「将来やりたいことを動機づけにして学ぶ」ことについて
11/3の反転授業オンライン勉強会のテーマは、前回に引き続き、ファシリテーションです。
教育現場でのファシリテーションの目的は、生徒の主体的な学びを引き出すというところにあると思います。
主体的な学びということを考えたとき、思いつくのは、
(1)「やりたいことをやる」
(2)「夢をかなえるために頑張る」
といった言葉です。
先日、(1)について、幸福論との関係から考察したところ、多くのコメントをいただき、理解を深めることができました。
今回は、(2)について皆さんと考えたいと思います。
(2)については、 児美川 孝一郎さんが、『キャリア教育のウソ』の中で、とても重要な問題提起をしています。
夢や希望を持ってストレートに仕事に結びつく人はほとんどいない、そして、多くの人が人生の途中でキャリアチェンジをするという現状の中で、「夢をかなえるために頑張る」というような動機づけは、本当によいのかという疑問が湧いています。
また、「夢」というものを早い段階で持つことによって、それと関係のないものを、早い段階で捨ててしまうことのリスクもあるのではないかと思います。
さらに、自分の夢が、社会的に見てどのような意味があるのかを理解するためには、その夢をとりまく広い状況に対する理解が必要になってくると思います。
自分自身は、成功者と呼べる人生をここまで送ってきたわけではなく、どちらかというと挫折が多いキャリアだと思っていて、若いころは、順調にキャリアを築いていく同級生に比べて、自分の状況を残念に思っていましたが、今になって考えると、順調ではない人のほうが多数派で、予想外の状況の中でも、まわりを把握し、自分自身のできることを考え、やれることを見つけていく力を持つことが重要だと感じています。
試しに自分のキャリアを図で表したものと、Learning Treeを描いてみたのですが、自分のやってきたことを振り返って、一貫して夢を追いかけたというよりは、あちこちに根を張って、うまくいったところにリソースをつぎ込んで、そこを太くしていったという印象を持ちました。
主体的な学び=あちこちに勢いよく根を張ること
と考えるほうが、「夢」で牽引するよりも、自分にとってはしっくりきます。
みなさんにとっては、いかがでしょうか?
反転授業オンライン勉強会「ファシリテーション(2)」は、11/3 21:30からです。
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