近大附属高校 英語教諭 江藤由布さんにインタビュー
7月28日(月)の反転授業オンライン勉強会で登壇してくださる江藤由布さんにインタビューさせていただきました。
※江藤由布さんのブログ All Englishの授業アイデア[iPad,反転授業,Active Learning]
江藤さんは、日本人の両親を持ち、海外に長く住んだ経験がないにもかかわらず、日本語と英語の両方を自由に操るバイリンガルです。
江藤さん自身が、どのような英語教育を受け、2つの言語を自由に使えるようになったのか、最初に質問しました。
3歳から母親がはじめたオリジナルの英語教育
江藤さんは、どのようにして英語を学んできたのですか?
私の場合はかなり特殊な環境でした。両親が英語が苦手だったので、子供には英語を話せるようになってもらいたいと思っていたようです。
大学教授の父の仕事の関係で、3歳のときに9か月間、アメリカに住みました。母は英語が苦手だったのですが、子供に英語をマスターさせるためには、まず自分ができなければならないということで、アメリカの大学に入学して勉強しました。
日本に戻ってきたころには、日常的なことは英語で不自由なく話せるようになっていました。
3歳児で英語が喋れるようになっても、そのあと、英語を続けないと消えてしまうと思います。また、ボキャブラリーを増やしていかないと年齢相応の英語を話せるようにならないと思います。日本に戻ってからは、どのように勉強したのですか?
母が全くのオリジナルのやり方で英語教育をやりました。テレビは英語でしか見ていませんでした。当時は『セサミストリート』とか『奥様は魔女』とか、海外のテレビドラマの音声多重放送をやっていたので、それを英語で見ていました。また、大量の読書を課せられました。英語の歌のカラオケセットもありました。その結果、小3のときに英検2級を取りました。
徹底していますね。海外駐在とかで子供のときに英語が喋れたという人は多いと思いますが、帰国してから、日本で英語力を伸ばしていくのは並大抵のことではないと思います。ちょっと普通じゃないレベルですよね。まわりに同じようなことをやっていた人はいなかったんじゃないですか。
はい。母は孤独だったと思います。かなり厳しく仕込んでいたので、祖父母が止めに入ったりするほどでした。私は母も英語も嫌いでしたね。
それは、ずっと続いたのですか?
12歳まではつきっきりで、みっちり仕込まれました。小学3年生のときに英検2級を取ったら、ある程度、基礎ができたということで、宿題が課される形になりました。中学から地元の英語学校に行ったんですが、まわりの子がやる気をなくしてやめてしまってクラスが消滅するということが2回続けてありました。母への反発心もあって、12歳から16歳まで英語を勉強しなくなったんですが、16歳で短期留学してから、火がついたように猛烈に勉強し始めました。
朝起きたら英字新聞の一面を読んで、電車の中で『時事英語研究』という雑誌を読んで、暇な時間には英語でDictationをして、1時間100ページのペースで読書をしていました。
短期留学のときに、何があったんですか?
人生観が変わったのだと思います。人のためじゃなくて、自分のために勉強するんだということが分かったんだと思います。
英語の早期教育に対する不安は、主に2つあると思います。1つは母語の習得に悪影響を与えるのではないかということで、もう一つは、英語に限りませんが、親子関係や自立に関わる問題です。
日本に住みながら江藤さん以上に子供に英語を学ばせるのは難しく、江藤さんに母語の問題が全く生じていないことから、母語の習得への影響については、日本に住んで日本の学校教育を受けている場合は、心配する必要がないと思いました。
親子関係や自立に関わる問題は、慎重に考える必要があると思います。僕は子供のころから硬式野球をやっていたので、まわりには子供に野球の英才教育をしている親がたくさんいました。自我が芽生える前は、英才教育でスキルがどんどん伸びるんですが、自我が芽生えてくるにつれて、野球を嫌いになってしまってやめてしまうというという例をいくつも見ました。江藤さんの場合も同様の危機があったと思いますが、短期留学をきっかけに、自分のために勉強するということに気づき、子供のときに鍛えられたスキルを土台として利用して、英語力を自分の人生のために役立てていったというお話は、自立の物語としても、とても参考になりました。
江藤さんの教育実践
江藤さんが教育の分野に進もうと思ったきっかけは、何だったのですか?
私は小・中・高と学校の枠にはまらないところがあって、一斉講義で、座って黙々と勉強するというのが苦手だったんですよ。読書と自由研究しかしなかったような子供でした。大学の講義もつまらなくて、体育会系のアーチェリー部に入って部活に明け暮れていました。そんな私の様子を見て、父が「お前は会社員は向いていない。起業するか教員になれ。」と言ったので、高校の教員になることにしました。
子供のときからご自身は一斉講義が苦手だったとのことですが、教員になってどのような授業をはじめたのですか?
うちの高校は、4月に教科書をポンと渡されて、「明日から授業しなさい」で終わりなんですよ。他の先生の授業を見せてもらったりとか、学ぶ機会が全くないんです。最初の3年間は、新聞、小説、ラジオなど教科書以外のコンテンツを積極的に使って授業をしていました。
でも、その後、担任を持つようになったら責任が出てきて、偏差値を上げるためには単語、文法、訳読をやるのが効果的なんじゃないかと思い、3年間のサイクルを3回、それをやりました。3回目のサイクルのときに思った以上に進学実績が出て、単語、文法、訳読で大学入試まで持っていく方法は、だいたい確立したように思いました。
それをやりながら、「こんなくだらないことをやって、生徒はよくついてくるな」という葛藤が常にありました。
・・なるほど。
一方で、文化祭や総合学習には、ひときわ力を入れていました。たとえば、文化祭では大学の経営学部とコラボして会社を起業するというワークショップをやったり、総合学習で地震の研究をしたりしました。グループワークやアクティブラーニングを取り入れて英語と他の科目を融合させた取り組みをしました。これは、CLIL(Content and Language Integrated Learning:クリル)と呼ばれているものだということを後から知りました。英語の授業でたまった鬱憤を、こっちで晴らしていました。
アクティブラーニング&反転授業を始める
反転授業は、どのようなきっかけで始めることになったのですか?
3年間のサイクルを3回やった後、英語特化という特別クラスが初めて立ち上がり、それを担当することになりました。そして、2012年の末にiPadが導入されることになりました。その頃にYoutubeでアーロン・サムズさんの動画を見てFlipped Classroomのことを知り、自分がやりたいアクティブラーニングをやろうと思ったら、Flipped Learningで実現できるかもしれないと思いました。英語で情報を仕入れていたので、そのときは、「反転授業」という名前は知りませんでした。
アクティブラーニングで有名な小林昭文さんも、江藤さんと同じように、はじめは一斉講義型の授業をしていて、キャリア教育でアクティブラーニングをしていたそうです。その後、教科教育でもアクティブラーニングをできないかということで物理の授業にアクティブラーニングを導入したそうなのですが、そのときには、キャリア教育での経験が役に立ったそうです。江藤さんの場合も、総合学習や文化祭でアクティブラーニングを実践していた経験が、英語の授業にアクティブラーニングを導入するときに役立ったのではないかと思いました。
英語で情報をキャッチしている人は、日本語で情報をキャッチしている人とは情報収集力が違いますね。
10倍以上は違うと思います。主にTwitterで情報を仕入れているのですが、日本語だけで情報仕入れている人より10倍は情報を入れられていると思います。
江藤さんには遠く及びませんが、僕も英語で情報を入手するようになり、情報収集力が上がり、異なる見方に触れられるようになりました。インターネット後の世界では、かつてと英語を学ぶ意味が違ってきていることを実感しています。江藤さんの実践も、英語での情報収集力が土台になっていると思います。
反転授業を始めたのはいつからですか?
2012年12月から始めました。サイバーキャンパスが導入されることになっていましたが、最初からちゃんと動くかどうか分からなかったので、はじめは、生徒が持っているスマホを使って始められるようにしました。今は、iPadを使ってやっています。
江藤さんの試みは、同僚の先生からはどのように捉えられていますか?
最近、同僚の先生から、「江藤さん、iPad使って授業しているよね。どうやっているか教えてくれる?」と聞かれて、一緒にワークショップをやることになりました。とりあえずは、Show meというスクリーンキャストのアプリを使ってビデオを作ることから始めています。うちの学校では、そういうことは今まで一度もありませんでしたので、教師同士の学び合いの動きが生まれてきたことはとても面白いです。
英語特化では、どのような授業をされているのですか?
英語特化は週6単位の授業です。それを3分割しています。最初の2コマは教科書ベース、次の2コマはOxfordのSkills for Successという本を使い、最後の2コマはセンター演習に充てています。総合学習とロングホームワークの2コマは、1コマを英語の多読、もう1コマのうちの20分は英単語、残りの30分は自由に使っています。
単語は、ブルームのラーニングモデルの第1段階の暗記に相当します。私は生徒にいつも「学習力をつけなさい」と言っています。暗記と理解は自分でやるものだから自分でやらせています。生徒が自分で単語帳を選んで買ってきて20分間で自分で確認テストをしてパーセンテージだけ報告させています。
多読も本来は自分でやるものだけど、英語の多読を一人でやるのはつらいので、週に1時間は時間を共有しようということにしています。iPadの多読のアプリを使い、授業が始まるとiPadで読み始め、最後に1行程度でどんな話だったのかをまとめ、読んだページ数を報告してもらっています。
教科書ベースの2コマについては、訳読は全くしません。4日間(週に2コマなので2週間)で1サイクルするように設計しています。
1日目の授業では、生徒は予習で、単語調べ、内容理解、Edmodeでの正誤問題をやってきます。最初の授業では正誤問題の根拠を問うところから始め、発音をやり、内容の解説をします。
2日目の授業では、生徒は予習で、simplemind+というアプリを使い、教科書の内容についてのマインドマップを作って、私にメールで送ります。それと同時にPagesというワープロアプリを使って写真入りのまとめを作って授業に持ってきます。教室では、それを手にしながら英語でディスカッションします。英語でディスカッションするのは英語力がついてきた私のクラスでもすごく難しいのですが、マインドマップがあることで自信を持って自分の言いたいことを伝えることができます。ディスカッションした内容はA3の紙にまとめておきます。
3日目の授業では、A3の紙にまとめた内容をプレゼンテーションに仕立てていきます。授業の前半でプレゼン内容を決め、後半で発表して評価していきます。
4日目はテストです。私が難しいところについてShow meで解説ビデオを作っておき、生徒はそれを見てテスト対策をしてきます。授業の前半でテストを行い、後半、解説をします。
センター演習については、手とり足とりやるようなものではないのですが、近畿大学に推薦で上がる生徒はマーク模試の成績が重要視されるためやっています。ただし、生徒には、試験対策というのは筋トレみたいなものなのだから自分でやりなさいと言っています。生徒が勝手に40分間で問題演習して自己採点し、質問があれば私が答えるという授業形態です。
Skills for Successの授業は、教科書ベースの2コマと似たような流れで、プレゼンテーションのところが、エッセーのライティングに変わります。エッセーの添削にはShowbieというアプリを使っています。生徒ごとの共有フォルダを作り、生徒が課題をフォルダに入れる、教師が共有します。生徒が作ったエッセーに注釈をテキストでも画像でも音声でもPDFでもつけることができるのでとても便利です。
アクティブラーニングがふんだんに取り入れられていて、欧米の授業みたいですね。
先日、小林先生のブログを読んでいたら、「アクティブラーニングをやる先生は自分が経験したことのない授業をやることになる」と書いてありました。それを読んで気が付いたのは、私の場合は、ずっとアクティブラーニングのような学び方が頭の中にあったということです。夏休みにずっと顕微鏡観察をしていたり、自分で何かを調べたりしていました。こういうのが本当の学びなんだと思っていて、、それを授業に取り入れたら、後からアクティブラーニングという名前がついていたことを知ったという感じなんです。
江藤流アクティブラーニングは、どのようにできたのか?
この授業デザインは、どのようにしてできあがったのですか?
アクティブラーニングが絶対に力がつくと思ったきっかけは、アメリカに半年間行った経験でした。アメリカはそもそもアクティブラーニングの基礎がある国です。英語表現の授業でこのようなものがありました。先生が袋いっぱいのレモンを持ってきて、1つ1つのレモンについて詳細に英語で描写して紙に書きました。そのあと、紙を見てどのレモンについての描写なのかを当てるということをやりました。
アメリカでは、アクティブラーニングの土台があって、その先に反転授業が来ていますよね。
アメリカでは、もともとアクティブラーニングが主体で一斉講義の部分が少ないので、反転して講義を外に押し出したらアクティブラーニングだけになるじゃないかと思いました。一方、日本では、アクティブラーニングをやっているところが少ないので、講義を外に押し出してしまったら何が残るんだろうかと、最初に反転授業のことを知ったときに思いました。
反転授業の導入を考えるときに、アクティブラーニングの導入があって、その中で必然性が生まれて講義部分を少しずつオンライン化していくというのは自然なステップだと思いますが、一斉講義型から突然、反転授業に切り替えると、動画講義とアクティブラーニングという2つの未知のものに同時に取り組まなくてはならなくなるので難しいかもしれません。
その他に授業デザインの参考にしていることはありますか?
私がベースにしているのはアプリなんです。「こんな面白いアプリがある。どうやって使ってやろうか」というところから入るんですよ。今、アバターにしゃべらせるアプリを英作文の授業に使っているんですが、「アバターのアプリを見つけた→これを何かに使えないか→やる気をなくしている生徒のサポートに使おう→英作文の教材作成」というように頭が動いています。
江藤さんにとって、反転授業にするメリットは、アクティブラーニングの時間を確保できることの他に何かありますか?
私の授業で外せないのは、アクティブラーニングとオールイングリッシュです。オールイングリッシュにも反転授業は効果的です。文法の授業をオールイングリッシュでやると、分からない内容を英語で解説されて、分からないところがあっても質問も英語でしろと言われるので生徒にはきつかったみたいです。でも、解説ビデオを作ったらだいぶ楽になったようです。解説ビデオも基本的には英語で解説しています。
ビデオにすることで、分からないところは何回も聞き直すことができるという安心感が生まれるのだと思いました。また、必ず聞き取って理解しなくてはならない内容を分かるまで繰り返して聞くということが、とてもよいトレーニングにもなるのではないかと思いました。英語で文法の解説を行うということは、文法を理解することと、リスニング力の強化の一石二鳥で、非常に効果的だと感じました。
江藤さんがオールイングリッシュで授業をやり始めたきっかけは?
千里高校の授業を見学に行ったのがきっかけです。そこで、オールイングリッシュで授業をやっているのを見て、自分もできるんじゃないかと思って始めました。やってみると、オールイングリッシュにしたほうがはるかに効率が良かったです。日本語で説明すると間に挟まるものがあるんですが英語だと直接伝わるし、生徒がリスニングの練習をしなくても済むのもメリットです。以前はリスニング教材を購入してCDを聞かせていたりしたのですが、そういうのが要らなくなりました。オールイングリッシュにしてからリスニング力が伸びて、前回のマーク模試のリスニングでは、うちのクラスが校内でずばぬけて1番でした。
アクティブラーニングによって何が変わったのか
英語を学ぶ意味が10年前に比べて変わってきたんじゃないかと思うんですよ。江藤さんは、今、英語を学ぶ意味はどのようなことになると思いますか?
グローバル市民としての英語という要素が大きいと思います。うちのクラスは英語を結構使いこなせるんですけど発音が悪いんですよ。今は、アメリカ英語をきれいに発音するという時代は終わって、自分から英語で発信できなくては意味がないと思います。発音が悪くても語彙が少なくてもいいから、臆せずに自分から伝えていけることが英語を学ぶ一番の目的に変わってきているんじゃないかと思います。
そのためには、授業をどのようなものでなくてはならないと思いますか?
私はブルームのラーニングモデルの4以上のことがなければ意味がないと思っていて、生徒にできるレベルでアプリなどを使って噛み砕いてあげて4以上のことをやれるようにしています。それをやるためには、生徒の心のロックを外すのが大切だと思っています。英語で発信することに対するロックを外したり、今までやってきた英語の学び方に対するロックを外したりすることが必要です。生徒は中学生までプリント穴埋め学習を中心にやってきていますから、覚えて、受動的に理解するところまでしかできないんです。記憶、理解、適応を反転で外に置いて、授業で分析、評価、創造をすると、生徒が自らと記憶、理解、適応をやるようになってくるんですよ。それが、学習力の向上につながるのではないかと思います。
《参考》ブルームの思考スキルの6段階
1.【記憶】 適切な知識を、長期的記憶の中から「検索」し、「認識」し、「想起」するスキル
2.【理解】 口頭・文書・図表によるメッセージから意味を組み立てる、「解釈」「例証」「分類」「要約」「推測」「比較」「説明」のスキル
3.【適用】 ある手順を利用(ないし遂行)する、「実行」あるいは「適合」のスキル
4.【分析】 対象を構成要素に分解し、要素同士の関係や、全体の構造・目的を理解する、「区別」「整理」「帰属」のスキル
5.【評価】 基準や標準に基づいて判断する、「照合」「批評」のスキル
6.【創造】 要素を組み合わせて一貫性のある(ないし機能する)全体を形作る;あるいは要素から新しいパターンや構造を再構成する、「生成」「計画」「創作」のスキル
これは、アクティブラーニングの本質かもしれませんね。分析、評価、創造というエキサイティングな活動を体験することによって、そのために必要な基礎スキルの重要性を生徒は自分で身に染みて感じることができ、基礎スキルを身につける必要性をメタ認知することができるんですよね。
そうなんですよ。以前は、単語の小テストを3年間やり、16点未満はやり直しのワークシートを10回書いて出すというようなやり方をし、文法も同じようにやっていました。今年はそうではなく、単語の勉強は生徒まかせだし、文法も1回に数十ページ自分でやってこさせて、合格最低点は満点にして、生徒の自主性に任せています。そうすると、生徒からすれば、言われてやるものじゃなくて自分のためにやるという意識が生まれてきています。ディスカッションやプレゼンで自分の言いたいことを表現するために必要だし、英文サイトを読むときに単語力のなさを思い知らされるので、必要性を自分で感じて勉強するようになります。
なるほど。そうすると、生徒は、江藤さんから「自立した学習者」になることを、常にうながされるんですね。
そうなんです。去年持ったクラスのほうが学力的には全然上だったんですが、そのクラスでは一部の成績の良い生徒は発言力がありましたが、隅のほうでじっとしている生徒もいたんです。でも、今年のクラスでは、成績に関わらず、ほとんど全員が一歩前に出て発言できるようになりました。学習だけじゃなく、生活スタイルが変わりつつあるような気がします。学習面でも伸びが大きいです。
成果も出てきて、これからが楽しみですね。
「反転授業の研究」とかWebの情報とかで勉強して、だんだんアクティブラーニングのシステム的なところが自分の中で理解できてきたので、今度1年生を持ったら、さらにブレークできそうな気がしています。
江藤さんがアクティブラーニングを実践をする中で、気づいたことはありますか?
今回やってみてブレークスルーだと感じたのは、生徒自身が「これじゃだめだ!」と気がついて、自ら1つ上のレベルを目指し出したところが驚きでした。時間制限とか見ている人とかがいるほうが生徒は燃えるんだそうです。最初は発表させればいいんじゃないかと思っていたんですが、もっと上の課題を課すことで生徒が変わる可能性があるということに気づきました。
実践者の方にお話をうかがうと、行動変容は振り返りのときに起こるという話がいろんなところで出てくるんですよ。江藤さんのところでも、生徒自身が「これじゃだめだ!」と思ったことが、行動変容につながるのが面白いですね。
一度、プレゼンがすごく悪かったときがあったんです。それで、Edmodeにプレゼンのビデオをを投稿して、生徒に分析をさせました。(1)ついやってしまうこと(出来ていないこと)(tend to Do)、(2)できること(Can do)、(3)もっとよくできるところ(Should do)、という項目を作って、勝手にDCS分析という名前を作って、生徒にレポートで出させました。それを元にしてルーブリックを作りました。それが、たまたま、振り返りになっていたかもしれません。
江藤さんのお話をうかがって、アクティブラーニングの本質は、「燃える場」というところにあるということが再確認できました。「燃える場」が楽しいからこそ、そこで活躍したいという気持ちが生まれ、そのために基礎スキルが必要であることに自ら気づき、自分の意志で基礎スキルを磨き始めるという学習サイクルが生まれるのだと思います。
生徒が自分から気づくためには、手とり足とりサポートするのをやめ、生徒に任せるということも重要なポイントだと思いました。
江藤さんは、直感と嗅覚、英語での情報収集力を頼りに、学びが面白くなる方向を見つけ出していく能力がすごく高く、さらに、それを実現していく行動力もあり、すばらしいと思いました。
江藤さんがお話ししてくださる反転授業オンライン勉強会は、7/28(月)の夜に行います。
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