度の差を利用して学び合いが起こるようにしています。理解している子は説明する力をつけさせて、理解していない子は、人から教わるという力を学ばせています。問題を与えて、分かっている子はどうやったらより分かりやすく説明できるかということに取り組ませています。

分からない子は、先生相手だと、「分からん」とか「もう無理」とか言うんですけど、友だち相手だともうちょっと細かく言うんですよね。友だち同士だと、先生に対するときとは違って、発問がうまくいくというのはいいことかなと思っています。

両方グダグダになるときもあるんですけど、そういうときは、前で白板使って説明しますね。そうすると、途中で、「もういい、分かった。自分でやらせて」と言い始めますね。こっちは、説明する気満々なんですけど・・みたいな。(笑)

―― マスラボでは、動画を使って一人で勉強する時間と、学び合いの時間とは、どのように分けているんですか?

基本的には一人なんですけど、同じことを勉強している子たちが集まっているときには、90分授業の半分くらいを学び合いにしたりしています。

―― 生徒の学習進度のばらつきが大きくなってきたときは、どうなるんですか?

そうですね。今は、重なりが大きいからいいですけど、バラつきが大きくなったら、どうするかを考えなくちゃいけないですね。

――「分かりやすく教えてくれる先生」というのをウリにするのは価値を伝えやすいですが、「自分で学 べるようにする」ということをウリにするのは価値を伝えるのが難しいですよね。どんな風にして生徒 募集をしていますか?親御さんの反応はいかがですか?

まずは、ほとんどの人が私のブログを見られて私の人となりを知って問い合わせを頂きます。ブログも 件数は3500件ほどあるので、全部みるのは大変ですが、それなりの数を見られて問い合わせ頂きま す。なので、基本的には成績よりも生き方(考え方)を大事にする塾だということは理解していてもら っています。

募集については、ホームページだけで募集しています。あとの多くは、口コミで来られま す。高槻の田舎で隠れ家的な塾ではあります。メイン通りではないので知る人ぞ知る塾ですね。

親御さんの反応は、とてもいいです。マスラボにきて、保護者の方が口をそろえておっしゃるのが、勉 強の優先順位がまずあがっていくことです。勉強が楽しいということを伝えるのもそうですが、きちん といろんな生活の中での優先順位をはっきりとさせて、勉強の順位をあげてあげることってすごく大切なことだと思うんですよね。それだけで、成績も自然と上がって来ます。当たり前のことです。

自分で学べるってすごく難しいことなので、すぐに成績をあげたい人はうちの塾はあっていませんと 正直にいいます。受験生なんかは、みんな頑張るから、魔法のように成績をあげることなんてよっぽど 努力しないと無理です。単純に暗記をさせて、点数をあげることができてもそれは点数をあげただけ で、あなた自身の学力があがったわけではないですよね。というような話を体験授業の後、保護者の方 と本人にします。それでも、学びたいならぜひマスラボにきてくださいといっています。そうはいっても、体験授業をした後の入会率はほぼ100%です。マスラボの考え方に共感し、満足して いただいていると思います。

―― 自営業になると、将来が不安定になるじゃないですか。ワオにいたときに比べて、そういう不安を引き受けてやっていくことになると思いますが、それについてはどのように考えていますか?

確かに、収入面で生きていくための不安というのは、自営業だったら必ず出てくるなと思っているんですけど、ダメになったときは、ダメになったときだなと覚悟を決めてしまったら、意外と大丈夫だなと、そこを緩く考えていて、いつも家族に怒られるんですけど(笑)。

自分の中では、生徒が来てくれているので、そこでちゃんとした教育をやっていれば必ず結果が出てくるはずだと思っています。自分に自信があるということと、やっていることが未来につながっている教育だから、これがもし失敗しても、その失敗を共有すれば未来へ繋がっていくはずだと思ってやっています。

公教育を変えるのは、校長先生が変わったら元に戻ったりして難しいですけど、私塾なら自由にチャレンジすることができます。自分のやっていることは、間違いなく未来の教育だから、そこでノウハウを蓄えて、動画を共有して、他へも広げていくことができたら、すごいことになるじゃないですか。そう考えると、ワクワクしてきます。

―― 塾に対して学校の成績を上げてほしいと思っている親御さんが多数派だと思います。塾経営者は、自分がやりたい教育と、親御さんの期待に応えるという2つの狭間で悩みながら、期待に応えるという選択をするケースが多いんじゃないかと思います。古山さんがやりたい教育をおもいっきりやっているマスラボがうまくいったら、「それをやっても、ちゃんと暮らしていけるんだ」という希望が生まれると思うんでうしょね。マスラボはスタートして半年ですけど、体験授業をした人が100%入塾したりとか、親御さんからも支持されていますよね。その秘密は何なんですか?

チラシを配ったりしていないし、家の前に看板があるんですけど、田舎すぎて誰も見ないので、募集はホームページとブログだけです。体験授業に来る前に、「こういう思いで教育をやっています」と言うところを、かなり読んできてくれて、いいなと思った人が来てくれています。

集合塾だと自分の子どもが埋もれてしまうとか、詰め込みが嫌だとかという思いを持った親御さんが来ていますね。そういう方たちはニッチなんですけど、必ずいるなと思っていたので、そういう人たちとうまく合致すればいいなと考えていました。

やっている内容は、学校の内容を子供に合わせて動画を自由に学ばせているだけだから、親にとって適当にさせられている感じというのはないんですよ。家に帰って復習したときに「分からん」となるよりも、「もう一回、古山先生の動画見よう」ということになると、親も、自分の子どもが勉強する意欲があるんだなと思って満足してくれますね。

―― ビジョンを最初から明確にしているからマッチングがうまくいくんですね。普通の塾だと思った人がマスラボに来て、普通の塾でやっていることを期待されると苦しくなりますもんね。

そういう人も来られるんですけど、「やれません」と言うんです。「学校の成績を上げて下さい」と言われたら、それは、そういう塾に行ってくださいって言っています。その場の点数を20点あげる教育と、その子が一生勉強に前向きに取り組めるようになる教育とは違う教育だから、それを理解した上でウチを選んでくださいねってはっきり言うんですよ。

―― それをはっきり言うのは大きいですね。

はい。成績すぐには上がりませんよってはっきり言いますから。ただ、3カ月とかというスパンで考えると、必ず上がってきますよとも言います。自分で学べるようになっていくという塾なので、動画を使っていますけど、考え方としてはすごくシンプルかなと思います。

――Facebookを見ていると、古山さんはどんだけ仕事しているんだーと思うんですけど、古山さんの1日のタイムスケジュールを教えてください。

6:00 起床 犬の散歩

7:00 帰宅 家事(風呂掃除とか洗濯物とか)

8:00 セーフティーボランティア(交通安全のおじさん)

8:30 帰宅 家事(掃除)

9:30 動画作成(武雄とか授業で使う予習動画とか)&教材作成

13:30 昼食&昼休憩

16:00 授業準備!

17:00 授業(小学部)

20:00 授業(中学部)

22:00 夕食&風呂

23:00 犬の散歩

24:00 一日の振り返り

25:00  就寝

自分のやりたいことがはっきりしているから、一貫したアウトプットをしていくことができて、それを見て「いいな」と思った人が集まってくる。まだまだニッチだけど、来てくれた生徒の力をつけていくことで確実に未来が創られてくる。古山さんの活動を見ていると、木が養分を吸い上げながら育っていくような力強さを感じました。

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様々な活動に取り組み、未来を探る

―― 数学コーチャーとしての活動は?

公益財団法人である日本数学検定協会認定のプロA級の数 学コーチャーです。数学を解く力だけでなく、人に教えることができる資格です。それなりにハードル は高く、課題も大変でした。

活動としては、本の執筆、コラムの作成など書き物系、出張講座、勉強 会、映像授業などの講座系、そしてサイエンスカフェなどの講演系です。これらはもちろん、数学検定 協会からの推薦もありますが、数学コーチャーは日本全国にいるので、その繋がりで仕事が生まれた りします。

数学を学びたいけれど、どこで教えてくれるかわからないという層は一定数いますので、 まだまだ活動の範囲は広がりそうです。

―― 数学コーチャーの活動というのは、古山さんの活動の中でどのような位置づけですか?

数学コーチャーの活動をすればするほど、数学というのは魅力のある科目だなと思うので、将来的 には、数学の講座や講演をいろんな場所(オンラインやオフライン問わず)でやってみたいと思って います。活動の中での位置づけは、自分の立ち位置、現在地を示してくれると思っています。

数学コー チャーは全国にいて、年に一度、コーチャーの研修会が東京と大阪で開催されます。そこで、それぞれ 塾の先生や学校の先生だけでなく、普通の会社員の人や主婦の方も参加されています。そういう中で数 学という可能性を知ったり、他の先生の授業をみることによって、自己満足になることなく、もっと もっと高みを目指そうと頑張れるんですね。!  「数学で人を幸せにする」というのが私のミッションなので、そういう活動の原点となれる場所で す。毎年研修会には参加しています。同窓会みたいな感じでとても盛り上がって楽しいです。

―― オンライン講座もやっていますけど、あれは、古山さんの中では試行錯誤の1つということですか?

WizIQを使って、高校生の数学を指導しています。問題は事前にLINEで教えてもらって、それを元に授業をします。基本、マンツーマンで家庭教師の位置づけです。

一人で数学を学べない高校生って、結構いるんですよ。オンラインなら夜でもできるので、塾に通えない生徒でも教えることができます。一緒に学ぶこともできるし、ノウハウを溜めていくといろんなことができそうです。

また最近は、twitterなどでもオンライ ンで大学生に授業をしています。講座の要素によって使い分けている感じですね。 将来的には一対多 でチャレンジしてみたいです。

―― どうしてオンライン講座をやろうと考えたのですか?

田原さんがWizIQを使って、オンライン会議をされているのをみて、これは普通に授業でも使えるな と思ったのがきっかけです。もともとワオにいた頃から、オンライン家庭教師という部署があって、そ こでも同じようなことをしていました。しかし、コスト面で実現は難しいかなと思っていましたが、 WizIQは驚くほど安く、しかも録画機能もある。

英語だったのですが、操作も簡単だし、Mac& Windows問わずできるという利点もあり、迷わず契約しました。初めは、質問対応に使っていたので すが、オンラインでもいいから先生の授業が受講できないかという問い合わせが何件か入って来たの で、それなら試しにやってみようということでやっています。現在は、高校生と大学生が中心です。

―― 生徒は、どのようにして古山さんにたどり着いたのですか?

どの生徒もネット経由です。あとは、人の紹介です。「高槻 数学」で検索1位とSEO対策も上手く いっていると思います。特に募集はしていなかったのですが、オンラインやっているというのをブログ にかいていて、うちの子もできますでしょうか?という感じでした。

―― 古山さんは、『これだけ!微分積分』という本を出版されましたが、書籍の執筆をしてみていかがでしたか?

本を書くというのは自分の勉強にすごくなります。そして、やはり大変でした。もともと書くのは好き だから大丈夫かなと思ったんですが、教えるのとはまた違う、本ならではの難しさがありました。

 

―― 本ならでは難しさとは?

授業だったら、途中で修正が可能ですけど、本はその順番が何より大切で、どのように伝えて行くの が一番読者にとって分かりやすいかというのに苦労しました。ポイントを何度も繰り返して、重点的に 教えるということが授業ではできますが、本だと、「それ、さっき書いてたやん」ってなりますから ね。

なので、今回の書籍は、そういう意味では数学の体系化を考えるきっかけになりました。

でもいい経験です。またチャンスがあれば出版してみたいですね。 何より、自分の想いをきちんと読 者に伝えられる機会があるってすごく幸せだなぁと思って、幸せを毎日噛み締めながら書いていまし た。出版社の方の校正にも助けられて、非常に分かりやすい本になったと自負しています。

―― 今後、どのような活動をしてみたいですか?

本当の学びの楽しさを感じながら成長できる環境の塾を目指します。成績があがる塾を目指さず、マス ラボってなんか良いよねっていう塾を目指したいです。 今は独立して毎日必死に働いている状況です が、落ち着いたら、ライフワークとして幼児から社会人まで学べる、算数、数学の学習サイトをつく りたいです。今は動画を貯めていて、1400本を超えたところですが、まだまだ足らないんで、これから もつくり続けます。

―― ここでも明確な未来がイメージされていて、そこに向けてコツコツと作業を進めているんですね。新 しいサイトができたら、どんなことが起こりそうですか?

新しいサイトができたら、数学が好きな人、学びたい人がもっともっと増えると思います。好きな人 が増えると雇用が増えるので(学びたい人はお金をはらっても学びたい)、経済効果もありますね。

そこで人と人がであって、コラボもできるかもしれないですし、何が起こるかは分かりませんが、今ま でそういう場所っていうのはサイエンスカフェみたいなところにいかないとなかったから、そういう環 境をつくれたらいいなぁと思っています。そして、世の中から数学が苦手な人、嫌いな人を少しずつな くして、日本の教育に貢献すること。これが一番のミッションです。

古山さんは、収益化している仕事の外に、いろいろな試行錯誤を同時にやっています。これは、いつも様々な可能性を探っているからだと思います。

お話をうかがって、古山さんのように、未来を見据えて目の前の現実に取り組んでいる人たちが、お互いに共鳴しながら繋がっていくことで、大きな動きが生まれてくるはずだという確信が生まれました。

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