共創(Co-Creation)はパワーを生み出しながら広がっていく

「反転授業の研究」の田原です。

ずっと個人で仕事をしてきた僕が、「反転授業の研究」に関わるようになり、生まれてはじめてコミュニティの運営をしたり、オンライン勉強会を企画したり、インタビュー記事を書いたり、それが何を意味するのか分からないままに、手探りでいろいろやってきたんですけど、その中で、

「もやもやしたところから、自分一人で伸びていくのは難しいけど、他人が媒介になってくれると、それを足場にして伸びていけるようになる」

というパターンと、繰り返し、繰り返し、いろんなレベルで出会いました。

僕の中では、これが、

「共創(Co-Creation)」が起こるメカニズム

なんじゃないかという確信が、日々高まっています。

 

共創が起こると「1+1=美」になる

意味が分からないままに直観に基づいてやっていることに対して、あるとき、誰かが、

「あなたのやっていることは、このような価値がありますね。」

「あなたのやっていることのおかげで、私は助かりました。」

などと教えてくれるときがあります。そのときにはじめて、自分のやっていることの価値を信じられるようになり、その方向に力強く踏み出せるようになるのです。

 

このことに気づいたきっかけの1つが、インタビュー記事でした。

もともとは、オンライン勉強会の登壇者を紹介するために、インタビューをして記事にまとめていたんです。

相手の話を傾聴し、その人のやっていることがどのような価値があるのかということを自分の視点で書いていきました。

すると、インタビューされた側から、「田原さんからインタビューされたことをきっかけに、行動できるようになりました」という声をいただくようになりました。

僕のインタビューが、相手にその人が持つ価値を知らせることになり、

さらに、インタビューされた相手が、僕にインタビューすることの価値を教えてくれたんです。

 

このように、お互いに引き出す関係は、

1+1=2

じゃないんです。

1+1=美

だと思います。

U理論の翻訳者で、Co-Creation Creatorsの由佐美加子さんは、

「美に触れると元気になる」

と言っています。お互いがお互いの力を引き出しあう共創が起こると、心の底から元気が出てくるんですね。

実際、僕は、「反転授業の研究」で、たくさんの人が、意味が分からずにやっている行動に対して「価値」を与えてくれたおかげで、どんどん伸びていくことができるようになり、本当に元気になりました。

 

kyousou

共創が起こる「場」には、美が溢れる

1対1の関係ではなく、「場」の中に、お互いがお互いの媒介になるようなつながりが無数に出来上がるとどのようなことになるでしょうか?

自分以外の誰かの媒介となり、その人が伸びていくのを助けようというマインドがコミュニティに溢れたら、すごいことになるのではないでしょうか?

いたるところから、ものすごいエネルギーが溢れてきますよね。

最近、杉山沙奈さんが考えた「後押しシステム」が動き始めました。

これは、自分の周りの誰かに「あなたのやっていることには価値があるからみんなにシェアしてください」と推薦する仕組みです。

お互いが誰かの媒介になっていこうという仕組みです。

自分のやっていることの価値に確信が持てなかった人に、外から価値を伝えることによって、次々と出てくれるようになる後押しシステムは、コミュニティのいたるところで「共創」を引き起こしていくと思います。

「反転授業の研究」に「美」が溢れて、一緒に元気になっていくというイメージが湧いています。

 

共創(Co-Creation)の輪は、エネルギーを生み出しながら広がっていく

「反転授業の研究」を始めた2年前、こんなことを考えていました。

21世紀スキルや学び合いを広めていこうという僕自身は、学び合いの経験を持っていない。

まずは、オンラインコミュニティで学び合いをして、その体験を通して分かったことを、それぞれが教室に持ち込んでいこう

団塊ジュニア世代の僕が受けた教育は、おもいっきりトップダウンの一斉講義型の授業ですし、仕事も予備校講師と自営業だったので、協力する、コラボレーションするということがどういうことなのか、当時は分かっていなかったのです。

でも、体験を通して「共創(Co-Creation)」の原理に出会った今は、確信を持って、その価値を発信できるようになりました。

 

トップダウン式に管理する場合、管理者がパワーを独占し、管理しやすくするために被管理者のパワーを削いでいきます。

被管理者の数が増えると、管理者はもっとパワーが必要になります。

管理者が持つことができるパワーの限界がボトルネックになり、組織を維持できる限界になります。

さらに、パワーを管理者に集中させて組織を維持するために、情報格差や機会格差が利用されることもあります。

 

しかし、コントロールを手放して共創が起こるようにすると、各メンバーからパワーが溢れだします。

百花繚乱に咲き乱れたメンバーの多様性が、組織の創造性の源になります。

このような組織にはボトルネックが存在しないので、シンクロしながら横へ横へ広がっていきます。

「反転授業の研究」に共創が起こり、「美」に触れて元気になった教師たちが、それぞれの教室で共創を引き起こして生徒を元気にしていくと、どんなことが起こるでしょうか?

3000人を超えるメンバーが、それぞれの現場で共創を引き起こしき、それが、さらに派生していったら、どんなことが起こるでしょうか?

夢が広がっています。

kyouso-wa
 

 

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