第20回反転授業オンライン勉強会「アクティブ・ラーニングを学校から解き放つ」

「反転授業の研究」の田原真人です。

アクティブラーニングが教育分野のバズワードとなりつつありますが、そもそもアクティブラーニングとは、何のためのものなのでしょうか?

学校という場が、未来の社会の準備の場だとすると、そこで、どのような準備をすればよいのでしょうか?

岩手県の大野高校の校長として、未来思考で様々な活動をされている下町壽男さんにお話をうかがいます。

日時:11/6(金) 21:30-23:00

場所:オンラインルーム GoToMeeting 第2部のグループワークでは、Zoomを利用します。

参加費:無料

登壇者:下町壽男さん(岩手県立大野高等学校校長)

タイトル:アクティブ・ラーニングを学校から解き放つ

※第2部では、ビデオチャットを使ったグループワークを行いますので、ビデオチャットの用意をお願いします。ビデオチャットの用意をされていない方は、メインルームでテキストチャットによるコメントでの参加となります。iPadからの参加も可能です。

アクティブ・ラーニングを学校から解き放つ

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<プロフィール>

岩手県立大野高等学校校長。

岩手県立盛岡第三高等学校(19962004年)、岩手県立花巻北高校(2004年~2009年)等を経て県外派遣教諭として青森県立八戸西高校に勤務(20092011)。岩手県教育委員会学校教育室「学力・授業力向上担当」主任指導主事(20112013)、岩手県立盛岡第三高等学校副校長(20132015年)を経て現職。担当教科は数学。2011年から授業改革と教員文化を変える取組を継続して行っている。著書に、『つながる高校数学―見方をかえれば、高校数学の全体像がわかる―』(2012ベレ出版)。現在、溝上慎一監修「大学・高校アクティブラーニング」(東信堂)執筆中。

下町さんのインタビュー記事はこちら

<内容>

「アクティブ・ラーニング」は、今や、初等中等教育から高等教育までをつなぐ教育政策の「キーワード」として浸透してきた感があります。しかし、確かに言葉としては市民権を得て、全国に流通されているように見えますが、学校現場では、その意図、理念が理解されず、単なるグループ活動を主とする授業形態という上滑りの状態で定着されつつあるような気がします。

そもそも、アクティブ・ラーニングが叫ばれる背景には、知識基盤社会、グローバル社会の到来といった、社会状況の急激な構造的変化の中で、地球規模で考え、行動し、世界に貢献する人材を育成することや、子どもたちを賢い市民に育て、共生社会に寄与し、参画するためのマインドセットを整えることが意図されているはずです。コンテンツベース(各教科・科目の目標・内容中心)からコンピテンシーベース(各教科・科目横断型の「資質・能力」重視)への変換というスローガンもそれに拠るところではないかと思います。

さて、では、子どもたちにそのような力を育てようとする学校組織や教員文化はどのようになっているでしょうか。

私は、教育現場において、その内部に横たわる問題が、往々にして外部の人間によってメスが入れられ改革が進められる、そういう他律的なシステムが、学校や、そこに携わる教員の体質としてあるのではないかと感じています。ひんしゅくを買うことを承知で述べると、アクティブ・ラーニングやキャリア教育を行うための必要条件は、それを語り、行う教師自身が、自らのマインドセットを整え、スキルアップを考えていくことではないかと思います。

ところが、特に公教育の教育現場は、ある種特殊な空間であって、基本的に前例踏襲型、内向きの経営形態が多く、教員も、変化を嫌い、学校という閉じた世界と教育行政という縦の関係の中だけで業務を行っている傾向が強いように思います。もちろん、それは、学校が多忙であるということにも起因しているかもしれません。しかし、いじわるな見方をすると、変革することや、自分を磨くことなど、本当はやりたくないから、瑣末なタスクに身を置いて安住しているように見えないこともないのです。つまり、「忙しいからできない」「瑣末なことに追われる」の言葉の裏には、「本当はやりたくない」というメンタリティが働いているように見えるのです。そのような中で、学校としてのアクティブ・ラーニングを組み立てることはとても難しいと思います。なぜなら、もしかしたら、管理職、職員両者がともに「アクティブ・ラーニングなんて本当はやりたくない」と思っている学校では、行ったという事実づくりのためだけのものしか実現できないからです。

私は、学校現場でアクティブ・ラーニングが、その学校の課題や育てたい生徒像に基づいたものとして機能するためには、積極的に外部との連携を行うことを提案したいと思います。その外部とは、地域や校種を超えた学校はもちろん、塾や教育関係のコーディネーター、キャリアカウンセラー、ソーシャルワーカー等々、そして、地域の中に確実に存在するであろう、学校と地域を結ぶイノベーターなど、クリエイティブな人々に広くアプローチしてネットワークを築くことが必要ではないかと思うのです。それは、学校としてでもあり、教師個人としてでもあります。そのことによって、外向きの視点から教育を見つめ、教師のマインドセットが整うのではないかと思うのです。

最近、電通総研が「アクティブ・ラーニング こんなのどうだろう研究所」を立ち上げました。学校現場にもアプローチするということで、準備が進められています。こういう、ビジネスソリューション的コンセプトによるアクティブ・ラーニングの構築は、えてして「這いまわる経験主義」に陥り、教科の深い学びにつながらないと批判する向きもありますが、私は個人的には興味があり、可能性も感じています。ですが、私は、電通総研の提示するビッグビジネスに丸投げするのではなく、それぞれの学校が自分たちの頭で考え、創意工夫を凝らし、他者と繋がりをつくっていくことで、同じようなことを草の根的に行えるのではないかと思うのです。

なぜなら、この「反転授業の研究」というグループが、それだけの力量と可能性を有したアクティブな組織体であり、今回のセッションも含め、実際に、様々な活動が随処で起こっていることがその例証でもあるからです。

今後、そのような連携をどう作り、どんなコンテンツを開発するか。また、その中で、教師のマインドセットをどう整えていけるか、その学校や地域の求める生徒像をどう実現していくか、評価の方法の斬新なアイデア、など、未来型の楽しい教育現場について議論できればと思います。

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