日本で反転授業を成功させるためには
約1年前、反転授業のことを知りました。
そのとき、僕の心をひきつけたのは、アメリカの教育省が、
「E-Learningだけよりも、教室での授業だけよりも、2つをミックスした混合授業のほうが効果が上がる」
という研究結果を発表したという情報でした。
ネット予備校を9年間続けてきて、さらなる発展の可能性を探していた僕にとって、「動画講義にに教室でのアクティビティを追加する」ということが、発展への道に見えたのです。
そこで、アメリカでの実践例をe-bookで調べたり、Khan Academyの創始者のサルマン・カーンのTED動画を見たりして、Flipped Classroomをどうやって日本に輸入するのかを、あれこれ考えました。
一人だけで考えるのではなく、様々な角度からディスカッションしたいと思い、Facebookに「反転授業の研究」というグループを立ち上げ、メンバーを募り、8回にわたって勉強会をしました。
メンバーの多くは、E-Learningに関わっていたり、教材開発に関わっていたりしていて、E-Learningの部分については、理解がかなり深まりました。また、SNSやゲーミフィケーションなど、動画講義を組み合わせる概念についても、理解が深まりました。しかし、肝心の教室で何をやるかという部分については、
「アメリカと日本では、いろいろ環境とか背景が違うからねー。そのまま持ち込んでもうまくいかないよねー。」
という感じで、行き詰った感がありました。
そこで、一度、勉強会を中断しました。
数週間前に、グループワークについて調べていて、アクティブラーニングのことを知りました。
僕が不勉強で知らなかっただけで、ずっと以前から日本でグループワークを実践されている方々がいらっしゃったのです。
アクティブラーニングの普及活動をされている小林先生や、高校で実践されている何人かの先生にお会いしたり、オンラインでお話をうかがったりするうちに、日本で反転授業が成功するとしたら、アクティブラーニングを土台にし、グループワークの時間を確保するための補助として、必要とあればIT技術を使うという方向性がよいのではないかと強く感じるようになりました。
iPadなどなかった頃に、プロジェクターを使って最初の10分で簡潔に説明を終え、残り時間をグループワークに充てるなど、現場では様々な工夫がされてきたのです。
それらは、日本の環境を踏まえた上で、工夫して、実践されてきたものです。
アメリカから実践例を学ぶよりも、アクティブラーニングの先生方がどんな実践をされてきたのかを学ぶほうが、直接的に役に立つと思いました。
何人かの先生からお話をうかがって、一番大切なのは、教師のスキルの変化だと思いました。
これまでのような「講義スキル」ではなく、教材や学習をオーガナイズしたり、グループワークがうまくいくように運営したりというスキルが必要になると思います。
そして、日本でこれらのスキルを持っているのは、アクティブラーニングを実践している先生方なのではないかと思います。
反転授業を日本で成功させるための一番うまくいきそうな方法は、E-Learningの教材作成、または、教材使用のノウハウを学び、さらに、アクティブラーニングの実践例からグループワークを効果的に行うファシリテーションスキルを学ぶという方法のように思います。
E-Learningに9年間取り組んできた僕は、これから、アクティブラーニングについて実践しながら学びたいと思っています。
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